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タグアーカイブ: Emo

Strawberry Hospital – Grave Chimera

 Strawberry Hospital - Grave Chimera Cover

 – Tracklist –
 01. Memento
 02. Canary Mane
 03. Chimera
 04. Holoparasite
 05. Cherish
 06. Arowana’s Scarlet



 - 01. Memento


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 Release Date : 2018.08.06
 Label : Not On Label

 Keywords : Alternative, Ambient, Emo, Noise, Screamo, Shoegaze, Pop, Punk, Vocaloid.


 Related Links :
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PURE AESTHETEにも所属していたトラックメイカーStrawberry Hospital。新しい作品が2018年に出ていました(そしてこれ以外の作品は消してしまった…のか?)。

紹介文には―

Grave Chimera is a 6 track autobiographical album that emulates the complex feelings that come with issues like childhood trauma, sexual dysfunction, suicide, escapism, and gender dysphoria.

―とありますが、そこからうかがい知れるように、以前よりも内面的、内省的なアルバムになっている印象です。以前のサウンドといえば、Vocaloidが歌うPopなメロディにElectronicなバックトラック、ドリーミィな空間づくりが特徴で、それは日本人のリスナーにもアピールする心地よいものでした。対して今作はというと、少なくとも表面的にはハードでアグレッシヴな部分が目立っています。Noiseという部分でいえば、以前の作品にもShoegazeな要素はありましたが、ここではもっとハードコアな方向に振っています(何ならジャケットイメージにあるタイトルロゴもハードコア系のそれ)。

ディストーショナルなギターサウンドに加え、メロディックなパートを歌い叫ぶ(ここがVocaloidなのかは不詳)という、いわゆるEmo~Screamoに近いサウンドを鳴らしているのが今作の最大の特徴でしょう。といってもバンドサウンドではないので、リズム面でマシーナリーなエディットもあるし、フワフワしたシンセサウンドも使われている。でもこういった電子的なハードコアサウンドと親和性の高いBreakcoreな方向にはいっていないのが、ユニークに感じます(一時期のMeishi Smileなんかを彷彿とさせますね)。

精神的な鬱屈とした部分をモチーフにしているのであればもっと黄昏たサウンドになってもおかしくないと思いますが、苦しいときに強い気持ちで何かを願うような、そんな思いの強さがこのサウンドを生み出しているのでしょう。否定したい自分や、打ち消したい過去といった、誰しもが心の中に持っている影の部分に思い切って立ち向かっているが故の、焦燥感、暴力性。しかし冷静さを失わずに過去を懐かしむような目線もあり、Ambientなワンミニット・トラック‘Holoparasite’などは作中随一の郷愁。続く‘Cherish’は過去作のファンも留飲を下げるであろう、ドリーミィなVocaloidトラックになっていて、サービス精神も発揮されている。M-1のMetalっぽい耽美的雰囲気も魅力的。

Vocaloidを使用しながら、Ambient~Emo~Screamo~J-Popを股にかけたドリーミィサウンドを作り上げるこの手腕、巧みです。ラストの‘Arowana’s Scarlet’のハードコアパートとドリームパートの自由自在感とか凄いですね。しかもAmbientな哀愁で終幕させるという力技。

The ultimate goal of Grave Chimera is to serve as a form of therapeutic musical catharsis.

という言葉を見て、よくよく考えると、Strawberryというキュートでドリームなイメージと、Hospitalという(メンタル)ヘルスケアなイメージを融合させたこの名義―Strawberry Hospitalの名前に、もっともふさわしい作品なのかもしれません、今作。


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Note :

Grave Chimera is a 6 track autobiographical album that emulates the complex feelings that come with issues like childhood trauma, sexual dysfunction, suicide, escapism, and gender dysphoria.
Drawing influence from metal, j-pop, VGM, and industrial, Grave Chimera is self indulgent, nihilistic, and intimate.
Merriam-Webster defines “Chimera” as both “an illusion or fabrication of the mind; especially : an unrealizable dream” and “an imaginary she-monster compounded of incongruous parts”.
Grave Chimera explores the long term effects of psychosis, fragmenting your identity and leading you through an altered state of reality in which everything wants to destroy you.
The ultimate goal of Grave Chimera is to serve as a form of therapeutic musical catharsis. This an album for trauma survivors, for trans folk, and for anybody who can find solace in being able to relate to my experiences.
Thank you.



