ABRAcaDABRA

Netaudio explorer

カテゴリーアーカイブ: CACAO

Teresa Winter – Seven Sisters [CACAO001]

 Teresa Winter - Seven Sisters [CACAO001]

 – Tracklist –
 01. I am not even faintly like a rose
 02. Not even
 03. Everything greams
 04. Seven sisters
 05. O moon
 06. The next city
 07. Tape 2 track 1
 08. Forever hold
 09. To bubbles



 - 02. Not even


+ + +


 Release Page Download Free!

 :: cassette tapes are also available. ::


 Release Date : 2014
 Label : CACAO

 Keywords : Ambient, Lo-Fi, Psychedelic, Noise.


 Related Links :
  ≫ Teresa Winter on SoundCloud / on Twitter


+ + + + + +


UKのレーベル、その名もCACAOより。Teresa Winterの作品がフリーでリリースされています(カセットテープのオーダーも可能です)。ところでこのTeresa Winter、おぼえてらっしゃるでしょうか。Tavern EightiethからMadam Bovary名義でリリースをしていた、あのTeresa Winterです。

名義を変えてリアルネームでのリリースということで、何がしかの変化を予感するわけですが、大きく言えば今作、メロディが廃されているような印象です。Lo-FiでPsychedelicな音作りと、ゆるやかな起伏によるメロディ、そして彼女の歌声も交えてのノイズ・ポップは、ここにはありません。アブストラクトになったとか、Ambientに寄ったとかいう言い方もできるかと思います。

M-1からいきなり白濁したレイヤーが立ちはだかり、Noise/Shoegaze/Droneの様相。まろやかにすべてを飲み込むような、あるいはやんわりと拒絶するような、オールオアナッシングな幕開けは、明らかにこれまでとは異なる世界観を提示しています。このM-1の後半にひっそりと挿入されている雨音のような環境音が若干の哀愁をただよわせつつ、M-2への導入にもなっているわけですが、いびつに引きつった音空間の中を迷子のようにさまよう編集されたボーカルラインが、シリアスなドリームスケープを作り出します。

M-3も、モコモコしたレトロタッチの電子音とIndustrialな軋んだビートの組み合わせの上、ささやくような声が浮遊するトラックで、ドリーミィではあるんですが、マシーナリーなフィーリングのせいで、その夢は錆色です。パッと聴きだとフワッと流れていってしまいますが、よくよく聴いているとなかなか面白い組み合わせですネ、このトラックは。

タイトルトラックの‘Seven sisters’はなぜか気の抜けたVGMみたいでインタールードチック。続く‘O moon’は、来たぞサイケデリック・ドリームということで、ディレイとリバーヴによって作られる深遠なサウンドスケープと不気味な酩酊感の融合は、Aphex Twinの“Selected Ambient Works Volume II”に通じるディープタッチのAmbient。M-6も、トイ感覚のポコポコした電子音とミスティックな歌声のミックスなんだけど、挿入されているストレンジな効果音がスゴく印象的です。何かの音をエディットしてるんでしょうが、襞(ひだ)状に振動するこの低音は、イビキのように聴こえて、挑戦的で面白くも若干のストレスという仕打ち。

‘Tape 2 track 1’もチャイルディッシュな電子音が鳴ってるせいで音楽的に聴こえはするんだけど、全編にあるGlitchyなプチプチ感(粒子感)と、後半は風がビュービューなってるみたいな、テープを回すギュルギュルした音を引き伸ばしたみたいな、不思議なエフェクトが突然入り込んできて、エキセントリック。‘Forever hold’は今作の中で一番抒情的ですね。霧の立ち込める森に差し込む、一筋の光みたいな。ゆるやかな自然の動きと、神秘性を内包しています。この一瞬だけ空気が切り替わりますが、ラストの‘To bubbles’がまたサイケデリックなドリームで、後半になるにつれてノスタルジックな波が盛り上がってきた、と思った時点で、急にトラックが終わってしまいます。気持ちよく午睡してたら急に平手打ち食らって叩き起こされたみたいな、唐突感。そして今見てた夢はなんだったのかと、ボンヤリと思い返すわけです。

聴きやすさを捨ててテクスチャーに凝ってきたような、面白い作品だと思います。聴いてすぐに反応できるようなものではないかもしれませんが。過去の作品を聴いた上で今作に耳を傾けると、また違ったものが見えてくると思いますので、ピンとこない方もとりあえずMadam Bovary名義のトラックを聴いてみてください。以下に―



 - Please (from “Discours Amoureux”)




 - Jenny (from “Before the End Something is Coming to an End”



%d人のブロガーが「いいね」をつけました。