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HOTEL PARALLAX – PROCESSES

 HOTEL PARALLAX - PROCESSES

 – Tracklist –
 01. 柔らかい夢
 02. ░BROCHURE░
 03. のためにBACARDI新鮮な
 04. genki
 05. 再び夢を見て (bandwith)
 06. corridors(私に触れる)
 07. 私を愛してください、私を愛してください、私を殺すことはない、私を愛してください
 08. 我々はどこから来るのですか?私たちは誰ですか?我々はどこに行くの?
 09. xpress
 10. 肉體的遐想 (coco)
 11. 水の夢 (ため息の無限大)
 12. 太陽の高揚



 - 06. corridors(私に触れる)



 - 11. 水の夢 (ため息の無限大)


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 Release Date : 2013.08.12
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Electronic, Glitch, Shoegaze, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ HOTEL PARALLAX on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Tumblr


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HOTEL PARALLAXというのは、架空のホテル名なんでしょうか。bandcamp上にあるプロフィールを読んでも、そんな印象を受けます。“Naha, Japan”なんてワードもあるけれど、彼の場合はパーソナルなInstagramも公開していて、それは彼個人の生活と結びついたものになっているので、VaporWaveメイカーについて回る匿名性はあまり感じられません。 気取った言い方をすれば、アメリカ在住のNathan C.という男性こそが、このHOTEL PARALLAXのオーナーなのでしょう。

それこそ“雨後の竹の子”という言葉が相応しいほどに、VaporWaveというワード、タグを身につけた音楽は、netaudioの中で蔓延しています。VaporWaveに魅せられたVaporholicな方たちは熱心にそれらを収穫して味わっているのでしょうが、私などは(VaporWaveに対して)玉石混淆のイメージが強すぎて、とてもすべてに耳を傾ける気にはなれない、というのが正直なところです(意匠自体はすごくスキなのですが)。それでも不思議なことに、耳を傾ける以前から、心の琴線を刺激してくる作品というのがあって、それは多くの場合ジャケット画像や、用いられているワードの響きによるところが大きいんですが、そういった作品は積極的に聴き込んでいくわけです。

というわけで、この“PROCESSES”ですが、このジャケットイメージ、どうですか。3Dモデリングの過程(まさにプロセス!)にあるような、ヌメッとしたヒューマンフェイス。顔のすぐ下のウィンドウには小さく“welcome”と書かれている。レトロフューチャーなインターフェイスのような佇まい。惹かれる。加えて、作品中盤にある‘私を愛してください、私を愛してください、私を殺すことはない、私を愛してください’という偏執的、あるいは強迫観念的な文言。それは古臭いインターフェイスのエラーのようでもあり、あるいは不安におびえる人間の祈りのようでもあり。そこにある、ある種の強い感情性。これはVaporWaveには似合わない、というかVaporWaveっぽくない。惹かれてしまう。

実際のところ、前半部はまっとうなVaporWaveというイメージが強いです。でもちょっとずつ、“アレ?”っていう感覚が強くなってきます。M-4とか、作中ではエッジが立った調子でカッコよかったりするし、その流れを引き継いだM-5も、IDM~ChillWave/Shoegazeにも通じるラッシュ感を出してきたりして、妙に音楽的に刺激してくるんですね。中盤のM-6で高橋洋子さんの“予感”をChopped & Screwed(C&S)して、流れをVaporWaveに引き戻しにかかるかに見えるんですが、そうはならなかった! M-7がサンプルベースの神々しいShoegaze/Noiseな小品になっていて、これが後半部の幕開けとなっていますが、ここからプログレッシヴでスピリチュアルなドリームスケープが展開します。

