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タグアーカイブ: Beats

PLAYLIST : 2017.01






 You don’t need any brains to listen to music.



daki – see you ep

 daki - see you ep Cover

 – Tracklist –
 01. a list of things that will be missed
 02. adore u
 03. someone to talk to
 04. see u
 05. everything flows (w/ slappy)



 - 01. a list of things that will be missed


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 Release Date : 2016.5.20
 Label : nemuri winter

 Keywords : Beats, Chill, Cloud Rap, Sad, Scenery, Sentimental.


 Related Links :
  ≫ daki on SoundCloud / on bandcamp


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sleepy beat collective、nemuri winterより。ファウンダーであるdakiの作品です。すごく好きな、好みの作品であるのに、今まで気づかなかったのが、悔しく思われます。

時の流れと共に、いわゆる音楽ジャンルに当てはめられる言葉って変遷していくと思うんですが―要するに違う言葉で同じ中身を表している―、ここに当てはめられるのは、私としてはCloud Rapなんです。もうトレンドの言葉ではないかもしれないけれど。nemuri winterのメンバーには沢山のトラックメイカーが名前を連ねているけれど(気になる人はSoundCloudをチェックしてくださいね)、私が知っているのはochaとNATIVEくらい。そこに名前は入っていないけれど、御大memory cardsや、olli、最近紹介した中だと、tatsumiなどが、ここにあるCloud Rapとは近しいサウンドを作っているかと思います。Acoustic/Beatsで、Scenery、抒情性を持った、サッドミュージック。

コレクティヴ名に“winter”というワードが入っているだけあって、冬に似合うサウンドだと思います(リリース時期は違いますが)。確かに淡い叙情性がありますが、すごく落ち着くんです。静かな部屋の中から、窓の外の雪景色を眺めているような。孤独な安心感。空は決して雲に覆われているわけではなくて、雪は止み、暖かな日が差している。けれど空気は凛と澄んでいて。音のない、景色。

ここから自分語りが始まってしまいますが―自分自身のことを好きっていう人も嫌いっていう人も、結局それだけ自分のことに関心持っているって意味では、ある種のナルシシズムだと私は思ってるんですが、そういう私も自分のことはとても好きとはいえなくて(別に死にたいわけではない)、思春期まっただ中には“透明になりたい”、“生まれ変われるなら道端の石ころに”だなんて阿呆な願望を持っていました。その延長線上なんでしょう、今の私がもっとも愛する時間は自分自身を感じなくて済む時間なのです。自分を意識しなくて済む時間といいますか。自意識過剰の裏返しではありますが、人目がある場所が基本的に好きではなくて、だから出かけるのも好きではなくて、“書を捨てよ町へ出よう”なんてもっての他で、文化的な何かに触れるために外出するなんて苦痛の方が大きいくらい―私が自分をなにがしかの文化の中に身を置いている、その一員であると思えないのは、そのことも関係しているのでしょう。その結果として、私の中では、孤独というものと安心感が切っても切れない関係性になってしまっているのです。これを断ち切るのは、なかなかに難しい、と認識している。

ここには、その孤独と安心感があるのです。さびしいけれど安心するという、ある種の矛盾。他人の存在なく。景色はただそこにあり。誰もいない景色の中で、私の意識はそこにあってそこにはないように、解けていくのです―あまり掘り下げるとグルグルし始めるので、このくらいにしましょう・・・。

サンプルとビートいうシンプルな構成ながら非常に引き込まれるのは、やはりサンプルの妙なのでしょうか。おそらくアニメなどからの引用もあると思うのですが、私は明るくないので言及できませんが、他作品では“クロノトリガー”や古川本舗(古川P)の楽曲もサンプルとして使用しているようです。同コレクティヴから“the early stuff”という作品がリリースされていますが、こちらも非常に良くてですね、ちょっと泣きそうになってしまうくらいの抒情的な空間があって。古川本舗の“girlfriend feat. 山崎ゆかり(from 空気公団)”にビートを合わせた “shall we continue?”ですとか、オリジナルのメロディや歌詞、山崎さんの声の魅力ありきかもしれませんが、胸に迫るものがあります。(私が明らかにできる)サンプルにしている楽曲たちを鑑みても、メロディと共に、空間性、風景的な部分が重視されているように思われます。その辺の作りも、私が感じる今作の魅力につながっているのでしょう。

