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タグアーカイブ: Bass music

Polka Polka – DEWNEOT [MS-001]

 Polka Polka - DEWNEOT [MS-001]

 – Tracklist –
 01. Le Tournesol
 02. =Qaqlmb
 03. Pastel Rainbow
 04. Outerstellar
 05. Methylate
 06. Superluminal
 07. MG42



 - 02. =Qaqlmb



 - 05. Methylate


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 Release Page :
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 Release Date : 2015.01.15
 Label : Synthikate

 Keywords : Bass music, Electronic, Gabba, House, J-Pop, Rave, Synthesizer.


 Related Links :
  ≫ Polka Polka on SoundCloud / on Twitter


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詳細は掴みきれていませんが、おそらくは韓国はソウルのレーベル/コレクティヴ、Synthikateより。Polka Polkaの作品がリリースされています。Subculture Collectiveという説明や、ところどころで使われているLOWCVLTという言葉から察するに、日本でいうところの“サブカル”的なものを志向しているのかもしれません。私がSynthikateを知ったのは、PURE AESTHETEにも所属しているSTEPiCのSoundCloud経由だったように記憶しています。姉妹レーベルとしてGADSというものがあり、2014年12月に共同リリースされた“Snowlight”というコンピレーションでハッキリと気にしはじめました。

よくよく見るとこのジャケットイメージにはアーティスト名も作品タイトルも入っていないんですね・・・レーベル名が中央にあるだけという、なかなかの強気。さてPolka Polkaは韓国とフィンランドが活動基盤になっているようですが(ただどちらかの出身ということかもしれませんが)、そのディスタンスを示すように、音楽性も(なんとはなしに)二分されているように感じます。この作品でいうと、ちょうど前半部と後半部で印象がガラリと変わります。

まずは前半部。M-1。Houseなビートと、電子的でありながらまろやかなシンセのメロディ、積み重ねられる鍵盤、それらがミニマルに繰り返されますが、しかしバウンシーなビートと相俟って、なんとも心地よく、可愛らしい印象さえ残します。続いてM-2。私が勝手にPost-Shibuyakei(Neo-Shibuyakei)と呼んでいる、エディット・ポップがここでさく裂します。ブレイクするシンセフレーズと、エディットされた多段的なヴォーカルの組み合わせ。StopとGoを混在させる中で、リスナーに確実にカタルシスを与える手腕はお見事です。M-3。歌がないのに唄っている気がする、Popなトラック。シンセのフレーズがトラックのメインを張っているわけですが、この伸びやかで、弾んだ感じは、非常にJ-Popなフィーリング。敢えてこのnetlabel/netaudio界隈でシミラリティをもつトラックメイカーを上げさせてもらえるなら、やはりYoshino Yoshikawaさんかなあ、という気がします。と、ここまでが前半部。

後半部。M-4から向きがガラリと変わって一気にBass musicの色が濃くなってきます。アタックの強いシンセ、ブリブリと振動し、軋むフレーズたち。メロディは確かに生きていますが、PopからRaveへと聴取感は変化します。M-5ではJ-Pop/J-Rock経由でしょうか、MelodicでハードなギターサウンドにElectronicな装飾を施すことで、デジタルでエレクトロなロックを披露。非常にMelodicなんですが、やはり前半部の流れからすると異質なものを感じます。M-6もその流れを引き継いで、ギターサウンドにエレクトロなDubstepを取り入れつつ、ゴリゴリと重戦車のように突き進みます。そしてラストはまさかのGabba。叩きつけるようなビートにスラッシーなギターとRaveなシンセが壁のように立ち上がり、完全にハードコアなスタイル。前半部とのギャップが凄まじい。全編このカラーで行ってたら確実に私は聴いてないでしょう(笑)。

どちらが彼にとってメインのスタイルなのかというのが気になるところですが、比率からいくと後半部の方がボリューミィなので、もしかするとこのハードなスタイルこそが真骨頂なのかもしれません。しかし上記のコンピレーションに提供された‘Masonry Fireplace’というトラックは、JazzyでLoungeな、非常に暖かみのあるもので、今作収録曲とはまた趣が異なります。このように幅広い音楽性の潜在をうかがわせるPolka Polka、そしてその一端を垣間見れる今作、要注目です。

Synthikateもbandcamp上には3作しか作品が記載されていませんが、以前にもSugar Rush ☆ Sweet Dashをリリースするなどしているようで、なかなかレーベル/コレクティヴとしての全容は掴めていませんが、しかしPop志向であるのは間違いない様子。Punkという部分ではちょっと異なるかもしれませんが、日本のMaltine Recordsや、アメリカのZoom Lensとも共通する部分があるように思います。韓国のこういったシーン自体、あまり表に出てこないように思うので、今後どういった動きを見せるか、楽しみにしています。



