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タグアーカイブ: Dungeon Synth

The Learning Company ® – Observations on Ritual Landscape, Pilgrimage, and Human Sacrifice in the Southern Ouvis Region [PHANTOM-22]

 The Learning Company ® - Observations on Ritual Landscape, Pilgrimage, and Human Sacrifice in the Southern Ouvis Region [PHANTOM-22] Cover

 – Tracklist –
 01. Mountains of Sustenance and Cliffs of Paradise in Uvaisan Pilgrimage
 02. The procession leaves the village with drummers, flutists, ritual officials, and red banners – proceeding to Mount Uwei. They ascend and play their instruments until they reach the summit; there they play all night until the third day and do not sleep so they can preside over their Gods.
 03. Uvaisan Ritual Object
 04. What It Looks Like to Us & the Anthropological Terms We Use to Describe an Evil
 05. Uvaisan Pilgrims Ascend Mount Uwei
 06. Acropolis flanked by cliffs, ritual architecture, large zoomorphic figures, and three lakes
 07. Curved mountain that resembles depictions of Shu’ve in Uvaisan codices, near the Kajai’sha River
 08. Cannibal Women Descending a Stone Causeway
 09. The Apparition of Mary Above Pilgrims at the Shrine of Uvaisan
 10. Ritual Cave at the Ruins of Uwei
 11. One tribe’s sacred pilgrimage to a Shu’ve hidden temple goes haywire when the cave turns out to also be a backdoor to a wrathful jungle deity
 12. Uvaisan shrine of piled stones in a pool of blood at the end of a tunnel
 13. Incense burners light the way to an exit
 14. Uvaisan Pilgrims Sacrifice a Young Male at a causeway terminus, Crest of Zaisan
 15. Blood & Springwater Flowing Over a Ritual Cliff at Zaisan
 16. Mouth of the Sacred Shu’ve
 17. Line of Basalt Monuments Near Mounds, Spring, and Hills, Zaisan
 18. Ouvis Islands & Ritual Waters
 19. Conclusions: Neutralization/Sword of Saint Michael



 - 06. Acropolis flanked by cliffs, ritual architecture, large zoomorphic figures, and three lakes


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 Release Date : 2019.02.19
 Label : PHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS haze

 Keywords : Dungeon Synth, Midi, NewAge, RPG, Synth, VaporWave, VGM.


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“懐かしく思い出した。本格ミステリィの潔さを”。というのは、周木律さんの書いた推理小説“堂”シリーズの第一作“眼球堂の殺人”に、森博嗣さんが寄せた惹句。今作を聴いていてそんな言葉がよみがえったのは(ちなみに“堂”シリーズは2019年2月刊行の“大聖堂の殺人”を以て、完結した)、懐かしく、潔い、というワードがあてはまったからに違いない。

てっきり動きを止めたと思っていたPHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS haze(ex. ♱ )がちゃっかりカムバックしていることに気づいて、リリースをチェックする中で、圧倒的異彩を(というかこのレーベル/コレクティヴのリリース全体が異彩な気もする)放っていたのがこの作品。そもそもレーベル/コレクティヴなのか、一人が複数名義を使って作品をリリースしているだけなのか、いまだに判然としませんが、今作の作り手はThe Learning Company ®。“原子カフナCAFE”の拡張版、“原子カフナCAFE (a moderately enhanced audiophonic experience) ”の作り手としてその名前を見ることができますし、Karen Weatherlyの作品にもクレジットされています。

たとえばそう、Karen Weatherlyの“A Separate Reality”について、それはCarlos Castaneda(カルロス・カスタネダ)の著作に基づいた(架空の)冒険譚にあてがわれたサウンドではないかと、私は想像を逞しくしたわけですが、今作についても、これは似たコンセプトなのかなあと思い、ここに秘められている物語の源を探ってみようと試みたわけですが、さっぱり分かりませんねん・・・。各トラックのタイトルから何となく察するに、そしてタグに“RPG”と使われていることからして、やはり何がしかの冒険(それもビデオゲームの中の)がイメージされているのだろうとは思うのですが。このレトロな洋ゲー感丸出しのジャケットイメージとかどっから持ってきてるんだろう・・・知りたかったぜ。現代の少年が遺跡の中で不思議な剣を見つけて、異世界へ旅立つ・・・てまあ、ありきたりだけど、そんなお話が下地にあるのかなあ。

