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Buhay – Hallelujah EP

 Buhay - Hallelujah EP

 – Tracklist –
 01. Intro
 02. Creation (Yup!)
 03. Title Sequence
 04. Hallelujah
 05. Hallelujah (Tours Remix)



 - 04. Hallelujah


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 Release Date : 2013.03.31
 Label : Young Latitudes

 Keywords : ChillWave, Dubstep, Electronic, House, Melodic, Synthesizer.


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スペインおよびイギリス基盤のレーベル/ミュージック・コレクティヴ、Young Latitudesより。BuhayことJoseph Matickの作品が実質フリーでリリースされています。

Hallelujah(ハレルヤ)というタイトルに象徴されているように、どこかに賛美的なムードがある作品だ。シンセチックなイントロのM-1からはじまり、Houseなリズムに転じて入り込むM-2においては、讃美歌(とはちょっと違うと思うけど)のようなコーラスが大胆に取り入れられていて、中途からBass muiscのようなBleepyなサウンドや、Dubstepなリズムが聴こえてきても、このムードは変わらない。あくまで陽性の空間が広がっている。リズムもフラットになったり多段的になったり、フレキシブルに変化する。それは加速と減速ともいえそうな聴取感を生み出していて、特異なカタルシスがある。

M-3は割とストレートなDubstep/Psychedelicなトラックだ。怪しく漂う声部だったり、ダビーなベースライン、とがったシンセが作り上げる眩惑的な空間。クールダウンというと何だかおかしいけれど、作品の流れの中では一息つける部分ではなかろうか。M-4がやはり、タイトルトラックだけあって、今作の中ではクライマックス、ハイライトになっている。同じくDubstepやBass musicの影響はみえるものの、どこかアラビックなシンセの旋律だったり、人声を思わせる断片的なフレーズだったり、語弊はあるかもしれないけど、宗教的な輝かしさをもった(ないしは神々しい)空間が広がっていて、非常にユニークだ。そのユニークさ―Dubstep/Bass musicの上に、ChillWave的なBlissfulサウンドから転じたような、賛美・祝祭のムードを作り出している―が今作の大きな特徴になっている。

Dubstepと一言でいっても、中身は種々さまざまなんだけれど、私などはどうしても全体的に暗いイメージを持って接してしまう。ところが今作はそんなイメージを払拭してくれる、珍しく、そして面白い作品です。ミニマルを回避するようなリズム面での緩急(Houseの地平とDubstepの谷を行き来するような)や、一瞬の溜めで生み出されるエモーショナルな部分も、魅力のひとつ。なんともエキサイティングだ。レーベルメイトのToursが行ったリミックスも良い。オリジナルのフレーズを断片化し、電子的なイメージを拡大、さらにはBreakbeatを生かした硬質な音作りで、IDMという形容が似合う仕上がりになっている。

SoundCloudでは他のオリジナルトラックも聴けるんですが、今作のものとは少し毛色が違うのが意外だった。“違う”ということは、ここにあるのは、彼のスタイルのひとつにしか過ぎないということになるから。意図的にこのサウンドを作ったのであれば、それはそれで評価されるべきだけれど、これを自分のスタイルとして前面に押し出さないのは、なんだか惜しい気がします。これからどうなっていくのか、すごく気になるミュージシャンです。彼がこれから作るサウンドに要注目です。


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Music :: Buhay
Cover :: Buhay

Mastering/Engineering :: Charlie Winkler
Co-Production on ‘Hallelujah’ :: Nick “SkyShaker” Pitts
Production on ‘Hallelujah Remix’ :: Dylan Sieh aka “Tours



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