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CADU TENÓRIO – Rimming Compilation [SW0164]

 CADU TENÓRIO – Rimming Compilation [SW0164]

 – Tracklist –

 Liquid Sky
 01. A
 02. Cyberia (Digital Deathru)
 03. Nozsa Wars
 04. Star
 05. Pirease
 06. Death In Midsummer
 07. Enter The Void
 08. 玄野 計
 09. Mima
 10. アスカ
 11. 2300 AD
 12. Z



 - 06. Death In Midsummer


 Phantom Pain
 01. Goodness Is Only Some Kind Of Reflection Upon Evil
 02. I Am A Sinner
 03. Music For Airports (Airplanes, Hope And Sadness)
 04. LOVE (And Everything In Between)
 05. Destroying Everything (Grindcore)



 - 01. Goodness Is Only Some Kind Of Reflection Upon Evil


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 Release Date : 2016.09.06
 Label : Brava / sinewave

 Keywords : Abstract, Ambient, Electronic, Noise, Sample-Based, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ Cadu Tenório on Facebook / on bandcamp


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ブラジルのアーティスト、CADU TENÓRIO。これまでにも複数の名義を用いて、多くの作品を、自身のbandcampやネットレーベルからリリースしてきています。作品の性質に合わせて名義を使い分けているようですが、わりとアブストラクトなサウンドが多く、メロディの立ったものは少ないように感じられます(すべての作品を聴いているわけではないので、反対意見もあるかもしれません)。field recordingsやtape loopsのほかに、さまざまなサウンド、効果音を用いた作風には、サウンドアーティストという呼称が似合うかもしれません。

そんな彼の作品がブラジルのネットレーベルである、sinewaveとBravaからリリースされています。“Liquid Sky”“Phantom Pain”、合わせてRimming Compilationという扱いになるようで、2作同時リリースです。表裏一体といいますか、2つ合わせて完成するということでしょう。なので、決して短い作品ではありませんが、ひとつを聴いたなら、もうひとつも聴くべきかと思いますよ。

で、まあコンピレーションのタイトルの意味もよく分からないんで調べちゃったりするんですが、この“Rimming”って“ア●ル舐め”って本当なのですか。いやどういうニュアンスで使ってるのか実際分かりませんが、少なくともネットの中では圧倒的多数で“Rimming”=“ア●ル舐め”。“ア●ル舐めコンピレーション”ってなかなか歌舞いてるじゃねーか!気に入った!(あんまり書くともともとない品位がさらに損なわれるのでこのワードはこれ以上使いません)。

肝心のサウンドですが、一言でいうならVaporWaveだと思います。リリース側ではその言葉は使われていないようですが、サンプルベースの編集感とモコッとした膨張感、機械的音声(Google翻訳に朗読させたような)による、たどたどしい日本語の挿入、それによる歪さ、また、玄野計、アスカといった日本の漫画、アニメから引用されたと思しき人物名を用いながら、それがサウンドに直結していない不可思議感、総じて醸し出される決して明るくはない、それでいて煙に巻くようなこの佇まいにはやはりVaporWaveという言葉がよく似合います。加えて“Cyberia (Digital Deathru)”のミュージック・ビデオは、冷めたエディットサウンドをさまざまなダンスムードに乗せて流し、そこに生まれる冷徹な視線、思考がサイコを感じさせるナイスな映像なのだけれど、一部に“PERFECT BLUE”使用されていて、やっぱり方向性としてはVaporWaveを強く感じます。具体的に言うとOPNの“R Plus Seven”の影響があるような。狂騒と、冷たさと、不安と、宗教感。灰色の地下通路―息詰まりと内臓感覚。

というのは“Liquid Sky”の話で、“Phantom Pain”はけっこう何というか、いろんな意味で面白く、そしてシンドイかもしれません。M-1‘Goodness Is Only Some Kind Of Reflection Upon Evil’なんてエロさとエグさがまぐわったこのグロテスクかつ荘厳な音像は何でしょうか。苦悶、嘆きの声からやがて口淫の様子へとスライドしていく20分弱(!)のサウンドアート(と呼ぶべきなのか)。途中一回オーケストラルな感じといいますか、ブワッと包み込んでくるような音空間になるのが面白いですね。残りのトラックもこの流れで行くのかと思いきや、続く3トラックは静かめの荘厳Ambient、ラストはスクリームなNoiseから狂宴の終幕を示すかのようなサイレントな幕引きで締められています。

