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タグアーカイブ: Electronic

Aika – Neon Pink EP

 Aika - Neon Pink EP Cover

 – Tracklist –
 01. Hotline
 02. I Love You, Goodnight
 03. Neon Pink (ft. Hana)
 04. Lovestruck (Neon Edit)



 - 02. I Love You, Goodnight


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 Release Date : 2018.03.16
 Label : Not On Label

 Keywords : Electronic, Dubstep, EDM, Future, Pop, Vocal.


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SoundCloudに現れた頃から耳の早い音楽ファンの間では注目されていたAika。ふと目と耳を話していたすきに、SoundCloudのフォロワーは1万人を超えているし、リリースもコンスタントに重ねているし、精力的な活動をしているではないですか。

そして相変わらず作品のクオリティが高い。

基本的にはEDMやDubstepなどを経由した―Future Bassとも無縁ではないだろう―今様なElectronic musicなんだけど、何といってもどのトラックにもメロディが流れている点が特徴です。M-2‘I Love You, Goodnight’なんてこのファンタジック/ノスタルジックなな出だしはどうですか。一発で引き込まれてしまう。ここではVocaloidかな、ヴォーカルを入れているけれど、EDM然としたハイプレッシャーな音像ながら、Melodicなウタモノとして機能している。どっしりしたリズムとシンセの絡みから立ち上る雄々しさ(のようなもの)、そこはかとなく滲む抒情。実にエモーショナル。鳥肌が立つ。

M-3‘Neon Pink (ft. Hana)’のこのロマンチックなイントロも好き。じきにいつものサウンドに移行していくのだけれど、ホントにメロディ指向、Pop指向だよなあと感じます。リズムとシンセの組み方だけでも十分に聴かせてくれるのだけれど、歌の力もあるし、またこのトラックに限ったことではないけれど、和楽器の音色や、Chipsoundをスパイス的に散りばめることで、雅な響きや煌びやかさがフワッと漂ってくる瞬間があって、(正直それらがなくても成立はすると思うんですが)、一粒で何度も美味しいトラックになっています。こういう情報量の多いトラックを作る人ってどういう頭になってるんだろうっていつも不思議です。試行錯誤の結果だとは思うんですが、音楽の作り手ではない私はいつも感心するばかりです。パズルのピースのように当てはめていくにしても音色のチョイスもあるでしょうし、どうやって組み立てるのか、気が遠くなりそう。

ラストの‘Lovestruck (Neon Edit)’のファニーなイントロもフックがあるし、どのトラックも傾向性は似てるんだけど、違った魅力を持っていて、器用だよなあ、才能だよなあ、これは沢山の人に聴かれるよなあと、人気獲得にも納得。でも正直もっともっと爆発的人気でもいいと思うし、プロフェッショナルな活動もできると思うんですよ。そうなってないのはやっぱり埋もれちゃってるってことなんでしょうか。私がこういう傾向の音楽にあまり執心していないので、気づいていないだけで、ジャンル的に観た場合は、特別に飛び抜けていないんでしょうか。そんなことないと思うんだけどなあ。いや逆に私の耳にも入るくらいってことは、やっぱりスペシャルなんだと思いますよ。

今後も要注目なトラックメイカーであることは間違いない。聴いたことない方はSoundCloudを訪れて色んなトラック聴きまくってください。全部良い。あと今作、FutureでサイバーでDreamなジャケットイメージもグッド。

 - Make Believe : 割と控えめだけどやっぱり雅でPopだし。いい按配。

 - Camellia : 走りながら、泣きながら忘れようとするような。加速するノスタルジア


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Artwork: TheRyDesign
twitter.com/TheRyDesign
www.therydesigns.com



Various Artists – Cómplices

 Various Artists - Cómplices

 – Tracklist –
 01. Gnomo – Desaparecidos
 02. Oceanozero – En Desobediencia
 03. pHunk – La Noche
 04. Datashit a.k.a. 00.2.7x – Basura
 05. Safoh & Venus – Hemeo Aztinomia
 06. In-seckt – Get Out Of My Head
 07. pHunk – Mucha Policía



 - 03. pHunk – La Noche


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 Release Date : 2017.10.06
 Label : Incordia Netlabel

 Keywords : Compilation, Breakcore, Electronic, Glitch, IDM, Jungle, Noise.


