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タグアーカイブ: Alternative

Strawberry Hospital – Grave Chimera

 Strawberry Hospital - Grave Chimera Cover

 – Tracklist –
 01. Memento
 02. Canary Mane
 03. Chimera
 04. Holoparasite
 05. Cherish
 06. Arowana’s Scarlet



 - 01. Memento


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 Release Date : 2018.08.06
 Label : Not On Label

 Keywords : Alternative, Ambient, Emo, Noise, Screamo, Shoegaze, Pop, Punk, Vocaloid.


 Related Links :
  ≫ Strawberry Hospital on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp


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PURE AESTHETEにも所属していたトラックメイカーStrawberry Hospital。新しい作品が2018年に出ていました(そしてこれ以外の作品は消してしまった…のか?)。

紹介文には―

Grave Chimera is a 6 track autobiographical album that emulates the complex feelings that come with issues like childhood trauma, sexual dysfunction, suicide, escapism, and gender dysphoria.

―とありますが、そこからうかがい知れるように、以前よりも内面的、内省的なアルバムになっている印象です。以前のサウンドといえば、Vocaloidが歌うPopなメロディにElectronicなバックトラック、ドリーミィな空間づくりが特徴で、それは日本人のリスナーにもアピールする心地よいものでした。対して今作はというと、少なくとも表面的にはハードでアグレッシヴな部分が目立っています。Noiseという部分でいえば、以前の作品にもShoegazeな要素はありましたが、ここではもっとハードコアな方向に振っています(何ならジャケットイメージにあるタイトルロゴもハードコア系のそれ)。

ディストーショナルなギターサウンドに加え、メロディックなパートを歌い叫ぶ(ここがVocaloidなのかは不詳)という、いわゆるEmo~Screamoに近いサウンドを鳴らしているのが今作の最大の特徴でしょう。といってもバンドサウンドではないので、リズム面でマシーナリーなエディットもあるし、フワフワしたシンセサウンドも使われている。でもこういった電子的なハードコアサウンドと親和性の高いBreakcoreな方向にはいっていないのが、ユニークに感じます(一時期のMeishi Smileなんかを彷彿とさせますね)。

精神的な鬱屈とした部分をモチーフにしているのであればもっと黄昏たサウンドになってもおかしくないと思いますが、苦しいときに強い気持ちで何かを願うような、そんな思いの強さがこのサウンドを生み出しているのでしょう。否定したい自分や、打ち消したい過去といった、誰しもが心の中に持っている影の部分に思い切って立ち向かっているが故の、焦燥感、暴力性。しかし冷静さを失わずに過去を懐かしむような目線もあり、Ambientなワンミニット・トラック‘Holoparasite’などは作中随一の郷愁。続く‘Cherish’は過去作のファンも留飲を下げるであろう、ドリーミィなVocaloidトラックになっていて、サービス精神も発揮されている。M-1のMetalっぽい耽美的雰囲気も魅力的。

Vocaloidを使用しながら、Ambient~Emo~Screamo~J-Popを股にかけたドリーミィサウンドを作り上げるこの手腕、巧みです。ラストの‘Arowana’s Scarlet’のハードコアパートとドリームパートの自由自在感とか凄いですね。しかもAmbientな哀愁で終幕させるという力技。

The ultimate goal of Grave Chimera is to serve as a form of therapeutic musical catharsis.

という言葉を見て、よくよく考えると、Strawberryというキュートでドリームなイメージと、Hospitalという(メンタル)ヘルスケアなイメージを融合させたこの名義―Strawberry Hospitalの名前に、もっともふさわしい作品なのかもしれません、今作。


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Note :

Grave Chimera is a 6 track autobiographical album that emulates the complex feelings that come with issues like childhood trauma, sexual dysfunction, suicide, escapism, and gender dysphoria.
Drawing influence from metal, j-pop, VGM, and industrial, Grave Chimera is self indulgent, nihilistic, and intimate.
Merriam-Webster defines “Chimera” as both “an illusion or fabrication of the mind; especially : an unrealizable dream” and “an imaginary she-monster compounded of incongruous parts”.
Grave Chimera explores the long term effects of psychosis, fragmenting your identity and leading you through an altered state of reality in which everything wants to destroy you.
The ultimate goal of Grave Chimera is to serve as a form of therapeutic musical catharsis. This an album for trauma survivors, for trans folk, and for anybody who can find solace in being able to relate to my experiences.
Thank you.