正直何回も聴けるような作品ではないかと思いますが、頭の中が混乱しているといいますか、考えることがありすぎて、でもそれは別に考えなくてもよいことで、でも考えちゃう、こいつをなんとか黙らせたい、なんてときに、聴いてみるとよいのではないのでしょうか。ぜんぜん即効性のあるサウンドではありませんが、不思議なパワーを秘めていることは間違いありません(“不思議なパワー”とかいうなんと胡散臭い表現!)。過去のサウンドに付随するビデオも見てみましたが、けっこうグロテスクな表現があったりして(映像は引用がほとんどですが)、私の好みです(とプライベートではなかなか大きな声でいえないので、ここで言っておくのです)。

にしてもsinewaveといえばPost-Rockというイメージがあったので、こんな作品も出すんだなあと少し驚きです。と、書いたところで気づいたのですが、このCadu Tenório、過去にも同レーベルからリリースしてまして、私のHDにも入ってました・・・! 失念しておりましてすいません・・・。情けない締め。


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Cadu Tenório – Procissão (from Vozes






Cadu Tenório – Cyberia (Digital Deathru)



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Credit :


 Liquid Sky

Recorded by Cadu Tenório at 503 except “Nosza Wars”, “Enter The Void” and 2300 AD recorded at centro municipal de arte Hélio Oiticica. by Emygdio
Mixing: Cadu Tenório & Emygdio
Mastering: Emygdio
Art: Lucas Pires
Photos: Fernando Teixeira

Additional screams on “Nosza Wars”, whispers on ” Enter The Void” and objects on”2300 AD”:

Gaspar Cohen Cordeiro, Mariana Miguel Khouri, Mauricio Mattos, Rafael Marinelli, Rafael Bandeira, Nicolas Espinoza, Pedro Rangel, Eduardo Mariaachi, Carlos Messina, Wisrah Villefort, Daelma Xavier and Malu Laet

Additional field recordings on “Enter The Void” by Mallu Laet

Cadu Tenório: Samples, synth, voices, amplified objects, field recordings and tapes,

Released by Brava & Sinewave


 Phantom Pain

Recorded by Cadu Tenório at 503 except “Nosza Wars”, “Enter The Void” and 2300 AD recorded at centro municipal de arte Hélio Oiticica. by Emygdio
Mixing: Cadu Tenório & Emygdio
Mastering: Emygdio
Art: Lucas Pires
Photos: Fernando Teixeira

Cadu Tenório: Samples, synth, voices, amplified objects, field recordings and tapes,

Released by Brava & Sinewave



MIXTAPE : OCEAN WAVES




– Tracklist –

 [00:00] 01. b o d y l i n e – Castles in the Air
 from “PHOTOGENICA” (2016)

 [3:00] 02. Aokigahara Online – Kumo
 from “Kumo” (2016)

 [8:51] 03. Aario Drgento – 雨
 from “彼岸” (2014)

 [12:19] 04. 幽霊, TOGETHER! – M i A m I L i G h T s
 from “M i A m I L i G h T s” (2015)
 :: 元ネタはDan Siegelの‘Where Are You Now’のようです。::

 [16:55] 05. 豊平区民TOYOHIRAKUMIN – メモリーレーン
 from “メモリーレーン” [nmpDATA030] (2016)

 [20:47] 06. Final Heal – A Faerie Song
 from “A Faerie Song” (2016)



s a k i 夢 – 虹色[PS_29]

 

 – Tracklist –
 01. 混乱しました
 02. 水中カリンバ
 03. 赤と緑 / 虹色
 04. ダブルテール



 - 01. 混乱しました


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 Release Date : 2016.05.20
 Label : Pizzabox Society

 Keywords : Ambient, Deep, Fish, IDM, Techno, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ s a k i 夢 on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter

  ≫ Kai Beckman


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アメリカはカリフォルニア州のレーベル、Pizzabox Societyより。fishvaporを標榜するs a k i 夢の作品がリリースされています。本体は(おそらく)Kai Beckman。もともと“魚の音楽”と銘打って多くの作品をリリースしてきていますが、そこから派生してのサイドプロジェクトになっているようです。コンセプト的には、ペットの魚がみる夢、という形になっているようで、他の作品においても彼(fish)のモノローグのような短文が付されています。

