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タグアーカイブ: Dub

TheGreatWild – New England

 TheGreatWild - New England Cover

 – Tracklist –
 01. Fastfold (ft. DJ Treeman)
 02. Style (ft. Tim Brown)
 03. Tides (ft. Tim Brown)
 04. Snake River Canyon (ft. Jesse Colognesi)



 - 01. Fastfold (ft. DJ Treeman)


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 Release Date : 2018.02.11
 Label : Not On Labe

 Keywords : Alternative, Dub, Footwork, Jam, Post-Rock.


 Related Links :
  ≫ TheGreatWild on bandcamp
  ≫ djmilkcrates on SoundCloud / on bandcamp


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“djmilkcrates & friends”によるTheGreatWildの作品が、bandcampでリリースされています。詳細は未確認ですが、djmilkcratesは上記リンクのアーティストで相違ないと思います。Noiseまじりのカオティックなturntablism作品をリリースしてきているようですが、ここに至ってはやや異なる表情を見せています。

M-1の冒頭なんか聴いた日には、“ああ、なんだAmbientiveなPost-Rock作品かな”、なんて思わせておいて、エスニックなコーラスから一転してJuke/Footworkへなだれ込む、この鮮やかな転換。サンプリングしたコーラスをループさせながら、さまざなまなエレメントをダビーに響かせ、エレガントなPianoを転がしながら、ボトムで鳴り続ける性急なビートは、リスナーをリラクシンとはまた違うゾーンへと導いていく。トっ散らかりそうなのに、上手くまとまっているし、ギターのサウンドが見せるAlternativeなキラメキが私を魅了する。一見ノイジーにも思えるけれど、散りばめられたフレーズはMelodicだ。

Industrialな背景に、ブブゼラのような音色が空間を貫き、ダビーなサイケデリアがリズムと共に加速するM-2も、カオティックなくせにエネルギッシュ。M-3もいきなりPost-Punkみたいなリズムでこれまた意表を突かれる。直線的なリズムと哀愁の電子音がレトロ感を醸し出すけれど、バックでグロテスクにうごめく内臓感覚や、ややもするとサウンドのバランスを崩しにかかっているようなダブ的な音響処理がやはり個性的。エモーショナルなギターフレーズを挿入したかと思ったら、パワフルでパーカッシヴなリズムが顔を出してきたり、前半のノリはどこ行った、というかなんでここにこのパートくっつけたんだろうという疑問が出る始末。面白いですね。ここまでの3トラックでみんな少しずつ毛色が違うのに、とりたてて違和感を感じないのは、テクスチャーに共通したものがあるからでしょうか。そんな気がします。

でもM-4は何かAngelo Badalamenti meets Post-Rock、ときどきDub、みたいな調子で、一言でいうとまあPost-Rockになっていて、そのサウンドはシネマティック/エモーショナルで、ここまでとは違う音風景。なのでここにきて、どこに根っこがあるのか、また見失う。前半3トラックのアジテートするようでいてサイケデリックなノリで攻めきって欲しかったような気もしますが、でもここにこれを持ってくるってことは、いろんなカラーを見せたかった、そしてここにこそ真骨頂があるというような、そんな意思表示なのかもしれません。そう思います。

ということで、全編で意表を突かれました。

友達同士でガチャガチャやってたら何となく形になりました、的なイメージもあるけれど(違ったらスイマセン)、思い切り作りこんだ作品も聴いてみたいですね。次はないかなー。



Arca – &&&&&

 Arca - &&&&&

 – Tracklist –
 Arca – Knot
 Arca – Harness
 Arca – Fossil
 Arca – Feminine
 Arca – Anaesthetic
 Arca – Coin
 Arca – Century
 Arca – Mother
 Arca – Hallucinogen
 Arca – Pinch
 Arca – DM True
 Arca – Waste
 Arca – Pure Anna
 Arca – Obelisk





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 Release Date : 2013
 Label : Not On Label

 Keywords : Abstruct, Ambient, Beats, Dub, Edit, Electronica, Glitch, Hip-Hop, Industrial, Strange.


