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chris††† – a better place [BIZC060]

 chris††† - a better place [BIZC060]

 – Tracklist –
 01. 一人でNOW
 02. 浮体
 03. フィールド
 04. 囲む
 05. CATAくし
 06. 青空
 07. 壊れた窓
 08. 追跡者
 09. 緑色
 10. AFK永遠に
 11. より良い場所



 - 06. 青空


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 Release Date : 2014.11.14
 Label : Business Casual

 Keywords : 80s, Easy Listening, Electronic, Melodic, Synthesizer, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ christtt.com
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  ≫ John Zobele


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VaporWaveをメインフィールドにしつつ、決してそこに留まらない、新しい(そしてストレンジな)サウンドを追うアメリカンネットレーベル、Business Casualより。レーベル設立者でもある、chris†††(John Zobele)の作品が実質フリーでリリースされています。彼はBye-Product、stab something(melanie stanleyとのユニット)といった別名義も持っていて、どちらも活動を継続、2014年にもリリースを行っていて、精力的な活動は相変わらずです。

chris†††名義の作品では、以前に“包容”を紹介しました。そこから今作までに、2作(“new wounds”“waiting”)がリリースされています。“包容”で見せた、commercial musicあるいはNewAgeの大胆な引用について、“Vaporマナーを逆手にとったような、この強行的な提示、音の在り方”とか私書きましたが、その後の2作においては、その傾向は鳴りを潜めていました。“new wounds”はGlitchyなシンセサイザー・ミュージック(Eccojamともいえるかもしれません)で、シンセのタッチにVaporWaveのエッセンスはあれども、その聴き心地にはシャープでフレッシュな部分があって“包容”のそれとは異なりました。“waiting”もエコーイックなビートにサンプルボイスを絡めたもので、確かにその部分はVaporWaveな意匠ですが、しかしメロディは廃されていて、やはり“包容”とは異なる路線。John Zobeleは、特にchris†††名義ではVaporWaveを意識したサウンドを追及しているように感じますが、“包容”以降、あのようなサウンドは見せておらず、やはり彼の中でも異色作(意欲作)だったのかと、そう判断していました。

と思っていたところに届いたこの“a better place”で、再びあの路線を披露しています。Easy Listening/NewAge調の大仰なシンセ(サンプルベースの部分もあるでしょう)が全編にわたって鳴り響いています。前半はほとんどビートが入っていないのも特徴で、これが今作の浮遊感に結びついているようにも思います。レトロなフィーリングと、(形式的)ドラマチックなメロディ。これらは言うまでもなく、レトロスペクティヴな思考を促します―

ウインドウチャイムのような澄んだ電子音の乱反射は、遠い夏の日差しを思わせます(M-4, M-11)。ときおり現れる温かな包容力ある空間は、夏の夕暮れ、日は落ちて家へ帰る時間(M-2)。スピリチュアルで深遠な空気は、子供の頃に家族旅行で訪れた見知らぬ土地での朝の目覚め、そこにあった空気(M-10)。また、その旅先で訪れた郷土資料館や、観光地の展示室のような、ひんやりとした静けさ、染み出る旅情(M-3)。‘追跡者’の原色的シンセの響きは、そのまま70~80年代のサスペンス/ホラー映画を想起します―子供の夏に観るホラー映画は網戸の外にある闇がすごく怖かった。そう、私が今作を聴いて思い出すのは、子供の頃の“いつか”ばかりで。知らないものばかりで、自分の生活とは切り離された“どこか”にすごくワクワクできた頃。その“いつか”や“どこか”が封じ込められているのが、今作なのです。私にとっては。もちろん聴く人によって受け取り方はぜんぜん違うだろうけれど、私はVaporWaveに―というより音楽全体に、少なからずそれを求めている傾向があるのです。そのニーズ、嗜好を満たしてくれるのが、他ならぬ今作であるわけです。

相変わらずブツ切り感がありますが、でも曲のつながりは“包容”よりも意識されているように思いますし(?)、聴きやすさはコチラの方が上だと思います。音楽的にどうこうというものではないと思うんですが、これが作品として成り立って、そして聴いて喜ぶリスナーがいるっていう、この状況は、やっぱり特異じゃあないですかね。音楽っておそろしいですね。VaporWaveだって結局正体のわからんものだと思いますし、だからこそみんないろんな形で魅せられて自分なりに正体を暴きにかかろうとするんだと思います(研究者みたいなものです)。でもたぶんもはや客観的な答えはでないように思うので、こういうある種放ったらかしの状態を主観で楽しむのも吉なんだと思います。あと、今作が好きだといっても、じゃあいわゆるNewAgeやEasy Listeningを聴けば私が刺激されるのかっていうと、必ずしもそうでないから、これまた不思議です。何かキーがあるのでしょうが、そして自分の中で突き詰めれば何かしら見えてきそうですが、疲れるので、それも放っておきます(笑)。



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