孤独な冬には、誰かと安心感を共有できる未来を夢みながら、せめて今作を聴きましょう―



TREEREFLECTION – OVERCAST [BLCR – 0028]

 TREEREFLECTION - OVERCAST [BLCR - 0028]

 – Tracklist –
 01. MORNING
 02. AWAKE IN THE SLEEP
 03. WET
 04. BODY WITHOUT A SOUL
 05. ESSENCE
 06. LAST BLOOM
 07. I AM (FEAT. PLAYA DEL ANKH)



 - 03. WET


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 Release Date : 2016.02.25
 Label : Bloody Carpet

 Keywords : Ambient, Beats, Dark, Drone, Nature, Shoegaze.


 Related Links :
  ≫ TREEREFLECTION (a.k.a. 木の反射) on SoundCloud / on bandcamp

  ≫ PEGA (a.k.a. PEGA速力) on SoundCloud / on bandcamp


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苔むした樹木の表面を映したこのジャケットイメージに惹かれたわけですが、よくアーティスト名を見てみると、TREEREFLECTIONとある。TREEREFLECTION? 直訳すればTREE = 木、REFLECTION = 反射。どこかで見た名前ではないかと思って、リリースページにあるSoundCloudへのリンクをたどると、その先でたどり着いたのは、やはり“木の反射”のbandcampであった。そして彼―木の反射が2015年末に2作目にあたる“Body [Disc II]”をリリースしていたことも知ったわけですが(ついでにいえば、同時期にNo Problema Tapesから、1作目と2作目を合わせた“Body [Disc I] + [Disc II]”を、カセットテープでリリースしている。デジタルフォーマットでも入手可能) 、そちらは前作を踏襲したNewAge~Orientalなフィーリングを持ったmeditativeなAmbient/VaporWaveになっていました。

おそらくそのあとに名義を“木の反射”から“TREEREFLECTION”に変更したのではないかと思うのですが、もしかしたら今後も使い分けていくのかもしれません。木の反射はもともと“PEGA速力”(現在は“PEGA”)として、Smooth JazzやLounge、AORの要素が強い、ストレートなMallsoft/VaporWave作品を作り続けていましたが(今も続けてます)、その一方で木の反射名義で、VaporWaveの手法を利用したAmbient作品を作ってきたわけで、ここにきて名前を変えるということが、果たして何らかの意味を持っているのだろうかと、考えてしまったわけですが、とりあえず聴いてみると、これがまたPEGAとも木の反射とも違っていたのです。おそらく何の手がかりもなければ、同じ人物が作ったとは見抜けなかったでしょう私。

Dark Ambient~Beats musicを感じさせる、非常に暗い作風になっています。ジャケットイメージやタグからもおそらくは自然をイメージしていると思われますが―森でしょう―、なるほど確かに、鬱蒼と樹木が茂る暗い森を音像化したような聴き心地。厳かな雰囲気も持った、Droningされたレイヤーは、森に立ち込める白いミストのよう。M-2‘AWAKE IN THE SLEEP’などは、あるかなしかの人声(ささやくような)がミストの向こうから聴こえてくるような、絶妙なエフェクトがほどこされていて、ミスティックなイメージを描くことに成功しています。

そんなダークなイメージを持つ流れの中で、異彩を放つのが、M-3‘WET’やM-7‘I AM (FEAT. PLAYA DEL ANKH)’、前者はAphex Twinの“Selected Ambient Works Volume II”にも通じるような涅槃を見せるAmbient/Drone、後者はDeepでコズミックなレイヤーの立ち上がりから、やがてエモーショナルなギターが鳴きはじめ、けれどそれはVaporWaveの音作りとはどうやら違うように感じられるという、意表を突くトラック。

M-4‘BODY WITHOUT A SOUL’にしても雨音と振動するビートの合体であったり、M-5‘ESSENCE’やM-6‘LAST BLOOM’も、変調するシンセレイヤーの滞留が神秘的でありながらも仄暗いシーンを演出するなどしていて、これまでの作品では見せていなかった部分を如実に感じることができます。そう考えると、名義の変更というのがやはり作風の変化と結びついていると捉えることもできますが、果たしてこれから先も今作のような作風で通すのか否か、気になるところですが、そこは要注目ということで。



