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タグアーカイブ: Beats

PLAYLIST : 2017.06

PLAYLIST : 2017.05

Various Artists – 人間指南

 Various Artists - 人間指南 Cover

– Tracklist –

 01. sususu&56loop – 霓虹過客
 02. LinFeng – Memories Of Reiko
 03. Fantasy Girl 1985 – Musicassette
 04. Goldchild – Feeling Lucky
 05. soulspeak – Aliens Born Chinese
 06. Fcyco – 颈椎病植入DNA1999
 07. Radiax – Touch
 08. Zean – Make It
 09. JoyGInger – Battle
 10. Lofimaker – Black Or White (LOFIMAKER Remix)
 11. Ops.7 – Schizophrenia



 - 03. Fantasy Girl 1985 – Musicassette


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 Release Date : 2017.04.24
 Label : Babel Records

 Keywords : Beats, Future, Hip-Hop, Neo-Soul, SynthWave, Urban, 90s.


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中国は北京のレーベル、Babel Recordsより。2016年の“夏日賓館”に続くコンピレーション“人間指南”がリリースされています。

世界のシーンすら見えていない私に中国のシーンなど分かるはずもありませんが、調べてみると、どのトラックメイカーもこの界隈のレーベルと何かしらの形で関わりがあるようで、色々なところで名前を見ることができます。ただ惜しむらくはそうやって調べないと情報にたどり着けないところ、でしょうか。どうもあまり対外的な活動をみなさん行っていないようで、各トラックメイカーのSoundCloudを覗いても、必ずしも今作への収録トラックが公開されているわけでもなし、リリース情報が掲載されているわけでもなし。それをいったら、そう、レーベル側からアーティストのネットスペース―何がしかのアカウントへのリンクも貼られていないようだ。だからこそ穿り返すことの楽しみもあるわけだが・・・もう少しオープンでもよろしいのではあるまいか。などと考える。

そう思うのは今作が積極的に耳を傾けるに値する、素敵な作品だからです。90年代のPop musicをビンテージなアナログトーンでもってサンプリング、というのが今作にある一定の方向性のようで、これによって90年代の中国を未来的に再形成する、描いて見せる、というのが、意図としてあるようです。

何の基盤も持たない私はサンプリングソースについてはもちろん、“ビンテージなアナログトーン”についても具体的な言及できないわけですが、おっとそう、今作はまあHip-Hopと言える作品になっておりまして、どの作品もメロディを使っていて、そこにモコッとした楽器音が入ってくることで煤けたセピアなカラーを塗りながら、それでいてシンセサイズな電子音をぶつけてきたりもするので、まさにレトロフューチャリスティックな過去から見た未来が描かれているような。たとえば90年代の中国の在り方―政治や経済などがどのような状態であったのか、そこと関連づけて今作を聴いたり論じたりするのも楽しみ方の一つかと思うので、興味のある方、そしてできそうな方は是非やってみてください。

どのトラックもみんなフックがあって良いんですが、最も好きなのはM-3‘Musicassette’です。SynthWave meets Hip-Hopっていうか、ちょっとChiptuneっぽい響きもあって、経済成長の時代に夢見たロマンチックな未来、その都市の夜景、みたいな(その未来は今ではないのだろうけれど)。けれどFantasy Girl 1985の素性がつかめない。ほかの作品でも出てくる名前なのですが、レーベル、チャンネル、コレクティヴ、あるいはプロデューサーのチームのような、複数名の集合体なのでしょうか。

Michael Jacksonの‘Black or White’を使ったM-10も面白いですね。どことなくオリエンタルなフレーズを挿入したり、原曲のエモーショナルな歌唱が生かされていて、肉体性もあり、作中でも異色(というよりRemixとなっているから他トラックとは毛色が違うのは当然なのかもしれない)。

他トラックメイカーもなかなか名前を拝見したことのない方が多かったので、せっかくなので他作品からのトラックも―



 - sususu;Cattzim – sweet​,​sweet tone (from “Before Midnight”)



 - ​VISUDY;阿克江 – Seaside Motel​ (from “夏日賓館”)


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 Note :

以未来之声重塑一个八九十年代的中国场景为主题,来自北京的电子厂牌BabelRecords在4月末发行了一张令人瞩目的复古合集《人间指南》,这是自去年的《夏日宾馆》后他们再次高调发声。
Reshaping a 90’s Chinese scene with a futuristic vibe, Babel Records has just released a compilation full of vintage elements —‘人間指南’. The collection of tracks makes a strong follow-up to their previous compilation ‘Hotel Summer’ released in 2016.

