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タグアーカイブ: Chill Out

Disko-ions – Tapesoup

 Disko-ions - Tapesoup

 – Tracklist –
 01. Mushroom Farm
 02. Loft Cassette
 03. Depth Tested
 04. Sayga Dreams (Bandcamp Bonus)



 - 02. Loft Cassette


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 Release Date : 2016.01.31
 Label : Diskortion Records

 Keywords : Ambient, Chill Out, Electronic, IDM, SynthWave, Techno.


 Related Links :
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UKのレーベル、Diskortion Recordsより。Disko-ionsの新しい作品がリリースされています。名前からもわかるように、このレーベルはDisko-ionsのワンマンレーベル。彼の作品しかリリースされておりません。

これまでにも複数リリースがありますが、Techno的なフラットなビートと、チルなシンセを組み合わせた、抑制されつつも煌びやかな、SynthWaveなサウンドが彼の持ち味だったように思います。しかしやはりElectronic musicの作り手の性とでもいいましょうか、前作“Precincts”や、より遡っての“Bird Blender C30”では、VaporWaveの影響を感じさせるサウンドに。特に前者では如実にその傾向が表れていました(否定的な物言いではありませんよ、念のため)。良くも悪くも器用貧乏と申しましょうか、バランス感覚が目立ってしまって、いまいち引っ掛かりを感じられない、ツルリとした聴き心地に、“玉に瑕”という言葉を使いたくなるような。

しかしここにきてVaporWave色は取り払い、原点回帰の様相。warmlyなアンビエンスとミドルテンポのビートでもって、これまでよりも、いっそうAmbientな方向に傾いています。電子的な響きも強くあるけれど、私の耳をとらえるのは、M-1やM-2において流れている、ノスタルジックで包容力のあるレイヤーなのです。あるいはM-4における、クリスタルライクなスローな瞬き、その音像が生み出す、チルな感覚。総じてドリーミィ。とってもチルアウト、なのです。

失礼ながら、こんなによかったけなあと思って、過去作を聴き返してみたのですが、今までの私にどんなバイアスがかかっていたのか定かではありませんが、問題なく“よい”と感じられるではありませんか。毎回特にコンセプトのようなものは明言されていないのですが、作品ごとに明らかに傾向に違いがあって、そういった作り分けっていうんですか、それはやっぱりテクニックというか、才能だよなあと、思います。派手さのあるサウンドではありませんが、よい作品だと思います。今作も、これまでの作品も。

当然ながら、というべきか、近作の方が確実にクオリティがあがってきてるので(特に音の立体感が好ましいです)、これから先にまだ脱皮を控えているのではないかと、楽しみにしてます。下に過去作からもいくつか-



 - Love Interest (from “Precincts”)



 - Mongoose Trax (from “Pineselect Day EP”)



 - Geiger’s Lawn (from “Genealogy Bytes EP”)



Ether – Road to the Sky [USC-WR-1411.0235]

 Ether - Road to the Sky [USC-WR-1411.0235]

 – Tracklist –
 01. Eternal Flight (Introduction)
 02. Distant Rainbow
 03. Night Sky (Sampling Version)
 04. Railway Line
 05. Magellanic Clouds
 06. Night Sky (Synth Version)
 07. Eternal Flight (Outroduction)



 - 04. Railway Line


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 Release Date : 2014.11.25
 Label : USC (United Studios Corporation)

 Keywords : Ambient, Chill Out, Electronica, Melodic.


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以前にもSilk Roadを紹介した、ロシアのプロデューサー、etherことAlexey Sirotkinの作品です。前作と同じくロシアのレーベル、USC (United Studios Corporation)よりリリースされています。Internet Archiveからはフリーでダウンロードできますが、bandcampやKroogiからは購入も可能です。今回の紹介にあたって、ehterのVKを知ることができましたが、ログインしているユーザーしかプロフィールを見ることはかなわないようで、あいかわらず素性はよく分からないままです。

作品ごとにしっかりテーマ設定がなされているのが、彼のこれまでの特徴ですが、今作も例にもれずです。Commでは宇宙、“Silk Road”ではそのままシルクロードを、というのがこれまでのテーマですが、今作は“空”というのが、テーマになっているようです。前作に対して、次は深海をテーマにしてほしいとか書きましたが、はたして願いはかなわなかったわけで、そこはちょっと残念ですが、でも今作もすばらしいので文句は言えません。

“Silk Road”では、オリエンタル、エスニックな音色やフレーズが散見され、また悠久のランドスケープをイメージさせる音像が印象的でしたが、今作にそういった部分はあまり感じられません。やはり作品ごとに作り分けがなされているようで、職人的な気質を感じます(だからたぶん、サウンドトラックとか手がけたら、上手に作るんだろうと思います)。しかしいわゆるピュアなAmbient/Droneのような、線形のレイヤーで浮遊感を演出するような、ありきたりな作りにはなっておらず、サンプルボイスやリズムも効かせたトラックを作ってくるあたりが、一味違います。