Akimbo – 스트라타 Strata

 Akimbo - 스트라타 Strata Cover

 – Tracklist –
 01. Strata
 02. Strata (PPUL remix)



 - 01. Strata


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 Release Date : 2016.11.22
 Label : Tonal Unity

 Keywords : Bass, Drum, Electronic, Emo, Primitive, Traditional, World.


 Related Links :
  ≫ Akimbo on Facebook / on SoundCloud


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韓国はソウルのレーベル/コレクティヴであるTonal Unityより。ファウンダーのAkimboの作品です。

SoundCloudでふと流れてきた今作のトラックを聴いて、シビれたわけです。めちゃめちゃカッコよくないですか、単純な表現で申し訳ないですけれども。いや、やっぱりカッコいいんですよ、もっとも素直に、心の表面に浮き上がった言葉をさらうなら、カッコいいんです。World musicに造詣など深くないし(別に何に対しても深くない)、とりたてて興味を持っているわけでもないし、だから意識的に聴くということもないんだけれど、ふとした拍子に引き込まれてるときがあって(たとえばNusrat Fateh Ali Khanとか)、何がキーになっているか自分でもわからないのですが、この作品はそのキーを持っているのでしょう。

メカニカルな聴き心地なので、勝手にサンプリング・ミュージックかと思っていたのですが、クレジットを見ると、実演奏の上、それを編集しているようです。Akimbo自身はsynth, bass, drums, percussionを、Woon Jung SimがJanggu(チャング), Bara(瓢箪ドラム), Buk(農楽太鼓), Jing(銅鑼)を、それぞれ演奏。それらをAkimboがアレンジ、編集しているようです。打楽器ミュージックというか、ドラム・オリエンテッドというか、そういう音楽なわけですが、それだけで好きになるというわけでもないので、どこが魅力的であるのか考えてみる―

Traditionalでプリミティヴな響きをもったドラム/パーカッションが(ささやかながら)GlitchyなBreakbeatとなり、その上に韓国の口承文芸であるパンソリの歌を、これまた編集して被せている。ドラムはときに機関銃のような機械的連打となり、浮遊する声部はAmbientでありながらトランシーな聴き心地もあり。全体としてはメカニカルな質感ながら、その底に原始的な精神(それは純粋に欲望であったり、音楽的・精神的快楽であったり)が確かに流れていて、その辺りがこの音楽を特殊なものにしているのではあるまいか。また低音を強調気味の音作りは明らかにBass music経由のアプローチだし、使っている楽器やその鳴りはTraditionalでも、現代的な音楽になっていると思います。

Remixの方は、より機械的なサウンドになり、Bleepyな電子音が顕著に、アグレッシヴなイメージになっています。他の作品でもそんなにスタイルが大きく変わるわけではないのですが、現時点では今作が一番好きかなあ。ふとNine Inch Nailsなんかとイメージが重なる部分もありました(彼の作る音楽もリズム・オリエンテッドだし、民族音楽、World musicも決してアンテナから外れていない)。あとQuiet LoungeからリリースしていたRed Unitのサウンドも思い出す。というわけで、心と体が動いてしまった人は、過去の作品も聴くべし。


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Note :

“Strata” is a new single release grown out of a collaboration with artists of the young generation of traditional musicians in Seoul. Akimbo has recorded a variety of instruments played in experimental ways, using his library to craft new visions of Korean sounds. This track was inspired from the Gqom music of South Africa; musically translated with Korean traditional drums and Pansori vocals. Seoul producer PPUL on the big bad remix!

