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Netaudio explorer

new utopia – megalopolis

 new utopia - megalopolis

 – Tracklist –
 01. limousine
 02. escape
 03. codeine
 04. in the city
 05. virtual image
 06. motorway
 07. lost
 08. david duchovny
 09. goodbye blues



 - 05. virtual image


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 Release Page

 Release Date : 2016.01.04
 Label : Not On Label
 :: 現在はトラック10‘alone’を加えたうえでジャケットも新調して、Karate King Recordsからリリースされています。::

 Keywords : Ambient, Drone, NewAge, Nostalgia, Utopia, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ new utopia on SoundCloud / on bandcamp / on Tumblr


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旧年から新年へ。そこではやはり気持ちの切り替えが行われる、ような気がする。不謹慎な話だけれど、年末にはお坊さんは忙しくなるそうだ。ただ日にちが変わるだけなのに、人の気持ちはそれによって大きく動かされるよう。やはりどこかで節目とでもいうものが、確かに感じられているのでしょう。

何でこんなこと書くのかっていうと、VaporWaveもだいぶ落ち着いたな、って感じられたからです、私の中で。いやトレンドとしてのVaporWaveはとっくに過ぎ去っていたのだろうけれど、上のように、新年を迎えた私の中で、何となく、“VaporWave”というものが消化されつつあるような気がしたのです。特別ではなくなったと言いますか(死んだというニュアンスではありませんよ)。

でも思えばインターネットって果てしない広さがあって、そこには地球や自然というものに対するのと同じくらいのロマンがあって、それは非常に魅力的なんだけど、でも広大な中でも自分が興味あるところにしか行かないから、広大なようでも実際見てるところは少ないし同じところばかりだし、だからネットにおける興味関心の掘り下げ方はエクストリームになりがちだし、もちろんそれ(エクストリームなディグ行為で培われた感性)によって生まれてきた芸術というものは音楽に限らずあるのだろうと思います。ええと何が言いたいかっていうと、何となく自分にとってVaporWaveが客観視されるようになったということで、そうすると急に今まで見てた視点と違う視点が気になり出してですね、いわゆるVaporWaveへの興味を持ってること自体がダサいとか、そういう考え方も“ああそうかもなあ”と受容できるようになったということです。

重松清さんの“日曜日の夕刊”という著書の中に、“卒業ホームラン”という1篇があって、その中では主人公は少年野球チームの監督をしていて、自分の息子もチームに所属しているんだけど、いかんせん実力がなくて、試合に出してれやれないんですね。活躍してる同級生もいる。自分は万年補欠。でも頑張ってる。で、その監督には受験生の娘もいて、彼女は彼女で、達観したように、言うんですよ、“がんばったら、何かいいことあるわけ?”って。“何の保証があるの?”って。努力は必ず報われるのか? 勉強したら必ず受かるのか? そんな保証はどこにもない。ならば努力自体、無意味ではないのか。実際そう、弟はいくら練習しても試合に出れてないわけで。監督であるお父さんもきちんと言い返せない。当然、娘の疑問は弟にも向けられる。“どんなにまじめに練習しても、へたな子は試合に出してもらえないんだあ”って父親に言う、それが世の中の仕組みとでも言わんばかりに、どこか勝ったように。結局息子は小学校最後の試合に出場できず、チームも負けてしまう。残念なムードの中、“中学に入ったら、部活はどうするんだ”と問う父親。息子は“野球部”と即答する。

遠まわしに“別のスポーツもあるじゃない”という母親にも、“野球部”と答える息子。“レギュラーは無理だと思うぞ”とハッキリ伝える父親に、息子が最後に言うんですよ、“いいよ、だって、ぼく、野球好きだもん”って。前ふりが長くなりましたが、それを真似て、私も言いましょう、“(ダサくたって)いいよ、だってVaporWave好きだもん”って。こういうとそもそもVaporWaveって何だよって話になりかねませんが、それを言ったらRockとPopの区切りだって分からないし、文学とエンターテイメントの境も分からないし、子供と大人の違いだってよく分からない(我々が思い描く“大人”という存在は観測されたことのない都市伝説であるという意見は面白いと思います)。VaporWaveも他の多くの音楽性と同じように、エッセンスとして他のものとブレンドされてきているし、これからもされていくのでしょう、そう思います(Skylar Spenceの‘Affairs’とか見事だと思う)。

といっておいて、今作はわりとピュアなトーンのVaporWaveかと思います。まだ冒されていないVaporWaveっていうか。そういう意味でもユートピアかもしれません。エコーイックでAmbientな空間に、スロウでゆるやかなレイヤーがメロディを成し。VaporWaveにはどこか別れや喪失のイメージがあって、それは過去をリバイブさせているからかもしれませんし、原因は定かではありませんが、この作品にもそれは色濃くあります。失われたメガロポリスの幻影。ユートピアでありつつ廃墟っていう皮肉、そしてロマン。



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