 Related Links :
  ≫ www.arca1000000.com
  ≫ Arca on Facebook / on SoundCloud / on Instagram / on YouTube / on Twitter


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You don’t know just I feel…

分かりたいのに分からないという、上手くいかない恋人同士のようなイメージを、このArcaのサウンドには持っています。いや、そもそも“分かる”ってどういうことなんだろう―それはArcaに限らず、音楽に限らず、“分かる”とはどういうことなんだろう? 今作その他のArcaの作品を聴いていると、そんな難しい問いが、頭に渦巻いてくるのです。音楽を分かるためには何が必要なのでしょうか。いや、何か必要なのでしょうか。何かを知らなければ、彼のサウンドを正当に(そんなものあるのか知らないけど)評価することはできないのでしょうか。生い立ちや音楽的ルーツ、影響源、彼につながる先人たちなどを抜きにして、音に対する表現だけを行おうとするとき、“言葉にできない”という表現は、確かに今作によく似合います。

当たり前だけど聴いて感じたことが真実です。真実は主観的なもので、つまり私にとっての真実を書くと、今作は“よく分からんな”という作品になります。私にとって音楽的な気持ちよさというのは、ここにはありませんでした。でも巷ではやたらと話題(賛否を含め)になっていた2013~2014年、という事実があります。ここで初めの言葉に戻りますが、そう、分かりたいのに分からないのです! なんで、どうして、ぜんぜん良さが分からんなあ、オレおかしいのかなあ、なんて思っちゃったりもして、何回も聴くわけですが、音楽ファンにありがちな“それほどよくないのに何回も聴いて何となく良いんじゃないかと思わせようとする”パターンも成功せず、手に入れてからしばらく評価は定まらず、時間だけが過ぎていきました。まあ(特に今作は)Hip-Hop/Beatsの向きが強いし、自分はブラックミュージックに反応できないし、そこんとこが大いに関係しているんだろうな、なんて思って、悔しくも諦めていたんですが、ヴィジュアル面での表現を見て、興味が再燃しましてですね。

この作品を聴いたときに、最初に頭の中でリンクしたのが、不思議と(?)Nine Inch Nails(NIN)だったんです(あんまり関連付けている文章はないかもしれないけど、でもどっかにあるとは思います)。Pop度でいったらぜんぜんNINの方が上だけれど、先人たちの作ってきたサウンドを踏まえた上で、エポックメイキングな、新奇性の高い(そして情報量過多な)サウンドを作り上げてきたという点で相通じる部分がありますし、何より先日の投稿に書いたように、私が初めに聴いて“よく分からんな”と感じたところが、まんま重なるのです。もちろんArcaの紹介には奇才Aphex Twin(Richard D. James)が関連付けられることが多いですし、Arca(Alejandro Ghersi)と映像作家Jesse Kandaのコンビが、RichardとChris Cunninghamの関係を彷彿させるというのも、大いにうなずけます。

話をNINとArcaに戻しますが、まずArcaの‘Thievery’(“Xen”収録)のビデオを見て、グロテスク/ビューティフルなイメージと、その力強さに圧倒され、一瞬で引き込まれました。“TRAUMA Scene 1”などにもある、怖いもの見たさにも似たその吸引力がまた、一時期NINのMVが持っていたものと、非常に似通っているように、感じられたのです。ちょうど”BROKEN”から“The Downward Spiral(TDS)”の頃です。かなり直接的にグロテスクな表現を行っていて、ボンテージで身動き取れない人間の口に便所の汚水が流れ込んだり、マゾヒスティックな快楽を求める男が全身ミンチにされたり、蝿が無数に飛び交う部屋の中で、男がステーキを頬張り、ワインを飲んだりといった内容でした(公式的には世に出なかった“The Broken Movie”は、殺人過程を記録したような形で、ペドフィリアやネクロフィリアの要素も含まれた、性的に倒錯した非常にショッキングな映像になっていて、今でこそ普通に見れてしまいますが、一昔前はかなりレアな代物でした。内臓感覚どころか内臓露出な映像なので、ご覧になる方はその点承知の上でお願いします。ちなみにディレクターはPeter Christopherson)。

そんなように、倒錯した内面性の発露とでもいえる、強い感情性をうかがわせる点で、ArcaとNINのサウンド/ビジュアルに共通項を感じ、またArcaのサウンドにRock的なものを感じたのです。そして視覚的要素の力というのは凄まじいもので、Arca & Jesse Kandaの作品に触れていく中で、私の中にArcaフォーマット、Arca受容体とでもいえるものが誕生したのです。感覚的にいうと、“ああ、こういうふうに聴いてよいんだな”と、(ある意味)“分かった”ということです。

なぜこんなにもArcaの表現がセクシャルなのかというのは、ele-kingさんの記事―“interview with Arca ベネズエラ、性、ゼンとの出会い”を読むと、分かるような気がします。どれほどArcaの表現がシリアスなのかというは分かりませんし、もしかしたら無邪気なものなのかもしれないですが、でもArcaのサウンドイメージをここまで見事に視覚的に表現してみせる、そして決定づけるJesse Kandaの役割というか、2人の関係性というものには、神秘的なものすら感じてしまいます。