“스트라타” 은 서울에서 활동하고있는 젊은 국악 뮤지션들과의 콜라보레이션으로 이루어진 새로운 싱글 릴리즈이다. 아킴보는 다양한 전통 악기 소리를 실험적인 방법으로 레코딩을 한 뒤 그것을 토대로 새롭고 독창적인 그만의 한국 사운드 만들었다. 이번 트랙은 남아프리카의 Gqom 음악으로부터 영감을 받아 한국 전통 타악기와 판소리로 음악적인 재해석을 했다. 서울에서 활동하고 있는 프로듀서인 PPUL의 엄청난 리믹스를 공개한다!

:::: Credits ::::

Akimbo: Synths, bass, drums, asst. percussion, arrangement
Woon Jung Sim: Janggu, Bara, Buk, Jing

아킴보: 신시사이저, 베이스, 드럼, 타악기, 작곡
우정심: 장구, 바라, 북, 징



ᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇs – astronomy club [MHR040]

 ᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇs -  astronomy club [MHR040]

 – Tracklist –
 01. collateral
 02. below the buzzards
 03. kill this distance ft. atw
 04. human voices
 05. and we drown



 - 03. kill this distance ft. atw


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 Release Date : 2015.04.29
 Label : Morning Hour Records

 Keywords : Anime, Breakcore, Electronic, Emo, IDM, Hip-Hop, Melodic, Sample-Based.


 Related Links :
  ≫ Cherax Destructor on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter / on patreon


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2012年にNat Wesleyによって設立されたアメリカはテキサス州ヒューストンのレーベル、Morning Hour Recordsより。Cherax Destructorとしての活動をメインにするPatch Hutleyの別名義、ᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇsの作品です。彼は同レーベルに運営者としても関わっており、これまでにCherax Destructor名義で“Cenotaphs”、“Hymn of the Haunted Hunter”、helpful kappa名義でも“we are spirits now, rejoice”をリリースしており、一定の人気も獲得しています。“Cupcake”を聴いたころから彼が作るメロディが好きで、気にしていたんですが、チェックを怠っていた間にずいぶんとリリースを重ねていたようで、今では両手の指を超える数に。

名義の使い分けがどのようになされているのかハッキリしませんが、おそらくᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇs名義では現時点で今作しかリリースはありません。Cherax Destructorはもっとも間口が広いといいますか、音楽性が幅広いと思います。メロディを生かした柔らかいウタモノから、Electronicな響きの中でIDM/Hip-Hop/Post-Rock、その他さまざまな音楽性のエッセンスを感じさせる作風。いずれにしても最終的にはメロディで聴かせるスタイル。helpful kappaでは割とメロウなイメージもあって、ストレートなPost-Rockに寄っている印象もあります。

彼の作る音楽は、バンド志向っていうほどでもないかもしれませんが、衝動性、エモーショナルな部分が強くあって、それが歌-メロディと組み合わさったときに、とても心に響くのです。その衝動的な部分、エモーショナルな部分がもっとも色濃く反映されているのが、このᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇs、なのかもしれません。どこまでがサンプルベースなのか分かりませんが、さまざまなサウンドを組み合わせて作り上げられたカオティックなサウンドは、今までになく金属的で、ダークな調子もあります。しかしその中でもやはりメロディが忘れられていないのが、彼の持ち味。

アニメからの引用もあるようですし(私にはハッキリとは分からない)、Breakcoreの側面も見せてくる、と書くと金太郎飴的なイメージも持たれるかもしれませんが、彼のサウンドは先にも書いたように、どこか肉体性を感じさせるのです。特にM-3‘kill this distance ft. atw’は抜群にEmoい。EDMやIDMやHip-Hopを飲み込んで、AlternativeなPop/RockをEmoに放射。なんならちょっと泣きそうになるくらい。好きなアーティストのライヴ見て泣きそうになったことある人ってたくさんいると思いますが、あれって悲しいとか嬉しいとか、そういうのとは別で、そういうのは飛び越えてて、感情昂って泣くんだと私は思います。このM-3もそう。歌詞の意味を100%把握できないけれど、やたら感情昂るのです。アニメの要素にしても、カオティックでEmoいサウンドに埋め込むことで、いわゆるナードなイメージからは巧妙に距離を置いているように思います。その辺りの聴取感もユニーク。

