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Veildia – Abandoned Desires

 Veildia - Abandoned Desires

 – Tracklist –
 01. Drifting Thought
 02. And then the Silence Came
 03. Transmutation
 04. Linear Echoes
 05. Adrift in Memories



 - 01. Drifting Thought


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 Release Page Download Free! / pay what you wish.

 Release Date : 2013.05.01
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Drone.


 Related Links :
  ≫ Veildia on SoundCloud / on thesixtyone / on bandcamp


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アメリカのプロデューサ、Veildiaの作品が、bandcampを通じて実質フリーという形でリリースされています(上記SoundCloudからも、トラックごとにダウンロード可能です)。プロフィール不詳。経歴だとか音楽的背景だとかは、ほとんど公開されていません。現時点で聴ける音源も、今作に収録されているものだけ。

口さびしい、という言葉があるのと同じように、耳さびしいという言葉もあるんじゃなかろうか。何かが足りない気がしてガムや煙草を口にしてしまうように、音を欲するときがある。その理由は何だろう。心の隙間を埋める。外界を遮断する。気を紛らわせる。語弊はあるかもしれないが、要は楽しくなるためだ。快楽を得るため。酔いしれるため。NO MUSIC, NO LIFEと言える人は、その酔いを味わったことがある人だろう。今は巷に音があふれていて、簡単に耳にできるから、いわば中毒的な状態になりやすいと思うんだけど、中毒状態にあってもなお、音なら何でもよい、というわけではないようだ。つまり自分の状態に応じて、聴く音、聴きたい音は選ばれている。しごく当然のことだけれど。

ここから作品と関係ない話を書くけれど、最後にちゃんと結びつけます―

ついこの間、私にとって、とても大事なライヴがあった。それはバンド編成で行われたんだけど、そこで披露された歌たちは、私の思春期(ダサくいえば青春)と特殊な形で結びついているから、音楽はもちろん楽しんだのだけれど、しかし心を複雑に揺さぶられた。結果、これは一時的なものだと思うんだけど、音楽に対する感度が変わってしまった。ここしばらくはそれを実感している。バンドサウンド、ないしは歌といった、自分の中で遠ざかったはずのものに、敏感に反応するようになってしまった。また、音に意味を求めるようになってしまった。歌に自己を重ね合わせたり。それは楽しいというか興味深くもあるんだけど、でも疲れるから、だったら何も聴かなければいいじゃんて思うんだけど、耳さびしい状態はやってくるのだ。さあどうする?

即効性のある享楽的な音楽を通過した後に、私は自分の胸に手を当ててみた。考えてみた。今の自分が欲している音楽というヤツを。目を閉じて、無音の中に見えてきた音は、Ambient/Droneだった。なんだ、回りまわって、戻ってきた。そしてなぜ自分の中にそのチョイスが浮かんでいなかったのかと、ちょっと驚いた。ごく普通に親しんでいたサウンドなのに、最近はほとんど、その類を聴いていなかった。じゃあ久しぶりにしっかり聴こうじゃないか。過去の作品を棚から、もといHDから引っ張り出すのもよい、けれどどうせなら新しい作品を探そうと思い、そうして巡り合ったのが、この作品だった、という分けです(説明なげーな)。

透明感のない、サウンドスケープ。レビューによっては‘Dark Ambient’という言葉を使っているけれど、私はそうはとらえなかった。白濁した、曖昧模糊とした、不安を抱えた思考のような、不思議な重みが底の方にあって、いわゆるピュアなトーンのAmbientがもつような浮遊感とは、切り離されている。引き伸ばされたレイヤーの起伏と、深遠さをもったアトモスフィリックな空間、かすかな電子音の転がり。とても静かだ。波の砕ける海の浜辺で、過去に犯した罪を回想するような、独特の安心感と幻想性。物寂しさ。“Abandoned Desires”という言葉に象徴されているように、どこかに暗さがにじんでいる。瞑想的ではあるけれど、癒しのイメージは、ここにはない。けれどこの、不安をもった浮遊感、不安定な空のような鈍色の空間が、抜群に魅力的だ。私の耳さびしさを、的確に慰めてくれる。複雑な思考は白い霧に包まれて、ともにどこかへ流れていく。忘れられていく。その安心感。ラストのトラックだけは、ピアノの響きとメロディ、その空白を利用して、Droneとは違った形で、私を物思いにふけらせる。

余談だけれど、今作を聴いていて浮かんだ心象風景は、aless(Hope Hampton)という、やはりアメリカのプロデューサが作っていたサウンドからイメージしたものと、非常に近い。よもや同一人物かと思ったけど(そのくらいイメージが重なった)、その線はないような気がします(なんとなく)。ちなみにalessの作品“I’mmobile”は、以前ここでも紹介しましたが、Distance Recordingsからフリーで入手できます。興味のある方は是非。



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