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Kkrusty – Wait…

 Kkrusty - Wait...

 – Tracklist –
 01. Wait…
 02. UV
 03. Exhausting



 -  01. Wait…


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 Release Date : 2016.06.14
 Label : Not On Label

 Keywords : Breakcore, Chipbreak, Chipmusic, Chiptune.


 Related Links :
  ≫ Kkrusty on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter


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おかしい。聴いていたはずなのに、スル―していたとは。つぶさに活動を追っていたわけではないけれど、Discogsと私のHDの中身を頼りにする限り、2009年のHandheld Heroesからリリース“Like Coming Home”を区切りに一旦鳴りを潜め、2012年に“Warpath”で“Suprise! i’m still alive, and i still write music.”と生存宣言、それ以来ちょいちょい気にしていたはずなのだが・・・。なのだが・・・。

そもそも私の中でなぜにKkrustyがそんなに輝いているのかという話。ChipbreakとかBreakcoreって人気のあるジャンルだし、好きな人はホントにマニアックに掘り下げてるだろうから、このKkrustyがどういう位置づけなのかは分からない。私は俯瞰の視点を持っていない、持てないので、いつもシーンとか、歴史とか、そういう文脈を無視した聴き方しかできないのだけれど、Music Forestさんだったかなあ、ネットレーベルの台頭に間違いなく一役買ったそのブログにおいて、2008年に台湾基盤のネットレーベルSociopath Recordingsからリリースされた“A Change Could Do Us Some Good”が紹介されていたわけだ。当時その界隈に足を踏み込んでもいなかった私は、そのサウンドに文字通りシビれた。なんだコレはと。VGMのBleepyな電子感、煌びやかな輝き、躍動感と、破壊的なエネルギー、焦燥感、それらが渾然一体となって怒涛のように襲ってきたのであります。終始壊れまくりなわけではなくて、メロディはあるし、貯めて爆発のようなカタルシスも内包されていて、とても新鮮だった。そしてKkrustyは私の中で勝手に御大と化した。件の作品は今でも入手できるし、色あせない魅力がある。傑作と言ってもいい(今思うとBreakcoreやBreakcoreに振り切っていない感じが、私の中での独自のポジショニングにつながっているのかもしれない)。

そんなKkrsutyが2016年にリリースしていたのが、今作であるわけで。意味深なタイトルではある。が、そんなことは置いておいて。Bleepyな疾走感と確かなメロディは健在だ。“A Change Could Do Us Some Good”と比べてしまうと、落ち着いてしまっている感は否めない。猪突猛進というか、どこに転がっていくか分からない―どう展開するか分からない予定調和無視の無軌道なエネルギーよりも、ここでは気持ちの良いスムースな流れ、メロディの方が目立っている。

と書くと、何だか過去作を引き立てるための文章にしか感じられなくなってきたけれど、今回はそれでもよいのではないかと、心の中で許す声がする。そのくらいKkrustyというのは“あの一作”で、私の中で特殊な存在になっているのは間違いなくて(これは間違いない)、つまり埋もれさせたくない、埋もれてほしくない。こういう形ででも―新しい作品にかこつけてでも、過去の傑作をひっぱり出してきて触れるのは、そんなに悪いことではないのではないか、そんな気がしている。ということで1曲―



 - Level Skip (from “A Change Could Do Us Some Good”)


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Credit :

All songs written and produced by Kkrusty (Michael Taylor) using LSDJ running on one DMG-01

Cover Photo Taken by Lucas Noah

Cover Photo Mutilations Perpetrated by Michael Taylor



neokyoto – Zero Transition

 neokyoto - Zero Transition Cover
 – Tracklist –
 01. A Spinning Disk
 02. Circuit Drift
 03. Tastes Like Mercury
 04. Incubate Me
 05. MedBox Express
 06. Myst
 07. Zero Transition
 08. Ruined Arcade Zone



 - 05. MedBox Express


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 Release Date : 2017.03.17
 Label : Not On Label

 Keywords : Electronic, Melodic, Post-Punk, Shoegaze, SynthWave, VGM.


