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タグアーカイブ: Love

PLAYLIST : 2017.04






 To love is to suffer.





開花 tree – Fiori di l’amuri [AM014]

 開花 tree - Fiori di l'amuri [AM014] Cover

 – Tracklist –
 01. رؤى حديقة
 02. 完璧な晴天
 03. 今まで私があれば
 04. 森の秘密
 05. 月明かりに照らされた湖
 06. Cunchiusioni



 - 02. 完璧な晴天


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 Release Date : 2016.09.05
 Label : Adv. Materials

 Keywords : Ambient, Drone, Flower, Love, Melodic, Mystic, Nature, World.


 Related Links :
  ≫ TDS on bandcamp


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2015年設立のAdv. Materialsより。開花 treeの作品です。といっておきながら、“by TDS”というクレジットがありますね。Vaporholicな方ならいざしらず、私のようにTDS=The Downward Spiral?なんて思う人はいないかもしれませんが、まあとにかく誰ですか?ということで、いつの間にかめっきりこの界隈(だけじゃないかもしれない)の作家を網羅し始めているDiscogsを頼ってみましょう。するとTDSはTelepathic Data Storage、あるいはDefunctの名義を持っていて、さらにはsaki 夢も参加する“Aquatic Airlines 魚の平面”のメンバーでもあることが分かります。またDiscogsでも関連性は示されていませんが、TDSはDOAT―Death Of A Telepathでもあり、Pure Lightでもあるようです。複雑ですね。

しかし今TDSのものと思しきbandcampを訪れても上記の名義による作品は一つとしてなく、Soceco(社会経済学:Hantasi & Seoul?)へのリンクがあったりして、頭を整理するはずが逆に混乱をしてしまいました。どこかにミッシングリンクがあるのかもしれませんが(偏執的にディグれば関連がありそうな他の名義も出てくる)、それを探すことがこの投稿の本願ではないので、追及はここまで(しかしVaporな音楽のこういったディグり甲斐―サンプルの元ネタも含め―というやつも、その魅力の一つではありましょう)。

DOATの“Wolrd 1”ではストレートなChip music、“Deep Into The Rave”ではRaveでありつつもストレンジなElectronic musicを、pure lightの“ߣ≠©«¡ø≈¥αåø”ではささくれ立ったHardvapour、defunctの“aquatic sketchbook”では、ミニマルでfish dreamなAmbient musicと、名義、作品ごとにスタイルを変え、その芯を見せることをしない不思議な作家さんです。本当に一人なのか、複数人ではないのかと疑問も浮かびますが、“aquatic sketchbook”について“defunct (known for her work as DOAT) ~”という記述があるところを見るに、どうやらソロのよう。何にせよ、気になる方は深く掘ってみてください。

肝心の本作はといえば、Ambient/Droneサウンド。無味無臭、ピュアなトーンのそれとはまた違っていて、ゆるやかでミニマルなフレーズがリフレインすることで、淡いメロディが形作られている。虫の声や風の音にも聴こえる効果音や、ウィスパーヴォイス、エスニックな音色も散りばめられていて、知らず、私の脳裏には、霧に包まれた山々とでもいったような、神秘的で幽玄な景色が浮かんでくる。

他の作品についても決してVaporWaveに正面からアプローチしたサウンドではないけれど、それは今作も例外ではなく。Adv. Materialsのカタログには排水溝ヴォイスを活かしたVaporWaveサウンドが多いけれど、そのような背景、文脈を無視すれば、およそ今作はVaporWaveとは関連性を見いだせない。ラストのトラック‘cunchiusioni’に至っては、Piano、ストリングスの感傷的なメロディにDowntempoなリズムを持ち込んだ、ちょっと涙腺が緩むくらいの抒情的なものになっていて、それはこれまでのTDSに絡む作品とも違うし、開花 tree名義の前作“ドリーミング桜”とも違うし、また今作収録のほかトラックとも違うし、これには素直に驚かされた。

タイトルの“Fiori di l’amuri”は直訳すれば“花の愛”という意味になるようです。使用されているイメージやトラックタイトルもロマンチックなものになっていますが、作中の視点は自然の神秘性から始まり、それは徐々にミクロに向かい、花の持つ美しさとそれゆえの儚さに収斂し、そして幕を閉じるような。