今回はその‘kill this distance ft. atw’にヤラれてしまったので、今作をピックアップしておりますが、ほかの作品もどれも素晴らしいので、気になった方は是非、上記bandcampなりSoundCloudなり訪れて、耳を傾けてみてください。下にいくつか-



 - leave our broken shells behind (from “we are spirits now, rejoice”)



 - The Rescue (from “Lost No Longer”)



 - Cupcake (from “Objects in Space EP”)


ちなみに“Cherax Destructor”って、“ヤビー”ってザリガニの学名らしいよ!


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Message :

because the fear is always there, but we keep it at a distance – through a broken lens, facts and figures we so easily forget, or a song about somebody else

all donations will be intensely appreciated and warrant a personal thank-you email + a cheeky bonus track 8)

artwork by sharpieboss
sharpieboss.tumblr.com

live drums on 01 by flowerrs
soundcloud.com/flowerrs
vocals on 03 by adamth3walker
soundcloud.com/page-fortysix

with eternal love + thanks to Yōko Kanno and Hiroyuki Sawano

~that must be the power of daiku industries~



MIXTAPE : 誰もいない海辺で


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懐かしい風と

listen on 8tracks
8tracks will no longer stream from their servers to listeners outside the US and Canada.
learn more…



– Tracklist –

 01. my cats a stargazer – …morning swell…
 from “Monod Kinetics” (2010)

 02. Fare You Well – Overload
 from “Overload EP” (2009)
 ≫ 2009年当初はMySpaceを通じでフリーで配信されていましたが、今はbandcampから購入可。残念ながらバンドはすでに終わっているようです。スウィディッシュ・エモ。

 03. Arcaine – The Best Advice
 from “The Best Advice EP” (2009)

 04. Ate Monsters – The Same Season
 from “Like Heaven” [HWR 029] (2012)

 05. Whilmington – Pinewood Derby
 from “Whilmington E.P.” (2011)

 06. the papertiger sound – Tiny Robot Love
 from “Tiny Robot Love” (2009)
 ≫ 細かい話以前は“the papertiger sound”でしたが、いつからか取れたようです。

 07. Albosel – Us and Their Machine
 from “Making, Nothing” (2015)

 08. pacific – barnoon hill
 from “sea of sand ep” (1988) :: (CC) by – nc – nd 3.0 ::
 ≫ Creation Recordsからリリースされていたものですが、今はどうやらバンド側がオフィシャルにbandcampに上げてくれている様子。ギター・ポップ・ジャンボリー!

 09. Spirits of Leo – Annika’s Song
 from “Yearning” (2015)

 10. KIDS – THIS IS THE HEARTLAND
 from “KIDS (EP)” (2012)

 11. Cory Zaradur – more than ever
 from “All That We Share” [INNER001] (2012)

 12. Tsunami Aki – You Dress Well
 from “Bloom” (2014)

 13. Foresteppe – Pink Shorts
 from “No Time To Hurry” (2013)

 14. Yesterday’s Headline – If You Go
 from “Lonelyhearted EP” (2009)
 :: (CC) by – nc – nd 3.0 us ::

 15. 宇宙ネコ子とラブリーサマーちゃん – 日々のあわ
 from “日々のあわ.EP” (2014)

 EXTRA. HYLE – Natural High Remix
 from “Natural High Remix” (2014)
 ≫ オリジナルも好きでしたがbandcampはどこか行ってしまったんでしょうか。YouTubeでは素敵なカバーが沢山きけますよ。 宇多田ヒカルのHouse調カバーとかハマってます。


