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Various Artists – MITSUDA

 Various Artists - MITSUDA

 – Tracklist –
 01. 20xx – Prologue ft. C.I.S.C.O.
 02. Julian Wass – Wounded
 03. 20xx – Title Screen ft. C.I.S.C.O.
 04. L.W.H. – UMN Mode
 05. ギラ BLADES – Creeping
 06. Friendzone – Dreams of the Shore
 07. KeyboardKid206 – Mitsuda Keyboard (Peaceful Days)
 08. N.G. + – Shipwrecked
 09. Julian Wass – Cloud Skatin
 10. .L.W.H. – Bobblehead
 11. KeyboardKid206 – Secret Forest .. (Tree Music)
 12. ギラ BLADES – Grippaeyz
 13. Julian Wass – Omoide
 14. Ryan Hemsworth – Proto
 15. Aerith’s Ghost – Joy
 16. ギラ BLADES – Sky Castle
 17. Paladins – Queen’s Folly
 18. Julian Wass – Hoshi no Namida
 19. Aerith’s Ghost – The One
 20. ZachG – ChronoGlades
 21. KeyboardKid206 – Chrono Trigger Music (Epilogue To My Dear Friends)
 22. Paladins – L.T.I.



 - 07. KeyboardKid206 – Mitsuda Keyboard (Peaceful Days)



 - 13. Julian Wass – Omoide


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 Release Page :
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 Release Date : 2013.04.01
 Label : Lefse Records

 Keywords : Compilation, Electronic, Hip-Hop, Sample-Based, VGM, Yasunori Mitsuda.


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カリフォルニア州はサクラメントのレーベル、Lefse Recordsより。日本のコンポーザである光田康典(みつだ・やすのり)に対するトリビュート作品がフリーでリリースされています。光田康典といえば、坂口博信、堀井雄二、鳥山明が組んだ“ドリーム・プロジェクト”による名作RPG“クロノ・トリガー”のサウンドトラックでデビューして以来、さまざまなビデオゲーム・ミュージック(VGM)、およびアニメのスコアや、歌手のプロデュース等を手掛け、現在も第一線で活躍する巨大な才能。

この作品には、彼光田康典の手によるトラックからのサンプリングを基にした、Electronic musicが収められている。レーベル側はHip-Hopという言葉を使っているし、実際その要素は強いと思うんだけど、コテコテのHip-Hopとはまた異なる。聴いていて感じるのは、あくまでも“サンプリング”を軸にしているという点だ。カバーやリミックスといった調子ではない。原曲にあるフレーズを編集・加工して、そこにビートを加え、別角度から光を照射しているトラックがほとんどだ。そのあたりがとてもHip-Hopだと思うし、単純に原曲通りのメロディを使った安易なトラックを出してこない辺りに、こだわりを感じる。

私は“クロノ・トリガー”や、その続編“クロノ・クロス”のファンなので(マニアではないよ)、そこからのサンプリングはだいたい分かるんだけど、‘Dreams of the Shore’や‘Mitsuda Keyboard (Peaceful Days)’、‘Secret Forest .. (Tree Music)’あたりはストレートにメロディを持ち込んでいるので、素直にゲームのワンシーンや、それに付随するイメージが浮かんだりする。だけど、それ以外のトラックがまあなんというか、面白い仕上がりなんです。

今作のキュレーターであるJulian Wassによる‘Omoide’なんて、確かに“クロノ・トリガー”の曲にあるワン・フレーズを使ってるんだけど、正直どのトラックのフレーズなんだかよく分からない(メインは‘みどりの思い出’だと思うんだけど)。でもミスティックでノスタルジックでちょっぴり翳りのあるこの空気は、‘Omoide’という言葉にぴったりハマる(この言葉のチョイス、センスよいですよね)。あと私の大好きな‘時の回廊’のサウンドを使った‘Sky Castle’もね、原曲のイメージを引き継ぎつつも、メロディは解体されているし、テンポもスローだし、より幻想的な色合いを濃くしていて、ちょっとビックリした。だいたいにおいて、みんなあのメロディは使ってくると思っていたから、意表を突かれてしまった。

“クロノ・トリガー”プレイ時には、エンディング直前、感動の場面でかかる、‘エピローグ~親しき仲間へ~’を使った、‘Chrono Trigger Music (Epilogue To My Dear Friends)’も、見事にぶっ壊されている。いや確かに、あの切ない響きは生きているのだけれど、メロディが絶妙に原曲を回避しているので、ファンにとっては妙にじれったいかもしれない(鳴りそうで鳴らないメロディってやつには、こんなに焦らされるんだな:笑)。ディレイするメロディとダビーなリズムは星空のような幻想感に満ちていて、まさにサンプリングによって新たなトラックが誕生している。‘ディラン城’のフレーズをカットアップしてループさせた‘Bobblehead’も、渋くてクールなHip-Hopになっている。

というように、先にも書いたように、多くのトラックが原曲のイメージを少なからず残しつつも、原曲を利用して新たなトラックを生み出している。これは、ここに集まったトラックメイカーたちのセンスと技術の賜物でしょう。原曲のイメージが損なわれないのは、光田康典の作ったオリジナル・トラックたちが持つパワーを示しているのかもしれない。

光田康典のファンでなくとも楽しめる作品だと思いますし(もちろんファンであればなおさらですが)、逆にここから遡って、原曲を聴いてみるのもよいと思います。ただサンプリングのネタが明確であればあるほど、作品の立ち位置はグレーからブラックに近づいていくと私は考えているので、この作品の紹介も多少迷いましたが、でもオモシロい作品なんで! 載せておく! トリビュート精神万歳! ついでに“クロノ・トリガー”とHip-Hopといえば、忘れてはいけない、DJ Nerd42が2009年にリリースした“Chrono Tied”があります。“クロノ・トリガー”のサウンドトラックと、Fort Minorの“The Rising Tied”をマッシュアップしたアルバムで、今作よりもストレートにメロディを楽しむことができますので、興味のある方は是非ぜひ。

最後に今作、サンプリングのネタをすべて指摘できたリスナーには、スペシャルなプレゼントがあるらしい(bandcamp上でさりげなくアナウンスされています)ので、我こそはという方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。


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cover art by Derek Yu



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