トラックによってはTranceやShoegazeのエッセンスも感じられるし、開花 treeが真に上に示したような複数名義を持つならば、まったくもってその音楽的な引き出しの数と、そこにある深さは杳として知れない。


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by TDS

(CC) by – nc 3.0



lulu + Mikeneko Homeless – This Christmas Lovely Day [MARU-148]

 lulu + Mikeneko Homeless - This Christmas Lovely Day [MARU-148]

 – Tracklist –
 01. This Christmas Lovely Day
 02. Kisses
 03. Watermelon
 04. ここ Koko
 05. This Christmas Lovely Day (Hercelot remix)
 06. This Christmas Lovely Day (Yunomi remix)
 07. Kisses (DZZ remix)
 08. Watermelon(MAVIS BACON remix)



 - 03. Watermelon


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 Release Date : 2015.11.26
 Label : Maltine Records

 Keywords : Hip-Hop, Love, Pop, Remix, Vocal.


 Related Links :
  ≫ (lu_ul)
  ≫ lulu on SoundCloud / on Tumblr / on Twitter

  ≫ 三毛猫ホームレス on SoundCloud /


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やっぱりMaltine Recordsは本当にすごいなあと思います。スイマセンMaltine Bookは入手して安心したのかまだ読んでないんですが、そこんとこを見ても私がMaltine Recordsというレーベルにガンガン関心(と書くとガンガンガン速っぽい)を持っているわけではないことは窺い知れるわけですが、でもやっぱりリリースを聴くだにつけ、すごいなあと思うのは、持ってくるものに常にPopが付きまとっているということです。足元にはクラブミュージックがあるんでしょうが(だから私が絶対的にハマることがないのだと思います)、その根っこから生まれ伸びた枝葉―リリースたち―は全方位拡散型といってもよいくらいのポップネスを持っていて、つまり私のようにクラブミュージックに関心のない人間のアンテナをも反応させるだけの圧倒的な力強さをもっていて、だからこそMaltine Recordsはここまで巨大な存在になったのでしょう。そう思います。

そう、lulu(敬称略)についても知ったのはMaltine Records側からではなかった気がするのですが、どうだったでしょう、SoundCloudで誰かがリポストしたトラックで知ったような記憶。andymoriやフジファブリックのカヴァーも披露していたりして、そこには初期衝動や抒情性があって、そして何より歌―声の力といってもいい―があったのです。

私は音楽における歌声っていうのはどうしようもない部分があると思っていて、多少は作ることはできるのかもしれませんが、根本的にはその人の歌声って変えられないものだと思っていて、嫌な言い方ですが好かれる声とそうでない声があるだろうし、それは経済に結びつければ、売れる声と売れない声という言い方もできるでしょう。たとえばスピッツのヴォーカルがマサムネさんじゃなかったり、ミスチルのヴォーカルが桜井さんじゃなかったりしたら、何かが違っていたと思います。何が言いたいかっていうと、このluluのヴォーカルがとにかくよいということです。なんといえば的確なのでしょう。M-1‘This Christmas Lovely Day’なんて決して憂鬱な内容ではないのですが、悲しみ、切実さ、願いがにじみ出ているのです。どなたかが宇多田ヒカルの歌声に“愁い”(“憂い”かもしれない)という言葉を使っていたような気がしますが、それをこのluluの歌声にも当てはめたい。Popなメロディラインや歌唱力もモチロン重要な要素ですが、私はこの声、歌声が何より、luluのトラックの最大の魅力。正直メジャー級だと思いますし、もっと広いフィールドでも活躍できると思います。

しかも歌声やメロディだけでなく、歌詞がまた、ヤバい。人間関係、主に恋愛における心の機微を、情景描写も交え、平易な言葉で、クリアに描いてみせる。ストレートにイメージを喚起する飾らない言葉たちは、多くの人の心に染み入るでしょう。この普遍性たるや。ヴォーカルを中心に据えた音作りもすごく合ってる(それをいったらこのPopへの接近を加速させるサウンドコーティングはやはり三毛猫ホームレスの手腕なのでしょうか)。一番好きなのは意外かもしれませんが‘Watermelon’です。伸びやかなヴォーカル、低空飛行からサビへの飛翔がすごく耳に心地よい。その裏で歌詞は切ないっていう。夏の終わりと恋の行方、そしてスイカ。Popだ!