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自分の中の忘れていた自分に出会うというのは、いつもショッキングであり、そしてそれが自分の望まない自分であった場合、恐怖でもある。

最近私は愛用していたウォークマンを失くしたのである。つまり日進月歩の便利な電話モドキとは別に音楽再生装置を持ち歩いていたわけである。おそらくは食堂で下膳の際にトレーに乗せたまま、そのままベルトコンベアに託してしまったのはでないか、つまりベルトコンベアの先に待ち構えている食器や何やかんやを洗うシンクにドボンしたんではないかと考えられる。いや確認はしていないが恐らくそう。ああ。

まあ新たに買うことは決定事項であるとして(現時点で購入は果たされている)、その時間が取れるまでは、しばらく私は裸の耳で過ごさねばらななくなった。裸の耳というのは、つまりガードがないということである。

学生時代が終わってしばらくは私は携帯型音楽プレイヤーに否定的だった。尊敬していた人物の言も関係していただろう。「しゃらくせえ」と思っていた。音楽じゃなくて身の回りの音を聞けよ、なんて思っていた。が、いつからかうっかりウォークマンに手を出したらすっかり戻れない。自意識過剰で頭悪い私は、いちいち他人の視線や言が自身の矮小さを指摘しているように感じられる質なので、ウォークマンを通じて左右の耳の間に作られる世界は、そのわずらわしさから身を隠すのにうってつけだった。

はたして久しぶりにそのガードが外れてしまった私はしかたなく丸腰で電車に乗るわけだが。これが実に落ち着かない。自分でもハッキリ分かるくらいに。どれだけ音楽によるガードに依存していたのかを思い知る。そしてそんなときに私の前に立った大学生男女が充実したトークを繰り広げるものだから(内容は省きましょう)。対比的に自身の暗く鬱々とした学生時代が浮き彫りになってくるようで。耳をふさぎたくなる(目は閉じた)。お決まりの矮小感が身を貫く。逃げ場がない。“ああオレこんな人間だったな”と己の弱さに面喰い、そして精神的にうなだれる。“今畜生!”という気概もなく、ズルズルと家路を歩く。

そんな自分には再会したくなかった。

きっとそんな車内で私がウォークマンを持っていたなら、今作を再生していただろう。なんて思う。耳をふさぎたいってよりは、自分をブッ飛ばしたい気持ちかもしれない。でも聴き返してみたら、そんなにやかましくなかったネ。


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(CC)by – nc 3.0



Various Artists – PlayGround [#001]

 Various Artists - PlayGround [#001]

 – Tracklist –
 01. 10 – Candy Shop
 02. polu – Chewing Gum
 03. WyvernP – Bouncing Ball
 04. Levi Polis – Toy WarZ
 05. Alisweet – Feeling

 - 02. polu – Chewing Gum


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 Release Date : 2017.12.19
 Label : Palette

 Keywords : Compilation, Dance, EDM, Electronic, Glitch-Hop, Pop.


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韓国のトラックメイカー、ARForestとLevi Polisが中心になった新興レーベルPaletteより。第一弾コンピレーション“PlayGround”がリリースされています。初っ端ということで大量のトラックを詰め込んでくる手もあったとは思うんですが、内容は5トラックということで、厳選されているイメージです。

個人的にはまた(何度目だろう)姿を消したと思っていたpoluが再び姿を見せているのがうれしいところですが(でもSoundCloudにはこの1トラックしか残されていない!)、頭から聴いていきましょう。

