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City Developer – Foundation [TKX-014]

 City Developer - Foundation [TKX-014]

 – Tracklist –
 01. Foundation





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 Release Date : 2015.05.07
 Label : 東京為替

 Keywords : Ambient, Cyberpunk, Drone, Noise, Sound Art, Soundscape.


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VaporWaveというタグは似合わないかもしれません。過去から見た想像上の未来を演出している(ように思える)部分で、相通じる部分があるのかもしれませんが、表面的な部分ではVaporWaveらしさは感じられません。cyberpunkというタグを使っているところからも、そういったサイエンス・フィクションな世界をイメージしているのでしょうが、聴いているとどうにも違う景色が見えてきます。

環境音が乱反射する、膨張してゆがんだ音響空間。神秘的なコーラスのようにも聴こえるレイヤー。痙攣・振動する電子雑音―ノイズは、前面に浮き上がったり、また背景に沈んで行ったりと、聴き手の頭の中で、さりげなくヒット&アウェイ。ノイズと表裏一体になって、リバーヴ・ディレイする電子音は、浮遊感と眩惑感を合わせ持った、寝覚めの悪い悪夢のような。

得体のしれない工場の配管から吹き出すスチームのようにも聴こえるシューシューという白濁音もまた、steampunk的な世界観を演出はしていますし、ほぼ全編で聴こえてくる列車の走行音も、その世界観をさらに強いものにしています。と、ここまで文字で説明していると、欲望と絶望が入り混じった鈍色の未来都市がイメージされ(電飾的なイメージはない)、“なんだcyberpunk”じゃんって思うかもしれません。私もそう思いますもん。でも私のイメージを決定的にそこから逸らしている要素が、ここにはあるのです。

それは何かと言われれば、山手線内の発車メロディ(他の路線もあるかもしれない)や、列車の発車・到着のアナウンスなのです。確かに、多くの人に知られているサイバーパンクな作品である、映画“Blade Runner”では、日本というイメージはその世界観において重要な役割を果たしています。しかしどうだろう、実際都心部で暮らす人々の身近にある山手線にまつわる環境音というのは、どうしたって、それを聴く者の頭に、日常につながるイメージを抱かせてしまう。ホームの光景が目に浮かぶ人もいるでしょう。人によってはそれは憂鬱にもつながり得る。サイバーパンクにはつながらない。

と、こう書くと批判的な物言いに思われてしまうかもしれませんが、そうではなくて、私はこの作品に違うイメージを持ったんですよ、という冒頭の話につなげたいだけです。確かに一定のリスナーには日常を感じさせはするのですが、先にも書いたように、今作の中では、それは巧妙に異形化されているのです。ゆがみ、ノイズにまみれている。ここにある、異形化された日常、というのは何でしょう。

そう、ホラーなのです。話が一気にトビますが、そうですね、こんなように電車が絡んだ、日常が異形化していくホラーとは何でしょうか。みなさん思い浮かべるのはそれぞれでしょうが・・・Clive Barkerの“The Midnight Meat Train”なんてのもありますが・・・しかし私の頭にすぐに浮かんだのはもっと俗っぽいところで、ネット発の都市伝説“きさらぎ駅”だったのです。寝過ごした電車で異界に迷い込んでしまうというのが大筋ですが、巨大掲示板を通じてリアルタイムで実況がされたり、その後の伝聞が行われているというのが、ネットならではといったところでしょうか。もちろん信じるか信じないかはあなた次第(by セキルバーグ)なのですが、日常につながる電車にまつわるエトセトラがこうして異形化された今作から、“きさらぎ駅”のイメージが浮かび上がってきたのが、私です。あとはPSソフト“ムーンライトシンドローム”の一篇“開扉”も遠くない(あの電光掲示板が乱れるシーンとか)。

なんか話が脱線しているような気がしなくもないですが、今のところの目標は、今作を山手線に乗りながら聴くというものです。面白そうじゃないですか。サイケデリックなパラレルワールドを垣間見れそうです。しかし私は日常的に山手線を利用するものではないので、なかなか実現は遠いかもしれません。しかも言い忘れたけど今作は約36分のワントラック、つまり一周60分超といわれる山手線に半周以上乗らないと今作を完聴することはできないということです。そんなに長々乗る用事もねえな、ってことで、パーフェクトな目標達成はできそうにないので、代わりに誰かお願いします。

東京為替にはどうしてもVaporWaveを標榜しているイメージがありますが、そんなこと特にうたってませんし(タグには使ってるけど)、実質的にはエクスペリメンタル系のレーベルだと思います。



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