後半4曲はRemixですが、これがまたPopで、ホントいっさいハズさない(歌をほとんど壊していないのは流石。抒情性も含めたオリジナルの強さが生かされています)。傑作という言葉を贈りたいデス。すばらしい。クラブミュージックにもアクセスしつつの女性ヴォーカルなポップスという点では、泉まくらDAOKOなどと共振する部分があると思いますし、そのお二方のファンという人は今作もマストだと思います。間違いない。あ、あとnetaudioの界隈でいうとlove.waveも近しいところにいると思います(私は言葉わかりませんけど)。


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Note :

Artist :
lulu
三毛猫ホームレス
Remix :
Track5 : Hercelot
Track6 : Yunomi
Track7 : DZZ
Track8 : MAVIS BACON
Photo:
Shintaro Yamanaka
Model:
Yuna / Hercelot
Style : POPS
Cat# : MARU-148
Released:2015/11/26
Format : MP3 320kbps




Hunter – Love Talkin’ [108]

 Hunter - Love Talkin' [108]

 – Tracklist –
 01. All Night Long
 02. Love Talkin’
 03. Never Head
 04. Pacific



 - 03. Never Head


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 Release Date : 2013.07.03
 Label : MIDNIGHT SIDE

 Keywords : ChillWave, Disco, Funk, Electronic, House, Love, Melodic, Summer.


 Related Links :
  ≫ Hunter on Facebook / on SoundCloud


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イタリアのネットレーベル/ミュージック・コレクティヴ、MIDNIGHT SIDEより。DJ/プロデューサとして活動するHunterの作品がフリーでリリースされています。これまでにもDisco Motion Recordsから、Silverellaとのスプリット作である“Mirage EP”をリリースしています(こちらもフリーなので、興味のある方はどうぞ)。

バウンシーなリズムが特徴的で、Nu-DiscoやFrench Houseが軸になっているように思います。M-1~3では、おそらくはサンプルベースと思われる、カットアップされたソウルあるボーカルが、レトロフレイバーのサウンドの中で、モダンなスパイスを利かせている。また随所で聴こえるファンキーなギター、ベースとキーボードサウンドの絡みも、デジタルな基盤の上で、肉体的高揚感を生み出していて、聴いていてとても気持ちが良い。このあたりの、Funkを前面に出しつつのDisco/Houseにまたがったサウンド、そしてヴォーカルというスタイルは、Daft Punkを彷彿させる(特に‘Get Lucky’辺りか)。そう考えると、どこかイタロ・ディスコともつながるような気もする。

Funk調のサウンドも関係あるのか、全編にサマーのイメージが漂っている。そのビーチ感はChillWaveともリンクするんだけれど、電子感の強いシンセサイザーや、Bleepyな電子音は出てこないので、その点やはり今様のサウンドとは異なるように感じます。特にM-4は作中通しても突き抜けたサマー/ビーチ感があり(タイトルも‘Pacific’だし)、個人的ハイライト。夏の開放感がさく裂していて、よい意味で頭カラッポになれる(もちろん音楽は本質的にそういうモンだろうとは思うけど)。このトラックにはオフィシャル・ビデオが用意されているんだけど(下記参照)、スムースなサウンドと裏腹にというべきか、いや開放しすぎてちょっぴりおバカに傾いた感覚を見事に映像化しているというか、深夜のナチュラル・ハイな心持で拝見したら、声を上げて笑いそうになってしまった(ラストはきっちりオトしてくれる)。ちなみに使われている映像は“HARDBODIES”という1984年のアメリカ映画で、エロティック・コメディらしい(しかしたまりませんな、このあふれでる80sなB級フレイバー)。あの頭にバンダナまいたNINJAみたいな人はどういった役回りなんだろうかとか、すごく気になってしまった。

個人的に今年の夏は何かスッキリしない感があるんですが(いやまだこれからだけど)、コレを聴いて脳内でだけでもハッピーな夏を満喫しようと思います。もともと私は夏が好きじゃないという点は、とりあえず置いておいて―

Hunter – Pacific (official video)