10の‘Candy Shop’はタイトルは甘いんですが、中身はぜんぜん違いますね。抒情的なメロディに細かなブレイク、ダイナミックなドラムを加えて、とてもドラマチックな仕上がりになっています。シリアスな予感めいたイントロや、ほんのりVGMな雰囲気があるところも好きです。

poluの‘Chewing Gum’はBleepyなシンセやブレイクが挟まってはいますが、コロコロした電子音や編集したヴォーカルなどをまぶしたglitterなポップチューンで、相変わらずの手腕。4ru名義の頃に見せていたストレートにエモいトラック作りを封印しているような気もしますが、またいつか見せてほしいものです。いずれにせよ、頼むから消えないでほしい…。

WyvernPの‘Bouncing Ball’はいかにもGlitch-Hopなタイトルじゃあないですか。実際一番ブリブリしてると思います。でもド頭から突っ走るわけではなくて、出だしのjazzyなピアノからベースが入り、徐々にDance/EDMへ流れ、またふいにちょっぴりjazzな軽やかピアノを入れてくるあたりが、面白くて、カッコいい。ちゃんとメロディも生きててポップにまとまってるし上手いなあって思います。

Levi Polisの‘Toy WarZ’はメロディとリズムが素直に結びついたストレートな聴き心地。メロディもさることながら、遊びでChipsoundを織り交ぜる辺りでやはりPop指向を感じます。ラストのAlisweetによる‘Feeling’はChipstyleに寄せた作風で、小奇麗にまとまっている印象です。騒々しいんだけれどもPopでCuteでキラキラしているという、今作のカラーをもっとも簡潔に表しているトラックかもしれません。

この界隈(どの界隈だよというツッコミは受け付けませんヨ)で予想されるサウンドを大きく裏切ることはありませんが、逆に言えば安定のクオリティが確保されている作品です。そしてまだ先かとは思いますが、ピアノを主体にした別のコンピレーション“Memory of Childhood”が予定されているようなので、そちらも期待して待ちましょう。



polu – waffle

 polu - waffle

 – Tracklist –
 01. Fortissimo (feat. KuTiNA)
 02. waffle
 03. Fortissimo (feat. KuTiNA) (instrumental)
 04. Fortissimo (feat. KuTiNA) (Famires Remix)
 05. Fortissimo (feat. KuTiNA) (stepic Remix)



 - 01. Fortissimo (feat. KuTiNA)


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 Release Date : 2017.06.04
 Label : Synthikate

 Keywords : Electronic, House, Pop, Remix, SynthWave, Vocal.


 Related Links :
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シンクロニシティというヤツを皆さんは信じるだろうか。この界隈において私にままあるのが、“あのアーティスト何やってるのかなあ”と思いめぐらせたときに、そのアーティストの新譜に出くわすという事象である。これがなかなかの頻度で起こる。タネを明かせばおそらくはどこかで何がしかの情報を目にしており、それが脳内のいずこかにインプットされ、しかし私はそれを忘れ(あるいは気づかずに)、そのインプットが引き金となって、先の思い巡りに至っているだけなのかもしれない。が、そうではない可能性もある。第六感。セブンセンシズ。いやそれは違う。なんてな。

少し前に私が思いめぐらせていたのは、“はて4ruは今何やってるのかなあ”ということである。“そういえば名前変えてたよなあ”、というところまではたどり着けたのだが、そこから先に進まず。ついぞ彼の近況にたどりつくことはできなかった。4ruというのは韓国のトラックメイカーで、オフィシャルなリリースはほとんどなかった。私の知る限りでは、今作と同じ韓国のコレクティヴであるSynthikateからの“MileFeuille”にRemixで参加したのと、“Coloridium”のコンピレーションに‘Melon Cream Soda’を提供しただけ、ではないでしょうか。いつもWIP = Work In Progressな短いトラック(あるいは断片)をSoundCloudに挙げては熱心なファンを喜ばせ、そしてすぐに消すということを頻繁に行っていました。エモーショナル(emoって言っていいのかなあ)でメロディに富んだサウンドは、カラフルなメイクを施され、いつもPopで、アップロードの度に私も耳を傾けていました。

