ABRAcaDABRA

Netaudio explorer

King Imagine – Inside [NrM022]

 King Imagine -  Inside [NrM022]

 – Tracklist –
 01. 35 ‘C
 02. Box With Four Tunes
 03. Pacer
 04. Escape
 05. Ivy
 06. Glass-Wool
 07. Julia (Trip Fantasia)
 08. Evening Hot Song



 - 01. 35 ‘C


+ + +


 Release Page Download Free!

 Release Date : 2012.09.30
 Label : NENORMALIZM

 Keywords : Ambient, Electronica, Glitch, IDM.


 Related Links :
  ≫ King Imagine <on Last.fm / on Facebook / on SoundCloud [1/2] / on bandcamp / on VK (VKontakte)


+ + + + + +


ロシアのネットレーベル(というよりは、ロシアとヨーロッパのミュージシャンによる、ミュージック・コレクティヴという方が相応しいのかもしれない)、NENORMALIZMより。ウクライナのミュージシャン、King ImagineことAlexey Mikryukovの作品がフリーでリリースされています。もともとはパンク・ミュージックのギタリストとして音楽のキャリアをスタートしたようですが、Noise/IndustrialからReggae/Dubへと変遷。特にDubは彼の中でひとつの軸となっているようで、Bass Assassinという名義を使って、ベース・ギタリストのRoots Controlla(Kirill Machinski)とダブ・プロジェクトDub Compressorsを組んでいます。2000年代後半になってからはKing Imagine名義が定着しているようで、2011年にはウクライナはキエフのSKP Recordsから“Dawntempo V1”, “Dawntempo V2”を、また2012年頭には、今作と同じNENORMALIZMからも“Stand Alone Complex”(由来は攻殻機動隊か?)を、それぞれリリースしています。

作品ごとに音の傾向が異なっている印象です。SKP Recordsからの2作は、Reggae/Dubを通過してきたことをまったく隠さない、ベース、リズムのラインが印象的。けれど今様のエレクトロなBass music/Beat musicを経由したDubstep/Post-Dubstepサウンドではなくて、あくまでもRaggaeやDubの側からDubstepに接近したサウンドになっていて、そこが逆に新鮮に響く。特に“Dawntempo V2”に収録されている“Theoretical Dub”などは、2stepなリズムとラッシュ感のあるシンセ、ダビーなベースが組み合わさった、クールなトラックだ。“Stand Alone Complex”はどうかといえば、あくまでも比較の上でだけれど、Reggae/Dubの要素は退き、IDM/Electronicaに接近しつつも、Noise/Industrialからの影響だろうか、ノイジーでアブストラクト、不定型なサウンドがスパイス(あくまでスパイスだ)としてまぶされている。その中でキラリと光るメロディが出てきていて、ときにそれはリスナーをハッとさせる―どことなく感傷的な‘Has Not Yet Begun’や、‘Maple Leaf’が、これにあたる。

そして今作はというと、さらにIDM/Electronicaに寄った音作りになっていて、言われなければDubを軸にもっているミュージシャンだとは分からないだろう。全編で使われている音色がほとんど一定に保たれているところも大きな特徴。ミスティックで丸みがあり、ディレイやリバーヴを効かせた幻想感のあるサウンドスケープ。ときにクリスタルライクな音色でゆるやかにうねるメロディは、私に深海をイメージさせる。小刻みなリズムと、微細なGlitch、ささやかな振動。独特のアンビエンスとマイクロスコピックなリズムの融合は、トラックによっては“Incunabula”や“LP5”といった、まだ音楽的側面を強く持っていたころのAutechreを彷彿とさせたりもする。

“Inside”というタイトルがこの作品を象徴しているとも考えられる。なるほど、たしかに落ち着いたサウンドで、リスナーに内側へと深くもぐることを許すような、言い換えればChillなサウンドでもある。全編を覆う霧のようなヴェールが、リスナーをひとつの世界にとらえて、よそに逃がさない。またたく電子音たちは、ときにファニーな響きをもっていて、ノスタルジック/チャイルディッシュな記憶をくすぐる。幻想世界の水辺に映る幼い日の記憶。いつか見た夢のような淡い記憶。硬質な冷たいリズムは、理性だけでなく感情を鎮め、いつしか眠りが訪れる。

核があるような、ないような、フレキシブルなサウンドでありながら、それでいて作品ごとにきちんと聴かせるという、まだまだポテンシャルが計り知れない、気になるミュージシャンです。他の作品もおススメですが、どれかと問われたら、”Stand Alone Complex”を推したい。もちろん今作も。


+ + +


(С) & (P) 2012 Nenormalizm Records



コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。