曲はMIDI風の音源で軽快な部分もあるんですが、トラックタイトルはけっこう穏やかじゃないですよね、M-12は‘Uvaisan shrine of piled stones in a pool of blood at the end of a tunnel’だし、M-14, 15も‘Uvaisan Pilgrims Sacrifice a Young Male at a causeway terminus, Crest of Zaisan’‘Blood & Springwater Flowing Over a Ritual Cliff at Zaisan’と、血のプールに石を積み重ねて作られた建物だったり、生贄や儀式と、血なまぐさいイメージが並んでいます。そういった部分のせいもあるんでしょうか、曲自体に圧力は決してないんですが、どこか重々しく、グロテスクに感じられてしまうのです。なんなら導入部のM-1にいつかのOPN(Oneohtrix Point Never)を感じたせいもあるかもしれません。メロディはあるけれども決して明るくはなく、ときおりバロック音楽やフォークロアを感じさせ、なおかつVGMを匂わせるという体裁からは、Dungeon Synthと共振するものを感じますし、積極的にその方向から紹介する人がいてもおかしくない。MIDI風のサウンドにごまかされてしまう部分もありますが、よくよく聴くと、面白いし、よくできている作品だと思います。私の中では名うてのトラックメイカーですね。

そう、“懐かしい”MIDI風のサウンドを、“潔く”使っていながらも、なんで”VaporWave”なん?て言われたら正直分かりませんよそんなもん。明らかに“過去”のものであるMIDIサウンドをNewAge調の大仰なサウンドと共にリバイヴさせているという点、プラス、その大仰さの中に漂う不穏なサウンドが、VaporWaveの何たるかを感じさせるからでしょうか。・・・にしてもタイトル長いなあ、いや、長いよなあ。

なぜか聴いていて思い出したビデオゲームがあってですね、いずれもKEMCO(ケムコ)が発売した作品で、“シャドウゲイト”と“悪魔の招待状”でした。不気味なんだけど、どこか滑稽、そして世界はファンタジーという部分で、リンクしたのかもしれません。以下に―













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Some rights reserved. Please refer to individual track pages for license info.



Boggart’s Field – Sidhe Folk

 Boggart's Field - Sidhe Folk Cover

 – Tracklist –
 01. Hob
 02. Goblin Sanctuary
 03. Sidhe
 04. Enchanted Mound
 05. Gargoyle Collector
 06. Brownie



 - 05. Gargoyle Collector


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 Release Date : 2016.09.08
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Dungeon Synth, Ritual.


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私に“Ambient”の何たるかを教えてくれたのは、Brian EnoやAphex Twinの諸作品だった。彼らの作品のいくつかを聴いて、“ああこういうものをAmbientというんだな”と、私はボンヤリとだけれど、把握したのだった。そんなように、自分が好いている音楽があるとして、それに類似する音楽をより欲したときに、そういった音楽ジャンルとでもいうべきワードが自分の中にない場合、なんとももどかしい気分にさせられる。手掛かりがないからだ。多くの音楽にタグがつけられ、それによりサーチが行われるこのユビキタスな時代、自分が好む音楽に関連するワードというヤツは非常に重要なものになっている(それを逆手に取る作り手もいるでしょう、もちろん)。ここでふと考えるのだけれど、インターネットがない環境だったころ、もしくはその黎明期、自分はどのように音楽を探していただろう。人によっては音楽仲間とでもいうか、ある種の集団の中での口コミというやつも多分にあっただろうけれど、自分の場合は(そういった集団に属していなかったので)テレビや雑誌、ラジオといった媒体が主だったと思う。もちろんそこに迎合するわけではなくて、その中で取捨選択というか、自分に好ましいものを選択していくような、そんな探し方、情報収集をしていた。ように思う。音楽雑誌は私にとってどちらかというとカタログ的な意味合いが強くて、中でも輸入盤のレビューが好きで、よく気になるものをメモしては、田舎から上り、大きなCDショップで日がな一日目当てのものを探し、また試聴機に張り付くという、そんなことをしていた思い出もある。