YUME – YUMEFOREVER

 YUME - YUMEFOREVER

 – Tracklist –
 01. [U]
 02. 1818
 03. Phantom
 04. Runaway
 05. Lavender
 06. Weak Wings
 07. Colum(bae)
 08. Only You
 09. 2AM
 10. Forever (Sleep)
 11. Gone
 12. $$$XXX
 13. Fantasy
 14. Elixir
 15. LXVE
 16. BDYPTY
 17. ;*



 - 03. Phantom



 - 06. Weak Wings


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 Release Date : 2016.01.17
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Beats, DreamWave, Electronic, YUME.


 Related Links :
  ≫ YUME on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter


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95SOUND主宰、YUMEの新作がリリースされています。毎回書いてますが、なぜか95SOUNDを通している節がない。そして毎回思いますが、そんなことはどうでもいい。しかし一応書いておく、という次第。

2014年~2015年に作られたトラック、Remixをコンパイルしているということで、完全なる新作とは言えないかもしれませんが、ここが初出のように思えるトラックも多くあるので、聴きごたえは十分かと思います。そう、リリースページには12トラックまでしか記述がありませんが、すいません、それ以降もここには書いてしまいました。察するにその部分がRemixになっているのかなあ。ハッキリはしておりませんが。

Hip-Hop/TrapなどのBeatsなリズムに、ゆるやかなAmbience、そしてSadなフィーリングを持ったメロディはノスタルジックにも響き。私の大好きなサウンドなのです。Cloud Rapと言ってしまってもよいんじゃないかと思いますが、本人が一度もそのワードを使ったことがないようなので、敢えて私も使いませんが、でもその側面は非常に強いと思います。以前の投稿にあるmermory cardsなどと比べると、こちらの方がBeats感が強いというか、くすんだような、翳りを持ったサウンドが目立ちますが、しかし、こうキラキラと輝く雲のような、雲海のような、美しさと浮遊感が内包されていて、明とも暗ともつかない独特の聴き心地。

そんなHip-HopやTrapなどのBeat感が色濃い作品の中で異彩を放っているのが、M-6‘Weak Wings’や、M-12‘$$$XXX’、まあ後者はどちらかといえばTrapですが、しかしこのAmbientに傾いた音作り、堪らないですね。思い出を音像化したような。曖昧な、切なさ(それを言ったら切なさ自体が曖昧だけれども)。前者はドビュッシーの“月の光”を彷彿させるような、淡く、ゆるやかな流れが印象的。雨滴のような、物憂げなイメージが、知らず、物思いにふけらせる。

終盤に入ると‘Fantasy’なんかはDrum ’n’ Bassだし、あんまりこういった直球なサウンドイメージがなかったので、新鮮でした。と、ここから余談になりますが、‘LXVE’を聴いてて95SOUNDにも名を連ねていたMXRAを思い出したんですが、どこにいってしまったんでしょうねえ・・・。SoundCloudもTwitterもなくなって久しいです。“LUVCRAFT”がよい作品だったのに、これ以上の活動は望めそうになく、残念です。YUMEもいつか急にいなくなっちゃいそうな予感がするので、みなさん、気になる方は早めに聴いておきましょう。



MIXTAPE : またいつか


またいつか



そのウソは本当

listen on 8tracks
8tracks will no longer stream from their servers to listeners outside the US and Canada.
learn more…



– Tracklist –

 01. Aokigahara Online – Rain
 from “Rain” (2015)

 02. Harmful Logic X Sayuw – Angel
 from “Angel” (2015)

 03. Terio – pil sung
 from “Pil Sung (Instrumental)” (2013)

 04. Swimful Buterfly – Voyage
 from “归梦 (Return to a Dream)” (2014)

 05. |tokyo_ghost| – i  like  u,  i  love  u
 from “HD  Fantasies  Vol.  1” (2015)

 06. doujinshi – カイリ1
 from “古いコンパイル 2” (2014)