でも変名後の彼にたどり着けなかった私は意気消沈。もういなくなってしまったのかと半ば諦めもありました。が。ふとSoundCloudで流れてきたこのリリース。あれ、これ、もしかして、4ruの新しい名前じゃなかった?なんて思ってたら、polu = 4ruの文字を見つけ、ああまたもやシンクロニシティ(ちょっと意味違うかもな)と、ビックリうれしい驚きと、相成りました。

そして今作、‘Fortissimo’とそのインスト、そしてRemixが2つ、プラスタイトルトラックということで、実質的にはシングルのようなイメージですね。韓国のヴォーカリスト/ヴォイスアクターであるKuTiNAを迎えた‘Fortissimo’は2分ちょっとの短いトラックなんですが、変わらずPopでニンマリです。この手のElectronic/Popなトラックにありがちなウィスパーな儚げヴォーカルではなく、スキャットじみた冒頭からその歌声は力強くリスナーを刺激する(私の中ではこういうヴォーカルの方がPop musicのイメージに近い)。言葉は韓国語なのかな、ちょっと意味は分からないんですけれど、その摩訶不思議な聴き心地も愛おしく感じる始末。ヴォーカル抜きのインストも収録されているけれど、声という感情表現の手段が抜かれたことで新たな聴き心地が獲得され、しかし主たるメロディが消えたことによる物足りなさはないのだから、恐れ入る。

Remixも聴きごたえあり。Famiresで誰だろうと思ったら、omoshiroebiさんの新しい名前だった。よりシンセサイズで、EDMライクなアタックの強さもあり、ギターかな?エモいフレーズも挿入されていて、すごくエキサイティング。オリジナルとは違う魅力で良Remixです。対するstepicのRemixが対照的で、スローダウンしたエコーイックでファンタジックな音像から始まり、アコギやピアノもまぶしつつ、やがて訪れるダイナミックな展開とオリエンタルなメロディでカタルシス。これまた良Remixです。こうして聴くとそう、‘Fortissimo’は、そのインスト、そのRemixたちと、みな違った聴き心地があって、一粒で4度楽しめるのです。

その上、タイトルトラック‘waffle’も収録されている。物憂げな雨の効果音とマッチする、丸いサウンドのイントロ。やがてさまざまなサウンドとメロディ、フレーズが交錯し、カラフルな世界が描かれ、その最中にもキュートなヴォイスやエディットヴォイスで巧みなブレイクを差し挟み、また物憂げな雨のシーンに返っていくという、雨の日に羽ばたく想像の翼を音像化したような、素敵なトラック。

常にその才能をうかがわせるトラックたち、間違いなく優れたトラックメイカーだと思っていますので、名前も変わったことだし、ここからはコンスタントにリリースしてほしい! ちなみにこのカバーイラストもpolu本人が描いているみたいですよ。



Gossip Palace – Torsi

 Gossip Palace - Torsi Cover

 – Tracklist –
 01. Cloud Tube
 02. Ghosting
 03. Pepermint Peaks
 04. Firepower
 05. Izzy Black
 06. Jonquil
 07. White Flowers from a Saint
 08. Soda Rot
 09. Nap Aches
 10. Solar Powdered
 11. Vivite Somnia


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 Release Page Deleted!

 Release Date : 2017.02.17
 Label : Silver Throne Records

 Keywords : Electronic, Future Beats, Hip-Hop, Melodic, Swamp.


