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タグアーカイブ: Acoustic

エンヤサン – まさかサイドカーで来るなんて2 [sna-042]

 エンヤサン - まさかサイドカーで来るなんて2 Cover

 – Tracklist –
 01. どうしたって君だった
 02. それはそれでハッピーエンド
 03. UP TOWN(FUMI HIRANO cover)
 04. TONIGHT3
 05. まさかサイドカーで来るなんて2


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 Release Date : 2018.05.23
 Label : 術の穴

 Keywords : Acoustic, Alternative, Hip-Hop, Japanese, Pop.


 Related Links :
  ≫ Enya-Sang

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私はまだ(まだ!)買ってなくてスイマセンな“大メインクライマックス”(by ヘイポー)から約半年、エンヤサンのアコースティック(ミニ)アルバム“まさかサイドカーで来るなんて2”がリリースされました。“2”とあるからには1作目もあるわけで、そちらはこのブログでも紹介いたしました。そちらもフリーでのリリースだったわけですが、今作もまたフリー(※SpotifyやApple Musicでも配信予定ですがカバー曲は含まれません。なおiTunesは有料)! ありがとうございます。

Twitterでは“そんなにアコースティックでもない”、“電気もバンバン使ってる”と、ご本人笑ってらっしゃいますが、そんなことはいいんです。私にとってはぜんぜんアコースティックです! そして良い作品です。なんでこんなのフリーで出しちゃうんだろうなあって不思議です。

エンヤサンって私の中では、もしかしたら音楽シーンの中でも、微妙な立ち位置にいるような気がします。ぜんぜん私Hip-Hopとかクラブミュージックとか、興味ないし、積極的に聴かないんですけれど、エンヤサンてそっちフォーマットの曲も多いじゃないですか。でも聴いてしまうんですよ。POP志向っていうか、歌心があるところが、一番のツボなのかなあって自分としては思ってるわけですが、でもそれだけじゃなくて、このシリアスとジョークを渡り歩く華麗なセンスもすごい好きで。最近でいったら“大メインクライマックス”のCMとかすごいふざけてるし、“▽”の‘Aizuchi’も雪男との会話だし、Y-クルーズ・エンヤの‘Special Thanks’はセクシー女優名をひたすら読み上げていくという(トラック担当は食品まつり)だし、かと思ったら‘あるく’は深夜のウォーキング中の物思いが人生の捉え方につながっていくような、シリアスな内容だし(でもユーモアも忘れてない)、‘きれいごと’というネガティヴな言葉を受容するまでを描いたような(歌詞の意味は明らかにされていないけど)、‘きれいごと’も涙腺刺激するし、恋愛における曖昧さを“未確認”と表現し、そこから“UFO”へと繋がり、“「フォー・ユー」反対から読んで”という歌詞に着地する“UFOr”も切なさ沁みてくるし、このふり幅というか懐の深さよ。



そしてこのシリアスな側面は往々にして装飾を削いだアコースティックなトラックで際立ってくるし、またメロディも同じく。つまり今作はエンヤサンのシリアス(に見える)面がギュッと詰まったスペシャルな盤なのです。映画を観ながらのシチュエーションに絡めて“バッドエンドもいとわない 愛してる”と唄うラブソングな‘どうしたって君だった’、気まぐれで始まった関係性に酩酊感を絡めながら思い巡らせる‘それはそれでハッピーエンド’、サイケデリックな脱力POP/NewWaveな平野ふみさんのカヴァ―UP TOWNは見事なハマりっぷり。