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キン肉マンは“ヒゲとココアさんはよく似合う”って言ってましたが、冬とShoegazeってよく似合うと思いませんか、あるいは思春期とShoegaze。とかいってもShoegaze全開になっているわけでもなく。全編Acousticにする予定だったのにぜんぜんなっていない(それを言ったらはじめのはじめはChillWaveになる予定だった)。途中からどんどんバンドサウンドに傾いていきました。頭の方のエモい展開がいらないんじゃないかと思ったりしましたが、雑多な感じも良いんじゃないかと思って、そのままに。あと途中で流れを止めるというか、ブレーキかかるような構成になってるのがまどろっこしいと思う方もいるかもしれませんが、わざとやってます。風景があった方が、とうか風景を作りたかったのです。

宇宙ネコ子とラブリーサマーちゃんを入れちゃうと、たとえばFor Tracy Hydeとか Shortcake Collage Tapeを入れたくなってしまうし、‘Origami Hearts 〜折り紙ハーツ’〜か‘Milk Tea Drops 〜君は紅茶色〜’は迷ったんですが、入れてしまうと強すぎるんですよね、そこで全部持って行ってしまう。それは望ましくない。だって風景が壊れるでしょう。だから‘日々のあわ’だけ入れることにしたんですが、これで言いたいこと全部言っちゃってる感じがあるんで、じゃあ最後に置いておきましょうっていう感じなんですかね、自分でもよく分からないけれど。

あまりバンドサウンドに触れてこない私のブログですが、それはネット上でバンドサウンドが相対的に少ないということあるんでしょう(まあ他にも理由はあるかもしれないけど。でもたとえば5年前とかと比べてもすごい増えてるとは思う)。そんな中で私のHDで半覚醒状態にあったバンド(ないしはバンドっぽい)サウンドをコンパイルした、という形になるのかな。

失くしものに気づいても“別にいいもんね”って知らん顔、涼しい顔し始めるけど、やっぱり探しちゃう!ちくしょう!っていう、そんなイメージです。だから最後の最後にナチュラル・ハイ。



Biawak

 Biawak



 - Say goodnight



 - Amnesia


 Keywords : Ambient, Electronic, Emo, Indie, Melodic.


 Related Links :
  ≫ Biawak on SoundCloud


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ドイツ在住のミュージシャンと思われるBiawak。聴きなれない“Biawak”という言葉は、インドネシア語で“トカゲ”を意味するそう。

なぜトカゲなんだろうと思うわけだけれど、実際よく分からない。あまりポジティヴなイメージはそこにはないし。まあ生理的に嫌いっていう人もいれば、カッコいいと思う人もいるけれど、一般的にはあまり好意をもって迎えられない。トカゲ。

SoundCloudを見る限り、ここ1年くらいでトラックの公開が始まっている様子です。現時点で10トラックが公開されていて、ほぼすべてがフリーでダウンロード可能。おそらく一人で作っていることも関係あるんでしょうが、打ち込み感が強いサウンドになっています。実際聴いてみての手触りですが、けっこう音楽的に幅広いように思うんですよね。安定していないとか焦点が定まっていないとかいう言い方もできるでしょうが、根っこにあるインディっぽさといいますか、突き抜けきっていない蒼さのようなものが一本の筋になって、各トラックをつなぎとめているようにも思います。

Downtempo/Hip-Hopのリズムを活かしたトラックだったり、IDM/Electronicaっぽいアブストラクトなトラックだったり、Guitar Pop/Shoegazeっぽいトラックもあったりして。でも全部“ぽい”ってところが味噌で、すべからく中庸なのです。どの方向に対しても突き抜けていない。それを面白さと見る向きもあるでしょうし、煮え切らないとヤキモキする人もあるでしょう。私は面白いと思ってる方ですし、この雑多なトラック作りはポジティヴにとらえれば一人でやってるがゆえの“個性”ともいえるでしょう(そういえば最初に公開された様子の‘Luz estelar’のトライバル感は、ちょっとトカゲの歩みっぽいかもね)。