音だけでいうと、聴いた中ではこの“&&&&&”が一番好きです。冒頭の‘Knot’にある、振動する空間とかかなりシビれます(私の中ではこの辺のダビーな感じも、NINに通じるんです)。“Xen”収録の‘Bullet Chained’もよいです―ストレンジなビートとレイヴなシンセはレゲエのミュータントのようでもあり。真似しようと思っても誰も真似できないでしょうね。映像も含めると、やはり‘Thievery’が好きで、ずっと見てたいくらいです、この動き。あとは‘Now You Know’の機械的浮遊感とコズミックな美しさも好きです。超高圧縮な人造感覚。

余談ですが、NINとAphex Twinは昔に組んでいるんです。TDSに対するRemix盤“Further Down the Spiral”の中で、‘At the Heart of It All’と‘The Beauty Of Being Numb’の後半(“Section B”と呼ばれる)を、Aphex Twinが担当しています。RemixというよりはNINにインスパイアされた結果作ったような、オリジナリティあふれるトラックで、当時非常に魅了されました。何が言いたいかというと、次にNINのRemix作があれば、是非Arcaに参加してほしいなあということです。在り得なくはないんじゃないか、と思います。

※私の持っていた“Arcaの何がそんなにすごいのか”という問いに、もっとも食い込んできたのはthe sign magazineにある竹内正太郎さんの記事でした。≫ “2014年最大のセンセーション、アルカの「新しさ」を紐解くコンテクストとは何か?その① 「ネット上で生まれた、創造主なき新たな生命体としての音楽」


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BXP / Amousement – Refactoring [SOSEP046]

 BXP / Amousemente - Refactoring [SOSEP046]

 – Tracklist –
 01. Autumn
 02. shuffleNight
 03. 1A9
 04. About y & m


 - 01. Autumn


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 Release Date : 2013.02.15
 Label : Sostanze Records

 Keywords : Ambient, Dub, Electronica, Glitch, IDM, Techno.


 Related Links :
  ≫ BXP on Facebook / on SoundCloud / on REVERBNATION
     on bandcamp / on Twitter

  ≫ amousement on Facebook / on SoundCloud / on REVERBNATION


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イタリアのネットレーベル、Sostanze Recordsより。どちらもイタリア出身のプロデューサ、BXP(Carlo Mameli)とamousement(Marcello Ruggiu)の共作が、フリーでリリースされています。二人ともネットレーベル界隈ではすでに活躍していて、最近ではBXPはNoisybeatから“Old Sketch ep”を、amousementはPandead RecordsからSubstance Bとのスプリット作、“Dead Pandas are taking over”をリリースしていますし、Sociopath Recordingsからも“RelationShit”を、リリースしています。

私は失礼ながらこれまでどちらの作品もノーチェックのまま過ごしてきたわけですが、今作を聴いて、過去の作品もたどりたくなってしまいました。つまり良いということです。後半2曲はちょっとAbstractな印象があって聴きにくいんだけど、前半2曲、特にM-1が抜群に良い。

どの方向から耳を傾けるかによると思うんだけど、M-1は最初、IDMのイメージが強かった。でも何回も聴くうちに、Dubの攻撃性やサイケデリア、Deep TechnoのようなAmbienceも感じ取れてきて、絶妙なバランスの上に成り立っているトラックなのだと思えてきた。そのバランス感覚―薄く流れるメロディのフラジャイルな在り方はElectronica/IDMのようであり、しかしリズムはTechnoのようなフラット感をもち、また同時にDub的な空間処理、エフェクトも聴きとれる―がすごくクールなのだ。人によっては否定するかもしれないが、私はこの‘Autumn’というトラックが、“すげえお洒落だなあ”と思う。

何かの始まりを予感させるイントロといい、しかし保たれるクールな、抑制された音像といい、いろんな要素をぶっこんでいるのにも関わらず、この落ち着きようが、良い意味で憎らしい、というか憧れる。記憶の中のノスタルジアを眺める冷めた視線のような、冷静さたるや。M-2はリズムもDubっぽくなり、エディットされた声部を入れたりと、ちょっとサイケデリックな方に傾きつつ、Loungeのようなフィーリングもあり、Lo bitな音色も飛び出してくる。