続く‘TONIGHT3’は、日付の変わるころ、深夜の物思いを歌ってて、これは‘あるく’の延長線上だなあ、いいなあ、タイトルは“深夜”から“トゥナイト”へつながり、そこから“トゥナイト2”にひっかけたのかな、それも面白いなあなんて思って聴いていたら…、ご本人“競艇の歌です”って。ええ? どこが? ってミュージックビデオ観て、笑ってしまいました。競艇に妙に重なる。“横目に見える 紙切れが舞う 最後に笑う 笑う”って、競艇場で舞ってる紙切れって!! 勝手に深夜のアーケード街で頭の横をチラシが舞ってるような侘しいシーンを思い浮かべていたのに! でもこのどっちにも取れる感じがもうエンヤサン! “まさかサイドカーで来るなんて”に入っていた‘つまる うまる おもい こよい’も恋愛関係の終わりにも取れるし、長年住んだ部屋とのお別れにも取れるっていうダブルミーニングソングだったので、この捻りっぷりはエンヤサン節。そして間違いなく作中のハイライト。いい曲。



ラストはね、絶対こういうのねじ込んでくると思った。前作もタイトルトラックはユーモア溢れてたし、今作もそれを踏襲。やってくれます。ラジオDJ役誰ですかね。ちょっとミドリカワ書房の作品思い出しました。DJさんのグイグイ感面白いなあ。“詰めが甘いのがウリかぁ?”に笑う。無理やり曲やらせといて“イマイチだなあ”ってどんなナビゲートだよ。最後“視聴者のみなさんも、何かしら、やってこうじゃん。生きてんだしさ”ってどういうまとめ方だよ! “DJぐっちぃのまるでアレだよね”聴きたかった…。

ということで、激オシなんで、未聴の方は是非。歌詞カードもついてます。しかも今作に合わせて前作も再リリースされたので、これは一緒に聴くしか。私が“まさかサイドカーで来るなんて”から彼らのファンになったように、この作品からファンになる人がまた、いるんじゃないですかね。まあファンだったら早く“大メインクライマックス”買えよって話ですよね。おっしゃる通り!



kogane – 2017 Discography

 kogane - 2017 Discography Cover

 – Tracklist –
 01. Don’t Be Scared
 02. Bittersweet
 03. Stay Gold
 04. Everything We’ve Done
 05. Sapporo
 06. Spring
 07. Welcome Home
 08. Memory Box (Bonus)



 - 03. Stay Gold


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 Release Date : 2017.12.07
 Label : Not On Label

 Keywords : Acoustic, Ambient, Dream, Electronica, Indie, Sad.


 Related Links :
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タイトル通り、koganeが2017年にリリースしたトラック(プラス、ボーナストラック1曲)をコンパイルした作品になるようです。

こういうサウンドって何と呼称するのがよいんでしょうね。いや聴くのが一番早いんですけれど。なかなか一言でいえる言葉がないものかなあと、いつもモヤリとします。サンプルベース、なのかどうかは分からないんですけれど、感傷的なメロディに、Acousticな音色による装飾を施した、シンプルな音作り。使われている音色にはチャイルディッシュなムードもあったりして、どこかに可愛らしさもあり(強引に今風につなげるなら、そのキュートさはFutureBassのそれにも通じるのかもしれない。強引に、だけれど)。

音から立ち上がる風景は、個人的には北欧を感じるのです。Sigur Rósのような、悲しげな涼としたコーラスや、抒情的なPiano、ペダル・スティールのようなトュワーンとした音色など、透明感あふれるサウンドが盛り込まれていることが大きく影響していると思われます。加えて‘Sapporo’なんていうトラックもありますしね。雪景色が似合うサウンドです。そしてその寒さは心をキュッとさせるのと同時に、そこから少しの悲しみを漏れさせるのです。けれど穏やかなディレイは優しく降り注ぐ日光のようで。すべてをドリーミィに包んでいくのです。

凛とした空気、このファンタジックで、切ない調子。そしてどこかしらキュート。果たして何かに通じるなあと、一瞬思って、頭の中でそれを追いかけていったんですが、私の中ではCloud Rapだったんですねえ。FRIENDZONEとか、私の大好きなmemory cardsとかの遺伝子ってのは、どこかしらにあるんではないかなあ。そう思います。いやもっと直接的にシンパシー感じるトラックメイカーとしては、ollitatsumi portが、すぐに出てくるところではありますが。このkoganeも、その系譜に連なる素敵なトラックメイカーだと思います。koganeって日本語でしょう?、きっと。名前も何かよい。こんなんストリーミングでふいに流れてきたら堪んないよな。

力強いサウンドではないけれど、空間を作り上げる確かな包容力。◎。


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 Note :

Compiling every song I released in 2017 plus 1 bonus.