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アメリカ合衆国はミシガン州デトロイトのレーベル、Silver Throne Records。前身はOCCULT DREAMSであると勝手に解釈しているが、間違っていたらスイマセン。

このあたりのBeats~Future Beats(と書いてはいるが、私はよく分かっていませんよ勿論)系のアーティストは、VaporWaveのそれよりはマシかもしれないが、やはり誰が誰やらよく分からない。聞いたことない名前だから新しい人かと思ったら誰かの変名とかは改めて書くまでもなくよくあるパターン(書くまでもなく、といいながら書いているが、ご愛嬌だ)。つまりこのGossip Palaceもよく分からないということで。

この金で作られた(あるいはゴールドプレート―金メッキかもしれないが)オブジェは何であろう。じっと見つめながら視点をあちこち彷徨わせてみるが、判然としない。何かのキャラクターのようにも見えるが、私の知っている中にはないようだ。ショーケース、ガラスケースに展示されている様子のそれは、衆人環視の状態でありながら、しかし意味を持たないようにも見える。意味のあるものを組み合わせたようで、それでいてその実何も表しておらず、あまつさえ“金”という、一般的には価値のあるもので仰々しく存在感を放ち、人目をひきつける。そう、それはまるで“Gossip”―噂話。

音楽的にも一言では表現できない、とは言っても複雑怪奇なものでもなく、Hip-Hopを下地にした、Melodicなフレーズが頻出する、聴きやすい作風ではないかと思う。シンセチックな電子音や、フワフワとしたAmbientな音色を使う一方で、ダビーに振動する‘Firepower’や、‘White Flowers from a Saint’が作品を引き締め(後者はSILENT POETSを想起した)、またラストの‘Vivite Somnia’ではメロディでもって幾ばくかの抒情性を漂わせる。アブストラクトな側面もあるけれど、トラック自体が決して長くないので、飽きずに最後まで聴けるというのも特徴だろうか。各トラックがフックを持っているというのもあるかもしれない。不思議と引き付けられる魅力がある。

さまざまなサウンドを用いたシンセサイズな音像が醸す冷たい人工感。そう、言いたかった言葉は“イミテイション・ゴールド”だ。だがここにある音楽がゴシップを揶揄する意味でイミテイション・ゴールドな佇まいを持っているのか、私にはよく分からない。こじつけすぎかもしれない。



Hana Sent – Lampoooni [51bts052]

 Hana Sent - Lampoooni [51bts052] Cover

 – Tracklist –
 01. Escape
 02. La Maison Démontable
 03. Kikiwon
 04. Wonderlust
 05. Hanarcade Summer
 06. Mooncup



 - 02. La Maison Démontable


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 Release Page :
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 Release Date : 2017.04.07
 Label : 51beats

 Keywords : Electronic, House, IDM, Synthesizer.


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イタリアン・ネットレーベル、51beatsからリリースされたHana Sentのデビュー作です。彼/彼女は、イタリア基盤のアーティストであることが明かされていますが、他はいっさい謎。リリースページには“ghost electronic music composer”と記されています。

4つ打ちHouseなビートにチープなシンセをまぶした、あっさり仕上げのエレクトロニック・ミュージック。今どき(って言ってしまうと語弊がありますね。どこにおける今なのかって話ですが)のコテコテなシンセサウンドにはなっておらず、音数も少ないし、ゆえに(もちろんサウンドメイクもあるけれど)音の輪郭もはっきりしている。というように非常に簡素な作りになっているにもかかわらず、ここには心、そして耳をひかれる何かが存在している。

それは主に、チョイスされているサウンド、音色であり、またささやかに流れるメロディであると私は思っている。80sという形容も可能かもしれないが、何を以って80sかというのが、イマイチ説明できないのでこれ以上踏み込みませんが、Lo-bitでシンセ然としたサウンド、音色が呼び起こす(いつのものかも分からぬ)ノスタルジア。そして長閑ともいえる、おだやかで優しげなメロディ(強くはないが)、それは休日の昼下がりを思わせるほどにドリーミィ。その様子はIDM/Electronicaに通じるものだと思ったりもするのだけれど、Acid Houseなトリッピ―感もブレンドされており、硬派なファッションと可愛いメイクが同居しているような、不思議な聴き心地。