Crying on Vacation – Frankie [GST​​-​​21]

 Crying on Vacation - Frankie [GST​​-​​21] Cover

 – Tracklist –
 01. Frankie
 02. Fairytale, Fairytale



 - 01. Frankie


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 Release Date : 2018.04.20
 Label : Galaxy Swim Team

 Keywords : Alternative, Indie, Pop, Pop-Punk, Power-Pop.


 Related Links :
  ≫ Crying on Vacation on Twitter

  ≫ Noah Hafford on Facebook / on SoundCloud / on Twitter
  ≫ Dominic Nohai on Twitter


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Galaxy Swim Teamのファウンダーの一人でもあるNoah Haffordが率いるバンド、Crying on Vacationの作品がリリースされています。バンド、とはいってもどれほど強い力でバンドとして結びついているかは分かりませんが、少なくとも今作は4人で作られた作品の様子。前作”So Dude, What Are You Doing After High School​?​” はほとんどNoah Hafford個人による製作だったようなので、バンドというよりはソロユニット的なニュアンスなのかもしれません。余談ですけど、前作も良いんですよねえ。ジャケットイメージもはっきり記憶しているんですが、なんでここで紹介せずスルーしていたのでしょうか。ということで、今作が気に入った方は前作も是非。

で、今作はせっかくバンドで作ったにも関わらずたった2曲しか入っていない! 2曲目はアコースティック調だからバンドサウンドが活きている感じでもないし、ちょっと勿体ない印象です。というのも1曲目を再生した途端のこの疾走感、爆発力ががたまらなくカタルシスで、この調子で全編突っ走ってくれたらなあという思いがあるからです。たぶん‘Frankie’は別れの曲だと思うんですが(違ったらゴメンナサイ)、胸中に湧き上がるやるせなさを全力で振り切ろうとするかのような、この疾走感たるや。ギターのワンフレーズで引っ張りまくりますが、これもまた音楽の魅力。気持ちが良いんですコレで。ミニマルな中で緩急があって、感情性があって、グーンと気持ちが引っ張られる。

Noah Haffordはソロ名義だとChillWave風味のElectronicでセンチメンタルなPop musicを作ってて(このブログでも何回か名前が出てきたと思います)、こういうパンキッシュな曲を作るってことが意外だったんですが、でもやっぱりPopに仕上がってて、どうしたってこの人はPopに向かっていくんだなあと、その志向性には恐れ入ります。しかしこのちょっと鼻にかかったような歌声がアグレッシヴな曲調にまたマッチしててですね、このコンビネーション、個人的にはLagwagonのJoeyを思い出しました。

2曲目は先にも書いたようにアコースティックでしっとり締めくくる感じで、シングルという受け取り方をすれば、この2曲でバランスがちょうど取れてる、のかな。

この作品だけだとPop-Punkみたいな感じだけど、前作では骨太なギターにご機嫌なメロディがさく裂するPower-Popなトラックもあるので(下に1曲)、Weezerとか好きな方にもアピールすると思います。いずれにせよ、今作と共に良作。



 - Skippy (from ”So Dude, What Are You Doing After High School​?​”)


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Noah Hafford – Guitar, vocals, lyrics, mixing and mastering
Jason Hallyburton – Lead guitar, engineering
Adrian Leifson – Bass
Dominic Nohai – Drums

Artwork by Sydney Landis (@ohhisydney)
Music video shot, edited, and directed by Danny Spiteri

(CC) by – nc – sa 3.0



エンヤサン – まさかサイドカーで来るなんて2 [sna-042]

 エンヤサン - まさかサイドカーで来るなんて2 Cover

 – Tracklist –
 01. どうしたって君だった
 02. それはそれでハッピーエンド
 03. UP TOWN(FUMI HIRANO cover)
 04. TONIGHT3
 05. まさかサイドカーで来るなんて2


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 Release Date : 2018.05.23
 Label : 術の穴

 Keywords : Acoustic, Alternative, Hip-Hop, Japanese, Pop.