今作はs a k i 夢としては“夢の中で失われました”、“ノヴァーリス”に続く3つめの作品となっています。“ノヴァーリス”から始まった“水族館 series”のpart2にもなっています。音楽っていうのはやっぱり空間を形作る大きな要素になり得るので、空間演出の目的で使われることが多くありますが、当然水族館(という空間)を演出、テーマにした作品というのも、少なくないと思います。私が真っ先に思いついたのは、かつてPeace Records(HAYABUSA LANDINGS内のレーベルでしたが今は機能してないですね多分…)から発売されていた、その名も“aquarium”というコンピレーション(2004年リリースですってよ! 時間が経つのは早い)。音楽的にも遠からずで、重なる部分は多くあると思います。

VaporWaveというワードも用いられていますが、それを期待していると、間違いなく肩透かしを食らうでしょう。個人的にはVaporWaveらしさというやつはほとんど感じられません。ちょっとモコッとした音作りは影響受けているのかなと思いますが、それはVaporWaveに直結するわけではないし、アダルティなブラスの挿入とかがきっとVaporWaveらしさになるのかなあ…という程度。あからさまなChipped & Screwedがあるわけでもありません。

核になっている音楽性はDeep Ambient/Deep Technoなんでしょうね。それはKai Beckmanの音楽を聴いていても感じることです。Kai Beckmanに関してはもう少しメロディに意欲的な傾向があるし、使われている音色も豊富であるような気がしますが、大きく異なる音楽をやっているわけではないようです。s a k i 夢も、以前の作品にはちょっとNewAge調の部分もあったりして、素直にVaporWaveの影響を認めることもできましたが、今作に関してはAmbient/Drone調のレイヤーを使っていながらも、そういったフィーリングはなく、あくまでDeepなAmbient/Technoのまま、全編が流れていきます。

リズムを入れずにAmbientな浮遊感を押し出して、ドリーミィなタッチを強調してもよかった気がするんですが、リズムパターンもDrum‘n’Bass調のものがあったりしてフラット一辺倒ではないので、逆に単調さを回避しているのかなと思ったりもしますし、幻想的な中にもエモーショナルな部分が感じられて、それはそれで面白い、ユニークな部分です。

“新たにやってきたペットの魚が入れられた水槽は、自分がいる水槽とは部屋の反対側にあって、彼の姿はよく見えない。彼の体は赤色だと思うんだけど、たまになぜだか緑色に見えたりもして、でもきっとそれが彼の名前が“虹色”である理由だろう”というファンタジックなメッセージ、それを補強するジャケットイメージ(この仄暗さにあるちょっとした内向性というかミステリアスな空気、最高です)を頭に置きながら聴くと、よりディープに楽しめると思います。

Kai Beckmanの音楽もすてきなものが沢山あるので、いくつか貼らせてください―



– proxy and things(from “sleepingfish ep”)



– Lieben (from “Ein”)


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the human brought in yet another fish today. his tank is on the other side of the room since there is no more space on the owner’s desk. I can’t really see him from here, but I think he is red. it is weird though, because sometimes he looks green. maybe that’s why his name is nijiro…

part 2 of the 水族館 series.



Yikes – Commercial Music [VRS004b]

 Yikes - Commercial Music [VRS004b]

 – Tracklist –
 01. twinklejam
 02. thought you’d say
 03. double bacon cheese
 04. in the mouth a desert (pavement cover)



 - 01. twinklejam


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 Release Date : 2016.05.13
 Label : Viridian Sounds

 Keywords : Alternative, Indie, Shoegaze.


 Related Links :
  ≫ Yikes on Facebook / on SoundCloud


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アメリカはフロリダ州タラハシーのレーベル、Viridian Soundsより。4人組バンドYikesの作品がリリースされています。同時にIt Takes Time Recordsからもリリースされているのですが、そちらはNapsの“The Most Beautiful Place on Earth”とのスプリット。収録されている内容は今作と同一です。ちなみにNapsの同作もViridian Soundsからリリースされています。

M-1なんか聴くと、カッティングギターと小気味よいリズムの疾走から始まったりして、実に爽快、風通しがよろしくて、このにおい立つインディーな感じが堪らなかったりするんですが、中途でスローダウンして入ってくるギラついたオリエンタルなフレーズがまた琴線を揺さぶってきまして、一気にサイケデリックなサマー感を打ち出してきたりして、なんかナンバーガールとか思い出しちゃったりするんですよ。