ところでみなさん、“dungeon synth”ってワード、聴いたことありますでしょうか。私はなかったんです。これはやはり音楽の傾向を指し示す言葉で、そんなにメジャーなものでもないと思うし、他のワードで代用され得るものだとも思うんですが、今回私が新たに獲得した音楽ワードなので、せっかくだからここで取り上げたいと思います。と言いつつ、この作品は“dungeon synth”のど真ん中ではないと思いますが。

他所からの引用になってしまいますが―

Dungeon Synth is an offshoot of atmospheric black metal and synthesized drone. Its came into existence in the late 80’s and continues to this day. It is known notably for attempting to recreate ‘the true sound of the dungeon’ or as the dungeon synth blog says; ‘medieval dreamscapes’(https://www.reddit.com/r/DungeonSynth/)

―という説明がもっとも腑に落ちました。“atmospheric black metal”や“synthesized drone”から派生した音楽、といってもあまりピンとこないかも知れませんが、私の中で確立されつつある“dungeon synth”のイメージは、ズバリRPGですね。って急に身近な表現。もっと俗っぽくいうと、RPGで道具屋で買い物してるときにかかってそうな音楽。だから“fantasy”とか“adventure”とか、“neofolk”とか、あと“folklore”というワードも、無関連ではありませんし、そういったワードだけで説明している音楽もあると思います。代表的な作品とかあれば、そして私がそれを知っていれば、ここで挙げるんですけれど、あいにく全く知らないので、みなさんイメージを膨らませてください。あるいは今すぐ“dungeon synth”でネットを漁ってください。きっと“ああ、なんだこんな感じか”って、なるでしょう。でも!私の中でど真ん中いってるなって思うのは、他でもちょっと書いた、スーパーファミコン(SNES)の“ドラッケン”のVGMです。ダークなものから抒情的なものから軽快なものまでありますが、ほぼすべて’medieval dreamscapes’に合致しているように感じられます。

その目線でいくと、今作はまったくといっていいほど、“dungeon synth”してないと思うんですが、なぜ私がこれを敢えて選んだのか、その理由はこれもビデオゲームつながりなのですが、伝説のテキストアドベンチャー“ZORK”シリーズ、その一作である“ZORK Ⅰ”をリメイクしたものがPSやSSで出ていたのだけれど、そのVGMを彷彿させたからです。これは重要な要素なので下に張りましょう(個人的にはオープニングがめっちゃ“dungeon synth”。ちなみに作曲は古代祐三と川島基宏)―



―いいですよねえ、幻想的で、ロマンチックで、おどろおどろした部分もきちんとあって。そういう要素が、聴き心地が、今作と非常に共振する。ミニマルな電子音のディレイ、リバーヴ、儀式性―神秘性、それはロマンチックな部分にも通じ、いたくシンプルなくせにどこか抒情性を滲ませていて。ほんのり暗い。先に書いたように“dungeon synth”の主流からはきっと外れているんだろうけれど、私の中では立派に“dungeon synth”です。

ちなみにこのBoggart’s Fieldは匿名プロジェクトのようです。詳しく知りたい人はメールを送ってくれってあるけれど、そんなミステリアスなところも好ましい。


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Note :

Sidhe Folk was created for ritualistic purposes and should not be thought of like a normal polished album, more like a field recording. Songs were performed entranced as a form of automatic music playing. Boggart’s Field will remain an anonymous project. Email me through this site for more information.