 Related Links :
  ≫ Enya-Sang

  ≫ エンヤサン on Facebook / on SoundCloud
  ≫ Y-クルーズ・エンヤ on Twitter


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私はまだ(まだ!)買ってなくてスイマセンな“大メインクライマックス”(by ヘイポー)から約半年、エンヤサンのアコースティック(ミニ)アルバム“まさかサイドカーで来るなんて2”がリリースされました。“2”とあるからには1作目もあるわけで、そちらはこのブログでも紹介いたしました。そちらもフリーでのリリースだったわけですが、今作もまたフリー(※SpotifyやApple Musicでも配信予定ですがカバー曲は含まれません。なおiTunesは有料)! ありがとうございます。

Twitterでは“そんなにアコースティックでもない”、“電気もバンバン使ってる”と、ご本人笑ってらっしゃいますが、そんなことはいいんです。私にとってはぜんぜんアコースティックです! そして良い作品です。なんでこんなのフリーで出しちゃうんだろうなあって不思議です。

エンヤサンって私の中では、もしかしたら音楽シーンの中でも、微妙な立ち位置にいるような気がします。ぜんぜん私Hip-Hopとかクラブミュージックとか、興味ないし、積極的に聴かないんですけれど、エンヤサンてそっちフォーマットの曲も多いじゃないですか。でも聴いてしまうんですよ。POP志向っていうか、歌心があるところが、一番のツボなのかなあって自分としては思ってるわけですが、でもそれだけじゃなくて、このシリアスとジョークを渡り歩く華麗なセンスもすごい好きで。最近でいったら“大メインクライマックス”のCMとかすごいふざけてるし、“▽”の‘Aizuchi’も雪男との会話だし、Y-クルーズ・エンヤの‘Special Thanks’はセクシー女優名をひたすら読み上げていくという(トラック担当は食品まつり)だし、かと思ったら‘あるく’は深夜のウォーキング中の物思いが人生の捉え方につながっていくような、シリアスな内容だし(でもユーモアも忘れてない)、‘きれいごと’というネガティヴな言葉を受容するまでを描いたような(歌詞の意味は明らかにされていないけど)、‘きれいごと’も涙腺刺激するし、恋愛における曖昧さを“未確認”と表現し、そこから“UFO”へと繋がり、“「フォー・ユー」反対から読んで”という歌詞に着地する“UFOr”も切なさ沁みてくるし、このふり幅というか懐の深さよ。



そしてこのシリアスな側面は往々にして装飾を削いだアコースティックなトラックで際立ってくるし、またメロディも同じく。つまり今作はエンヤサンのシリアス(に見える)面がギュッと詰まったスペシャルな盤なのです。映画を観ながらのシチュエーションに絡めて“バッドエンドもいとわない 愛してる”と唄うラブソングな‘どうしたって君だった’、気まぐれで始まった関係性に酩酊感を絡めながら思い巡らせる‘それはそれでハッピーエンド’、サイケデリックな脱力POP/NewWaveな平野ふみさんのカヴァ―UP TOWNは見事なハマりっぷり。

続く‘TONIGHT3’は、日付の変わるころ、深夜の物思いを歌ってて、これは‘あるく’の延長線上だなあ、いいなあ、タイトルは“深夜”から“トゥナイト”へつながり、そこから“トゥナイト2”にひっかけたのかな、それも面白いなあなんて思って聴いていたら…、ご本人“競艇の歌です”って。ええ? どこが? ってミュージックビデオ観て、笑ってしまいました。競艇に妙に重なる。“横目に見える 紙切れが舞う 最後に笑う 笑う”って、競艇場で舞ってる紙切れって!! 勝手に深夜のアーケード街で頭の横をチラシが舞ってるような侘しいシーンを思い浮かべていたのに! でもこのどっちにも取れる感じがもうエンヤサン! “まさかサイドカーで来るなんて”に入っていた‘つまる うまる おもい こよい’も恋愛関係の終わりにも取れるし、長年住んだ部屋とのお別れにも取れるっていうダブルミーニングソングだったので、この捻りっぷりはエンヤサン節。そして間違いなく作中のハイライト。いい曲。