 Related Links :
  ≫ neokyoto.net
  ≫ neo kyoto on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp


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アメリカから現れた様子のneokyoto(ネオ東京じゃないよ!)は、Post-Punk/SyntWaveプロジェクト。というのは私が勝手に言っているだけであって、ソロなのか、ユニットなのか、バンドなのかは分かりません(おそらくソロでしょうけれど)。とりあえず現時点で公開されている作品は4つあって、今作が一番新しい。ほかには“Cobalt Cavern (demo)”と、“Rough Cuts”、“Terminal B01”があって、後者2つはSoundCloudでしか公開されていない様子。

もともとがどういうコンセプトで始まったのか分からないんですが、neokyoto(ネオ京都)っていうネーミングからしてやっぱりサイバーパンクな香りがするじゃないですか(と誰にか問いかけてみる)。実際今作は確かにVGMな向きもあるSynthWaveで、そこにはやっぱり安易かもしれないけれど未来的な都市の風景が立ち上ってくる。それは実にストレートにネオ京都というワードから感じられるフィーリングと結びつくのである。ところがどっこい、“Rough Cuts”なんかを聴いてみると、New Orderチックな、哀愁漂うメロディのPost-Punkが鳴らされているではないか(意表を突かれてグッと来たので下に張らせてください)。もちろんこの“Zero Transition”についても、分かりやすいPost-Punkの要素はあるのだけれど、それよりも電子感を前面に出したSynthWaveやVGM、そこから引いてはサウンドトラック的な意匠が強く感じられる。

はて、どこがターニングポイントだったのだろうと考えるよりも、これはneokyotoの中にもともとあった素養が披露されているのかもしれない。鍵盤のメロディや和楽器の雅な響きを利用したタイトルトラック‘Zero Transition’やSyntWave meets Post-Punkな‘MedBox Express’を聴いていても、器用なイメージがある。特に後者はいいですネ。マシーナリーなサウンドの中にあって、エモーショナルなギターが存在感を放っている。 また前述の“Terminal B01”においてもサイバーパンクなイメージ、Post-Punkなサウンドを下敷きにしつつも、オーケストラルなサウンドを作っていたりして、なかなか素敵なバランス感覚です。

きっとそのときどきで自分のモチベーションにあったサウンド、作品を作っていくのでしょうけれど、次は是非PopなPost-Punk作品でお願いします。今作もよいけど、やはり“Rough Cuts”がシビれるんですよ。





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About a boy trapped in a computer simulation.



MIXTAPE : DREAM SEQUENCE




I hope your dream is the same as mine.


Originally Published on 8tracks : 2014.11.10

Re-uploaded on YouTube : 2017.03.18


– Tracklist –

 [00:00] Revshark – Little Germ Thoughts
 from “Careless Mode” (2013)
 ※現在音源は削除されているようです。


 [02:00] Go Dugong – Chalk (feat. LIFE & LIMB)
 from “WAS” (2013)


 [05:37] Astrocowboys – Daniel
 from “Olympic” [scrdig 02] (2012) / [mirror
 :: (CC) by – nc – sa 3.0 ::


 [09:08] Halo Twins – Pictures Of The Day
 from “Damn It The Color Name” (2014) / [mirror


 [11:56] Crozet – Do I Sad (Geneva Jacuzzi Cover)
 from “Alterations EP” (2011)


 [14:40] Beach Season – The Internet
 from “’Internet Evening’ EP” [CM015] (2014)


 [16:55] No Rome – Tru Feelings
 from “Fantasy EP” (2013)


 [19:55] Mirror Kisses – Genius
 from “Heartbeats” (2013)


 [24:14] Turquoise Memories – All I Need To Say (Instrumental)
 from “Turquoise Memories” (2013)


 [27:52] Noble Oak – We Decide
 from “We Decide / Heaven EP” (2012)
 ※現在フリーでの配信は終了しています。


 [32:28] Hypermagic – Ferris Reel
 from “Of Marsh and Mallow” (2012) / [FMA
 :: (CC) by – nc – sa 3.0 ::


 [36:06] Ghostlight – false dream
 from “quarter dream” (2012) :: (CC) by – nc 3.0 ::



Purl – Childhood Dreams [ETNLR09]

 Purl - Childhood Dreams [ETNLR09]

 – Tracklist –
 01. Childhood Dreams





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 Release Date : 2017.02.14
 Label : Eternell

 Keywords : Ambient, Dream, Drone, Memory.


 Related Links :
  ≫ Purl on SoundCloud

  ≫ Alveol on SoundCloud / Ziyal on SoundCloud


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自分にとって、世界はもう長いこと―本当に長いこと―、輝いていない。いつ以来だろうと、思いを巡らせたときに、いつも思い出すのは―

学生生活を終えたものの就職できなかった私は、実家のある田舎に引き戻された。ドがつくほどの田舎ではないが、それでも町の中心部からは程遠い、近くのドブ川を跨げばすぐに隣りの市に入るような、隅っこにあるのが私の家だった。実家住まいでバイト暮らしと言えば金は貯まりそうだが、選んだ仕事の時給の安さでそうも上手くいかず、私が都内に出るときはいつも数時間かけての鈍行だった(まあ鈍行でも上れるんだから悪くはない環境だった、今思えば)。