近しいトラックを聴くと、Guitarを活かした方向に傾いてきてるのかなとも思うんですが、どうだろう、そんなこともないのかな。たとえば、‘A Million Miles’のドライヴ感、ヴォーカルの裏で軽やかに舞うメロディ(シンセかな?)、よいですね。ナイーヴな声質も手伝って(エフェクトかかってるけど)、Emoのイメージがあります。今んとこ最もドラマチックなトラック‘Say goodnight’も実にEmoくてワクワクします。サウンド・プロダクションが変わればすごい化けそうな気がするんですが、それはつまり現段階でも匂いたつ才能が感じられるということです。やっぱりメロがよいです。

まとまったリリースはしないんですかねえ。



Asphoria – Syabidap [Hujan031]

 Asphoria - Syabidap [Hujan031]

 – Tracklist –
 01. Syabidap (Original Mix)
 02. Syabidap (Floopers Boy Remix)
 03. Syabidap (Various Flames Remix)
 04. Syabidap (Maspey Remix)
 05. Syabidap (Ms. Luluby Remix)



 - 01. Syabidap (Original Mix)


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 Release Page :
  ≫ [ main ] / [ mirror ] Download Free!

 Release Date : 2014.04.24
 Label : Hujan! Rekords

 Keywords : Alternative, Electronic, Emo, Indie, Pop, Rock, Remix.


 Related Links :
  ≫ Asphoria’s Blogsite
  ≫ Asphoria on Last.fm / on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Vimeo / on Twitter


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インドネシアはボゴール基盤のネットレーベル、Hujan! Rekordsより。Asphoriaの新作がフリーで公開されています。以前に紹介したときは3人組でしたが、2012年に4人組へ、現在のメンバーは、Maulana Rau (vocals, bass, acoustic guitar)、Fauzan “Fanfan” Alfansuri (vocals, guitars, samples)、Aria Andriyadi (keyboards, piano, guitars)、Irfan Rau (drums, guitar)。ドラマーが増えた形ですが、このIrfanは、ヴォーカルをつとめるMaulanaの兄弟のようです。

Note About Life(2011)や、Eschatology(2012)といった傑作をリリースしてきた彼らですが、今回のシングルもまたすばらしい。タイトルを見るとわかるように、M-2~5はタイトルトラックのリミックス! いいですねー。個人的にはこういう、バンドの作品に収められるリミックスというやつが大好きなので(なぜならそこには少なからずバンドサウンドとは違う部分で、バンドの音楽的意向が反映されるだろうからです。バンドの外にリミックスをゆだねたとしても)、興味津々で聴かせていただきました。

まず、M-2の‘Floopers Boy Remix’。これは一番今様な感じがします。4つ打ちのハウスなリズムにトランシーなシンセを絡めたエレクトロ・ポップな仕上がり。シンプルなトランス調にはなっていなくて、ドリーミィなシンセも重ねて使うことで、ChillWave~DreamWaveのような聴き心地もあり。さらにそこに、オリジナルにある焦燥的な歌唱やハイトーンのコーラスをエディットしてリピートさせることで、もともとのエモーショナルな部分も維持されていて、これは好リミックスかと思います。

次の‘Various Flames Remix’も冒頭のカッツリしたドラミングが意表を突きます。面白い出だし。そこに絡むのはやっぱりオリジナルのコーラスだったりトランシーなシンセだったりで、M-2のあとだと、残念かな、ちょっとインパクトに欠けてしまうのが事実。冒頭や中盤のあのドラムで引っ張ってもよかったのかもしれません(偉そう)。続く‘Maspey Remix’は、オリジナルからのキーボードやギターを取り入れつつも、アッパーなトランスになっていて、これでM-2~4までいずれもトランスが絡んだリミックスということになります。なぜなんでしょうコレは。やっぱりオリジナルの高音コーラス部分が特徴的だし、そこをリミックスに生かすことを考えれば、こういう形になる、ということなんでしょうか。別にミスマッチとかいうことじゃないんですが、ここまで傾向が重なるのも、ちょっと不思議ですね。