ラストはね、絶対こういうのねじ込んでくると思った。前作もタイトルトラックはユーモア溢れてたし、今作もそれを踏襲。やってくれます。ラジオDJ役誰ですかね。ちょっとミドリカワ書房の作品思い出しました。DJさんのグイグイ感面白いなあ。“詰めが甘いのがウリかぁ?”に笑う。無理やり曲やらせといて“イマイチだなあ”ってどんなナビゲートだよ。最後“視聴者のみなさんも、何かしら、やってこうじゃん。生きてんだしさ”ってどういうまとめ方だよ! “DJぐっちぃのまるでアレだよね”聴きたかった…。

ということで、激オシなんで、未聴の方は是非。歌詞カードもついてます。しかも今作に合わせて前作も再リリースされたので、これは一緒に聴くしか。私が“まさかサイドカーで来るなんて”から彼らのファンになったように、この作品からファンになる人がまた、いるんじゃないですかね。まあファンだったら早く“大メインクライマックス”買えよって話ですよね。おっしゃる通り!



TheGreatWild – New England

 TheGreatWild - New England Cover

 – Tracklist –
 01. Fastfold (ft. DJ Treeman)
 02. Style (ft. Tim Brown)
 03. Tides (ft. Tim Brown)
 04. Snake River Canyon (ft. Jesse Colognesi)



 - 01. Fastfold (ft. DJ Treeman)


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 Release Date : 2018.02.11
 Label : Not On Labe

 Keywords : Alternative, Dub, Footwork, Jam, Post-Rock.


 Related Links :
  ≫ TheGreatWild on bandcamp
  ≫ djmilkcrates on SoundCloud / on bandcamp


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“djmilkcrates & friends”によるTheGreatWildの作品が、bandcampでリリースされています。詳細は未確認ですが、djmilkcratesは上記リンクのアーティストで相違ないと思います。Noiseまじりのカオティックなturntablism作品をリリースしてきているようですが、ここに至ってはやや異なる表情を見せています。

M-1の冒頭なんか聴いた日には、“ああ、なんだAmbientiveなPost-Rock作品かな”、なんて思わせておいて、エスニックなコーラスから一転してJuke/Footworkへなだれ込む、この鮮やかな転換。サンプリングしたコーラスをループさせながら、さまざなまなエレメントをダビーに響かせ、エレガントなPianoを転がしながら、ボトムで鳴り続ける性急なビートは、リスナーをリラクシンとはまた違うゾーンへと導いていく。トっ散らかりそうなのに、上手くまとまっているし、ギターのサウンドが見せるAlternativeなキラメキが私を魅了する。一見ノイジーにも思えるけれど、散りばめられたフレーズはMelodicだ。

Industrialな背景に、ブブゼラのような音色が空間を貫き、ダビーなサイケデリアがリズムと共に加速するM-2も、カオティックなくせにエネルギッシュ。M-3もいきなりPost-Punkみたいなリズムでこれまた意表を突かれる。直線的なリズムと哀愁の電子音がレトロ感を醸し出すけれど、バックでグロテスクにうごめく内臓感覚や、ややもするとサウンドのバランスを崩しにかかっているようなダブ的な音響処理がやはり個性的。エモーショナルなギターフレーズを挿入したかと思ったら、パワフルでパーカッシヴなリズムが顔を出してきたり、前半のノリはどこ行った、というかなんでここにこのパートくっつけたんだろうという疑問が出る始末。面白いですね。ここまでの3トラックでみんな少しずつ毛色が違うのに、とりたてて違和感を感じないのは、テクスチャーに共通したものがあるからでしょうか。そんな気がします。

でもM-4は何かAngelo Badalamenti meets Post-Rock、ときどきDub、みたいな調子で、一言でいうとまあPost-Rockになっていて、そのサウンドはシネマティック/エモーショナルで、ここまでとは違う音風景。なのでここにきて、どこに根っこがあるのか、また見失う。前半3トラックのアジテートするようでいてサイケデリックなノリで攻めきって欲しかったような気もしますが、でもここにこれを持ってくるってことは、いろんなカラーを見せたかった、そしてここにこそ真骨頂があるというような、そんな意思表示なのかもしれません。そう思います。

ということで、全編で意表を突かれました。

友達同士でガチャガチャやってたら何となく形になりました、的なイメージもあるけれど(違ったらスイマセン)、思い切り作りこんだ作品も聴いてみたいですね。次はないかなー。



PLAYLIST : 2017.04






 To love is to suffer.