都心に出て、異性(この書き方はいやらしいか。有体に言えば彼女だ)と、映画を観た。単館上映の映画で、地下にあるちっさい館内で、でっかいスクリーンを見上げながら、二人で涙ぐんだ。そこからきっと魔法にかかったんだろう。昼食を食べ、街をぶらつき、夜になり、帰るはずの時間にも、私(たち)は帰路につかなかった。宿泊という選択で一夜を明かした私たちは朝になってようやく家路に向かったわけだが、電車の時間を見誤って、バイトの時間が迫りまくっていた私は超がつくほど焦っていて(真面目だな)、地元の最寄駅に停めてあった自転車に跨るや猛スピードでペダルを漕いだのだった。しかし、急ぎペダルを漕ぎながらも、私の目に映るすべての景色は、確かに輝いていた―朝日を反射する川面、その川沿いに繁茂する名も知らぬ植物、空を流れる雲、道路を走る車たちやガードレール。あれほど世界が輝いていることを実感したことは、あれ以降ないと断言できる。机の上の埃にさえ、輝きを見出したことだろう。

文字通り息を切らしてバイト先へ駆け込んだ私は前髪の乱れを気にしながら他のスタッフにあいさつをしたが、いつもより早く到着した私は怪訝そうな顔で出迎えられ、変にきまずい空気が流れたのだった。

そのときのことは別のブログに記してあって、しばらくは読み返すたびに、その世界の輝きが私の中にカムバックしてきたものだった。しかしいつしかその効果も時間の流れと共に薄れていき、ついには魔法は解けてしまった。つまりは世界は輝かなくなってしまった。

この作品を聴いて世界が輝きだしたということではなくて、かつて世界が確かに輝いていたことを思い出したのです。メモリー。記憶。思い出の物語。スペル・イズ・ブロークン。それは大人になることとは違うんだろうけれど。

ああ、上記の映画、私は珍しくパンフレットを買って、それは今でも本棚の端に鎮座ましましている。


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Ludvig Cimbreliusはこの他にも多くの名義を使っていくつも作品をリリースしてるので、気になってしまった人は探ってみてくださいね!


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 Note :

Made long ago (sometime in my late teens) from the warm light of early autumn, the soft undefinable longing of the cool evening breeze playing with the leaves that just started to turn colors, just beginning to fade…

Music by Ludvig Cimbrelius

Cover art by Brian Young –
www.flickr.com/photos/stillespace/
www.instagram.com/losingtoday/



John D. Reedy – The Great Long Distance

 John D. Reedy - The Great Long Distance

 – Tracklist –
 01. Dreams of Budapest
 02. 60 Days
 03. 30 Days
 04. Heathrow / Stansted
 05. Dreams of Athens
 06. Sehnsucht
 07. Athens International
 08. Summer’s Afterglow
 09. The Great Long Distance
 10. Lost Dog
 11. We Remain
 12. Together



 - 04. Heathrow / Stansted


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 Release Date : 2017.02.17
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Cinematic, Classical, Long distance relationship, Piano, Soundscape.


 Related Links :
  ≫ Evæl on SoundCloud / on bandcamp

  ≫ John D. Reedy on SoundCloud / on bandcamp


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イギリスのミュージシャン、John D. Reedy。以前にはEvælの名義でリリースもあります。Neo folk/Neo classicalな音楽性のメランコリックなウタモノ“Breath”を経て、リアルネームで挑んだ今作のテーマは、“long distance relationship”。

遠距離恋愛の12ヶ月(なので12トラック)を表現した音像になっているようですが、ClassicalなPianoのメロディとAmbientなエフェクトが描き出すのは、ドラマティックでロマンティックなサウンドスケープ。ジャケットイメージから想像を膨らませると、時は中世、航海士の男と、港町の娘の恋、といったところでしょうか。航海によってはいつ帰ってくるかも分からず、命の保証すらないような、危険極まりない、船の旅。もしかしたらもう会えないかもしれない。大げさではなくそんな可能性があるのだから、旅立ちのとき、そして生還のときに、それぞれの心中には、それはそれは強い気持ちがあったことでしょう。

初期の航海では遭難や難破、敵からの襲撃、壊血病や疫病感染などによって、乗組員の生還率は20%にも満たないほど危険極まりなかった。しかし遠征が成功して新航路が開拓され新しい領土を獲得するごとに、海外進出による利益が莫大であることが立証された。健康と不屈の精神そして才覚と幸運に恵まれれば、貧者や下層民であっても一夜にして王侯貴族に匹敵するほどの富と名声が転がり込んだ。こうした早い者勝ち の機運が貴賎を問わず人々の競争心を煽り立て、ポルトガル・スペイン両国を中心にヨーロッパに航海ブームが吹き荒れるようになった。(from Wikipedia

