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Simiram — The Lost, The Last [Elpa84]

 Simiram — The Lost, The Last [Elpa84]

 – Tracklist –
 01. Let Me Be Me
 02. Hinokio
 03. Last Dream Of Shadow
 04. You Are There (Liquid Mix)
 05. Under Red Skies
 06. Amber Green
 07. Tess
 08. Left In Dust (Calm Mix)
 09. The Lost, The Last
 10. Timesleepers
 11. Believe
 12. Child Of Fairy
 13. Left In Dust
 14. Sprouts Of Tenderness
 15. You Are There (Another Side Of Mirror)
 16. Somnii 2012



 - 04. You Are There (Liquid Mix)



 - 12. Child Of Fairy


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 Release Page :
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 Release Date : 2012.07.15
 Label : Elpa music

 Keywords : Ambient, Drone, Electronica, IDM.


 Related Links :
  ≫ Simiram on Last.fm / on SoundCloud / on VK(VKontakte)


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ラトビア共和国(私のように場所が分からない人はWikipediaでも見よう)のネットレーベル、Elpa muiscより。ウクライナのミュージシャン、SimiramことIvan Filinの作品がフリーでリリースされています。これまでにも2010年に”Somnii (Winter)”を、2011年には”Loona”, “Talvinen Juttu”を、それぞれ同レーベルからリリースしていますし、他のレーベルのコンピレーションへの参加などもあります。

Ambient/Drone系の音楽を作るミュージシャンは、多作家が少なくありません。しかもワン・トラックが長尺だったりする場合も多いので、よほどのファンでない限り、それらすべての作品をしっかり聴きこむということはないでしょう。”聴く”、という行為の側から考えると、いかに良作であろうとも、リスナーが自分の中に作品を落とし込む時間―つまり”聴く”時間―を確保することができなければ、作品としての価値が薄れてしまう。もともと、作り手側が100%意図した形で、リスナーが作品を受け取ることはないだろうけれど、そこにある齟齬が、この場合どんどん大きくなってしまう。もったいない。そういった理由で、申し訳ないのだけれど多作家のAmbient/Drone系のミュージシャンには、なんだか消化不良のイメージを勝手に持ってしまっている。

その点、Simiramはバランスがよいです。リリースペースは速い方だろうけれど、リスナーが追いつけないというものではない。トラック数は多めだけれど、それぞれは長くない。特徴的なのは、Ambient/Drone的な音作りを前に出しているけれど、それのみで終わっていないという点。トラックによっては、ギターなどの楽器音や、リズム、コーラス、電子的フレーズを加えることで、クラシカルなIDM/Electronicaのような風景を見せてくれる。たとえばデビュー作である”Somnii (Winter)”などと比較すると、メロディは抑制されているように思うし、リズム面も強調されておらず、IDM/Downtempoといった要素は薄れている。けれど、ともすればNew Age調の仰々しいシンセを垂れ流すだけだったり、スピリチュアル/サイケデリックな方向に突っ込んでいきそうな気配もあるのに、そちらには傾いていかず、シネマティックでシリアスな音像にメロディを宿しながら聴かせることができるのは、彼の志向性だろうか。Ambient/Droneのイメージが強くありながら、非常に音楽的。Deepタッチのアンビエンスにコーラスが入る部分などは、曲調は異なれど、Orbitalの’Halcyon’を彷彿とさせる。

全編が同じ調子で16トラックというのが、好き嫌いの分かれ目になるかもしれません。たとえば”Somnii (Winter)”にあった’Serenitatis’のようなキャッチ―なトラックがあれば、また受け取り方も違うのでしょうが、今作では敢えてなのか、メロディよりもサウンドスケープが重視されている。ちょうどこのジャケット画像に近い、スローに回転するクリアな球体の中に、周りの風景が吸い込まれていくような、そして球体の周囲が無になるにしたがって、球体の中身がカオティックに色づいていくような、神秘的、幻想的で、漂白的なサウンドイメージ。そこに身をゆだねることができれば、今作はリスナーの中で価値ある作品となることでしょう。即効性を求めるときには不向きです(作品の価値が損なわれます)ので、旅に出る余裕があり、その支度が出来たら、聴きましょう。


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Artwork by Adam Martinakis


(CC) by – nc – nd 3.0



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