ほとんどヴォーカルも入ってないしもしかしてインストバンドなのかなとか思ってたら、M-2はぜんぜんウタモノになっていて、しかもM-1のような軽快な調子のものではなくて、ミドルテンポの酩酊的な歌唱とバーストしたギター、それから相変わらずのサマーなギターが織り交ざる、90年代のオルタナ/グランジを感じるといいますか、M-3にあるダルな歌唱からエモーショナルなシャウトへの展開ですとかを聴いてもやっぱりその辺りからの影響が色濃いのかなと思います(遡ればPixiesとかになるかと思いますが)。M-4でPavementをカヴァーしていることからして、その証なのかもしれませんね。

特別にPopというわけでもないし、ダンサブルなリズムがあるわけでもないし、私に関していえば歌詞を理解できているわけでもないのに、心を震わせられるのはなぜなのでしょうか。どこか懐かしい景色が見えているということもあるかもしれませんし、眩惑的な夏の風景がバイオリズムの波にマッチしたのかもしれません。Shoegaze通過後の気だるさといいますか、嵐のあとの脱力みたいな、空虚な雰囲気がときどき顔を出すところも好きなのかもしれません。

冒頭で触れたNapsも、Lo-Fiギターサウンドと男女混声のPopサウンド(曲のバリエーションも豊富)で、とてもよいバンドですので、気になる方はぜひ聴いてみてください。だったらスプリットの方で紹介しろよって話ですけど、そこはまあ、ね! でも1曲だけ貼らせていただきましょう―



 - Naps – the most beautiful place on earth is the moon : エバーグリーンな風って感じですね。



Twinkle Park / Larksburg – Twinkle Park / Larksburg Split [PP08]

  Twinkle Park / Larksburg - Twinkle Park / Larksburg Split [PP08]

 – Tracklist –
 01. Larksburg – Make it That Way
 02. Larksburg – Something, or Rather
 03. Larksburg – Those Sheets
 04. Twinkle Park – Space Case
 05. Twinkle Park – Your Wierd
 06. Twinkle Park – In December



 - 01. Larksburg – Make it That Way



 - 04. Twinkle Park – Space Case


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 Release Date : 2016.03.05
 Label : Petal Port Music

 Keywords : Alternative, Electronica, Indie, Neo Acoustic, Post-Punk, Pop.


 Related Links :
  ≫ Larksburg on Facebook / on bandcamp / on Tumblr

  ≫ Twinkle Park on Twitter


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2014年から始まったインディーレーベル、Petal Port Musicより。Twinkle ParkとLarksburgのスプリット作がリリースされています。bandcampでは販売が行われていますが、レーベルのウェブサイトからはフリーでもダウンロード可能になっています。

Twinkle Park とLarksburgというアーティストによる作品なわけですが、“Larksburg is: Brett Hanley”、“Twinkle Park is: Nik Clay”という記述もありますが、もう少し詳しく読んでみると、Larksburgというのはもともとバンド形態で活動しているようで、Twinkle ParkことNikもそのメンバーである、もしくはメンバーであったようです。最新の情報を手にしていないので分かりませんが、bandcampなどでメンバー構成を見る限りLarksburgは4人組であり、Nikもメンバーに含まれています。いずれにせよ、今作に関してはLarksburgはBrett Hanleyのソロプロジェクトとなっています。

ということで中身のお話ですが、まずLarksburgに関しては、これまでに発表している音源とカラーが違う! これまでは、鋭く、そしてザラついたヘビーなギターサウンドが印象的なAlternative/Shoegazeな、どちらかというと翳りのあるものがほとんどだったのですが、そのイメージで今作のM-1など聴くと、ひっくり返りそうになります。この瑞々しいギターやバックに流れるさわやかなコーラス、メロディを前面に押し出した音作り、紛れもなくPost-Punk~(日本で言うところの)ネオ・アコースティック・サウンド! Brettのヴォーカルはこれまでと変わった気がしないにも関わらず、このちょっと調子はずれな、飾らないスタイルがまた、どう聴いてもネオアコ。キラキラしたギターの音色と結びついたそんなヴォーカルを聴いていると私が思い出すのは、学生時代のCD屋巡りであった。インターネットや店頭の注文ですませることなく、なぜかひたすらアチコチのCD屋をさすらって、めぼしいものを見つけるという行為を行っていた、夏。手段は主にチャリンコというところがまた青春というかティーンエイジドリーム。遠方まで出たときにそんなに仲良くもないクラスメイトと出会ってしまって“お前なんでこんなところに?”って顔されたことも、思い出ですね。話逸れてるわ。そんなこんなでギターポップ、ネオアコファンには非常にお勧めのM-1~3になります。