M-3はElectronicなHip-Hop/Dub、M-4はAbstractなIDMになっている。どちらかといえば、BXPがAcid/Dubの要素を担い、amousementがMelodicなIDMの要素を担っているのだろう。過去の作品を聴いてみても、そう感じる。だがあくまでどちらかといえば、であり、二人が個人で作っている音が、極端に異なっているということはない。どちらもメロディやAmbienceを生かしたトラック作りをしているので、そんな二人が組んで、今作の後半のような、ちょっとAbstractなトラックたちが生まれてきたというのは、面白い。さらにいえば、M-1にあるコズミックな浮遊感も、単独の作品ではあまり感じられないものだと思うので、二人で組んだらなんでこんなトラックが生まれたんだろうって、ちょっと不思議。

二人のサウンドに興味を持った方は、上記のリンク先からいろいろと聴くことができますので、是非ぜひ、来訪してみてください。


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(CC) by - nc - nd 3.0 it




BLACK COCKS – Sweet Illutions [NN_EP019_02_13]

 BLACK COCKS - Sweet Illutions [NN_EP019_02_13]

 – Tracklist –
 01. Sweet Illutions
 02. K.T Dub of Death
 03. Abandoned World Part I
 04. Abandoned World Part II (Life Grow Up)
 05. Cantina



 - 02. K.T Dub of Death


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 Release Date : 2013.02.18
 Label : Nostress Netlabel

 Keywords : Ambient, Electronic, Dub, Industrial, Noise.


 Related Links :
  ≫ BLACK COCKS on Facebook / on SoundCloud / on Twitter


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イタリアのネットレーベル、Nostress Netlabelより。スペインのミュージシャン、BLACK COCKSことMauricio Diaz Varelaの作品がフリーでリリースされています。BLACK COCKSというのは、おそらく猥語としての意味で用いているのでしょう。というのもこの名前は、彼が以前行っていたパンクなプロジェクトの曲名からきているそうだから。

そんなストレートに挑発的なネーミングなのに、作品のタイトルは“Sweet Illutions”であり、ジャケット画像はノスタルジックなイメージだ。そしてサウンド自体、少なくとも表面的には、ソフトだったり、温かかったりといった、やさしいイメージはない。Dark Ambient/Industrialな質感のアブストラクトな音像がまず大きくあって、その中に細かいエフェクトとしてのノイズであったり、あるいはダビーなベースラインであったり、ストレンジなギターサウンドが埋め込まれている。

純粋に音楽的な部分で魅了するというよりは、さまざまなサウンドのユニークな配合で、新奇性の高い風景をみせようとしているような、探究心が感じられる。そのせいで、聴いてすぐ反応できるようなキャッチーな部分というのはまったくないのだけれど、聴き手にその気さえあれば、重ねられた音たちの深くまで潜っていくことができるだろう。

ギターによるAmbient/Droneだろうか、抽象的な空間と、細かく軋んだNoiseがドッキングした、暗い世界の底辺をさまようベースラインが、さらにSadで不穏なイメージを作り上げる“K.T Dub of Death”。クラシックな怪奇映画のサウンドトラックのような出だしから、徐々にIndsutrialなビートがトラックを支配し始める脅迫的な“Abandoned World Part I”。そこにあるのは精神的な瓦解のイメージで、映画“Inception”における虚無の世界を思い出したりもした(彼は日本のSF映画にも影響を受けているそうだ)。続く“Abandoned World Part II (Life Grow Up)”は、ギターだろうか繊維が細かく絡んでいくような奇妙なエフェクトと硬質でマシーナリーなリズムが交錯する中、徐々にサウンドがビルドアップされていく形で、最終的には、本当にかすかながら、人の声やオルゴールのような音色が聴こえてくる。

ラストが今作の中で一番の聴きどころではあるまいか。ストリングスとピアノ、Industrialでストレンジなエフェクト(これがビートになっている)が絡まり合って、実に混沌とした音世界を生み出している。“cantina”というのは、酒場、バー、あるいはワインセラーという意味を持っているようだけれど、なるほどここにはバーというイメージも、なくはない。ただ酒を飲むにはあまりにも重い空間。ピアノも特にメロディを鳴らしているわけではないので、およそ音楽的な快楽というのはないに等しいのだけれど、ここにある悲壮感と崩壊のイメージは、ユニークだ。エクスペリメンタルという言葉を使ってもよいかもしれない。

余談:普段あまり取り上げないタイプの作品なのでピックアップを疑問に感じる方もいるかもしれませんが、光栄にもMauricio Diaz Varela本人から直々にリクエストをいただきまして、それに応える形で投稿させていただきました(って、こういうこと、あまり書かない方がよいよね。ってもう書いちゃったけど。テヘ。何はともあれリクエストありがとうございます。Thank you for the request, Mauricio.)。


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(CC) by – nc – nd 3.0