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dep – It all comes down to this

 dep - It all comes down to this

 – Tracklist –
 01. All I Know
 02. Forever and Ever
 03. If You’ll Stay
 04. It All Comes Down to This
 05. It Goes On
 06. Totenfeier
 07. Make It Be (feat. Stephanie Morgan)
 08. The Lucky Ones
 09. Japello
 10. We’re Hiding Out Today
 11. Rollercoaster
 12. Lions
 13. I’ll Be Waiting



 - 04. It All Comes Down to This



 - 07. Make It Be (feat. Stephanie Morgan)


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 Release Page :
  ■ Purchase
  ≫ [ bandcamp ] / [ iTunes

  ■ Download Page
  ≫ [ dep.fm ] Free!


 Release Date : 2014.03.20
 Label : Not On Label

 Keywords : Alternative, Ambient, Classical, Electronic, Pop, Vocal.


 Related Links :
  ≫ dep.fm
  ≫ dep on Last.fm / on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter


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アメリカはノースカロライナ州アッシュビルのプロデューサ、depことDanny Peck。彼の新しい作品“It all comes down to this”が、自身のウェブサイトを通じてフリーでリリースされています。bandcampやiTunesからは購入も可能です。

前作“Ever Looming”からおよそ1年ぶりですが、リリースはコンスタントですしヴォリュームも決して少なくなく、作品ごとにスタイルも異なっていて、しかもクオリティは高いとくれば、それはもう、いったいどういう制作スタイル、制作ペースなのかと不思議になるくらいなのです。

大枠でいえばElectronic musicなのですが、スタイルの軸になっているのは、ClassicalなAmbient/Electronicaでしょう。2008~2009年の初期のころは、わりとElectronicに寄った硬質なサウンドも聴けたように思いますが、近年はオーケストラルでフィルム・スコア的、シネマティックなサウンドに興味が傾いているようです。Pianoやストリングスを生かしたClassicalなフィーリングと、Electronicなサウンドの組み合わせで描かれる壮大な景色は、Post-Rockのそれにも通じるかと思います。

今作の特徴としては、ほぼ全編がヴォーカル入り、ウタモノになっているという点でしょうか。器用なことに彼はヴォーカルも自身でこなしているわけですが、それは作品の世界観を損なわずに、見事にマッチしたものなっています。メロディ自体は十分に立っているのでそれだけでもリスナーの耳を飽きさせることはないと思うんですが、作品の中でも流れに緩急がつけられていて、その点がさらにリスナーを惹きつけることでしょう。冒頭のM-3で、Shoegazingで多層感/Wall感のある音像と、Electronicなリズムの組み合わせで心地よいラッシュ感を生み出したあと、次の‘It All Comes Down to This’で、ふいに静かになった空間にピアノが流れ、その在り様は、静まり返った海のような景色をリスナーに見せてくれます。

中盤の幕開けになる‘It Goes On’では、Hip-Hopを感じさせるリズムに、可愛らしい電子音やPianoを散りばめて、軽快にスタート。‘Make It Be’では女性ヴォーカルを招き、Chipsoundとオーケストラルなスタイルを組み合わせたストレンジにして壮大なウタモノを披露、終盤の‘Rollercoaster’では、Pianoと歌声(そして絶妙なAmbience)のみでしめやかな空間を作り上げ、その流れを引き継いだまま、‘Lions’でClassicalに拡大、延長、ラストの‘I’ll Be Waiting’に向い、不思議な環境音を配したPiano songで締め。といったように、フィルム・スコアのようなシネマティックな雰囲気が多分にありながらも、飽きのこない巧みな展開、Melodicなウタモノとしても機能しているという点で、繰り返しの聴取に耐えうる優れた作品になっています。


とここまで内容について書いてきましたが、今作の最大の特徴は、また別にあるんです。2013年の半ばから録音が開始された本作ですが、完成に至るまでの途中経過、つまりアンフィニッシュ、プレヴァージョンも同時にリリースされているのです(公式にはOld Versionsと呼ばれています)。全部で5つの時点が選ばれていて、それぞれの時点における今作のトラックを聴くことができます。しかも単純に今作収録曲のプレバージョンが入っているわけではなくて、完成版には未収録のトラックもあったり、曲順や曲数も異なっているものがほとんどなんです。私もまだすべては聴ききれていませんが、完成形とそれぞれの時点を聴き比べて、いろいろな角度から考察してみるのも、また面白いかと思います。完成版からはカットされたものの、よいトラックもたくさんあります。

トラック単位でならまだしも作品丸ごとのプレバージョンをまとめて5つも公開するというのは、フィジカルなリリースが全盛の時代には考えられなかったことです。そしてそれらを惜しみなく公開、リリースするdepの姿勢から考えるに、そういった制作段階も含めてこその今作、なのかもしれません。作品の成長を段階ごとに提示してみせる様子は、まるで子供の成長写真を見せて喜ぶ親のごとき。それほどに音楽を愛しているということでしょう。

今はネット上で音楽を公開する人も、それを探して聴く人も、それをブログやメディアにピックアップする人も、沢山たくさんいると思いますが、出会いにまで辿り着かない、いわば“埋もれた才能”もまた、沢山たくさんいるのだと思います。depは決して無名ではありませんし、netaudioファンの中では知名度もあるかとは思うんですが、それでも彼が作品をリリースするたびに、彼も埋もれてるんじゃないかなあ、と思ってしまいます。同時代性や革新性はないのかもしれませんが、間違いなく、才能。そう断言します。すばらしい作り手さんです。

※上記Old Versionsはdep.fmからのみダウンロード可能です。bandcampやiTunesからは入手できません。


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 Note :

Songs, vocals written, produced, mastered by me. Special thanks to Stephanie Morgan for her vocals and talent on Make it Be. Also thank you to Rudy Murdock for the album art. Read more about him and his work at dep.fm — More special thanks and linear notes there as well.



(CC) by – nc 3.0

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