Thank you for listening. This year has been a very odd one for me. If it wasn’t for music, I have no idea where I would be.



MAREVICK – PERSONAL PARKWAY

 MAREVICK - PERSONAL PARKWAY Cover

 – Tracklist –
 01. Spontaneous Wish
 02. Ease
 03. Borderline
 04. Painted Scene
 05. Rosario
 06. Dust In Inhibited
 07. Veins Of Light Under Downpour
 08. Accidental Effect



 - 07. Veins Of Light Under Downpour


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 Release Date : 2017.06.28 (2016.06.23)
 Label : Bestiar Netlabel

 Keywords : Acoustic, Instrumental, Jazz.


 Related Links :
  ≫ Marevick on bandcamp / on VK


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どうやら“家畜”を意味するらしい“Bestiar”(カタルーニャ語?) Netlabelから。ロシアのミュージシャンMAREVICK の作品がリリースされています。レーベルからは2017年のリリースですが、もともとは2016年にリリースされていた作品のようです。

Internet Archiveって今どうなんですかね? 音楽を発表する場としては主流ではない? ネットレーベルが盛り上がっていた(ように感じられたころ)は、フリー音源と言えばInternet Archiveって感じ、ありませんでしたか(もちろんInternet Archiveの貯蔵は音源だけではないですが)。あとsonicsquirrelとか。Free Music Archiveとか。ついでにいえば(ってのも失礼だけど)Jamendoとか、Electrobelとかにも、頻繁にお世話になってた。その界隈の音楽は、今ではbandcampに集約されている感があって、そこにはいかがわしい雰囲気など微塵もないし―つまり開かれている―、検索も容易だし、ふと振り返ると、ああ、昔みたいな掘る楽しみってのはいつの間にかなくなったのかなあなどと、手前勝手なことを思ったりもします。でもアマチュアミュージシャンの方たちはたとえばbandcampを利用することによって、経済との結びつきを獲得できたりもすると思うので、良いことなんだと思います(日本ではまだ認知度が低い気がするけれど)。

まあそんなことを思ったのもBestiar NetlabelがリリースをInternet Archiveで行ってるからですね。ちょっとした物思い。でもMarevick自身はbandcampでリリースしてるので、一応時の流れには沿ってる。

おっと作品の話。アコースティックでリラクシンなサウンド。リバーヴとかディレイとか、多少はエフェクトがあるんだろうけれど、ギターの音のみで構成されています。私自身の問題なのかもしれないけれど、アコースティックな作品って、聴いていて途中でこう、申し訳ないんですが、飽きが来てしまうことが多いんですね。誰の何とは言いませんけれど。でもこの作品はそれがない。なんでかって考えると、1曲が短いってのがまずあると思います。あとメロディが抑制的。マイルドという言葉がよく似合う。バチーンとメロディがあるのも悪くないとは思いますが、ギター一本でアルバム全編通してやられると、さすがにしんどいかなと思いませんか。この作品では、現れそうで現れないメロディが、心地よい。変な言い方だけれど。ある意味Ambientというか。

完全に即興ではないと思いますが、即興的に感じられる部分もあって、そのテンションの流れが、タグに使われている“Jazz”の部分なのかなあと思います。メロディに捉われないというのも、Jazz的なのかもしれませんね。とてもリラクシンでカフェなんかでかかっていても違和感のない音楽だと思います。やさしい陽だまりとか、緑の植物とか、そういうイメージです。でもやっぱりどこかに感情性があるんですよ。先のJazzという部分にもつながるのかもしれませんが、ルースな部分というか、人間性。その一滴が、今作のスパイスになっているのではあるまいか。ふと玉手箱あけたら、中から懐かしい思い出の幻が出てきて、でもそこにぶらさがっている一抹の悲しさ。なぜなら、それは今はもうないものだと、頭のどこかで分かっているから。のどかでありながら、ちょっと悲しい。