 07. SublimeCloud – Sunset By The Sea [Mid Sum Mer]
 from “Sunset By The Sea [Mid Sum Mer]” (2015)

 08. DREAM GIRL – memory cards ~ All the Things You Saw In Me (DREAM GIRL Baby Edit)
 from “COLD WINTERS” (2014)

 09. α·Pav – 夏~伝説~
 from “春夏秋冬・続” (2012)


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定期的とか周期的とかいうわけでもないんですが、ときおりHDの中身を聴き返す行為をしています。していますというか、“そうしてみるか”という意志もなく、ふと気付いたらHDの中にある音楽を改めて聴いているということが私はたびたびあって、いまその真っただ中にいるわけです。そうやって聴いていると“ああこれやっぱいいな”とか“あれコレはこんなに良かったっけ”とかいうことが、まあよくある話ですが、私にも起こるわけで、そうすると何だかムクムクと心の中にまとまりを作ってくるものがあって、それは風景なり感情なりなのですが、それがまとまりかかってくると、私はどうやらMIXTAPEを作りたくなるようなのですね。こういうネット上でできる仕組みがなかったときはカセットテープにやってましたね(CD-Rではあんまりやらなかったな)。前に他のとこでも書きましたが、その頃はNINのトレント・レズナーが作った“LOST HIGHWAY”のサウンドトラックに感化されていたこともあって、ラジオのノイズとか、映画のサウンドトラックに入ってるセリフだけとか数秒単位で入れたりしてました。まあ何が言いたいかっていうと、いまそのMIXTAPEに結びつく心の中のまとまりがいくつか感じられておるということです。なので、しばらくはMIXTAPEを乱発(人様のトラックを使っておいて乱発という何だかネガティヴにも取れる言葉を使うのもナンですが)することかと思います。年明けくらいまでは、ポンポンとあといくつか出てくる予定ですので、暇で死にそうな人は耳を傾けてみるのも悪くないかと思いますよ。ええ。

今回はDREAM GIRLの‘memory cards ~ All the Things You Saw In Me (DREAM GIRL Baby Edit)’から広がっていった感じです(前はDREAM GIRLのbandcampあったんだけど、今は手に入らないのかな?)。もうちょっと付け足せるものがあるようにも思うんですが、頭の中でピンとくるものが出てこなかったので、これにて発信。最近はまたサッドミュージックがマイブームなのでこんな傾向が続く、かもしれないです。



ਅ ਣ ਜਾ ਣ – ਅ ਣ ਜਾ ਣ

 ਅ ਣ ਜਾ ਣ  -  ਅ ਣ ਜਾ ਣ

 – Tracklist –
 01. Unexpected Meeting
 02. འ ཁོ ར་ བ
 03. فلسطين حرة
 04. ਜਗ੍ਹਾ ਸੰਪੂਰਣ
 05. HYP E R S P A C E
 06. કોઈ ગ્રેવીટી
 07. Alpha Draco
 08. R u s H
 09. লণ্ঠন
 10. La Gibonnerie
 11. Canicule
 12. 心灵感应
 ثورة .13
 14. E S S A S S A N I S V I B E S
 15. अवतारों



 - 04. ਜਗ੍ਹਾ ਸੰਪੂਰਣ



 - 10. La Gibonnerie


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 Release Date : 2015.09.23
 Label : 404Jackpot

 Keywords : Beats, ChillWave, Oriental, Post-VaporWave, Psychedelic, Shamanic.


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Lo-Fi, Vaporwave, Computer Gaze, Glitch, Mallsoft, FutureFunk, Chillwave, Ambient, Dreamwave, Witch Houseにまたがりながら、ストレンジな音楽を配信するネットレーベル、404Jackpotより。まったくもって詳細不明のトラックメイカーਅ ਣ ਜਾ ਣの作品がリリースされています。

うっかりVarporWaveの構えで聴いていたら、あれよあれよという間に、別のレールに乗せられていました。果てしてどんなレールでどこに連れて行かれたのか、どう説明してよいか分からないのが正直なところですが、頑張ってやってみましょう―

