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Oceania LTD – big ol’ brain

 Oceania LTD - big ol' brain

 – Tracklist –
 01. Troma
 02. I’m in love with Jesse Starr
 03. Carl Gustav Junglist
 04. wax doll
 05. New India
 06. BL
 07. Berlin 1993
 08. Coffee Break
 09. E
 10. Thank you for your call



 - 04. wax doll


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 Release Date : 2015.03.18
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Electronic, Industrial, Jazz, Jungle, Lo-Fi, Noise, World music.


 Related Links :
  ≫ Oceania LTD on bandcamp


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ゴーイングマイウェイなスウェーデンの音楽プロデューサ、Oceania LTD。以前に“Tokyo Mall”を紹介した時は、こんなに作品を連投するとは思ってもいませんでした。前から作っていたものを小出しにしている可能性もありますが、“Tokyo Mall”を2014年の11月に公開後、今作以外に4作品(“Silicon Dreams”, “Hotel Anhedonia”, “911 Calls”, “Visor från urskogens avskilda ödeshemman”)が公開されていることは、少なくとも事実です。

おそらく彼/彼女は複数の名義を使い分けていて、今作もその内のひとつにすぎないのでは、というのが私の見立てです。探ってみれば、このOceania LTDが関わっていると思しきプロジェクトは見つけられますが、中でもこのOceania LTDがもっともメロディからは離れているように思います。“Tokyo Mall”こそ、Mallsoftと呼ばれるサウンドを踏襲していましたが、以降はアブストラクトなElectronic musicを貫いています。ちょっと簡単に振り返ってみましょう―

“Silicon Dreams”は長尺でジャンクなIndustrial/Jazz~Improvization風味のサウンドで、引き伸ばされたスローモなエディットはVaporWaveに通じなくもないですが、これをそこに当てはめるのはやや無理があるような・・・。5トラックで1時間以上はある一大絵巻は、音楽的快楽というよりは疲労をもたらしそうな気さえします。“Hotel Anhedonia”は逆にピッチを速めたような部分も感じられますし、エディットしたミニマルなフレーズをリピートさせているだけのラフなトラックが多数詰め込まれています(23トラックという数は、やはりトゥー・マッチなイメージ)。後半からはサンプルなのか演奏しているのかは分かりませんが、Metal musicやJazzといった、後発の作品にも通じる要素を垣間見ることができます。どこか習作のような雰囲気もあり。

“911 Calls”はNoiseな冒頭部から、Doomの気配も感じさせる重量感のあるDark Ambientに転じていく、不安感・緊張感が保たれているシリアスな作品ですが、中盤の2トラックが15分を超えるなどしていて、やはりロングな作りになっています。“Visor från urskogens avskilda ödeshemman”では、ハッキリとHeavy Metal/Doomに舵を切っていて、Lo-Fiでノイズな音作りの中で、ときにエモーショナル、ときにシネマティックな、重金属サウンドがさく裂しています。

というように、作品によって、ちょっとずつ作風が変わっているように感じるのですが、 軸にあるのはAmbient/Noiseという、ふたつの要素ではないかと思います。今作のM-1を聴いて、久しぶりにVaporWaveに通じるサウンドが帰ってきたかと思ったんですが(ブンブンと振動するNoiseの彼方で、PCの効果音のような、何かが瞬いている)、以降を聴いてみると、一周、いや一周半回って、また別のところに着地している気配。ちなみにこのM-1は10分近いんですが、いきなり曲がプログレッシヴに切り替わります―レトロなシンセ/ディスコサウンド~TVからの引用BGM~そして不穏なAmbientへ。M-2はミニマルなリズムにインドのシタールを取り入れたような、World musicなノリ、かと思えば次のM-3は急にJungleなリズムで攻めてくる。この辺りのイージーな調子は“Hotel Anhedonia”に近しい気もします。

はたしてM-4‘wax doll’が、プチプチ(ときにキュルキュル)としたノイズの中で、ブラスが煙のようにたなびき、人声のような奇妙なエフェクトがポツポツと滴る、オブスキュアながら面白い小品なのですが、サスペンスフルな電子音楽‘New India’を通過して、ノイズまみれのオールディーズ‘BL’、そして不気味に振動するNoise/Industrialな‘Berlin 1993’、ファストでミニマルなリズムにルーズなブラスを絡めた‘Coffee Break’と、Noiseに傾きつつも独特のノスタルジアを漂わせるような、ひとつの特徴性を感じさせる展開に。乾いたドラムパターンと玩具的音声、対するスローなベースが、軌道を外れたDrum ‘n’ Bassを思わせる‘E’のあとに続くラスト・トラックがいきなりMelodicな‘Thank you for your call’で、カオスを抜け出たあとの安心感、あるいは爽快感のようなものを感じてしまう始末。なんだかひと昔前のビデオゲーム、そのスタッフロールとかにありそうな曲調でもあり、レトロなフィーリングが喚起されます。

とこのように見てくると、決して革新的とか度を越して複雑怪奇とか、メロディが芳醇とか、リピート必至とか、そんなことはないのですが、何だかよく分からないけど突っ走ってる感じがして、気になってしまう存在なのです。NoiseやJazzの要素を感じさせながらも、一貫性が見えないところからして、やはり格納庫的なニュアンスで、多数のトラックを公開しているのかもしれません。タイトルの“big ol’ brain”というのは、“大きな年老いた脳”という意味合いなのか、それをもって何を示そうとしているのか、それを探るべく今作をリピートしてみるのも、一興、かもしれません。今後もリリースを重ねる可能性は十分にありますが、きっと何だかんだいいながら、私はまた聴いてしまうのでしょう。VaporWave/Mallsoftは戯れだったのか、それとも―



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