整张专辑中,12首作品都融入自己的思考,采样90年代流行金曲或者运用你熟悉的模拟音色,让回到过去的思维与身处当下的空间感相互融合,重塑一个充满矛盾的复古又未来的八九年代中国场景。

The tracks of this compilation have a sonic coherence. sampling 90s’ pop music with vintage analog tones. Let your mind intermingle with time and space, and reshape a space which full of the contradictions of 90s’ China.

Cover Art by Lofimaker & 重型燈



PLAYLIST : 2017.03

honda civic & heaven chord – sunlit ridge {ep}

 honda civic & heaven chord - sunlit ridge {ep}

 – Tracklist –
 01. antique
 02. subtitle
 03. sunlit ridge
 04. shadow sketch
 05. into color



 - 01. antique


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 Release Date : 2016.11.10
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Beats, Downtempo, Dream, Electronica, IDM, Melodic, VHS.


 Related Links :
  ≫ honda civic on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter
  ≫ heaven chord on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter / on YouTube / on VK (VKontakte)


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水道の蛇口から漏れる水滴の音も、かしましい井戸端話も、仕事を告げる電話の呼び出し音も、すべてはここでは無視することが許される。いやここにはそもそも入り込んでこない。入り込ませないことが許される。昔は夜眠れないときに、今この瞬間だけは何も考えずに、眠っていいのだと、いいんだと、自分に言い聞かせたりしていたけれど、それと似たような感覚、に襲われた。曖昧な、ぼやけた調子の、答えのない、だからこその、心地よさ。すべての厄介ごと―ストレスを、ハッキリと認識せずに、自分からは遠ざけて、安心する。ただ少し、懐かしいような、いや、ここにある乳白色の(やはり曖昧な)スクリーンの中に、自分が拠り所にしているいつかの記憶、というやつを、いつかのシーンを繰り返し、再放送して、ただそこで、やはり曖昧にされた答えに可能性を持たせ、自分自身を慰め、安心させる。精神世界の桃源郷。

主体はhonda civicのようだけれど、heaven chord自身もトラックメイカーとして活躍しており、自身のbandcampで作品を公開している(こちらも素敵だ)。粒子の荒い、ざらついた、それでいてゆるやかに動くレイヤー。VHSなノスタルジア感。強くはないが確かなメロディ。Hip-Hop/Beats感のあるDowntempoなリズム。私はElectronica/IDMとして聴いているけれど、人によってはHip-Hop/Beatsの文脈で聴くかもしれない。実際honda civicはビートテープも公開しているけれど、どちらの畑なのか、ということはよく分からない。しかしこの、スムースになりすぎることもなく(つまり鼻につかない)、ビートが耳に障ることもなく(つまり押しつけがましくない)、夢幻の心地よさだけをフンワリと残すこのバランス感覚は、まことに見事。

この作品においてはheaven chordとのコラボレーションが行われているけれど、たとえば“coexistence”ではlight blending inと一緒にやっていたり、derrick boogarretttile kidなどを招いたトラックもある。またheaven chordはheaven chordで、Nozu-Dethvalenceや、Orchidsevrynseng°meta angelsave me、そのほか複数のトラックメイカーとの共演がある。そしてさらには、それらトラックメイカーの間でまた別のつながり、コラボレーションがあったりするのだけれど、特にコレクティヴのようなまとまりを作っているわけでもなさそうで、それぞれがそれぞれに作品を公開している。スタイルに若干の違いはあれど、みんな幻想的で夢見心地な作品を作っていて、すべて辿ろうと、聴こうと思ったら、なかなかに終わりが見えず、それはそれで非常に楽しみ。今作を聴いて興味を持った方は、そんな沼にハマってみるのもいかかでしょうか。

下にいくつか―



 - honda civic & light blending in – belonging (from “coexistence”)



 - derrick boo – restless (from “restless ep”)



 - save me – hy w/ seng°



PLAYLIST : 2017.01

daki – see you ep

 daki - see you ep Cover

 – Tracklist –
 01. a list of things that will be missed
 02. adore u
 03. someone to talk to
 04. see u
 05. everything flows (w/ slappy)



 - 01. a list of things that will be missed


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 :: Limited Edition Cassette is SOLD OUT. ::

 Release Date : 2016.5.20
 Label : nemuri winter

 Keywords : Beats, Chill, Cloud Rap, Sad, Scenery, Sentimental.


