ABRAcaDABRA

Netaudio explorer

Arca – &&&&&

 Arca - &&&&&

 – Tracklist –
 Arca – Knot
 Arca – Harness
 Arca – Fossil
 Arca – Feminine
 Arca – Anaesthetic
 Arca – Coin
 Arca – Century
 Arca – Mother
 Arca – Hallucinogen
 Arca – Pinch
 Arca – DM True
 Arca – Waste
 Arca – Pure Anna
 Arca – Obelisk





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 Release Page Download Free!

 Release Date : 2013
 Label : Not On Label

 Keywords : Abstruct, Ambient, Beats, Dub, Edit, Electronica, Glitch, Hip-Hop, Industrial, Strange.


 Related Links :
  ≫ www.arca1000000.com
  ≫ Arca on Facebook / on SoundCloud / on Instagram / on YouTube / on Twitter


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You don’t know just I feel…

分かりたいのに分からないという、上手くいかない恋人同士のようなイメージを、このArcaのサウンドには持っています。いや、そもそも“分かる”ってどういうことなんだろう―それはArcaに限らず、音楽に限らず、“分かる”とはどういうことなんだろう? 今作その他のArcaの作品を聴いていると、そんな難しい問いが、頭に渦巻いてくるのです。音楽を分かるためには何が必要なのでしょうか。いや、何か必要なのでしょうか。何かを知らなければ、彼のサウンドを正当に(そんなものあるのか知らないけど)評価することはできないのでしょうか。生い立ちや音楽的ルーツ、影響源、彼につながる先人たちなどを抜きにして、音に対する表現だけを行おうとするとき、“言葉にできない”という表現は、確かに今作によく似合います。

当たり前だけど聴いて感じたことが真実です。真実は主観的なもので、つまり私にとっての真実を書くと、今作は“よく分からんな”という作品になります。私にとって音楽的な気持ちよさというのは、ここにはありませんでした。でも巷ではやたらと話題(賛否を含め)になっていた2013~2014年、という事実があります。ここで初めの言葉に戻りますが、そう、分かりたいのに分からないのです! なんで、どうして、ぜんぜん良さが分からんなあ、オレおかしいのかなあ、なんて思っちゃったりもして、何回も聴くわけですが、音楽ファンにありがちな“それほどよくないのに何回も聴いて何となく良いんじゃないかと思わせようとする”パターンも成功せず、手に入れてからしばらく評価は定まらず、時間だけが過ぎていきました。まあ(特に今作は)Hip-Hop/Beatsの向きが強いし、自分はブラックミュージックに反応できないし、そこんとこが大いに関係しているんだろうな、なんて思って、悔しくも諦めていたんですが、ヴィジュアル面での表現を見て、興味が再燃しましてですね。

この作品を聴いたときに、最初に頭の中でリンクしたのが、不思議と(?)Nine Inch Nails(NIN)だったんです(あんまり関連付けている文章はないかもしれないけど、でもどっかにあるとは思います)。Pop度でいったらぜんぜんNINの方が上だけれど、先人たちの作ってきたサウンドを踏まえた上で、エポックメイキングな、新奇性の高い(そして情報量過多な)サウンドを作り上げてきたという点で相通じる部分がありますし、何より先日の投稿に書いたように、私が初めに聴いて“よく分からんな”と感じたところが、まんま重なるのです。もちろんArcaの紹介には奇才Aphex Twin(Richard D. James)が関連付けられることが多いですし、Arca(Alejandro Ghersi)と映像作家Jesse Kandaのコンビが、RichardとChris Cunninghamの関係を彷彿させるというのも、大いにうなずけます。

話をNINとArcaに戻しますが、まずArcaの‘Thievery’(“Xen”収録)のビデオを見て、グロテスク/ビューティフルなイメージと、その力強さに圧倒され、一瞬で引き込まれました。“TRAUMA Scene 1”などにもある、怖いもの見たさにも似たその吸引力がまた、一時期NINのMVが持っていたものと、非常に似通っているように、感じられたのです。ちょうど”BROKEN”から“The Downward Spiral(TDS)”の頃です。かなり直接的にグロテスクな表現を行っていて、ボンテージで身動き取れない人間の口に便所の汚水が流れ込んだり、マゾヒスティックな快楽を求める男が全身ミンチにされたり、蝿が無数に飛び交う部屋の中で、男がステーキを頬張り、ワインを飲んだりといった内容でした(公式的には世に出なかった“The Broken Movie”は、殺人過程を記録したような形で、ペドフィリアやネクロフィリアの要素も含まれた、性的に倒錯した非常にショッキングな映像になっていて、今でこそ普通に見れてしまいますが、一昔前はかなりレアな代物でした。内臓感覚どころか内臓露出な映像なので、ご覧になる方はその点承知の上でお願いします。ちなみにディレクターはPeter Christopherson)。

そんなように、倒錯した内面性の発露とでもいえる、強い感情性をうかがわせる点で、ArcaとNINのサウンド/ビジュアルに共通項を感じ、またArcaのサウンドにRock的なものを感じたのです。そして視覚的要素の力というのは凄まじいもので、Arca & Jesse Kandaの作品に触れていく中で、私の中にArcaフォーマット、Arca受容体とでもいえるものが誕生したのです。感覚的にいうと、“ああ、こういうふうに聴いてよいんだな”と、(ある意味)“分かった”ということです。

なぜこんなにもArcaの表現がセクシャルなのかというのは、ele-kingさんの記事―“interview with Arca ベネズエラ、性、ゼンとの出会い”を読むと、分かるような気がします。どれほどArcaの表現がシリアスなのかというは分かりませんし、もしかしたら無邪気なものなのかもしれないですが、でもArcaのサウンドイメージをここまで見事に視覚的に表現してみせる、そして決定づけるJesse Kandaの役割というか、2人の関係性というものには、神秘的なものすら感じてしまいます。

音だけでいうと、聴いた中ではこの“&&&&&”が一番好きです。冒頭の‘Knot’にある、振動する空間とかかなりシビれます(私の中ではこの辺のダビーな感じも、NINに通じるんです)。“Xen”収録の‘Bullet Chained’もよいです―ストレンジなビートとレイヴなシンセはレゲエのミュータントのようでもあり。真似しようと思っても誰も真似できないでしょうね。映像も含めると、やはり‘Thievery’が好きで、ずっと見てたいくらいです、この動き。あとは‘Now You Know’の機械的浮遊感とコズミックな美しさも好きです。超高圧縮な人造感覚。

余談ですが、NINとAphex Twinは昔に組んでいるんです。TDSに対するRemix盤“Further Down the Spiral”の中で、‘At the Heart of It All’と‘The Beauty Of Being Numb’の後半(“Section B”と呼ばれる)を、Aphex Twinが担当しています。RemixというよりはNINにインスパイアされた結果作ったような、オリジナリティあふれるトラックで、当時非常に魅了されました。何が言いたいかというと、次にNINのRemix作があれば、是非Arcaに参加してほしいなあということです。在り得なくはないんじゃないか、と思います。

※私の持っていた“Arcaの何がそんなにすごいのか”という問いに、もっとも食い込んできたのはthe sign magazineにある竹内正太郎さんの記事でした。≫ “2014年最大のセンセーション、アルカの「新しさ」を紐解くコンテクストとは何か?その① 「ネット上で生まれた、創造主なき新たな生命体としての音楽」


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