そんな“大航海時代”という大きな大きな流れの中で見れば、船乗りと町娘の恋なんていうのは塵(ちり)のようなものなのかもしれないけれど、でもきっとあったと思うし、そこにあった気持ちの強さっていうのは、どんな物差しでも測りきれないものだったでしょう。大航海時代というロマンチックな(けれど厳しい)時代の中に埋もれたロマンスが、ここに記されている、そう考えると、時間にして決して長い作品ではありませんが、非常に重みが感じられてきます。1冊の本や、1本の映画にも負けていないような。12のトラックに物語は付されていませんが、聴いた人がそれぞれ、想像してみるのも、面白いかもしれませんね。

音楽的には特別なことが成されているわけではありません。穏やかだったり、ハッピーだったり、ピースだったりというよりは、どちらかというと、切なかったり不安だったりといった、sadな感情性が強いようにも感じられます(それはそうか)。意外に、ということもないんだけれど、メロディで引っ張る感じではなくて、大きなうねり―つまりサウンドスケープ―で空間を演出している感が強いので、その辺りがタグに用いられている“post-rock”に通じるのかなと思います。

ひとつ気になるのは、この物語がハッピーエンドなのか否かという点なのですが・・・。ラストが‘Together’なのでポジティヴに解釈できそうですが、その前の‘We Remain’はどう捉えるべきなのだろう。ジャケットイメージにしたって、これが出発の前なのか、それとも帰還の後なのかで、またそこに生じるものが大いに変わってくる。と、ここでJohn D. ReedyのSoundCloudを覗いてみると、わずか3トラックが残されていて、タイトルにはそれぞれMonth 22, 23, 24とつけられている。これは今作に収められなかった“その後”なのだろうか、果たして・・・。

リラクシンとはまた違うと思いますが、自身の頭の中に物語を作り上げることができたなら、終幕のときには涙が頬を伝う可能性もあるでしょう。というように、非常にイマジネイティヴな作品でもありますが、音楽単体でみても素晴らしい作品だと思います。



honda civic & heaven chord – sunlit ridge {ep}

 honda civic & heaven chord - sunlit ridge {ep}

 – Tracklist –
 01. antique
 02. subtitle
 03. sunlit ridge
 04. shadow sketch
 05. into color



 - 01. antique


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 Release Date : 2016.11.10
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Beats, Downtempo, Dream, Electronica, IDM, Melodic, VHS.


 Related Links :
  ≫ honda civic on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter
  ≫ heaven chord on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter / on YouTube / on VK (VKontakte)


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水道の蛇口から漏れる水滴の音も、かしましい井戸端話も、仕事を告げる電話の呼び出し音も、すべてはここでは無視することが許される。いやここにはそもそも入り込んでこない。入り込ませないことが許される。昔は夜眠れないときに、今この瞬間だけは何も考えずに、眠っていいのだと、いいんだと、自分に言い聞かせたりしていたけれど、それと似たような感覚、に襲われた。曖昧な、ぼやけた調子の、答えのない、だからこその、心地よさ。すべての厄介ごと―ストレスを、ハッキリと認識せずに、自分からは遠ざけて、安心する。ただ少し、懐かしいような、いや、ここにある乳白色の(やはり曖昧な)スクリーンの中に、自分が拠り所にしているいつかの記憶、というやつを、いつかのシーンを繰り返し、再放送して、ただそこで、やはり曖昧にされた答えに可能性を持たせ、自分自身を慰め、安心させる。精神世界の桃源郷。

主体はhonda civicのようだけれど、heaven chord自身もトラックメイカーとして活躍しており、自身のbandcampで作品を公開している(こちらも素敵だ)。粒子の荒い、ざらついた、それでいてゆるやかに動くレイヤー。VHSなノスタルジア感。強くはないが確かなメロディ。Hip-Hop/Beats感のあるDowntempoなリズム。私はElectronica/IDMとして聴いているけれど、人によってはHip-Hop/Beatsの文脈で聴くかもしれない。実際honda civicはビートテープも公開しているけれど、どちらの畑なのか、ということはよく分からない。しかしこの、スムースになりすぎることもなく(つまり鼻につかない)、ビートが耳に障ることもなく(つまり押しつけがましくない)、夢幻の心地よさだけをフンワリと残すこのバランス感覚は、まことに見事。