Twinkle Parkもすでに名前がキラキラしてますが、これも前半の流れを引き継いでいるといいますか、もうちょっと打ち込み感というかマシーナリーな触感が強くはなりますが、依然としてさわやかな音像。Indietronicaという言葉が似合うかなあと、個人的には思っております。M-4, 5はダンサブルなリズムを使ったトラックになっていて、電子音楽寄りですが、ラストの‘In December’はタイトルから想像されるようなドラマチックな仕上がり。ギターやオルガン、シンセなど様々な楽器をちりばめて、哀愁漂いながらもどこか長閑な風景を演出。心が休まります。

Twinkle Parkとしての音源は同レーベルから出ている“Orange”というものがあるのですが、そちらは習作の雰囲気も漂うVocaloid作品(!)なのです。なんで今作とはまた少し傾向が違います。最新の音源はどうやら上記の“Orange”にリミックスや新曲を加えた(Reworkとあるので既発の音もいじってるのかもしれません)CD、その名も“Orange+”のようです。今のところ彼のライヴで販売されているのみのようですが、ネットでも販売をするつもりのようなので、気になる方は上記Twitterをチェックしてください。今のところ他に音源が発表されている形跡がない、というか発表の場すら設けていないようですが、ここからが始まりのようですし、今作はインストゥルメンタルですが、これからは歌を入れていくつもりのようなので、きっとこれから先にリリースを行ってくれることでしょう。期待しております。個人的にはM-6のようなバンド感も備えたトラックが好きなので、ぜひそちらの方面で。

各トラックほとんど2分台という非常に短い作品であっという間に終わってしまいますが、インディー感あふれる素敵な作品だと思います。是非。


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 Credit :

Larksburg is: Brett Hanley – vocals, lyrics, guitars, bass, drum machine.
Recorded, produced, and mixed by Nik Clay at his house in November 2015.

“Thanks for listening and supporting Larksburg! I went back to a ‘solo project’ for this split, but I still consider Nik, Dylan and Cody a part of the band. Look forward to hearing them in Eye Contact, out soon on Petal Port! (Eye Contact was recorded prior to the split)”
-Brett

Twinkle Park is: Nik Clay – synths, guitars, chord organ, samples.
Recorded, produced, and mixed by Nik Clay across two homes in 2015-2016.

“This split signifies the last of a lot of Twinkle Park trends, and the beginning of a lot for me as an artist. For one, its the last time I’m going to release a fully instrumental album (my songs are, at least). From here on out I’m going to sing (more accurately: yell) on my Twinkle Park material. This was also a transition between two DAWs, from Reaper to Logic. There was a lot of change and growth over the course of these songs being written and being finished, actually, and I hope that the music reflects that growth.”
-Nik

Album art by Nik Clay

Mastered by Tim Lindsay

Brett and Nik thank: Spencer Jordan, for letting us borrow his bass, Brett’s Dad, for driving him and his equipment to Nik’s house to record, Nik’s stepmom and sister, for putting up with the constant noise from across the hall through 5 albums, Nik’s Mom, for teaching him how to use her scanner to scan the album art, Alyssa Dalangin, for listening to these demos and working mixes a thousand times, and Tim Lindsay for mastering literally everything Brett and Nik have ever worked on.



At Work – A Thousand Blended Notes [PATH20]

 At Work - A Thousand Blended Notes [PATH20]

 – Tracklist –
 01. The Air
 02. Every Flower
 03. Seemed
 04. All I Can
 05. Sate
 06. The Least Motion
 07. Twigs Spread
 08. Fair Works



 - 01. The Air


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 Release Date : 2016.04.08
 Label : Batona Music

 Keywords : Ambient, Electronic, No Beats, Sorrow, Early Spring.