空間を生かした余韻ある‘Spontaneous Wish’や、情景的な‘Veins Of Light Under Downpour‘が、よいですね。

bandcampで公開されている他作品は、ちょっとテイストが違うものもあったりるすので、興味がある方は是非―


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(CC) by – nc 3.0



Dea Karina – Tidur

 Dea Karina - Tidur Cover

 – Tracklist –
 01. Salam Kenal
 02. Seruling
 03. Bulan Purnama
 04. Subuh di Gunung



 - 01. Salam Kenal


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 Release Date : 2017.01.18
 Label : mindblasting Netlabel

 Keywords : Acoustic, Ambient, Dream, Electronica, Shoegaze, Solitude.


 Related Links :
  ≫ Dea Karina on SoundCloud / on Twitter


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音楽の届け方って色々ある。音楽単体はもちろん、目の前で演奏するのだってそうだし、目の前で演奏しながらも違う映像を見せる場合もあるし、そして全然特別なことではないけれど、音楽に映像を付して共に届けることもある。映像は音楽とシンクロすることもあるし、補完する場合もあるし、新たな解釈を生み出す場合もあるし、全く関係ない(ように思える)ディレクターの嗜好や興味が炸裂している(ように見える)ものもある。映像が付された音楽に私はドキドキ、ワクワクすることが多いんだけれど、それはなぜかと考えると、決して不可分ではない映像と音楽を共に楽しめる、いわば二つの違う味のキャンディを同時に舐めて、さあどんな味がするだろうかと楽しむようなもの、なのかもしれない(そういえば、そういうキャンディ、ありましたよね?)。観賞者がそういう受け取り方をするであろうことを利用して、音楽と映像でアンビバレンスな表現が行われることもあるでしょう。そう考えると、ちょっと話ずれるけれど、音と映像(そしてストーリーというある種の流れ)が組み合わさった映画というのは、あらゆる表現の複合体であり、作り手にとっても受け手にとっても非常に「面白い」表現なのだと解釈できるし、だから音楽の作り手がどういう形にしろ映像や映画という表現に関心を持っていく(あるいは映像・映画の作り手が音楽も共に手がける)、という流れは、素直に首肯できる。

話を元に戻すけれど、映像が付された音楽に私は確かに胸を高鳴らせることが多いんだけれど、その一方で、音それのみを聴いて、眼前、いや脳裏にあるイメージが立ち上ってくるような、その感覚も非常に好きなのです。たとえばある小説が映画化されたときに批判される理由に、“こんなイメージじゃない”というやつがあると思うんだけど、そこからも分かるように、脳内のイメージは往々にして具現化された映像をある意味で超える(それをスカルシネマと表現したのは誰だったか)。分からないことは分かることよりも恐ろしいというか、暗闇が怖いのはそこに何が潜んでいるか分からないからだろう。そこによくないイメージが広がってしまうからだ。と―また話が逸れた、けれどそぎ落とすことはしない。

だから音楽それのみから立ち上がる、明確でない、曖昧模糊としたイメージというヤツがとても好きで、それをもたらしてくれる音楽もまた好きなのです。

さて、インドネシア基盤のネットレーベル、mindblasting Netlabelより。Dea Karinaの作品がフリーでリリースされています。これが初作なのでしょうか。あまり大っぴらに音楽活動はしていないようです。SoundCloudを覗くとElectronicな硬い質感のトラックもあったりするのですが、ここにあるのはAmbient色が強い。Droningな印象もあるサウンドスケープにウィスパーボイスを挿入したスタイルは確かに珍しくはない。M-2では管楽器、M-4ではギターと思しき弦楽器の音が挿入されていて、モヤリとしたウェットな空間の中に出現する、そのAcousticな質感は面白い。