M-5のリミキサーだけネット・スペースを所有していないようで、調べても何も出てこない(と思う)んですが、リミックス自体もミステリアスです。オリジナルから抜き出したコーラス部分だけを変調させて、チャイルディッシュな響きにした上で、およそ1分半、それを延々流すという。遊び心、あるいは挑戦的な姿勢が見え隠れする、オモシロリミックスです。こういうオリジナルをぶっ壊したものがもっとあると、作品全体の印象も変わったかもしれません(でもバランスが崩れてしまいますね。主役が‘Syabidap’でなくてはいけませんから)。

さて、オリジナルの‘Syabidap’は、Asphoria節がさく裂の、エモーショナルでPOPなインディー・ロック。鍵盤を生かしたドラマチックな出だしからハートをわしづかみ。切ないメロディにEmoを経由した蒼い歌唱(焦燥的で何かを願うようでロマンチックでもある)。キーボードを使ったさりげない空間作り。その中で上り詰めるギターはPost-Rock的で、リスナーの心を高みに導いていく。さわやかな風のように吹き抜けるそのサウンドイメージは、重さとは切り離されていて(ギターにも過剰なディストーションは聞き取れない)、彼らの主眼がメロディ、歌を聴かせること、そしてPOPであること―そこにあることが分かります。いいなあ。好きだなあ。好きです。と、こんな思春期みたいな言葉を書かせてしまうのが、彼らの曲の力なんでしょう。ね。

ちなみにダウンロードするとついてくるpdfファイルには、印刷用のCDスリーブ、レーベル面も含まれています。音源をCDに焼いて、印刷したレーベル面を貼り、スリーブに入れるのもオツです。プレゼントによいかもしれませんね! インディー・ポップ/ロックファンに是非。


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INFO :

“Syabidap”
Written by Asphoria
Musics by Asphoria
Recorded & Mixed by Riandi Priantoro
Mastered by Fauzan Alfansuri
Artwork by Fauzan Alfansuri
Liner Notes by Rheza Ardiansyah



Syabidap Remixed by :

Floopers Boy
Rizky Anjasmara
Serang, Indonesia
Twitter : @anjazz_asmara
soundcloud.com/floopersboy

Various Flames
Fauzan Alfansuri
Bogor, Indonesia
soundcloud.com/variousflames

Maspey
Joan Fransisco Satriano
Bogor, Indonesia
@mas_peyang
soundcloud.com/peyangfl

Ms. Luluby
Lúlía Mínervudóttir
Reykjavík, Iceland
lulu@projekt.is



(CC) by - nc - sa 4.0



Мой Сосед Лао Цзы – Light [BL_25]

 Мой Сосед Лао Цзы - Light [BL_25]

 – Tracklist –
 01. Morning To You
 02. Draw Days Of Light
 03. Founded Place
 04. Crawling (Linkin Park Cover)
 05. Fe2O3
 06. Jump Start
 07. Try To Be Someone (Spring Field Cover)
 08. Breathing ([List of TV Shows] Shot in Las Vegas Cover)
 09. It Hurts (Angels & Airwaves Cover)
 10. Space Adventures
 11. You Are My Best Friends In The World
 12. Master Chin
 13. Seaside (The Kooks Cover)
 14. Kiko Oma



 - 01. Morning To You




 - 06. Jump Start


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 Release Page :
  ≫ [ Internet Archive ] / [ ifolder ] Download Free!
    (※ifolderからのダウンロード方法については、こちらを参考にしてください)

 Release Date : 2012.11.14
 Label : BleepLove

 Keywords : Chiptune, Electronic, Emo, Melodic, Pop-Punk.


