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わたしのココ – 落穂拾い2010​-​2013

 わたしのココ - 落穂拾い2010​-​2013

 – Tracklist –
 01. わたしと歩いていると恥ずかしいの(別mix)
 02. わたしのうんちをたべてください
 03. 恋愛の神様
 04. おやすみ、マイ・コメディアン
 05. ロンリーホーム
 06. 変なおばさん
 ※2016年のリイシューに際してM-7‘こうでなくっちゃね!’が付け加えられています。


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 Release Page Download Free!

 Release Date : 2014.03.30
 Label : Not On Label

 Keywords : Alternative, Electronic, J-Pop, Vocaloid.


 Related Links :
  ≫ わたしのココ on Last.fm / on bandcamp / on YouTube


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もっときちんとコレクトしておくんだったなあと、ちょっと後悔しました。たとえばUGUから出ていたセルフタイトル作“わたしのココ”とか、bandcampでセルフリリースしていた“きせつのうたのアルバム”とか。UGUはなくなってしまったし、“きせつのうたのアルバム”はいつの間にか消えてしまった(※2016年にトラック追加でリイシューされました!)。この“落穂拾い”をしっかり聴いた私は今、そんな後悔の念にさらされています(追記:でもUGUからのリリースは現在bandcampで公開されているものと同一。ジャケットは違うけど)。

“2010-2013”というワードがあるので、ニュアンスとしては音源集、コンピレーションのような感じなのでしょう。“愛してるって言われたいの”や“まごころを君に”と同じラインに位置しているのかもしれません。でも内容的にはその2作とは大きく異なっていると思います。今は販売作品としてリリースされている”カラダは正直”(人間大學レコード)や“Zombie Magic”と比較してどうなのかというところは、きちんと聴いていないので正直ハッキリ分かりませんが、しかし評判から察するに、おそらくそれらは今作につながる作風なのではないかと。

ボーカロイドユニットであるわたしのココは、音声合成ソフトLaLaVoiceを使って、一貫して少女対世界の関係性、そこにある悲哀を描き続けてきました。歌詞に現れる少女はときに二次元のそれであり、LaLaという名前で表記されているメンバーと、自然イメージが重なってゆきます。自己嫌悪と自己破壊願望に染まった、息苦しい音像と歌詞世界。メロディをたずさえながらも、Noiseにまみれたダークなサウンド。頻繁に用いられるNoiseは、攻撃は最大の防御とばかりに触れられたくない部分を隠しながら、同時にその鬱屈した気持ちが持つ、ベクトルの強さを示していたようにも思います。

ちょうど今作でいえば、前半の2曲“わたしと歩いていると恥ずかしいの(別mix) ”、“わたしのうんちをたべてください”(強烈なタイトル。Coccoがかつて自分の創作物をウンコ呼ばわりしていたことを思い出す)は、これまでの作風と大きく変わるところはありません。でも3曲目以降を聴いて、慌ててしまいました私。J-Pop感がスゴい。こんなだったっけ!?ってビックリして、過去作を聴きなおそうと思って、HDをひっくり返したんですが、ウソ持ってないじゃんオレっていう・・・、そして冒頭の言葉へと至ったわけです。

思春期的な肥大した自意識や、一事を万事と捉える狭く(そして重い)世界観が、どこにも見られない。目の前に落ちている重いハンマーを何とか持ち上げないと自分は幸せになれないと信じ込んで、でも重くて持ち上げられないって悩んで、これじゃ幸せになれないって自暴自棄になっていた人物が、別にこれじゃなくてもいいんだって、潔くハンマーをあきらめて、他の落し物を探しに出かけたような、新たな視点の存在が、とても頼もしいのです。何かを得るときは何かを失うときと言いますが(だから何かを手に入れるために何かを断つ、という考え方があるのでしょう)、ここにはある種のあきらめがあって、でもそれ後ろ向きではなくて、視線は前を向いている。自分を客観視して、嘲笑うことができている。決して明るさ全開とかそういう感じではないのですが、とてもストレートに希望の光が感じられて、胸を打ちます。

衒いのない歌詞がすごくスキです。

また一人戦線離脱した 笑顔が眩しい報告ハガキ まんざら楽しいアラサー女子会 それも今年で終わりかなあ / またひとつ歳を喰っていく TVバラエティーとハッピーバースデー 子供の頃のわたしが見たなら 卒倒するかも なんてねw  “恋愛の神様”

誰かがいて生きていけて 足りないもの 大切なもの 今だから分かるけど 結局うまくやれなかったのは 故障じゃなくて もはや仕様なんだって 諦めてもいるんです / でも観客席のどこかで 君はきっと 笑ってくれてたよね? / そういうことにしてる “おやすみ、マイ・コメディアン”

ロンリーホーム 帰りたくないな ロンリーホーム 飲みに行きたいな ロンリーホーム 何か淋しいな ロンリーホーム 誘う人などなくて ちょっぴり涙 あれ、変だな、笑えるな、たぶんわたしも歳なんだな “ロンリーホーム”

そうなの コンプレックスは今もあるけど 他人の数だけあるたくさんの鏡の中 可愛く見える角度もあると気づいたとき わたしの苦しみと青春は終わった / 憧れてたわたしには永遠になれなくても 無駄じゃなかったって いま 言い切れます 買い物帰りの夕焼けキレイで泣いてます そうよわたしが変なおばさんです 幸せなコメディアンです “変なおばさん”

歌詞だけ読んで涙出てきたのなんて、いつ以来だろう。たぶん私も歳なんだな。

見晴らしの良い、小高い丘の上。眼下には長閑な線路。走る列車を眺めながら、微笑んでいる。過ぎていく列車の中には、いつかの私。過去にお別れ。列車が去った後に吹く風は、どこか爽やかで―。クルリと背を向けて、後は二度と振り返らない。

これ以降、どんな方向に舵を切るのか分かりませんが、私個人としてはこの路線が続くとうれしいなあって、素直にそう思います。これまでと違ってイラストを一切使わないジャケットイメージにも何らかの意思を感じます。

でも過去作にもとても好きな曲があるので、すいません貼らせてください―



 - まごころを君に (from “まごころを君に”):こんなはずじゃなかった



 - walk to death (Live)  (from “愛してるって言われたいの”):めちゃめちゃカッコいい。パンク。


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わたしのココ – 君のように (2008) (from “わたしのココ”)




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