M-1‘Unexpected Meeting’は何だかオリエンタルな音色が配されていますが、これはまあ導入部ということで、けん制しながら聴くわけです。モコッとしたビートは聴こえてきますが、ここではさほど気にかからず。M-2‘འ ཁོ ར་ བ’から何だか不思議なことにChillWaveのようなAmbietnなレイヤーが流れつつ、破裂音のようなリズムとTrap的なチキチキが聴こえはじめ、不穏なオリエンタル感は相変わらず続きながら、遠くの方から薄らとコーラスが聴こえてくるという展開で、私は雲行きの変化を感じ始めるのです。

M-3‘فلسطين حرة’から本領発揮というべきでしょうか、Nine Inch Nailsみたいなヘビーかつ電子なリズムがボトムをがっつり支える中(それはHip-Hop的だ)、呪術的なコーラスが流れ、アラビックな旋律が頻出するという、予想だにしなかった展開に。その流れを引き継いだM-4‘ਜਗ੍ਹਾ ਸੰਪੂਰਣ’は相変わらず呪術的でありながら、拮抗するようにピアノとシンセティックなレイヤーが流れていて、とても不思議な聴き心地。終わり際、音楽は途切れ詠唱と環境音(鳥の声)が浮き上がってきますが、そこにあるのは神秘性でしょうか。

M-5‘HYP E R S P A C E’はTechnoなフラットビートにMelodicなフレーズを重ねた意外にストレートなトラックで、またしても意表を突かれます。Psychedelicでスピリチュアルな空気も濃い作品の中で、異彩を放ちます。水墨画の山々が浮かぶような深遠な‘કોઈ ગ્રેવીટી’を過ぎると、オリエンタルな弦楽器の音色と秘密の詠唱、異形のビートで‘Alpha Draco’がお出迎え。

M-8‘R u s H’では変形TrapビートとShamanicなコーラスで崇高な光を見せたあとは、一気にMelodicな展開に。‘লণ্ঠন’でHip-Hopなビートにオリエンタルなフレーズを次々ぶっ込んでウタモノの側面さえ見せてくれます。次の‘La Gibonnerie’が作中では最もヘンテコなトラックではないかと思います―野生動物の鳴き声と思しき環境音をエディットしたバックに、マシーナリーなビート(微妙にトライバル感が)と、ざらついたヘビーなフレーズを突っ込むという、非常にヘンな構成なのですが、妙にクセになる面白さを持っています。謎。

蛇がとぐろ巻いてるみたいなヘビーでスローモな‘Canicule’はちょっとMinistryなんか思い出しちゃいましたね(ちょうど“Filth Pig”の頃ですかね)。やっぱりいわゆるIndsutrialに通じるサウンドも持ってると思います。サンプリング音をエディットしたと思しき奇怪なビートと不気味な詠唱が合体して、それでもなぜか最後には光を見せる‘心灵感应’とか、いったい何なんだろう、この力。ColdWaveやDarkWave, Industrial、果てはDistroidまでのアクセスを感じさせる‘ثورة’、精神浄化的Ambient/Droneから細胞分裂的グロテスクになだれ込む‘E S S A S S A N I S V I B E S’など、カッコよさと気持ち悪さの同居も面白い。

記憶の中で光が乱反射するようなキラキラコロコロした音色と、シンセチックレイヤー、スローにゆがんだヴォーカルがサイケに絡むラストの‘अवतारों’で、ようやくVaporWaveらしさが顔を出したように感じました。

と、一言で魅力を述べることができないのですが、VaporWave以降と言ってしまうのはちょっと乱暴なんだろうなあと思います(誰もそんなこと言ってないけどね)。大きな枠でいえば、Electronic/Beats/OrientalなストレンジShamanic music。即効的なPopさがあるわけではありませんが、個性的でオモシロい音楽だと思います。まあシャーマニズムがどういう意図で組み込まれているのかとか、学問的なことは私は分からないんですけどね(トラックタイトルに用いられている見慣れない言語は、その辺りに関係あるのかもしれない)。


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23 September 2015, are you prepared ? (ਅ ਣ ਜਾ ਣ album teaser)




YUME – IHYDFM

 YUME - IHYDFM

 – Tracklist –
 01. IHYDFM
 02. We’ll Meet Again
 03. Growing Pains (Happy)
 04. Stay
 05. End Of Dream
 06. (WaitForever)



 - 02. We’ll Meet Again


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 Release Date : 2015.07.13
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Beats, ChillWave, DreamWave, Electronic, Melodic, Sad.