ここで先のイメージの話なのだけれど、第一印象、孤独な風景が浮かんできたのですが、さりとて孤独というどこか後ろ向きな感じも違うかなと思い、このイメージは何というのだろうと頭を捻ったのですが・・・ううむ。そういえば英語でいうところの、lonelinessとsolitudeってどう違うんだろうとネットの力に頼ったのですが(身近にネイティヴな方はいないのです)、“孤独に悩む人は”solitudeとloneliness”の違いを認識すべき”という、ああ前にも読みましたありがとうございますな記事にまたも行き当たる。多分解釈は他にもあるのかもしれないけれど、なるほど私が今作に感じていたイメージはsolitudeだったのだ。1人だけれどさびしくはない。自ら選んだ上での孤独、というニュアンス。だからこうちょっと温かみを感じるというか、冷たい部屋の中で1人で洗濯物畳んでるけど、顔はちょっと微笑んでるみたいな。まあ一人も悪くないよねっていう、肯定的なイメージ。solitary activity。

人里離れた山の中での自給自足の生活、それは決して易しいことではないけれど、どうにかこうにか軌道に乗ってきたようだ。そんな男とたまたま出会う、都会の生活に嫌気がさした青年。ここで暮らしたいという青年に、昔の自分を見るようで、優しさと冷たさをコントロールできない男。男の生活に憧れつつも、最後に青年が出す答えは―みたいな。ま、ステレオタイプだな。


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(CC) by – nc – sa 3.0



Samsara Inc. ‐ Possible Worlds [CUNTROLL092]

 cover
 
– Tracklist –
 01. Before winter ends
 02. Deep inside her eyes
 03. Episodes of other madness
 04. Gravity
 05. Hope
 06. Inner city night



 - 01. Before winter ends


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 Release Date : 2016.03.01
 Label : Cuntroll

 Keywords : Acoustic, Chill, Downtempo, Melodic.


 Related Links :
  ≫ Samsara Inc. on Last.fm / on SoundCloud / on PROMODJ


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ロシアンネットレーベル、Cuntrollより。以前に紹介したこともある、シベリア南部はアバカンのトラックメイカー、Samsara Inc.の新しい作品がリリースされています。

ピアノのメロディと、生っぽい、艶っぽいギターの邂逅、そしてElectronicなリズムと、音作りは前作と大きく変わったところは見受けられませんが、感覚的な部分で言うと、郷愁が軽減されて、爽やかさが増したような、そんな印象を持ちました。M-1‘Before winter ends’などを聴いていると、ウィンドウチャイムのようなサラサラ、キラキラした効果音や、シンセのアクセント、ブラスの音色まで入り込んできて、幕の内弁当の様相で食べ合わせはバッチリ美味いという仕上がり。しかもリズムはDrum ’n’ Bass(!)。

やっぱり相変わらずLoungeっぽいソフト感というか、イージーなフィーリングみたいなものが漂っているのだけれど、肝になっているのも相変わらずギターの音色だと思うわけです。伝わりにくいかもしれないけれど、このインディーな雰囲気というんですかね、どこから引っ張ってきた―つまりどこに影響源があるのかは分からないんだけれど、インディーギターロックバンドみたいなギターフレーズをチラっと垣間見せるときがあって、その拍子に私の琴線はブルブルと応答してしまうのです。このギターの生っぽさ、感情性というやつは特に全編で発揮されているというわけではないんだけれど、この部分がやっぱりSamsara Inc.のサウンドの肝になっていると思うので、もっとギターを聴きたいなあと、素直に思う次第であります。