 Related Links :
  ≫ daki on SoundCloud / on bandcamp


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sleepy beat collective、nemuri winterより。ファウンダーであるdakiの作品です。すごく好きな、好みの作品であるのに、今まで気づかなかったのが、悔しく思われます。

時の流れと共に、いわゆる音楽ジャンルに当てはめられる言葉って変遷していくと思うんですが―要するに違う言葉で同じ中身を表している―、ここに当てはめられるのは、私としてはCloud Rapなんです。もうトレンドの言葉ではないかもしれないけれど。nemuri winterのメンバーには沢山のトラックメイカーが名前を連ねているけれど(気になる人はSoundCloudをチェックしてくださいね)、私が知っているのはochaとNATIVEくらい。そこに名前は入っていないけれど、御大memory cardsや、olli、最近紹介した中だと、tatsumiなどが、ここにあるCloud Rapとは近しいサウンドを作っているかと思います。Acoustic/Beatsで、Scenery、抒情性を持った、サッドミュージック。

コレクティヴ名に“winter”というワードが入っているだけあって、冬に似合うサウンドだと思います(リリース時期は違いますが)。確かに淡い叙情性がありますが、すごく落ち着くんです。静かな部屋の中から、窓の外の雪景色を眺めているような。孤独な安心感。空は決して雲に覆われているわけではなくて、雪は止み、暖かな日が差している。けれど空気は凛と澄んでいて。音のない、景色。

ここから自分語りが始まってしまいますが―自分自身のことを好きっていう人も嫌いっていう人も、結局それだけ自分のことに関心持っているって意味では、ある種のナルシシズムだと私は思ってるんですが、そういう私も自分のことはとても好きとはいえなくて(別に死にたいわけではない)、思春期まっただ中には“透明になりたい”、“生まれ変われるなら道端の石ころに”だなんて阿呆な願望を持っていました。その延長線上なんでしょう、今の私がもっとも愛する時間は自分自身を感じなくて済む時間なのです。自分を意識しなくて済む時間といいますか。自意識過剰の裏返しではありますが、人目がある場所が基本的に好きではなくて、だから出かけるのも好きではなくて、“書を捨てよ町へ出よう”なんてもっての他で、文化的な何かに触れるために外出するなんて苦痛の方が大きいくらい―私が自分をなにがしかの文化の中に身を置いている、その一員であると思えないのは、そのことも関係しているのでしょう。その結果として、私の中では、孤独というものと安心感が切っても切れない関係性になってしまっているのです。これを断ち切るのは、なかなかに難しい、と認識している。

ここには、その孤独と安心感があるのです。さびしいけれど安心するという、ある種の矛盾。他人の存在なく。景色はただそこにあり。誰もいない景色の中で、私の意識はそこにあってそこにはないように、解けていくのです―あまり掘り下げるとグルグルし始めるので、このくらいにしましょう・・・。

サンプルとビートいうシンプルな構成ながら非常に引き込まれるのは、やはりサンプルの妙なのでしょうか。おそらくアニメなどからの引用もあると思うのですが、私は明るくないので言及できませんが、他作品では“クロノトリガー”や古川本舗(古川P)の楽曲もサンプルとして使用しているようです。同コレクティヴから“the early stuff”という作品がリリースされていますが、こちらも非常に良くてですね、ちょっと泣きそうになってしまうくらいの抒情的な空間があって。古川本舗の“girlfriend feat. 山崎ゆかり(from 空気公団)”にビートを合わせた “shall we continue?”ですとか、オリジナルのメロディや歌詞、山崎さんの声の魅力ありきかもしれませんが、胸に迫るものがあります。(私が明らかにできる)サンプルにしている楽曲たちを鑑みても、メロディと共に、空間性、風景的な部分が重視されているように思われます。その辺の作りも、私が感じる今作の魅力につながっているのでしょう。

孤独な冬には、誰かと安心感を共有できる未来を夢みながら、せめて今作を聴きましょう―



 - mirai (from “the early stuff”)



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