この作品においてはheaven chordとのコラボレーションが行われているけれど、たとえば“coexistence”ではlight blending inと一緒にやっていたり、derrick boogarretttile kidなどを招いたトラックもある。またheaven chordはheaven chordで、Nozu-Dethvalenceや、Orchidsevrynseng°meta angelsave me、そのほか複数のトラックメイカーとの共演がある。そしてさらには、それらトラックメイカーの間でまた別のつながり、コラボレーションがあったりするのだけれど、特にコレクティヴのようなまとまりを作っているわけでもなさそうで、それぞれがそれぞれに作品を公開している。スタイルに若干の違いはあれど、みんな幻想的で夢見心地な作品を作っていて、すべて辿ろうと、聴こうと思ったら、なかなかに終わりが見えず、それはそれで非常に楽しみ。今作を聴いて興味を持った方は、そんな沼にハマってみるのもいかかでしょうか。

下にいくつか―



 - honda civic & light blending in – belonging (from “coexistence”)



 - derrick boo – restless (from “restless ep”)



 - save me – hy w/ seng°



otro – vida

 otro - vida

 – Tracklist –
 01. vida
 02. portrait
 03. duelo
 04. y/otro
 05. sujeto
 06. siento
 07. roto
 08. resurrección
 09. accord
 10. libera



 - 09. accord


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 Release Date : 2017.02.24
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Glitch, Hip-Hop, IDM, Techno, Trap, Synthesis.


 Related Links :
  ≫ otro on SoundCloud / on bandcamp
  ≫ socratako. on bandcamp


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スペインのトラックメイカー、otro(Aaron Morris)。otroはスペイン語のようで、英語にするとother、つまり“他の”という意味になるようだ。もともとはsocratako.という名義で活動していたようで、そのときのbandcampも消されずに残っている。それを踏まえたうえで“他の”という名前になったのかは分からないけれど、明らかに差別化が図られている。IDMやIndustrial、Body music~NewWaveをブレンドした電子音楽は、この名義になって、果たしてどう変化したのか。

ディレイやリバーヴを散りばめつつも、直線的、鋭角的で、音の粒やパーツのたった、パッキリとした音像から、歪で混沌とした抽象的、曲線的で、グニャリとした粘土細工のような音像へ―それぞれのパーツは互いに絡み合い、もともとの形を変え、ひとつにまとまり、そのさまはグロテスクでもあり、同時に美しくもあり。ある種の造形美。作品の中ほどとラスト、ふいに顔を出すAmbientなトラックは 否が応にも静謐な風景を引き起こす。

彼のInstagramを眺めてみれば、何気ない日常のスナップとは別に、ノスタルジアと、性と、暴力と、都市あるいは建築物の無機質性、それらを内包した写真、そして仄暗いスケッチ、のようなものが散らばっている。作品にある音たちにも、そこからそう遠くないイメージを、私は持っている。感じている。

一言でいってしまうと、似た感想を持つ人もいるかもしれないが、Arcaなのです。広大な宇宙空間から個人の精神世界にダイブしてくるみたいな、急激な収斂。歪にいきり立つシンセ音。孤独に瞬くそれらは、ロマンチックでもあり。ざらついたシンセティックなレイヤーの伸縮は、平面から立体へと変化するオブジェのような不可思議性―そしてそれは異形のイメージ―につながっていく。

リズム的にはだいたいにおいてHip-Hop~Trap的なものが用いられていて、このあたりが今作の分かりやすさに役立っているのではあるまいか(といっても、もちろん大衆的な音楽ではないけれど)、それはまるで文学とエンターテイメントの狭間を行くような、ともすれば中途半端にも捉えられてしまう所業かもしれないが、今作は実にうまいこと、その狭間をいっていると思う。Arcaチルドレンがどれだけいるのか分からないが、今作はその成功例といってもいいのではないか(ネガティヴな意味ではなく)。パーカッシヴな鳴りや、どことなく中近東を思わせるメロディラインも、いい具合にフックになっている。

聞けば彼otroはまだ10代だということで、音楽を続けていくのならば、そのスタイルはこれからドンドン変化していくのかもしれないし、これもその内の一つとして過去のものになってしまうのかもしれない。影響源と思しきArcaにしても(otroのSoundCloudではArcaの‘Anoche’がしっかりとリポストされている)、現時点で新作の全貌は明らかではないけれど、公開されているトラックから察するにおそらくはこれまでと同じではないだろうし、だとすれば初期Arcaとでもいうべき独特の音像を誰かが引き継ぐというのも、面白く、価値のあることなのかもしれない。


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ちなみにsocratako時代の面白いビデオ―

これって実際の映像ですかね。致死量でしょ。日本の狂気。



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