 Related Links :
  ≫ At Work
  ≫ At Work on Facebook / on SoundCloud / on Tumblr / on Twitter


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アメリカはニュージャージー州パインバレーのレーベル、Batona Musicより。At Workの作品がリリースされています。以前にも“My Property”(2012)を紹介したことがありましたが、それ以来です。

リリースページのテキストによれば、early springを意図して作られたとのことです。これまでの8年間の毎(早)春に作りだされてきたというトラックたちですが、全8トラックであることを考えると、1年あたり1トラックという計算でしょうか。

早春というとみなさん何を、どんなことをイメージするでしょうか。私などはいささかの胸のときめきというか、ざわめきというか、これから訪れる新しい季節へのワクワクというか、ポジティヴとはまた違うのだけれど、心を前進させるような何かを感じたりもするのですけれど、ここにあるもの、このサウンドに込められているものはちょっとそれとは趣が異なっているように、私には感ぜられるのです―

It may be best experienced alone, perhaps on walks; from the first sign of spring to when that fresh spring green in the leaves turns to a more mature green. Then put it away till the early part of the season repeats again.

―確かにそう、ここにあるような孤独、のようなものが、今作を聴いていると、ひしひしと感じられてくるのです。なぜにこんなにも悲しい聴き心地なのだろうと、驚いてしまうくらい、悲しいのです。早春の何が悲しいのだろうと、考えてしまいます。冬が終わってしまうことへの悲しみでしょうか、あるいは春が始まってしまうことへの悲しみでしょうか。始まることよりも終わることの方が悲しい気がするので、前者でしょうか。早春にある終わりのイメージというと、私の中に出てくるのは、卒業式だったりするのですが、それとは無関係なのでしょうか。

申し訳ないことですが、私はAt Workのすべての作品に耳を通してきているわけではありません。そんな私が聴いてきた中では、これほどにAmbientに傾いた作品はなかったように思います。敢えてNo Beatsというワードが用いられていることからも分かるように、今作は彼のキャリアの中でも異色なのではないかと思います。普段は決して、明るいとは言えませんが、それでも電子的なビート、リズムを利用したトラックを多く作っていて、そこには多分に陰りもありますが、しかし今作のような露骨な感情性といやつを感じたことはありませんでした。

私が特に好いているのは、1曲目の‘The Air’で、聴くたびに、まさに胸が締め付けられるような、そんな感覚に陥ります。悲しみとはまた違うような気がするのですが、しかし危うく泣きそうになったことを考えると、やはり悲しみという表現が一番近しいのかもしれません。年齢を重ねるにつれて、感性が鈍くなっているような気がするということは、みなさんよくあると思います。多くの方がそう感じるということはそれは紛れもない事実なのかもしれません。成長して、自分につながる色々なものが増えて、そちらの方にエネルギーを使っている、使うようになってきている、ということも関係あるのかもしれません(この場合のエネルギーってなんだよって話ですが、厳密に定義はできませんので、感覚的にとらえて、察してください)。空の色の変化や、草木のにおい、空を飛ぶ鳥や地を歩く虫、確かに存在していながらも、私の中で忘れられていた何か、に気づかされたときに感じた喪失感、それが悲しみに結びついているのかもしれません。ひどく抽象的ですが、屋外に出たときに、鼻からいっぱいに空気を吸い込んで、鼻の奥がツンとしたときに、感じる何か、のような、そんな感じもあります。

確かに抽象的なサウンドかもしれませんが、メロディは流れているし、作品の方から明確にイメージを打ち出してきているので、聴きやすい作品だと思います。At Workはこんな作品作る方だとは思ってもなかったんですが、がぜん好きなってしまいました。今思えばPCの効果音などを利用したサンプリングミュージックの側面が強い“My Property”にしても、異色の作品だったのかもしれません。


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 Credit :

Lines written, programmed, and produced in early spring by At Work.
Made in New Jersey.

Design: Nice Looking Designs

(CC) by – nc – sa 3.0



Exitpost – Nami

 Exitpost - Nami

 – Tracklist –
 01. Intro (Odori)
 02. Dance With Me (featuring Unmo)
 03. Birthmark (featuring Bay Kee)
 04. Comfortable (featuring Unmo)



 - 02. Dance With Me (featuring Unmo)


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 ≫ [ main ] / [ bandcamp* ] 
 :: Nami is accompanied by a limited edition 5×5″ photo book, which chronicles Exitpost’s time spent in Japan from 2012 to 2015. ::

 Release Date : 2016.03.31
 Label : Newlywed Records

 Keywords : Ambient, ChillWave, Dream Pop, Electronica, Vocal.