シネマティックな音空間に漂う深遠で神聖な空気は、空に対するわれわれ人間の思いの深さと畏敬の念をあらわしているようで、ときにとてもロマンチックに聴こえます―このあたりは、リリースページにある一文、“we are way too weak to break free from the ties of gravity of our planet. Nevertheless, despite of all, we are going on dreaming.”に通じるものを感じます。 派手派手しさもなく、キャラクター性もないサウンドだけれど、だからこそ空間や脳内のイメージに馴染む(ストレスをかけない)という側面もあって、ここに心のリズムをシンクロさせることができれば、気持ちよくチルアウトできることでしょう。

個人的に好きなのは、中盤から終盤にかけての流れです。ドリーミィなDowntempo‘Railway Line’、朝焼けのアブストラクトな空にピアノが光を射す‘Magellanic Clouds’、ひるがえって尖ったシンセとリズムが走る‘Night Sky (Synth Version)’、そして悲哀を込めたドラマチックなレイヤーに星々の瞬きのようなシンセがちらつく、哀愁の‘Eternal Flight (Outroduction)’。よいです。ジャケットイメージもグッド。タイミング的にInterstellarを彷彿(メモラブルな映画でした)。


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Composed by Ether.
Synthesizers, programmed, sampler, written and arranged by Alexey Sirotkin.
Photography «Mars 2099» by Julien Girard courtesy of ESO.
Logo design by Alexey Sirotkin.
Artwork by Anna Riet.
Dedicated to a very dear person.

(CC) by – sa 4.0



DAN HIROSHI – OKARI [rwclass005]

 DAN HIROSHI - OKARI [rwclass005]

 – Tracklist –
 01. The strange boy (antiacustic mix)
 02. Sutil respirar
 03. 80′s music stars
 04. Lideres
 05. Mind repositories
 06. In the other side
 07. Stanza
 08. 1997
 09. 2 years
 10. Amelia



 - 03. 80′s music stars


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 Release Page :
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 Release Date : 2012.12.19
 Label : RAWMATROID Netlabel (THE END)

 Keywords : Ambient, Chill Out, Downtempo, Electronic, Melodic.


 Related Links :
  ≫ Dan Hiroshi
  ≫ Dan Hiroshi on Facebook / on SoundCloud / on Twitter


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スペインのネットレーベル、RAWMATROID netlabelより。スペイン在住のミュージシャン、Dan Hiroshi(Danniel Hiroshi)の新しい作品がフリーでリリースされています。このレーベルのリリースは“Club Releases”と“Class Releases”に分けられていて、前者はクラブ志向、後者はベッドルーム志向/リスニング志向の作品になっています(レーベルとしては“Club Releases”の方に力が入っている様子だ)。彼Dan Hiroshiは、2008年にもフルアルバム“Oplus2”を、“Class Releases”としてリリースしていますが、アルバムはそれ以来なので、実に4年ぶりのリリース。前作を愛聴した私にとっては、この久方ぶりのドロップはうれしい限り。

また作品のクオリティが、前作に劣らず高いものだから、さらにうれしい悲鳴ではないか。前作と比べると、かなりリズム・オリエンテッドな作り方になっている。Ambientな音空間とシンセのレイヤーが深遠なサウンドスケープを作り出していた、まさに風景的な作品であった前作だが、対して今作はそこにミドルテンポのリズムを加味することで、Downtempo/Chill Outという形容が似合う音になっている。また、ピアノやストリングス、ギターなどの楽器音を積極的にとりいれ、より音楽的な方向に傾いている。さらには、曲の展開にも、よりエモーショナル/ドラマチックな流れが見られるようになり、これはAmbientな向きを求める向きには敬遠されるかもしれないが、私はこの変化は好意的に受け止めたい。音楽的な方向へのシフトが、よりイージーな聴き心地を生み出し、ひいてはそれがリラクシンなムードに結びついているからだ(そのイージーな感じが苦手な方もいるんだろう)。

重みのあるリズムとクリアなギターフレーズ、ファンタジックなストリングスのうねりが、ひたすらにドラマチックに空間を広げていく‘80′s music stars’、ディレイするギターのつまびきと、ピアノの悲しげな転がりが、追憶をよぶ‘Lideres’、このあたりが前半の聴きどころか。後半の目玉はなんといっても‘Stanza’。ミニマルなリズムとギターフレーズが軸になり、透き通るシンセのレイヤーがバックに流れる、流麗なトラックだ。鍵盤のような丸みのある電子音や、ストリングスの音色が加わって、景色は徐々にビルドアップされていく。すごくシンプルな作りなんだけど、シンプルだからこそ飽きがこない。それぞれの音色が実に上手いこと溶け合って、ひとつの景色の流れを作り出していて、その流れにいつまでも身をゆだねていたくなる。どこかギターポップ的さわやかさ、軽快さがあって、そこも魅力の一つだ。

隠し持ったオリエンタルな響きと、シンセのうねりによって醸される深海のイメージが印象的な‘2 years’に続いては、ラストの‘Amelia’。スペーシーで、コズミックで、WarmlyなAmbientトラックで、この作品は締められる。とてもジェントルな空気が漂っていて、ラストにありながら、このアルバムの空気感を強く象徴しているトラックに思えます。

怒りや悲しみに直接的に結びつく、いわば直情的な音楽のようなインパクトはありませんが、このマイルドな聴き心地の底に流れいてる、ジェントルな波に反応することができれば、今作はとても素敵な作品になる。気に入った方は前作“Oplus2”もフリーで入手できますので、是非ぜひ。


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(CC) by – nc – nd 3.0