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タグアーカイブ: Liquid Funk

the A.W. – micro​.​Dreams III [MNMN332]

  the A.W. - micro​.​Dreams III [MNMN332]

 – Tracklist –
 01. Ⅷ
 02. Ⅸ
 03. Ⅹ
 04. Ⅹ [piano version]
 05. Ⅹ [the A.W. remix]



 - 01. Ⅷ


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 Release Date : 2015.07.29
 Label : MNMN Records

 Keywords : Drum’n’Bass, IDM, Liquid Funk, Melodic, Trip-Hop, Vocal.


 Related Links :
  ≫ the A.W. on SoundCloud / on VK (VKontakte)


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ロシアンネットレーベル、MNMN Recordsより。モスクワのユニット、the A.W.の3作目がドロップされています。前に1作目を紹介したときにも書きましたが、メンバーはСергеяとМариныで、おそらく変化はないものと思われます。

ヴォーカルを担っている様子のМариныですが、1作目ではその声が披露されることはなく、2作目の‘Ⅶ’でようやくそのエレガントな歌声を聴くことが出来ました。つまりこれまでほとんど歌に重点が置かれることはなかったのです。Drum’n’Bassを主軸にして、AmbienceやChillなフィーリングを取り入れた、Liquid Funkと呼ぶにふさわしいサウンドが、彼らの持ち味でした。

それが今作では歌を前面に押し出して、全編がウタモノトラックになっています。もちろんいきなり音楽性が変わるということはないので、大枠でDrum’n’Bass/Liquid Funkという部分では変わりはないのですが、印象はけっこう違うんですね。確実に歌を聴かせにきているので、歌に合わせた展開になっているし、歌を活かすような作りになっています。逆にいうとバックがあまり耳に入ってこないんですよね。M-1なんかIDMやTrip-Hopの風味もあって面白いしカッコいいのでもうちょっとバックトラックに比重を置いても素敵だったかもしれません。

Мариныの歌声はソウルフルでエレガントな芯のあるものなので、楽曲に血肉を与えていると言いますか、これまでになかった人間臭さ、熱さを与えているように思います。この辺りで、これまでにあったクールな調子が軽減されてしまっているので、好き嫌いが分かれるところかもしれません。ヴォーカル抜きのトラックなどがあれば、また全体としての印象は異なるものになったのでしょうが。でも、そういう聴き方をするものでもないのかなあ・・・。というのもこれまでの作品と同様に各トラックにはローマ数字が付されていますが(というかほとんどそれのみ)、これは通し番号になっていて、1作目の1トラック目を‘Ⅰ’として、以降は‘Ⅱ’、‘Ⅲ’・・・と続きます。そして2作目の‘Ⅴ’、‘Ⅵ’、‘Ⅶ’を経て、今作の最終トラックは見ての通り‘Ⅹ’となっています。

ということは、考えようによっては、この‘Ⅰ’から始まって(現時点では)‘Ⅹ’で終わるまでが、ひとつの作品とみなすこともできるのかなあと思うわけです。タイトルも“micro​.​Dreams”というシリーズで統一されているし。そうすると、ここにきて連発されたウタモノトラックの存在も、案外バランスのよいものなのかもしれません。私はまだやってませんが、‘Ⅰ’~‘Ⅹ’まで並べて聴いてみるのも面白いかもしれませんね(でも多分近作の方がクオリティは高いと思います)。

ラストにはヴァージョン違い、リミックスが収録されていますが、ひとつはバックをすべてピアノに挿げ替えたポストクラシカル(あるいはネオクラシカル)なヴァージョンへ、もうひとつはトランシーなシンセと変調させたヴォーカルで、本編ではなかったサイバーな宇宙感を演出。前作の‘Ⅶ’や、SoundCloudの他トラック(“micro​.​Dreams”以外)を聴いても感じますが、ストレートなDrum’n’Bass/Liquid Funk以外にも引き出しを持っているようだということです。“micro​.​Dreams”がまだ続くのかどうか分かりませんが、別の引き出しもそろそろ開けてみせてほしいですね。


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(CC) by – nc – nd 3.0



Various Artists – postbloom – 001

 Various Artists - postbloom - 001

 – Tracklist –
 01. serafin – Flowering
 02. Wisp X – Hibiscus
 03. Thomas Hood – Water Lily
 04. serafin – Tulips
 05. demiror – Poppy
 06. Wisp X & serafin – Violet
 07. Vector Moon – Ruta
 08. Lycii & Joe Lyons – Camellia
 09. Ascend – Chocolate Cosmos



 - 02. Wisp X – Hibiscus


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 Release Date : 2015.05.15
 Label : postbloom

 Keywords : ChillWave, Electronic, House, Liquid funk, Melodic, Uplifting.