Lil Samba – Romantic Dreams

 Lil Samba - Romantic Dreams Cover

 – Tracklist –
 01. Halogen
 02. Dewprism
 03. F Minus
 04. Vitriol
 05. Talktalk
 06. December
 07. Aspirin USA
 08. King Of Tongues
 09. When Girls Telephone Boys
 10. Eight
 11. Bubblegum Rosy
 12. Upset
 13. Soft
 14. Grown Up Solitary Living



 - 01. Halogen



 - 09. When Girls Telephone Boys


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 Release Date : 2016.12.19
 Label : Not On Label

 Keywords : Alternative, Cloud Rap, Hip-Hop, Melodic, Romantic Dreams.


 Related Links :
  ≫ Lil Samba on Facebook / on SoundCloud / on Tumblr / on Twitter / on YouTube


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Cloud Rap集団、Kelpboyzのリーダー、Lil Sambaさんの新作です。前回紹介したのはちょうど一年前くらいの“Dear Calamity”ですが、今作までの間にも“Take Me To See God In Roswell”や“Mercury Yawned”、“Eternal Broadcast: Extra Love From Your Creator”を出しているので、コンスタントなリリースですね。それらを聴いていないわけではないのですが、なぜに紹介してこなかったのか。何かにうつつを抜かしていたのでしょう。

今作は彼にとっては非常に重要な作品であるようです。生まれ育った町を(理由はさだかではありませんが)離れることになったようで、そこに至るまでの5~6ヵ月間に経験したこと、感じたことのすべてが詰め込まれているとのこと。一見するとこのタイトルは非常にドリーミィ、ハッピーなイメージを持たれるかもしれませんが、どうやらそのままの意味ではないようで、彼が離れてしまったものや思い出をいかに美化しているかを、彼自身に教える、そんな残酷な作品でもあるようです(解釈が違ったらごめんなさい)。たとえ“Mercury Yawned”や“Dear Calamity”に劣ったとしても、ここでは多くの感情や経験が放出されているのだと述べられていますが、そういわれるとそういう風に聴いてしまうから、書かない方がイイよ!(確かにどちらもPopでよい作品だけれど)。

どこかのバンドのように“ただのノスタルジー 生ゴミ持ち歩いてんじゃねえ”とまではいきませんが、自身が(過ぎ去ったもの、ことに対して)ロマンチストであることを突き付けられるのは、それが唐突であるほどに衝撃的、ヘビーなことかもしれません。彼Lil Sambaの場合は、重要ではあれども、そこまでヘビーな受け取り方はしていないのではないか、そんなふうにも思えます。それはいざサウンドを聴いてみると、少なくとも表面的な重さとは切り離されているからです。たとえば‘ETERNAL DEATH’に部分的にあったような抽象的で難解なイメージは感じられませんでした。

サウンドとしては彼のメインのスタイルである、Melodicなサンプルを使ったHip-Hop/Cloud Rapなんですよね。浮遊感のある電子音やヴォーカルラインを巧みに使って抒情的な空間を作り出す手腕は相変わらずです。M-1からして安定のあるLil Samba節ではありませんか。ストリングスとディレイするヴォーカルの混合によって描かれる優美かつ感傷的なイメージにはまさに“思い出”というワードがあてはまり、そんな思考を促される私も立派にロマンチストであることを教えられているような、不思議な気もします。M-2も風通しの良いギターストロークとブレイク、ヴォーカルを使った、いつか見たさわやかな夢のような、淡い景色。

中盤から翳りのあるサウンドも出てくるけれど、中間地点のM-6ではセガサターン用のゲームソフト“ナイツ NiGHTS into Dreams…”から引用を行っており、インタールード的な役目はもちろんのこと、作品の世界観も損なっておらず、見事なチョイスだなあと思います(私がナイツ好きだってのも多分にあるだろうけれど)。濁った物思いを音像化したようなAmbientなトラック‘When Girls Telephone Boys’や、アラビックな旋律を使った‘Eight’も面白い。サマーなヴァイブを持った‘Soft’から、ラストのはウタモノトラック‘Grown Up Solitary Living’(このタイトルは今作のコンセプトを象徴している気もする)で締め。