別に世界中の音楽を聴いているわけでもないくせに、何かと“ロシアは独特”と、頻繁に私は書いていますが、今作を聴いてもやっぱり独特だなあと思います。大味なのか細かいのかよく分からない音作り、上にも書いたように影響源がストレートに感じられない、エッセンスのミステリアスな混合具合。‘Hope’なんて、ハートの鼓動やグラスの割れる音を小道具に使いつつ、先にも書いたようなインディギターな出だしからピアノが転がりアラ爽やかと思ったら、中途からいきなりWavyなシンセが前面に出てきてうねり始め、どこかしら牧歌的な風景が広がるという、謎の感覚が魅力的だったり。そのつながりでいうと、謎のシンセ音?かスクラッチ音?だか分かりませんが、鳥獣の鳴き声のようなキュイキュイした高音が鼓膜に切り込んでくる‘Episodes of other madness’も面白いですね。ラストの‘Inner city night’はタイトル通り、夜の街、アダルティな雰囲気で渋くまとめてきます。

トータルで約20分という短い作品ですが、コンパクトにまとまっていて、よい作品だと思います。総じてMelodicだから、非常に聴きやすいです。季節の変わり目にふさわしい、爽やかで、ちょっとだけ切ない音像が好ましい。


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(CC) by – nc – nd 3.0



Kurtki – Зимние

 Kurtki - Зимние

 – Tracklist –
 01. August 19
 02. Teehaya
 03. May
 04. Son
 05. New Action
 06. PTNM Live
 07. Suka
 08. Hey Hey



 - 01. August 19



 - 07. Suka


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 Release Date : 2016.01.17
 Label : Not On Label

 Keywords : Acoustic, Alternative, Electronic, Indie, Melancholy, Post-Rock, Vocal.


 Related Links :
  ≫ Kurtki on bandcamp / on VK (VKontakte)


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音楽フロンティアのロシアから彗星のごとく現れたKurtki。バンドなのかソロなのか、バンドだとしても何人組なのかもわからない謎に包まれたままのプロフィールですが、去年あたりでしょうか、MOTHER LANDでピックアップされたトラックを聴いて以来、気になる存在になっていました。

M-1‘August 19’などを聴くと、アコースティックでメランコリックな女性ヴォーカルのウタモノで、Sadcore/Slowcoreのようなイメージがあるんですが、ほかのトラックも聴いていくうちに、徐々にそのイメージは塗り替えられていくのです。M-2‘Teehaya’ではPost-Rock的サウンドで、曇天から刺す一筋の光のような景色を描いて見せ、M-3‘May’ではDowntempoなリズムに妖艶なヴォーカルが歌い上げ、Trip-Hopの夜感を醸すのです(バックの電子的なエフェクトがよいスパイス)。かと思ったらM-4‘Son’が渋味の男性ヴォーカルとスポークンワードに、ブリブリのベースが唸り、Post-Rock的ダイナミズムの中にもダーティな色が見えるクールなトラックに。

かと思ったらさらに転じる! M-5‘New Action’がPost-Punkな直線ビートにミニマルギターで幕を開け、まさかのノリでちょっとビックリさせつつ、そこから安定のPost-Rockなサウンドに広がりつつも、再びPost-Punk~Alternativeなサウンドに戻りながら、血の通ったバンドサウンドを展開し、当初のメランコリーなフィーリングなど、どこぞへ吹っ飛ばしてしまうのです。M-6‘PTNM Live’も、ささくれ立ったガレージライクなバンドサウンドで攻めてきて(タイトルに“Live”とあるので、これはライヴ音源なのだろうか)、ドロンとしたリズムの上で荒ぶるギターがたまらなくカッコいい。その流れを引き継いだM-7‘Suka’も、歌というよりはアジテートするようなヴォイスが印象的な痛快ガレージロックなサウンドで、ひたすらに熱い。そしてラスト‘Hey Hey’は再びアコースティックなサウンドに戻り、ギターと歌声のみで紡がれる。わずかなリバーヴで浮遊感を出しつつ、クリアなトーンのヴォーカルが放つのは凛とした空気。それまでの熱量との対比もあるんでしょう。知らず、身が引き締まるような。作品のタイトルである“Зимние”は、ロシア語・キリル文字で“冬”を意味しているようですが、ここまで聴くことで、初めてその冬を感じられた気がします。

