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タグアーカイブ: Nostalgia

VIRTUAL PVNDA – Tokyo Love Story

 VIRTUAL PVNDA - Tokyo  Love  Story

 – Tracklist –
 01. Perfect In Paradise
 02. Morning Glow
 03. Wake Up With You



 - 02. Morning Glow


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 Release Date : 2017.09.29
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Electronica, IDM, Nostalgia, VaporWave.


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VIRTUAL PVNDAの作品は、いつも不思議なChill感を与えてくれる。懐かしさの中にある爽やかさとでもいうか。

予定のない休み、その前日は夜更かしをしがちだ。私の場合。PCを漫然といじりながら(なにもインターネットとは限らない)、そのまま、眠りに落ちていくことも珍しくない。布団には入る、ようにしている。寒くなってくると、風邪をひいたりしたら、あとあと、差し支えるだろうから。そうすると、たいていは昼ごろに目が覚める。別に勿体ないとは思わない。なぜって前日に夜更かしをしているからだ。そこで時間を手に入れたのだから、勿体ないなどという言葉が出てくるはずがない。しかしそういう話になると、休日の過ごし方に口を出してくる者がいたりするが、それはしゃらくさいというものだ。休日なのだから自由に過ごして何が悪いのだろう。

昼に起きた私は食事をとり、バスタブに湯を張る。そして浸かる。正午はとっくに過ぎている。別に人がいつ風呂に入ろうが自由だが、私の場合ふだんは夜に入るので、これはちょっと特別だ。スペシャルな時間だ。予定もないしタスクもない状態というのが私は大好きで、それだけでウキウキしてくる。そんなウキウキでのんびり風呂に入る。上がり心地は爽やかだ。心地よさだけが体を支配している。

思い返せば、学生時代は、夜と朝に入浴していることもしばしばだった。今思えばその行為は、特別な爽やかさを求めると同時に、現実逃避的な側面もあったのかもしれない。朝、湯に浸かりながら、ツルンとしたバスタブで背中を滑らせるようにして、頭を沈め、くぐもった音の中で目を開き、ぼやけた世界を視界に収める(別に“パーフェクトブルー”に感化されていたわけではない。そのころはまだ視ていない)。そこで一瞬、世界と自分とのつながり具合が正常ではなくなったように、ねじれたように感じられて、日常がシャットアウトされ、自分の感覚が別世界にコネクトされるような気がして、その瞬間が好きだった。俗っぽく言えば学生時代が暗黒時代だった私は(もちろんそれは自分のせいなのだけれど)、別に人生やり直したいなどとは微塵も思っていないが、もしやり直すことを強制されたら、きっとそこ―学生時代を選ぶだろう。そこが今につながっていると思っているからだし、すなわち今に納得していないからだろう。妄想。

そんなノスタルジックな仄暗い思い出と、そこから派生する心地よさというヤツが、VIRTUAL PVNDAのサウンドにはある。相変わらずどのあたりがVaporWaveなのかよく分からないけれど、その懐かしく、心地よく、ちょっと暗い、というヤツが、VaporWaveの何たるかと共振しているような、気はする。

それにしても“Tokyo Love Story”ってワードの強さ、すごいな。時代を超えてる。読んだ時のリズムも良いし、そこに内包されるイメージの多様さよ。もちろんオリジナルの“東京ラブストーリー”あってのことだとは思うけれど、ロマンチックで、何ならサイバーパンクの香りさえしそうなくらい。そして見事にVaporWave的でもある。


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Volca FM + Novation Circuit + PO-12 + PO-20 + PO-14



PLAYLIST : 2017.05

PLAYLIST : 2017.01

tatsumi – conceptuals | spring

 tatsumi - conceptuals | spring Cover

 – Tracklist –
 01. around this time next year, you’ll be smiling again
 02. things could be different (w/ nochs)
 03. hyperjuice | city lights ft. evo+ (tatsumi remix)
 04. this sad song plays in my head when i lose in smash bros
 05. the forecast says rain until i see you again



 - 02. things could be different (w/ nochs)


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 Release Date : 2016.07.02
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Cloud Rap, Electronic, Melodic, Nostalgia, Sad.