聴いてくると思い出の美化(romanticize)に関して彼自身がどういう心持ちなのか、それほど否定的ではないのではないかと、思ったりもしましたが、今作に付されているメッセージを読むと、それは“Stop having romantic dreams.”という言葉で結ばれている―


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Note :

This album is the most significant and important, personally, than any other album that I’ve made so far. It documents my coping with moving five hours away from home (my first alternate living area), with no family or friends to accompany me. Working as a concept album, it starts before the move, translating my worries and anxieties and last few weekend escapes with my friends into sound; only to end with where I am now. The title should not be taken literally. “Romantic Dreams” really represents me romanticizing the life I’d moved away from and how I daydream of the fleeting memories.

I won’t give away everything and go track by track, explaining why I chose this title or that overall tone for this song, etc. Even if it’s inferior to Dear Calamity or Mercury Yawned, I just wanted to let everyone know that I made this as an outlet for everything I’ve been feeling and experiencing within the past 5-6 months.

To all my dear friends and family, I love you all, and I’ll never find a home that feels as cozy as the shithole I was born and raised in.

Work on living alone.

Work on staying afloat.

Work on sustaining myself.

Stop the guilt.

Stop having romantic dreams.



Yikes – Commercial Music [VRS004b]

 Yikes - Commercial Music [VRS004b]

 – Tracklist –
 01. twinklejam
 02. thought you’d say
 03. double bacon cheese
 04. in the mouth a desert (pavement cover)



 - 01. twinklejam


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 Release Date : 2016.05.13
 Label : Viridian Sounds

 Keywords : Alternative, Indie, Shoegaze.


 Related Links :
  ≫ Yikes on Facebook / on SoundCloud


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アメリカはフロリダ州タラハシーのレーベル、Viridian Soundsより。4人組バンドYikesの作品がリリースされています。同時にIt Takes Time Recordsからもリリースされているのですが、そちらはNapsの“The Most Beautiful Place on Earth”とのスプリット。収録されている内容は今作と同一です。ちなみにNapsの同作もViridian Soundsからリリースされています。

M-1なんか聴くと、カッティングギターと小気味よいリズムの疾走から始まったりして、実に爽快、風通しがよろしくて、このにおい立つインディーな感じが堪らなかったりするんですが、中途でスローダウンして入ってくるギラついたオリエンタルなフレーズがまた琴線を揺さぶってきまして、一気にサイケデリックなサマー感を打ち出してきたりして、なんかナンバーガールとか思い出しちゃったりするんですよ。

ほとんどヴォーカルも入ってないしもしかしてインストバンドなのかなとか思ってたら、M-2はぜんぜんウタモノになっていて、しかもM-1のような軽快な調子のものではなくて、ミドルテンポの酩酊的な歌唱とバーストしたギター、それから相変わらずのサマーなギターが織り交ざる、90年代のオルタナ/グランジを感じるといいますか、M-3にあるダルな歌唱からエモーショナルなシャウトへの展開ですとかを聴いてもやっぱりその辺りからの影響が色濃いのかなと思います(遡ればPixiesとかになるかと思いますが)。M-4でPavementをカヴァーしていることからして、その証なのかもしれませんね。

特別にPopというわけでもないし、ダンサブルなリズムがあるわけでもないし、私に関していえば歌詞を理解できているわけでもないのに、心を震わせられるのはなぜなのでしょうか。どこか懐かしい景色が見えているということもあるかもしれませんし、眩惑的な夏の風景がバイオリズムの波にマッチしたのかもしれません。Shoegaze通過後の気だるさといいますか、嵐のあとの脱力みたいな、空虚な雰囲気がときどき顔を出すところも好きなのかもしれません。

冒頭で触れたNapsも、Lo-Fiギターサウンドと男女混声のPopサウンド(曲のバリエーションも豊富)で、とてもよいバンドですので、気になる方はぜひ聴いてみてください。だったらスプリットの方で紹介しろよって話ですけど、そこはまあ、ね! でも1曲だけ貼らせていただきましょう―



 - Naps – the most beautiful place on earth is the moon : エバーグリーンな風って感じですね。