 - Masonry Fireplace



aboutus – От окраины к центру [MNMN174]

 aboutus - От окраины к центру [MNMN174]

 – Tracklist –
 01. Boddicker vs Murphy
 02. Tiranium Pollak
 03. Year to a doomsday (feat. Anna Barinova)
 04. Воображение
 05. Всё означает, нет
 06. От окраины к центру



 - 05. Всё означает, нет


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 Release Page :
  ≫ [ main ] / [ ifolder ] / [ rutracker.org ] Download Free!
    (※ifolderからのダウンロードについてはこちらを参照してください。rutrackerについては、こちら

 Release Date : 2012.11.17
 Label : MNMN Records

 Keywords : Ambient, Bass music, Electronic, Glitch, Hardcore, IDM, Melodic, Strange.


 Related Links :
  ≫ aboutus on SoundCloud / on PROMODJ / on VK (VKontakte)

  ≫ Alexey Maslov on VK


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ロシアンネットレーベル、MNMN Recordsより。aboutusの作品がフリーでリリースされています。サウンドを聴いて、てっきりソロユニットだと思っていたら、レーベルのプロフィール画像みて鼻水吹き出しそうになりました。色調加工された4人のメンバーが、ご機嫌な調子でカメラ目線を決めていたものですから…。もともとはVladimir IvanovとAlex Nazarovの二人で始めたプロジェクトのようです。

なんともストレンジなサウンドスタイルです。アブストラクトなわけではなくて、どちらかといえばメロディは流れている方。使われているパーツが通常とは異なるわけではない。組み合わせ方がマジカルだ。そこからどうしてそこにいくんだろう、というような繋げ方をするんだけど、でもそれで聴かせてしまうという、これは剛腕なのかセンスの賜物なのか、よく分からない。食べ物に例えていえば、創作料理のような。それとそれを組み合わせちゃうのっていう。それちょっと不味いんじゃないの?って思わせて、食べてみたら全然不味くないっていう。

トラックごとに味わいも異なっていて、どこに芯があるのかもいまいち分からない。Pop志向だとは思う。M-1なんかはBreakcoreのようなハードなスタイルに、ヘビーかつキャッチーなギターフレーズ(Metalの影響も感じる)を取り入れた、豪快なサウンドで、シンプルなカタルシスが得られる。と思ったらM-2が、Dark Ambientな湿った空間と、Industrial/Gothicなテイストのサウンドやエフェクトが混ぜ合わされた、シネマティックな小品に。M-3がGlitchyなIDMといっていいだろうか、Electronicなバックトラックに、ポエトリー・リーディング/スポークン・ワードのような声部を挿入した前半から、徐々にLo-bit風のシンセが顔を出し始め、中盤でやや抽象に流れたあとは、序盤で聴こえた鍵盤の旋律を再びもってきて、そのあとBass musicのようなBleepyなサウンドに突っ込んでいく。しかも後ろではドラマチックなストリングスのシンセと、ディストーションギターが絡み合っている。最後は流麗なストリングスで締めくくられるので余韻はセンチメンタルだが、そこに至るまでは山あり谷ありの物語のような。

M-4はピアノとギター(控えめながらPost-Rock調だ)を生かした、ひときわMelodicなトラックになっている。Bass musicの影響も顕著な分厚いシンセが随所で出てくるが、リズミカルでMelodicなギターがトラックを牽引していて、そのちょっとした感傷性、さわやかなサウンドスケープは、部分的にはまるでインディーバンドのような雰囲気があって、なんとも不思議な聴き心地。

ラストのM-6‘От окраины к центру’は、ラジオのチューニングのような鋭いノイズと、幻想的でMelodicな電子音、そして重厚なリズムが組み合わさったIDMからはじまり、途中でブリブリのシンセを入れた後、丸く温かみのある電子音で締めるという、基本的にはMelodicなんだけど、やはり歪さを感じさせる仕上がり。

何回も聴いているとさすがに構造上の新奇性というのは弱まってくるのだけど(ノイズも聴きなれてしまえばノイズではなくなるという話と似ている)、それでも聴かせる力があるのは、やっぱりメロディを捨てていないからだと思う。構造上のヘンテコ具合の面白さと、メロディによる音楽的なカタルシスが味わえる、ユニークな作品です(なんだか寡作の様子なので次回作は望めなさそうだが)。かくて音楽フロンティアというロシアに対する私のイメージは無事に保たれたわけですね。


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