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k/c – 日本の夢 ËP

 k/c - 日本の夢 ËP

 – Tracklist –
 01. 私はファゴットをプリーズタッチ
 02. すてきな穀物を持っている (HYE HOERPLA!)
 03. 再び私をタッチしてください
 04. みましょう買い物に行く


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 Release Page NO LONGER ABAILABLE.

 Release Date : 2013.01.28
 Label : Not On Label

 Keywords : Anime, Chopped & Screwed, Japanese, Pop, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ NIQUP (a.k.a. k/c) on bancdamp / on Tumblr


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まったくもって正体不明のk/cくん(“くん”じゃないかもしれないけど)によるVaporWaveな作品が、bandcamp上でフリーで公開されています。もしかしたら誰かの変名かもしれないし、日本人かもしれないし、bandcamp上のプロフィール画像が本人なのかも分からないし、知りたい人は頑張って調べてくださいとしか言えないです。そもそもk/cってのも、講談社コミックスのロゴにある“KC”を採用しただけかもしれない。

bandcampのアカウントをよく見ると、“vaporisdead”と書かれている。deadっていうほど生きてないような気もする、しごく局所的なムーヴメントであるVaporWaveが、果たしてこのまま終わるのかどうかは、シーンに対するアンテナが弱い私にはよく分かりませんが、それが存在している(た)ことは事実。VaporWaveってなんだよ?って言われても、説明が困難なので、なんとなく知りたい人は文明の利器インターネットを活用してください。特定の音楽に対する呼称としても成り立っていますが、穿った見方をすれば、ヴィジュアルワークも含めた表現の裏にある精神性を指しているようにも思えます。

VaporWaveは、サンプリング主体であること(そしてChopped & Screwedの多用)から、やはりHip-Hopの流れに位置付けられるのでしょう。ネタの出所がレコードというよりはインターネット上に溢れる、もはや出自も不明な怪しい映像や音声であることから、混沌の程度はいわゆるHip-Hopより強いように思える。野田努さんは、ele-king上で“俗物(ゴミ)を無邪気な遊びにしてしまうことをポップとするならこれは今日的なポップである。”と書いている(http://www.ele-king.net/review/album/002333/)。なるほど、価値もあやふやな、インターネット上の過剰な情報たちを素材にして遊びながら、そこに新たな価値を吹きこもう、というのが、VaporWaveのひとつの在り方なのかもしれない。だからときにはそこに、“あだ花的なジャンル”、“悪意や反抗心”といった言葉が使われるのだろう(http://www.ele-king.net/review/sound_patrol/002413/

VaporWave作品のジャケットやトラックタイトルには、しばしば珍妙な日本語が使われる。ランダムに抽出され組み合わされたような奇妙な単語。日本のアニメやCMからの引用も珍しくない。VaporWaveと日本がリンクしているのはなぜだろう。海外からは日本語の響きや字面というやつが特別に認識されているのかもしれない(外国人の身体に彫られる日本語のタトゥーのような)。また単純に過剰な情報化社会の象徴として日本のイメージを利用しているのかもしれない。

という、仮定の話は置いておいて、とりあえず作品を楽しみましょう。k/cは、今作のあとにも“新宿マグロパーティー”という痛快なタイトルの作品をリリースしていますし、そちらも悪くないんです。でも、こちらの方が分かりやすくてよいんですよね。M-1と3で、タイトルに“タッチ”という言葉が使われているでしょう。これがホントにアニメの“タッチ”の主題歌をサンプリングしてる(しかもどこにもクレジットしてない)。ひねりのないChopped & Screwedなんだけど、インパクトはでかい。近未来の演歌、みたいな、情念系J-Popとでもいうか。不思議な怪しさ。しかもM-1で歌、M-3でインストっていう二度の登場。どんだけ“タッチ”押しなんだ! 何があったんだk/c! あからさまな引用だからあまり音源貼りたくないんだけど、面白いから貼っとくよ(ご指摘あればすぐに消します)。

ラストもネタは分かりませんが、喫茶店で小洒落たボサノバ聴いてたら急にスクリュードされちゃった、みたいな、やんわりねじれたピアノ・インストゥルメンタル。というように、分かりやすくて面白いんで、聴いてみてください。ジャケット画像がすでに無断引用でしょコレ。VaporWaveに興味が沸いた方は、今やちょっと探せばすぐに行き当たると思うんで、赤子の手をひねるようにやってみてください。クオリティはピンキリの様子です。

今思ったけど、VaporWaveはTumblrっぽいな。匿名性と、引用による新たな価値の付与、そして過剰な情報量。見事にリンクしている。Tumblrのそういうところが好きな人は、VaporWaveも好きなんじゃないかな。いかがわしさというか。ムーヴメントは終焉しても、作り手がゼロになることはないと思います、VaporWave。その方が面白いかもですね。



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