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α·Pav – Pavonis ~ Piano Collection II ~

 α·Pav - Pavonis ~ Piano Collection II ~

 – Tracklist –
 01. δ
 02. β
 03. λ
 04. η
 05. ζ
 06. τ
 07. ε
 08. γ



 - 05. ζ


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 Release Date : 2013.10.01
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Classical, Piano, Melodic.


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これまでにも何度か作品を紹介してきた中国のコンポーザー、α・Pav。彼の新しい作品、“Pavonis ~ Piano Collection II ~”がリリースされました。bandcampからは購入という形がとられていますが、YouTube上の‘δ’(今作の1曲目)のMVには、オンラインストレージへのリンクが示されています。うれしいことですね(ありがとうございます)。ちなみに2作目であることを示すタイトルですが、1作目はコチラで聴けます。

今作はタイトル通り、ピアノを主軸にした、とても静的な作品。これまでに紹介した作品でも確かにピアノが前面に出されていましたが、シンセサウンドやHouse調のリズム、オリエンタルな楽器音などの、他の要素も特徴的でした。そういった要素を脇に追いやったのが今作になるわけですが、これがまたすばらしい。決してピアノだけというわけではなくて、電子音や環境音、リズムなども、ところどころに持ち込まれていますが、それらはトラックや作品の世界観を補強するための、裏方にすぎない。全編を支配しているのはピアノの音色、その響きだ。

冒頭の‘δ’では、Erik Satieの“Gymnopédies”を彷彿させる、物憂げな空間が広がる。昼下がりの物思いを思わせる、そのボンヤリとした空気は、回顧的でもあり、また懐古的でもあり、ノスタルジアを誘発する(この1曲目からして、今作が安心して聴ける作品であると確信できる)。2曲目もその空気を引き継いで、遠くに水音や虫の声を聴きながら、ピアノの響き、その余韻に耳を澄ます内、空白の時間が流れていく。

M-3は列車の音が遠くから聴こえてくる。そしてピアノのメロディと重なるように、透明な音色がジンワリと、やわらかく明滅している。やがて聴こえてくる虫の声が夜を広げ、リスナーの目には、いつの間にか夜空が、そしてそこに光る星が、見えてくることだろう。そのまま地続きになっているM-4では、雨音だろうか、ポツポツ、サワサワとした水音が聴こえてくる。しっかりとしたピアノのフレーズがこれまでと流れを変える。夜の底で旅路を振り返るような、少しの安息感が、そこにはある。

M-5はとても環境的だ。木の床を歩く足音、コップに水を注ぐ音、テーブルに置かれる食器の音、椅子に腰かける音、本のページをめくる音。それらを包む雨音。その空間を漂うピアノ。雨の日の休日。そのひとこまを切り取ったような、とても風景的なトラック。M-6では、穏やかながら暗さを宿した旋律に、リズムが入りはじめる。風の音だろうか、炎の音だろうか、ザワついた音が小さく聴こえてきて、どこかしらに不安が滲んでいるトラックだ。

そんなM-6を通り過ぎて、ゆっくりとした夜明けの光を思わせる、2分弱のM-7のあと、作中でも最も華やかでPOPな‘γ’で、作品は幕を下ろされる。ストリングスとピアノの掛け合いでドラマチックな展開を作り出す、この‘γ’は、何だか映画のエンドロールのようで、作品の終わりにつきまとう、寂しさと清々しさが、同居している。雨垂れに想いをのせて過ぎ去りし日々を回想するようなM-1~7に対して、このM-8は、まるでその物思いからの目覚めのときを知らせるかのようだ。作品はとてもキレイに締めくくられている。

これまでの作品が気に入っている方だったら、きっと今作にも心が動くことでしょう。ノスタルジックでMelodicな、α·Pavのエッセンスを、強く感じることができる良作です。余談だけど、各トラックのタイトル、何だか不思議ですよね。ギリシア文字。タイトルでイメージを限定したくなくて、適当に割り当てただけなのか、あるいは逆に、何か特別な意味を持たせているのか。


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α·Pav – δ – Pavonis ~ Piano Collections II ~【MV】




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