メランコリー、夜といった抑うつ的なイメージから、パッションみなぎる肉体性まで、荒々しくも多面的に音楽性を見せつけてくる今作は、バンドのプロフィールがわからないことに加え、さらにミステリアスなイメージを色濃くしています。もっと歌が多くてもよいんじゃないかなあとか、メロディを使ってもよいんじゃないかなあとも思ったんですが、でもバランス的にはこれがよいのかもしれません。あまり方向が偏ると耳が飽きてしまいますものね。今後も安定した活動があるのかわかりませんが、こっそり応援しながら、期待しておきます。

ちなみにアーティスト名の“Kurtki”ってポーランド語で“アウターウェア”の意味があるらしいですよ。ということは作品タイトルと合わせると、冬に着るアウターウェア的な? 考えすぎか。



N∆†IVE – findings​.​.​.

 N∆†IVE - findings​.​.​.

 – Tracklist –
 01. g o o d b y e
 02. f o u n d y o u
 03. l o n g d r i v e s
 04. f o r g o t t e n



 - 01. g o o d b y e


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 Release Date : 2015.11.23
 Label : Not On Label

 Keywords : Acoustic, DreamWave, Electronica, Sad.


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アメリカはテキサス州アーリントンのトラックメイカー、N∆†IVEの作品です。Moe Collectiveakiba ✧ gangの一員でもありますが、特にどちらからのリリースという形にはなっていないようです。

SoundCloudでも多くのトラックが公開されていますが、今作はそこからのコンパイルとなっています。普段はBeats/Trap系のトラックが多いようですが、この作品はきちんとカラーが統一されていて、Acoustic寄りのトラックでまとめられています。実演奏なのかサンプルを使っているのか分かりませんが、アコースティックなギターや鍵盤の音色、それから映画でしょうかドラマでしょうか(アニメも入っているでしょう)、これもハッキリしませんが、引用した台詞を組み合わせて、私好みのSadな空間を作り上げています。

すぐに思ったのはフィンランドのOlliなんかに近いサウンドだなあということ。アコースティックでちょっとくぐもったような音作りとか、ものすごくメロディに富んでいるという分けではなくて、全体の佇まい―空間で魅了してくるところとか、あとはアニメのセリフの引用もそうですね。多少なりとも影響を受けてるのかな―まあナードな調子のTrapとかCloud Rapから派生していると考えれば、そんなに珍しいスタイルではないのかもしれませんが。

最近歌を聴いていると、ちょっと強すぎるなあって思うことがあって、何かすごい強い調子で話しかけられてるみたいな気持ちになっちゃうときって、ないですか。“うるさいなあ、ちょっと放っといてくれよ”みたいな。だったら聴かなきゃいいんですけどね。そういうときにどこにたどり着くかっていうと、歌のないインストゥルメンタル、それもサウンドトラックとか、そういう脇役的な音楽の方(決して劣っているという意味ではないですよ当然)。年食って食が細くなるみたいな、そういうニュアンスかもしれませんが、最近そう感じる機会が多くなりつつあります。レイドバックっていう言い方もできるのかなあ、自分の中ではちょっと違うけど。そういうときに、こういうSadな空間を演出する作品というのは、すごくハマるんです。前から好きですけれども。こういうのもっと出てきてほしいなあ(探せよオイっていう)。

冬の凛とした空気と日光の暖かさのコントラストっていうか(真冬に炬燵でアイスを食うのとは断じて違う)、決して100%の安心ではない何か。行方の知れないあの人を思うような、雲をつかむような切なさ。それも思い出という清々しさ。

いっぱいトラック公開してくれてるけど、いくつか気になったものだけ貼らせてください。別にSadだけじゃないぞっていう―



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