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タグアーカイブ: Experimental

BOOL – I eat phantom [BS080]

 BOOL - I eat phantom [BS080]

 – Tracklist –
 01. after dark
 02. cloud of heaven
 03. Ancient city emerge
 04. tacon÷tacon
 05. vivi



 - 02. cloud of heaven


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 Release Page Download Free!

 Release Date : 2013.06.18
 Label : Black Square

 Keywords : Abstract, Experimental, Poem Core, Psychedelic, Spoken Word.


 Related Links :
  ≫ 現代詩朗読ポッドキャスト BOOL
  ≫ BOOL on SoundCloud / on Twitter

  ≫ TETSUYA CHIDA WOKS


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ロシアンネットレーベル、Black Squareより。日本人アーティスト、BOOLの新しい作品がフリーでリリースされています。ビートを持ったElectronicなバックトラックに、現代詩の朗読を融合させた“Poem Core”という新たなスタイルを提唱しているBOOLですが、これまでに国内外問わず、複数のネットレーベルからリリースを行ってきています。また自身でPodcastを使った配信も行っています。

BOOLというのがひとつの舞台であるとするならば、その舞台裏には確固とした意思がある。“BOOLが目指すところは、アニメ、HIPHOP、漫画、ラジオ、お笑い、ネットカルチャーなどのサブカルチャーのコンテクストを踏まえ、ハイカルチャーの「現代詩」として制作し、それを現代美術のフィールドで発表することである”(http://boolpod.seesaa.net/archives/201009-1.html)。こういった、ある種の筋道というか文脈を示された上でBOOLの作品を聴くと、一見すんなり納得できそうだったんだけど、そうは問屋が卸さなかった!

まずサブカルを取り込んだ現代詩というやつが、強烈にカオス。シュールで不条理な文章の羅列。コンクリートに穿たれた落とし穴のような、堅さと柔らかさを同居させた言葉のチョイス、組み合わせ―‘村雨ぽにょにょん/自称16歳/正式には31歳’‘ブリーフ一枚でダークシティを歩く’‘古智教授は/リュックサックから/スコップと豚足とスペードのエースを取り出し/丁寧に畳に並べた’‘アンドロイドの片パイを凝視’‘しばらくにらみ合う飴太郎と店員/そののち二人はハイタッチをし/朝まで笑いあったと聞く’‘酸っぱいの/梅茶漬けが酸っぱいの/頭の上で老子様がぼやいてらっしゃる’‘君は誰だ/僕は全裸だ’。断章のようなシーンが紡がれていき、そこから湧き上がるイメージは、思春期の情景、ボーイ・ミーツ・ガール、セカイ系、エロ、アングラ、etc…。朗読にはいろいろな声音が使い分けられているけれど、それは笑いを誘うときもあれば、グロテスクからサイケデリアを感じさせるときもある。

思わずいろんなリリースを聴き漁ってしまったのだけれど、そして分かったことは今作は特にダークだということ。海外向けを意識的して、ギターを使ったり、日本語や英語以外のオリジナル言語を使っているということだけど、それが関係しているのか。たとえばmotoi kotaka氏がビートを、BOOLが詩を担当した“元気パンティーEP”(NoDisco Records)は陽気にさえ響くのに、今作はとにかく重い。Dark Ambient/Doomに通じる重量感。その重さが不条理な詩と結びつき、不気味さが生まれ、醸されるミステリアスな空気が、非常に私の琴線に触れる。その空気に、的外れかもしれないけれど、ゆらゆら帝国の‘3×3×3’に通じるものを感じた。また、矢継ぎ早に繰り出される言葉たちの間にある落差で笑いを呼ぶところは、強引だけど‘1ミリも受けたことのない物理の授業をアフレコしてみた’という動画を思い出した(これはホント強引です)。

私は音楽に関して詳しくないくせに、‘アブストラクト’と‘エクスペリメンタル’という言葉は、使い分けられるべきだと、漠然と思っている。混同されるべきではないと。抽象的なものが必ずしも実験的とは限らないだろうと。実験的という意味において、偶然性を重要視するのであれば、BOOLの提唱する“Poem Core”はそこから外れるかもしれない。けれど既存の枠組みから抜け出して、ひとつの明確なスタイルを作り、先駆者足らんとする姿勢には、実験的、エクスペリメンタルという言葉を、使いたくなる。新しいものの誕生はいつだって刺激的で、すなわちBOOLの作品は刺激的なのです。変な汗が出てくるぜ。いざ、カオスをたたえよ―