 Related Links :
  ≫ Exitpost
  ≫ Exitpost on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter


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すごく良い作品なのに日本からのリアクションはまだほとんどない?のでしょうか。だとしたら何故? 謎です。インターネットがあるのに何やってるんだよオイって。Twitterでも、あまり日本からの反応は見られないような。これからなのかな。反応しないのはちょっとおかしい気がするんですが、まあ、何でこれが放っておかれてるの?ってことは、たまになくはないですけれど。

日本生まれアメリカ育ち(でもまったく日本から離れているわけではなくて、たびたび訪れている様子)、Ken Hermanのソロ・プロジェクト、Exitpost。2014年には“Sweet Fade”をリリース。その後もシングルを2作リリース、そして今作という流れ。インタビューを読むと、アメリカ人の父親と日本人の母親を持つハーフとのことですが、1stにおいては母親のレコードコレクションからのサンプリングが多く用いられていたようです(しかし特に日本語の歌が使われているわけではない)。そういう意味でもHip-Hop的なニュアンスやElectronic musicな編集感が強くあり、ドリーミィなChillWaveというサウンドイメージでしたが、今作に関してはやや様子が異なっています。

クレジットを見るとわかるように、ほぼすべてのトラックでシンガーが招かれており、この生の歌声が用いられることで前作の編集感が軽減され、ウタモノとしての側面が強く出ているように感じます。前作のあとにおとずれたwriter’s blockを打ち破るきっかけになったのが、同じ大学に通っていたBay Keeと自宅で録音したヴォーカルだったようで、これを用いて作られたトラックが‘Birthmark’になっています。そしてのちに、そのほかのトラックにもヴォーカルが必要であると判断し、日本滞在中に聴いて感銘を受けた日本人シンガーソングライターUnmoに、自らアプローチ、今回のコラボレーションに結びついたようです(インタビューで言及されているUnmoのトラック‘Mirai’は彼女のSoundCloudか、elementperspectiveのコンピレーション“Consciousness Dr.” で聴取可能)。

曖昧な美しさ、美しき曖昧は我々の中にある補正された思い出のようでもあり、それは彼が言うところの東京に対するノスタルジアなのかもしれません。たゆたうような音作りと三味線や琴のような日本の伝統楽器の音色によって、ドリーミィな音像の中にも、雅な雰囲気が漂っています。透き通った硝子の中に満たされた水。そのゆらぎの中に見える淡い色彩。ビー玉のような、子供らしさ。縁日のようなノスタルジア。快適な空の下をあてもなく散歩するような。何かと思ったらスナップ写真でした。イメージの話ですが。スタジオ撮影、決められた撮影ではなく、構えのない日常が切り取られたスナップ写真。細やかで、けれど朴訥で。ふと入り込んだ路地裏で見つけた、プランターで咲く、名も知らぬ花。

インタビューがいくつかありますので、興味のある方は是非読んでみてください。英語ですが。

Heritage Trail – An interview with Exitpost – GoldFlakePaint
Artist Spotlight: Exitpost ‹ Smoothie Tunes

正確に意味を把握できていないので詳しく書けませんが、ノスタルジアからくる日本に対する溺愛、そこからいくらか目を覚まさせた事例としてベッキー(あのベッキーですよ)の事件が言及されていて、ちょっと驚きました。あとDubspot経由で公開されたPodcastもありまして、彼の趣味嗜好を知る上でも興味深いと思いますので、お時間ある方は是非聴いてみてください。Kai TakahashiやYEVRS、No Romeなんかも入っています。



 - Dubspot Radio Podcast: Exitpost


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 Credit :

Music, mixing, and production by Ken Herman
Vocals & lyrics on “Dance With Me” and “Comfortable” by Unmo
Vocals & lyrics on “Birthmark” by Christine Spilka

Mastered by Nick Zammuto
Logo design by Emma Siegel

Photographs and album artwork by Ken Herman

Thank you:
Zeno (& Newlywed) – your patience and guidance led the way.
Unmo – 一緒に仕事が出来たこと、本当に嬉しかったです。ありがとうございます。

Christine – for your endless talent and friendship.
Nick Zammuto – Thank you for your stellar ears and previous years of inspiration.

Additional thanks to:
Andrew, Kabir, Gavin, Sankarsh, Dan, Tara, Tycho, Drake, Ruben, Noah, Kadyrov, Goldboy, Tooth, Streve, Sam, Mark and my family for their restless support and inspiration. Shout out to Tokyo squad. Thank you Hiromi.



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