‘我々はどこから来るのですか?私たちは誰ですか?我々はどこに行くの?’は、ゴーギャンの絵画“D’où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?”(英:Where Do We Come From? What Are We? Where Are We Going?)を指していると思われますが、だとしてもなぜこのトラックがこんなに厳かで宗教歌のような雰囲気を持っているのだろうと気になって、少しだけ調べました。Wikipediaにある、この絵画についての背景の部分を読むと、こうあります―“ゴーギャンは11歳から16歳までオルレアン郊外のラ・シャペル=サン=メスマン神学校の学生で、この学校にはオルレアン司教フェリックス・デュパンルーを教師とするカトリックの典礼の授業もあった。デュパンルーは神学校の生徒たちの心にキリスト教の教理問答を植え付け、その後の人生に正しい教義において霊的な影響を与えようと試みた。この教理における3つの基本的な問答は「人間はどこから来たのか」(Where does humanity come from?)、「どこへ行こうとするのか」(Where is it going to?)、「人間はどうやって進歩していくのか」(How does humanity proceed?)であった。ゴーギャンは後半生にキリスト教に対して猛反発するようになるが、デュパンルーが教え込んだこれらのキリスト教教理問答はゴーギャンから離れることはなかったと言える”。

ということで、ゴーギャンのこの絵画からタイトルを拝借した(と思しき)トラックが宗教的イメージを持っていたとしても、それは当然のことだと、納得できます。というかこのトラック自体も、3部ないしは2部から成っているように受け取れます。厳かな前半部から一転して、NewAge調に展開し光があふれる後半部、そして最後は意味ありげに花火の音で締めくくられます。その展開に、ゴーギャンの作品と同じような、人生の始まりと終わり(あるいはその過程=PROCESSES)を重ねてみることも、できるのかもしれません。

M-9は、チャイルディッシュでラッシュ感のあるJuke/Footworkなトラックで、次のM-10が、作中でも最長のトラックで、10分を超えてきます。ドリーミーでAmbietnなサウンドスケープの中に、澄んだ音色が点在しながらメロディを鳴らしていく、とても柔らかくて気持ちのよいトラック。なのですが、後半になるにしたがって、即興的なピアノの連打や、心臓の鼓動のような振動が底から聴こえてきたりして、ミステリアスでPsychedelicな様相を呈してきます。この“肉體的遐想 (coco)”というタイトルから見ても、何かしら意味を持たせた作りに思えるんですが、残念ながら推測することはできませんでした。

M-11で心の原風景にポトリと水滴を落とし、シリアスに波紋を広げたあとは、これまた8分を超える長尺の“太陽の高揚”。カンツォーネにC&Sをかけたみたいな、まさかの出だし。それまでの、どちらかというと内省的だった心持ちが一転して、外側へ解放されていく。なんじゃあコレは! 雄々しさを増しながらドラマチックに展開し、よりエスニックな空気を濃くしながらWorld musicに接近、ラストはピアノを交えた哀愁の歌唱を響かせて終わると思いきや、アウトロで遠くエコーしながら聴こえてくるのは作品冒頭‘柔らかい夢’のイントロだった! 始まりも終わりもない、そのサイクルは、常にPROCESSES(プロセス)! ということで締めておきます。

しっかり聴いてみるとやはりVaporWaveの色は薄いと思います。単純なNewAge経由のスピリチュアルではなくて、癒しというよりも祈りを感じさせる神性のようなものが時折感じられて、そのことが今作をVaporWaveから引き離しているのかもしれません。あとMelodicなところもよいですね。ちなみにHOTEL PARALLAX、新作が近いようなので、気になる方はSNSなどでチェックしておきましょう。


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Note :

THE BITTER NOSTALGIA OF A BISECTED
ZODIAC
CAN THE END BE EXPRESSED WITHIN THE
BEGINNING?

ラスタライズ発光のこの迷路内にある – パラダイムイン待ち、啓示の自由な可能性。肉の空想は、静かに、意識のミラーで煙を急いでまだ水の夢は、どこで現実と超現実の間の開裂である?モデムやプロトコルのマントラを震えのOM。
デジタル説教

Feedback loop homeostasis

私を愛して。私を愛して。私を愛して。私を愛して。私を愛して。私は死ぬことを許すことはありません。




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