 Related Links :
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95SOUND主宰のYUMEが新作をリリースしています(まあ95SOUNDからのリリースと言ってもよいんでしょうが、明言もされていないのでボカしておきます)。YUMEの経歴はいくらか変遷があって、私の知る限りではYUMEからMEGAへと名義が変わって、またYUMEへと戻ってきています(間違ってたらスイマセン)。MEGA名義でもトラックは公開していましたが、SoundCloudも消えてしまっているし、今は辿れないのではないかと思います。また同じYUME名義でもアカウントをちょいちょい変えているので、上記リンクにある今のアカウントにすべてが集約されているわけではありません。興味のある方はいろいろ探してみてください。

もともとHip-Hop/Downtempo~ChillWave近辺の音を鳴らすトラックメイカーでしたが、やがてCloud Rap/TrillWave~(VHS感という意味での)VaporWaveにも接近しつつ、ノスタルジックなElectronic musicへ。“1995”でリスタートを切った辺りからはBeats感が徐々に薄れ始めているように思いますが(いやでもリズムはHip-Hopですけどね)、今作は何とはなしにSynthWaveっぽい質感もあったりします。

浜崎あゆみの‘Dearest’をサンプリングしたM-1‘IHYDFM’からしていきなりPopに攻めてきた感が。これはまさかジャパニーズ・ソング引用型の享楽的スタイルに傾倒したかと危惧しましたが、中途から挿入されるドリーミングでSadな電子音のレイヤーで、トラックのイメージは鮮やかに塗り替えられます。そこにあるSadでシューゲイジングなざらついたサウンドスケープは、今作を象徴しているように思います。何ってメロディが悲しいんです。M-2‘We’ll Meet Again’のコロコロと光る電子音の反復なんて、ほんとミニマルに繰り返されるだけなのに、なぜこんなに心地よく、そして悲しいのか。バックで神々しく流れるコーラスのようなレイヤーはとてもヘヴンリーでHip-Hopのリズムを軽やかにかわして、リスナーを光の中へと誘うかのようです。

80sなシンセ感をもったM-3‘Growing Pains (Happy)’は、スローに流れる悲しいレイヤーとTrapビートがあいまって、意図的かどうかVaporTrapな音像に。粗い粒子の中でうごめく記憶はノスタルジックで。美しく、手の届かない、懐かしい景色は、やはり悲しい。M-4‘Stay’はややサイケデリックな調子とドリームスケープがバランスよくブレンドされています。ディレイとリバーヴが晴れたあとに訪れるドリーミィな浮遊感は、眩惑から眠りへと、リスナーをスムースに誘います。

M-5はアタックの強いシンセサウンドが粒子を散らし、その後ろで牧歌的レイヤーがドリーミィに、そしてノスタルジックに響き、(私にとっては)とてもChill。これが“End Of Dream”―夢の終わりなどとはとても思えません。ラストは持続的レイヤーがユルユルと流れていくAmbient/Droneなトラック‘(WaitForever)’

もともとMelodicなトラックを作る人でしたが、今作にある一匙の悲しみがとてもよい按配です。光り輝く夢の中にある、ほの暗い悲しみが、夢の中にあって現実を認識させるのです。でもやっぱり夢だからどこかに安心感があってChillなのです。矛盾してるかもしれないけど、それが今作に対する私の感想です。これまでの作品よりもAmbientな調子が強くて、私好み。全6トラックとコンパクトで冗長さもなく、作品としてのまとまりもよいです(ちなみに過去にSoundCloudで公開されていたトラックも含まれています)。今のYUMEになってからの作品で、一番好きかもしれません。

タイトルの“IHYDFM”は、“I Hope You Don’t Forget Me”の意であるよう。いや、忘れないでしょ、と思いましたが、そういうわけ―リスナーに言ってるわけじゃないのか。そう考えると、そこに込められた思いには、がぜん悲しさを感じる。忘れないでほしいって思うってことは、忘れられてしまう(かもしれない)環境にあるってことだし、それはつまり一緒にいないということで、すなわち別離を思わせるから。サッド!!