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ricrdo – only time knows best

 ricrdo - only time knows best

 – Tracklist –
 01. Fresh Air
 02. WELCOME TO THE CAT KINGDOM ฅ(≚ᄌ≚)
 03. make
 04. am
 05. mmmmmmm
 06. 52A
 07. for the both
 08. spring never be the same again
 09. Mango Water
 10. g l o
 11. u n k n o w n
 12. worm
 13. (╥﹏╥)
 14. sun shine
 15. her



 - 06. 52A



 - 10. g l o


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 Release Date : 2015.04.05
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Electronica, Hip-Hop, Nostalgia, Sad, Urlandschaft.


 Related Links :
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リトアニアのトラックメイカー、ricrdoの新しい作品です。以前にも“春の眠り (SPRING SLEEPS)”について書きましたが、早くも新作を届けてくれました。そしてこれが素晴らしい作品なのです。これまでに聴いた作品の中ではダントツで抜きんでていて、現時点でricrdoのベストワークといってもよいのではないでしょうか。

最近私の中でマイブームとなっているのが、Sad musicなのですが、このricrdoの音楽は、まさにそこにストライク、ズバッと鮮やかに突き刺さるのです。ちなみにSad musicとは、読んで字のごとく、Sadなmusic。私が勝手にそう呼んでいるだけで、まったく通称ではありませんし、漠然としすぎてワードだけではイメージできないかと思います。せっかくなので、そこに絡む、気になるトラックメイカーを上げると、もちろんこのricrdoの他に、Renjādazamuolli.などがいます。あとは– ojmacoj –もHip-Hopに傾倒しすぎだけど、ちょっと近いです。

共通するのは、不定型なAmbience、あるいはDroningによるレイヤー、そしてHip-HopやTrapを経由したと思しき、シンプルでミニマルなリズム。淡いメロディと出しゃばらないリズムは、非常にAmbient的で、曖昧模糊とした音像はイマジネイティヴですが、しかしノスタルジアとSadなフィーリングを孕んでいて、私の記憶を絶えず刺激、くすぐり続けるのです。果たしてこの快楽が、ドーパミンの分泌によるものなのかは定かではありませんが、いやきっとそうなんでしょうが、しかしなぜに、こんなに私はヤラれてしまうのでしょう。今作に至ってはノスタルジアの監獄に入れられたような、苦しささえ感じる始末。

使っている音色やメロディが、私の中に、確実に、けれど曖昧な、何かを広げていくのです。私は自分の中に原風景というものを明確に感じたことはないんですが、それに近しいものが、ここにあるのかもしれません。ちょっと(いやもしかすると大きく)話をそらしますが、昔“ムーンライトシンドローム”というゲームソフトがありました。これはまたこれだけで多くを語れるくらいにトンデモなゲームだったわけですが、一人の少年・華山リョウの内的革命をひとつのテーマにした、非常に狂気に満ちたストーリーで、その中で、その華山リョウの心の原風景が出てくるシーンがあるんです―青い空と白い雲、緑の木々、生い茂る草たち、そこにいる人たちは懐かしい顔ぶれで、楽しそうで、でもすべてを知っていそうで、ノスタルジアと悲しみに満ちた空間(動画は実況動画しかないようなので貼りませんが、その原風景の画像はコチラです。thank you izzeybee translations!)。今考えれば、大変おかしな話ですが、その空間―華山リョウの原風景こそが、私の中の“懐かしい場所”になっている気もします。そしてそれをこのricrdoの作品は見せてくれているのかもしれません。

現実の話、私の中の記憶―思い出はどんどん薄れていっている。幼馴染たちとよく遊んだ近所の草原。今ではそこは画一的な住宅地になってしまった。幼かった私たちが、遊び疲れて寝転がり、空に瞬き始めた星たちを眺めながら、汗ばんだ頭皮をなでる風に気持ちよさを感じていた、あの空間。その風景と感覚は確かにあったのに、もう戻らないし、記憶という形で存在していた私の中からでさえも、消えていきそうになっている。あんなに強く記憶に残っていた風景が、私の中からでさえも消え去りそうになっているという、動かしがたい事実。そこにある一抹のさびしさ。悲しさ。そしてノスタルジア。今作を再生している間、絶え間なく訪れる郷愁が、私の胸にしみわたる。そこから翻って、いろいろなものと疎遠になった自分に思いが及ぶ。イマジネイティヴだ。Sadだけでなく“miss”や“lost”というワードにある感覚も、ここにはあるような気がする(しかし何かを失ったことで何かを得たのだと、私は自分に言い聞かせる)。

フワリと漂うメロディと、ゆるやかに包み込んでくる空間。ぼやけた調子で、ノスタルジックにサーフする記憶、思い出。私はいつもそれを捕まえようとして、内面を覗きこみ、ボーッとしてしまう。それは、精神世界という胡散臭いものの存在を感じる瞬間、でもあります。その瞬間に癒されているのかどうかもよく分かりませんが、私の心に深く浸透していくのは確かです。そしてこの、どこかにあるような、やっぱりどこにもないような、山間の貯水池を思わせる、不思議なジャケットイメージも、妙にハマっている。

上で書いているマイブーム、いつまで続くか分かりませんし、こういう自分の中の瞬間を切りとった文章は色あせるのでログとしては残したくないのですが、でもこれが今作について書く上で避けられないのだから仕方がありません。ちなみに上記の“ムーンライトシンドローム”、件の草原―リョウの原風景―のシーンでかかる曲があります―この動画の5:40くらいからです。興味のある方はどうぞ―


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Cover photo by Magdalena – on.fb.me/1vuH8ft



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