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アメリカから現れたと思しき新星、tatsumi。そのまま読むとタツミと読めますが、どのように発音するのがよいのでしょう。現状、この名前がどこに由来しているのかは定かではありませんが、日本人にはどこかしら親しみが持てるのではないでしょうか。ジャケットに使われているラフスケッチのような淡い人物画もよいですね。やさしく、温かみのあるタッチは、そのまま今作に収められている音楽にも通じます。SoundCloudで公開中のトラックにもすべて同じタッチのイラストが付されていますが、これについては何も言及されていない、気がしますが、誰が描いたものなのでしょうか。とても好きです。

サウンドは、これは、何か一言でいいあらわす言葉があるんでしょうか。私の言葉でいうならば、Cloud Rap寄りのSad musicという、よく分からない一言になってしまいます。おそらくサンプルを使用しているであろうトラックもありますし―トラックごとの説明を読むと、そのことに触れられている個所もある。M-1におけるChester Tanなど―、リズムは必ずしもHip-Hopではないけれど、随所で用いられている。中で流れるメロディは非常に抒情的で、私には特に悲しみの感情を持っているように、表しているように感じられるのです。今直面している悲しみに対して思い悩むというよりも、懐古的な悲しみ。現在といくぶん距離のあるその悲しみは当然ノスタルジックで、また距離があるからこそ、そこには余裕というか安心感もあって、そのバランス感覚が私には非常に好ましい。memory cardsを彷彿させる瞬間もあって、そのこともtatsumiに対する関心を高めているのは間違いない(影響は受けているのだろうか?)。Ambientな包容力ある空間、音作りがまた、リスナーを外界から隔離し、物思いに耽らせる。

年齢を重ねると、明らかに感性が衰えてきていると感じる瞬間があるのですが、みなさんはいかがでしょうか。感動しないというか、何に対しても感じ方が昔と違うというか。違うというと語弊がありまして、感じ方が弱くなったというのが私の場合、よりふさわしい気がします。まあ他に気を取られていることが増えてきたということなのかも、しれませんが。以前何に対しての投稿か忘れましたが、“原風景に出会うために音楽を聴いている節がある”という趣旨のことを書いた気がします。でも、最近はそれをあまり意識しなくなっていたんです。出会えなくなっていた。原風景に。それがどうでしょう、このtatsumiの‘and we would roam around clock town’をSoundCloudで聴いて、久しぶりに、自分の中にまだそれが感じられることに気付いたのです。素敵なことです(って自分でいうのも何だかな、ですが)。

暖かい春の日。草木が揺れる緑の丘。追いかけてくる過去も、憂うべき未来もない。ただ、懐かしい風が吹く瞬間が、永遠に続くような―



 - and we would roam around clock town


ちなみにM-3は日本のHyperJuicefazerock & hara)の‘City Lights feat. EVO+, Jinmenusagi’のRemix。憂いのあるメロディ部分を抽出して、オリジナルの持つSadな部分を上手いこと強調しているように思います。夜感がすごい。オリジナルはこちら―



 - HyperJuice – City Lights feat. EVO+, Jinmenusagi




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(CC) by – nc – nd 3.0



MIXTAPE : OCEAN WAVES




– Tracklist –

 [00:00] 01. b o d y l i n e – Castles in the Air
 from “PHOTOGENICA” (2016)

 [3:00] 02. Aokigahara Online – Kumo
 from “Kumo” (2016)

 [8:51] 03. Aario Drgento – 雨
 from “彼岸” (2014)

 [12:19] 04. 幽霊, TOGETHER! – M i A m I L i G h T s
 from “M i A m I L i G h T s” (2015)
 :: 元ネタはDan Siegelの‘Where Are You Now’のようです。::

 [16:55] 05. 豊平区民TOYOHIRAKUMIN – メモリーレーン
 from “メモリーレーン” [nmpDATA030] (2016)

 [20:47] 06. Final Heal – A Faerie Song
 from “A Faerie Song” (2016)



memory cards – Everglades

 memory cards - Everglades

 – Tracklist –
 01. canal st.
 02. postcards
 03. iridescent
 04. crevices



 - 03. iridescent


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 Release Date : 2015.08.22
 Label : Not On Label

 Keywords : ChillWave, Cloud Rap, Electronic, Melodic, Nostalgia, Trap.