‘Wonderlust’ではパーカッシヴなリズムや民族音楽のようなコーラスが聴こえてきたりもするのだけれど、そういった部分からはChillWaveのエッセンスも感じたりする。また‘Hanarcade Summer’の冒頭、これはサンバのリズムにも取れる―すぐにほかの音がかぶさってくるので、そのイメージは消えてしまうけれど。そんなように、チープで簡素なサウンドの裏に潜んでいるさまざまなサウンドエッセンスが垣間見えるところも、興味深い。

頭の‘Escape’はわずか28秒のインタールードなのですが、このフレーズをラストの‘Mooncup’で使っているのも面白いです。リプライズ的な。


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余談。51beatsといえば、errnoisの“The Winter Season”、好きでした。Indietronicという言葉が相応しい素敵な作品でした。今ではこの名義はもう使っていないようですが。興味のある方はどうぞ。


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Credit :

Music and graphics by Hana Sent

Released by:
51beats
Release date:
7 april 2017
“Lampoooni” by Hana Sent is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License

(CC) by – nc – nd 4.0



neokyoto – Zero Transition

 neokyoto - Zero Transition Cover
 – Tracklist –
 01. A Spinning Disk
 02. Circuit Drift
 03. Tastes Like Mercury
 04. Incubate Me
 05. MedBox Express
 06. Myst
 07. Zero Transition
 08. Ruined Arcade Zone



 - 05. MedBox Express


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 Release Date : 2017.03.17
 Label : Not On Label

 Keywords : Electronic, Melodic, Post-Punk, Shoegaze, SynthWave, VGM.


 Related Links :
  ≫ neokyoto.net
  ≫ neo kyoto on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp


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アメリカから現れた様子のneokyoto(ネオ東京じゃないよ!)は、Post-Punk/SyntWaveプロジェクト。というのは私が勝手に言っているだけであって、ソロなのか、ユニットなのか、バンドなのかは分かりません(おそらくソロでしょうけれど)。とりあえず現時点で公開されている作品は4つあって、今作が一番新しい。ほかには“Cobalt Cavern (demo)”と、“Rough Cuts”、“Terminal B01”があって、後者2つはSoundCloudでしか公開されていない様子。

もともとがどういうコンセプトで始まったのか分からないんですが、neokyoto(ネオ京都)っていうネーミングからしてやっぱりサイバーパンクな香りがするじゃないですか(と誰にか問いかけてみる)。実際今作は確かにVGMな向きもあるSynthWaveで、そこにはやっぱり安易かもしれないけれど未来的な都市の風景が立ち上ってくる。それは実にストレートにネオ京都というワードから感じられるフィーリングと結びつくのである。ところがどっこい、“Rough Cuts”なんかを聴いてみると、New Orderチックな、哀愁漂うメロディのPost-Punkが鳴らされているではないか(意表を突かれてグッと来たので下に張らせてください)。もちろんこの“Zero Transition”についても、分かりやすいPost-Punkの要素はあるのだけれど、それよりも電子感を前面に出したSynthWaveやVGM、そこから引いてはサウンドトラック的な意匠が強く感じられる。

はて、どこがターニングポイントだったのだろうと考えるよりも、これはneokyotoの中にもともとあった素養が披露されているのかもしれない。鍵盤のメロディや和楽器の雅な響きを利用したタイトルトラック‘Zero Transition’やSyntWave meets Post-Punkな‘MedBox Express’を聴いていても、器用なイメージがある。特に後者はいいですネ。マシーナリーなサウンドの中にあって、エモーショナルなギターが存在感を放っている。 また前述の“Terminal B01”においてもサイバーパンクなイメージ、Post-Punkなサウンドを下敷きにしつつも、オーケストラルなサウンドを作っていたりして、なかなか素敵なバランス感覚です。

きっとそのときどきで自分のモチベーションにあったサウンド、作品を作っていくのでしょうけれど、次は是非PopなPost-Punk作品でお願いします。今作もよいけど、やはり“Rough Cuts”がシビれるんですよ。





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About a boy trapped in a computer simulation.