 Related Links :
  ≫ Мой Сосед Лао Цзы on Last.fm / on bandcamp / on VK (VKontakte) / on PROMODJ


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ロシアン・チップチューン・ネットレーベル、BleepLoveより。Chiptuneデュオ、Мой Сосед Лао Цзы(My Neighbor Lao Tzu)の作品がフリーでリリースされています。以前の作品を紹介した時にも書きましたが、もともとはポスト・ハードコアをやっていた二人が始めたユニットで、当初はАлексейというメンバーがいたようですが、2010年に彼は離脱、現時点のメンバーはАндрей ГондаとАндрей Порубовの二人であるようです。

彼らの場合、名前の表記のスタイルがいくつかあるので、当初はなかなか彼らの作品だと気付けなかった。まずロシア語、キリル文字表記でМой Сосед Лао Цзыが公式だと思うんですが、英語表記のMy Neighbor Lao Tzu(これだとすぐ分かるけれど)、あとはそれを省略してMNLTなんてのもある。今作の場合、レーベル側の表記がこのMNLTだったので、これがまさかMy Neighbor Lao Tzuの略だとは気付けなかった。聴いてみて、やたらとMelodicなChipstyle/Pop-Punkだったので、探ってみたら彼らに行き着いたという次第。なんだお前らだったのかよ!っていう。

というわけで、以前やっていたというポスト・ハードコアの名残だとは思うんですが、ゴリッとしたギターやドラマチックな曲展開を躊躇せずに盛り込んだ、ChipstyleのPop-Punk作品になっている。この手のサウンドってめずらしくないとは思うんです。ChipMetalなんかもそうだけれど、Chipsound/Chipstyleに豪快なギターやドラマチックな曲展開を積極的にとりいれた作風というのは、確実にひとつのジャンルとして定着していて、作り手も聴き手もすでに存在している。じゃあそういう作品を聴くときに、サウンドの新奇性以上に気になる点がどこかという話だけれど、もちろんPopか否かという点も外せないんだけど、サウンドの落としどころがどこかっていう点が、私は気になる。トータルでみた場合に、バンドサウンドに寄っているか、それともChipsoundに寄っているか。

このMy Neighbor Lao Tzuの場合は、土台がChipsoundだと思うんですよ。その中でPopなPunkやEmoに通じる音を鳴らしている。だからバンドサウンドにピコピコ音をとりいれたのとは、向きが違う。また決してPunk/Emoに染まりきっているわけではなくて、あくまでもそのエッセンスをChipsoundの中に放り込んで、気持ちのよい音を鳴らしてくれている。だから表現としては、Pop-Punkであり、Chiptuneでもあるのだ。融合。バランス感覚がすごく優れている。それを象徴しているのが、今作の‘Jump Start’だと思うんだけど、いきなりSka Punkなイントロで高揚感を出したあと、すぐにChipsoundが鳴らされていて、でもこの急激なスイッチングにも関わらず、スムースな聴き心地がある。これはすごい。

M-4, 7, 8, 9, 13はカヴァーになっている。ハードコア~オルタナ~ファストパンクをChipsoundとブレンドして見事にMy Neighbor Lao Tzu色に染めているんだけれど、このカヴァーに見てとれるように、彼らの志向のひとつとして、バンドサウンドが作り上げるケミストリーというものがある。それをChiptuneで作り上げるというのはすごくすごく難しいことだけれど、彼らはそこに向かおうとしているようにも感じる(特に上に書いた‘Jump Start’を聴くとそれを強く感じる)。‘Fe2O3’やラストの‘Kiko Oma’では、ハードな音からはやや距離を置いて、メランコリックな一面も見せてくれる。その幅広さも魅力のひとつだ。

少なくとも現時点では彼らの最高傑作ではあるまいか。Chiptuneという点から見ても、異論はあるかもしれないけど、やはりすぐれたアルバムだと思う。過去の作品も気になる方は、上記のリンク先をたどるなどして、探ってみてください。


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(CC) by – nc – nd 3.0