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私の中ではCloud Rapの御大として光り輝く、アメリカのプロデューサmemory cards。2015年春にはダブルアルバム“save points”をドロップして喜ばせてくれましたが、その数か月後の夏にも今作を出してたんですねえ。気づいていなかった自分が恥ずかしい。

内容はSoundCloudで公開していたトラックが中心です(以前のSlotシリーズみたいなニュアンスですね)。しかしM1~3までは確かに私のHDにも保存されているのが確認できるのですが、M-4だけは記憶にないです。気づかない内にSoundCloudから消えてしまったのか、それともここが初出なのか。いずれにせよ、4トラック収録の小作品。

もはや本人自体も“Cloud Rap”とか“TrillWave”とか、狭義のタグは用いていません。そこにとらわれたくないという意思の表れかもしれませんし、リスナーをタグで導くことを必要としなくなった―つまり彼がリリースすれば自然に注目があつまるような、幸福な環境にある、ということかもしれません。実際SoundCloudの再生回数は少ないトラックでも1万は超えているので、十分な人気を獲得しているといっても、よいでしょう。

全編で10分にも満たない今作ですが、安定のmemory cards節。Hip-Hop/Downtempoのリズムに、キラキラ、コロコロした電子音やアコースティックな楽器音(ピアノやギター)、サンプルベースと思われるコーラスなどを巧みに織り交ぜ、思い出の場所で吹く懐かしい風のようなノスタルジアを感じさせてくれるのです。前作あたりからどんどん音作りがやさしくなってきている印象がありますが、今作も例外ではなく、音の圧力は強くありません。それと相まってなのか、決してメロディが依然とくらべて弱いとかいうこともないんですが、なんとなくSadなイメージが薄れてきている印象もあります。Blissといってしまうと言い過ぎなんですが、どことなく温かいものを感じるのですね。だから、悲しみよりも、ノスタルジア―過ぎ去った時を悲しむというよりは、薄く笑みを浮かべて懐かしんでいるような、そんなイメージが浮かぶ聴き心地なのです。

SoundCloudを訪れるとわかりますが、今作収録のトラックには、それぞれジブリ映画のイメージが付されています(まあこれはmemory cardsに限ったことではないけれど)。今作のジャケットイメージもそうです。これが実にハマっている。懐かしい何か。悲しみではなくて。かつてあった何かを懐かしむような。けれどそこには後ろ向きな気持ちはなくて、むしろ清々しさ、爽やかさの類があって。私の頭に浮かぶのは、卒業後に数年経ってから久しぶりに訪れた母校(小学校でも中学校でも高校でも大学でも何でもいい)を、グラウンドを取り囲む金網の外から眺めているような、そんなイメージなのです。昼間。誰もいないグラウンド。もう自分はそこにはいないし、手が届くこともないけれど、かつてあった何かがそこにはあるような。それは思い出と呼ぶべきものなのかも、しれません。そんな音楽を鳴らすのがmemory cardsだなんて、ちょっと出来過ぎじゃあないですか。やっぱり好きだなあと、改めて実感。

Facebookでは新作を匂わすような投稿をしている彼、期待して待ってます。せっかくなので、過去の作品からもいくつか―



 - Fragile (from “Slot 5”)



 - Fantasia Arc (from “Slot 3”)



 - Travel [memory cards + bansheebeat] / [ mediafire


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memory cards – All the Things You Saw in Me
(from “Dreamcast Aways Collection”) / [Video by AcidKarma




new utopia – megalopolis

 new utopia - megalopolis

 – Tracklist –
 01. limousine
 02. escape
 03. codeine
 04. in the city
 05. virtual image
 06. motorway
 07. lost
 08. david duchovny
 09. goodbye blues



 - 05. virtual image


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 Release Page

 Release Date : 2016.01.04
 Label : Not On Label
 :: 現在はトラック10‘alone’を加えたうえでジャケットも新調して、Karate King Recordsからリリースされています。::

 Keywords : Ambient, Drone, NewAge, Nostalgia, Utopia, VaporWave.