ちなみについ先日、ポエムコア専門ネットレーベル、POEM CORE TOKYOがオープンしている様子です。


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(CC) by - nc - nd 3.0



NUBIFEROUS – Behind The Megalithic Walls [CP03]

 NUBIFEROUS - Behind The Megalithic Walls [CP03]
 NUBIFEROUS – Behind The Megalithic Walls [CP03]


 – Tracklist –
 01. Inshore Dolmen
 02. Breast From The Ancient Water
 03. Nightwalker
 04. Towers Of The Black Sea Dragon
 05. Into The Asylum Of Basatan
 06. Speos Of Deep Ones
 07. Yaddith Gho
 08. The Opaque Vision
 09. Behind The Megalithic Walls
 10. Nitrogen Narcosis (bonus)
 11. Creatures Of THe Void (bonus)



 - 04. Towers Of The Black Sea Dragon


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 Release Date : 2010.05.10
 Label : Censored Productions

 Keywords : Ambient, Drone, Experimental, Field Recording.


 Related Links :
  ≫ Nubiferous
  ≫ NUBIFEROUS on MySpace / on Facebook / on SoundCloud


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ハンガリー共和国のレーベル、Censored Productionsより。ロシアのDark Ambientプロジェクト、NUBIFEROUSの作品がリリースされています。ソロなのか複数メンバーがいるのか分かりませんが、プロフィールを見ると、NOAH’S FLOODというメタル・バンドの解散?のあとに始まったプロジェクトのようです。

たとえば、重々しいDoom/Death Metalが空間的広がりを得ようとしてDark Ambientと結びつく(ないしは必然的にそちらに傾いていく)、という流れもあるかと思いますし、私は熱心に探索していませんが、Ambientの要素を持ち込んだへヴィー・メタルを鳴らしているバンドも少なくないと思います。そういったこともふまえて、Doom/Death Metalに関わっていた作り手が、Ambientに関心を示すことはまったく珍しくありません。世の中にはそういった音もたくさんあると思います。このNUBIFEROUSの作るサウンドもそれと近しい―Doom/Death MetalからのAmbientへの流れを感じさせるようでいながら、けれど型にはまったものとはどこか違う、個性を感じます。

およそ音楽的快楽をもたらす要素はありません。メロディと呼べそうなものもほとんどありませんし、音の響きを楽しめる要素もない。ではいったい何が私をひきつけるのかを考える。まず、ジャケット画像からイメージされるような、”水”のイメージが強い(それも深海)。水の流れるような音や、遠くで波が砕けるような音が随所で用いられている。そういった水に関連したField Recordingに加え、まるで水面に向かう気泡だったり、秒速数センチメートルといわれるネットリとした深海の流れだったりが、アブストラクトな電子音で描かれる。さらには電子的な雑音や、暗い響きを持ちながら、かすかにゆらぐ持続音、ディレイするくぐもったエフェクトたちが絡まりあった結果、リスナーは想像上の海底探査に連れ出される―闇が支配し、光の射さない深海にそそりたつ、巨大な石壁の後ろ(”Behind The Megalithic Walls”)に果たして何があるのか。とすると、ここにあるのは、私をひきつけるのは、イメージの喚起。私の視界に広がるのは、人跡未踏ゆえに神秘性を保ち続ける深海に他ならない。

深海をテーマにしている、ないしは連想させる、リスニング志向をもつ広義の電子音楽は数あると思いますが、ほぼ音楽的要素もないままに(しかも暗い)、そこから立ち上らせるイメージだけでここまでひきつけられた作品もそうそうなく、これはかなり特殊な出会いでした。多くの人にとってそういった出会いになる、とは思いませんが、興味のある人は聴いてみて損はないと思います。たまには旅に出てみるのもいいでしょう。

そして気に入った方はQulture Productionから出ている前2作品もあわせて聴いてみてください。今作よりは重々しくないですが、やはりミステリアスな、まるでどこか未開の島を探索しているようなイメージをもたらす、イマジネイティヴなAmbient作品です。


 - Related Release :
  ≫ ”Under the Veil of Beshtau” [QULT MP3 #150]
  ≫ ”Winter Solstice” [QULT MP3 #159]




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source of information is experimentorg. thanks.