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アメリカはニューヨークのミュージック・コレクティヴ、postbloomより。初リリースとなるコンピレーション、その名も“postbloom – 001”です。“bloom” = “咲く”というワードから、“花”が連想されますが、収録トラックのすべてが、花名もしくは花に関連したものになっており、細かい演出が効いています。

申し訳ないことに、参加しているトラックメイカーを一人として存じ上げなかったのですが、このご時世そんなことは耳を傾けない理由はなりません。聴いてみると、実にさわやかで、風通しのよい作品でした。Hip-HopやHouse、ChillWaveやDrum’n’Bass/Liquid Funkなどの、リズムを活かしたElectronicなサウンドになっていますが、全編Melodicでとても聴きやすいです。初めはちょっとパンチに欠けるかな、なんて感想も持ったんですが、聴くごとに、そのサウンドの中から立ち現れる心地よい風景に、惹きつけられていきました(このロウ・ポリゴンな自然風景は、実に今作の特徴を捉えていると思います。グッド)。

センチメンタルなピアノトラック‘Flowering’からはじまり、その流れを引きついだMelodicでバウンシーなHouse‘Hibiscus’、力強くも流麗なLiquid Funk‘Water Lily’と続いて、Hip-HopなんだけどFuture BassやKawaiiにもアクセスした‘Tulips’(確かにイメージはチューリップだわ)、ここまでが前半。

ここで気分をちょっと切り替えて、トランシ―でアップリフティングな‘Poppy’から後半戦。シャイニーで、高みを目指してのぼっていくようなChillWaveサウンドは、まさに陽の光か(それは花の開花になくてはならぬ要素)。Wisp X & serafinの‘Violet’は作中でも異彩を放っているように思います。Chipsoundのメロディで軽快に聴かせると思いきや、途中からブリブリのエレクトロなサウンドも突っ込んできて、二転三転と表情を変える様で、リスナーを楽しませてくれます。

巧みなブレイクと4つ打ちHouseの混合が気持ち良い‘Ruta’から終盤へ。作中ではもっとも長尺なトラック‘Camellia’は、ミニマルな流れの中にアコースティックなギターや柔らかい電子音などを織り込んで、やはり高揚感を持たせながらも透明な景色の中へリスナーを導きます。ここを実質的なクライマックスとしてラストはクロージングにふさわしい、しとやかな‘Chocolate Cosmos’で締め。ピアノやアコギ、ささやかなAmbienceでリズムを入れぬまま、どこか悲しげに、閉じていきます。風に揺れる花のような。

高揚感とセンチメンタルというここにある二つの大きな要素は、確かに“開花”に結び付けられます。それはとても気分が高揚する光景であると同時に、やがて訪れる終わり(枯れ)を意識させもするのです。と、そこまで考えるのは穿ちすぎかもしれませんが、ここにある景色が心地よいのは確か。ぜひ耳を傾けてみてください。気になるトラックメイカーを掘り下げてみるのもよいと思います(まとまったリリースをしている方はあまりいませんが)。



Multi – We Are

 Multi - We Are

 – Tracklist –
 01. Alive!
 02. Soulless
 03. Effervescence
 04. Soulless (Random Intelligence Remix)
 05. Paradisia



 - 01. Alive!


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 Release Date : 2015.05.19
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Drum’n’Bass, Liquid Funk, Melodic, Space.


 Related Links :
  ≫ Multi on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on YouTube


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アメリカはアリゾナ州フェニックスから現れたトラックメイカー、Multi。彼の新しい作品がbandcampで公開されています。

Drum’n’Bassを主軸にしつつ、しかしゴリゴリのクールでニヒルなDrum’n’Bassとは異なり、メロディにあふれた、まあLuquid Funkといってよいんでしょうか、非常に聴きやすいサウンドを展開しています。

スペーシーでAmbientなシンセと硬質なリズム、浮遊感・電子感のあるメロディが組み合わさって、コズミックな風景を広げるM-1‘Alive!’。さりげなく流れるストリングスの音色が抒情的。M-2‘Soulless’は包容力ありつつもクールな出だしで、全体的に抑えた筆致。細かいGlitchやブレイクなどの演出(スパイス)を効かせた展開で、M-1のある種塩分効いた料理の後に、ちょっとうす味出してきた、みたいな、心地よい按配。そのM-2の終わりからM-3の開始には、何の違和感もなくつながれていて、DJ的センスが発揮されているように感じます。

M-3‘Effervescence’は門外漢の私からするとちょっと様式美に感じるところもなくはないのだけれど、ラッシュ感のあるシンセと高速リズム、ブンブンしたベースが生み出す疾走感はやはり心地よく。その中でときおり聴こえるピアノの音色が、美しい波紋を広げていく。M-4はタイトルで分かるようにM-2のRemix。作中でもっとも電子感の強いトラックになっています。リズムのスタイルはDrum’n’Bassから外れていて、エレクトロでBleepyなタッチはBass musicやEDMに近いと思うんですが、弾んだ調子とさりげない電子のメロディが、トラックを重さとは切り離しています。作品全体の印象を損なわない、ナイスなサジ加減。

ラストはリズムがいっさい入らないピアノトラック。薄いシンセ音は聴こえますが、ほぼピアノの音だけで作られています。それまでのElectronicなトラックとは趣が変わり、しかしMelodicな部分は引き継がれていて、不思議と違和感はなく、楽しい夢から覚めた後にある哀愁のような、悲しげなフィーリングが漂っています。SoundCloudのプロフィール画像やYouTubeを眺めてみると、日本のアニメやマンガへの傾倒も感じ取れます。そう考えるとこのラストトラックにある親近感のある哀愁も、その辺りに通じるのかもしれませんね。

SoundCloudで他のトラックを聴いていると、Drum’n’Bassのスタイルにこだわっている節もないので、これからもスタイルを限定せず、ElectronicでMelodicなサウンドをバンバン聴かせてほしいです。楽しみにしてます。





 - Enigmatica



 - Kawaii Island



 - Andromeda