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旧年から新年へ。そこではやはり気持ちの切り替えが行われる、ような気がする。不謹慎な話だけれど、年末にはお坊さんは忙しくなるそうだ。ただ日にちが変わるだけなのに、人の気持ちはそれによって大きく動かされるよう。やはりどこかで節目とでもいうものが、確かに感じられているのでしょう。

何でこんなこと書くのかっていうと、VaporWaveもだいぶ落ち着いたな、って感じられたからです、私の中で。いやトレンドとしてのVaporWaveはとっくに過ぎ去っていたのだろうけれど、上のように、新年を迎えた私の中で、何となく、“VaporWave”というものが消化されつつあるような気がしたのです。特別ではなくなったと言いますか(死んだというニュアンスではありませんよ)。

でも思えばインターネットって果てしない広さがあって、そこには地球や自然というものに対するのと同じくらいのロマンがあって、それは非常に魅力的なんだけど、でも広大な中でも自分が興味あるところにしか行かないから、広大なようでも実際見てるところは少ないし同じところばかりだし、だからネットにおける興味関心の掘り下げ方はエクストリームになりがちだし、もちろんそれ(エクストリームなディグ行為で培われた感性)によって生まれてきた芸術というものは音楽に限らずあるのだろうと思います。ええと何が言いたいかっていうと、何となく自分にとってVaporWaveが客観視されるようになったということで、そうすると急に今まで見てた視点と違う視点が気になり出してですね、いわゆるVaporWaveへの興味を持ってること自体がダサいとか、そういう考え方も“ああそうかもなあ”と受容できるようになったということです。

重松清さんの“日曜日の夕刊”という著書の中に、“卒業ホームラン”という1篇があって、その中では主人公は少年野球チームの監督をしていて、自分の息子もチームに所属しているんだけど、いかんせん実力がなくて、試合に出してれやれないんですね。活躍してる同級生もいる。自分は万年補欠。でも頑張ってる。で、その監督には受験生の娘もいて、彼女は彼女で、達観したように、言うんですよ、“がんばったら、何かいいことあるわけ?”って。“何の保証があるの?”って。努力は必ず報われるのか? 勉強したら必ず受かるのか? そんな保証はどこにもない。ならば努力自体、無意味ではないのか。実際そう、弟はいくら練習しても試合に出れてないわけで。監督であるお父さんもきちんと言い返せない。当然、娘の疑問は弟にも向けられる。“どんなにまじめに練習しても、へたな子は試合に出してもらえないんだあ”って父親に言う、それが世の中の仕組みとでも言わんばかりに、どこか勝ったように。結局息子は小学校最後の試合に出場できず、チームも負けてしまう。残念なムードの中、“中学に入ったら、部活はどうするんだ”と問う父親。息子は“野球部”と即答する。

遠まわしに“別のスポーツもあるじゃない”という母親にも、“野球部”と答える息子。“レギュラーは無理だと思うぞ”とハッキリ伝える父親に、息子が最後に言うんですよ、“いいよ、だって、ぼく、野球好きだもん”って。前ふりが長くなりましたが、それを真似て、私も言いましょう、“(ダサくたって)いいよ、だってVaporWave好きだもん”って。こういうとそもそもVaporWaveって何だよって話になりかねませんが、それを言ったらRockとPopの区切りだって分からないし、文学とエンターテイメントの境も分からないし、子供と大人の違いだってよく分からない(我々が思い描く“大人”という存在は観測されたことのない都市伝説であるという意見は面白いと思います)。VaporWaveも他の多くの音楽性と同じように、エッセンスとして他のものとブレンドされてきているし、これからもされていくのでしょう、そう思います(Skylar Spenceの‘Affairs’とか見事だと思う)。

といっておいて、今作はわりとピュアなトーンのVaporWaveかと思います。まだ冒されていないVaporWaveっていうか。そういう意味でもユートピアかもしれません。エコーイックでAmbientな空間に、スロウでゆるやかなレイヤーがメロディを成し。VaporWaveにはどこか別れや喪失のイメージがあって、それは過去をリバイブさせているからかもしれませんし、原因は定かではありませんが、この作品にもそれは色濃くあります。失われたメガロポリスの幻影。ユートピアでありつつ廃墟っていう皮肉、そしてロマン。



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