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タグアーカイブ: Punk

Strawberry Hospital – Grave Chimera

 Strawberry Hospital - Grave Chimera Cover

 – Tracklist –
 01. Memento
 02. Canary Mane
 03. Chimera
 04. Holoparasite
 05. Cherish
 06. Arowana’s Scarlet



 - 01. Memento


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 Release Page Download Free! / pay what you wish.

 Release Date : 2018.08.06
 Label : Not On Label

 Keywords : Alternative, Ambient, Emo, Noise, Screamo, Shoegaze, Pop, Punk, Vocaloid.


 Related Links :
  ≫ Strawberry Hospital on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp


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PURE AESTHETEにも所属していたトラックメイカーStrawberry Hospital。新しい作品が2018年に出ていました(そしてこれ以外の作品は消してしまった…のか?)。

紹介文には―

Grave Chimera is a 6 track autobiographical album that emulates the complex feelings that come with issues like childhood trauma, sexual dysfunction, suicide, escapism, and gender dysphoria.

―とありますが、そこからうかがい知れるように、以前よりも内面的、内省的なアルバムになっている印象です。以前のサウンドといえば、Vocaloidが歌うPopなメロディにElectronicなバックトラック、ドリーミィな空間づくりが特徴で、それは日本人のリスナーにもアピールする心地よいものでした。対して今作はというと、少なくとも表面的にはハードでアグレッシヴな部分が目立っています。Noiseという部分でいえば、以前の作品にもShoegazeな要素はありましたが、ここではもっとハードコアな方向に振っています(何ならジャケットイメージにあるタイトルロゴもハードコア系のそれ)。

ディストーショナルなギターサウンドに加え、メロディックなパートを歌い叫ぶ(ここがVocaloidなのかは不詳)という、いわゆるEmo~Screamoに近いサウンドを鳴らしているのが今作の最大の特徴でしょう。といってもバンドサウンドではないので、リズム面でマシーナリーなエディットもあるし、フワフワしたシンセサウンドも使われている。でもこういった電子的なハードコアサウンドと親和性の高いBreakcoreな方向にはいっていないのが、ユニークに感じます(一時期のMeishi Smileなんかを彷彿とさせますね)。

精神的な鬱屈とした部分をモチーフにしているのであればもっと黄昏たサウンドになってもおかしくないと思いますが、苦しいときに強い気持ちで何かを願うような、そんな思いの強さがこのサウンドを生み出しているのでしょう。否定したい自分や、打ち消したい過去といった、誰しもが心の中に持っている影の部分に思い切って立ち向かっているが故の、焦燥感、暴力性。しかし冷静さを失わずに過去を懐かしむような目線もあり、Ambientなワンミニット・トラック‘Holoparasite’などは作中随一の郷愁。続く‘Cherish’は過去作のファンも留飲を下げるであろう、ドリーミィなVocaloidトラックになっていて、サービス精神も発揮されている。M-1のMetalっぽい耽美的雰囲気も魅力的。

Vocaloidを使用しながら、Ambient~Emo~Screamo~J-Popを股にかけたドリーミィサウンドを作り上げるこの手腕、巧みです。ラストの‘Arowana’s Scarlet’のハードコアパートとドリームパートの自由自在感とか凄いですね。しかもAmbientな哀愁で終幕させるという力技。

The ultimate goal of Grave Chimera is to serve as a form of therapeutic musical catharsis.

という言葉を見て、よくよく考えると、Strawberryというキュートでドリームなイメージと、Hospitalという(メンタル)ヘルスケアなイメージを融合させたこの名義―Strawberry Hospitalの名前に、もっともふさわしい作品なのかもしれません、今作。


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Note :

Grave Chimera is a 6 track autobiographical album that emulates the complex feelings that come with issues like childhood trauma, sexual dysfunction, suicide, escapism, and gender dysphoria.
Drawing influence from metal, j-pop, VGM, and industrial, Grave Chimera is self indulgent, nihilistic, and intimate.
Merriam-Webster defines “Chimera” as both “an illusion or fabrication of the mind; especially : an unrealizable dream” and “an imaginary she-monster compounded of incongruous parts”.
Grave Chimera explores the long term effects of psychosis, fragmenting your identity and leading you through an altered state of reality in which everything wants to destroy you.
The ultimate goal of Grave Chimera is to serve as a form of therapeutic musical catharsis. This an album for trauma survivors, for trans folk, and for anybody who can find solace in being able to relate to my experiences.
Thank you.



CHICKENANDROFLS & Laffe the Fox – I Like You Better as a Monkey [BL_44]

 CHICKENANDROFLS & Laffe the Fox - I Like You Better as a Monkey [BL_44]

 – Tracklist –
 01. Hang in There, Kid (CHICKENANDROFLS Cover)
 02. Space Port Bravo
 03. A Billion Dead Stars
 04. I Like You Better as a Monkey
 05. Reachable Dream (CHICKENANDROFLS Cover)
 06. Undecisions



 - 02. Space Port Bravo


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 Download Page Free! / you can buy it.

 Release Date : 2015.02.25
 Label : BleepLove

 Keywords : Chiptune, Electronic, Melodic, Punk.


 Related Links :
  ≫ Laffe the Fox on SoundCloud / on YouTube

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ロシアのチップチューンレーベル、BleepLoveからのリリースです(ちなみにこのBleepLove、一時期ウェブサイトがなくなったので、あわや閉鎖かと危惧しましたが、リニューアルして再始動しております。主宰は自身もVRUMZSSSRとして活動するEova Luciole)。

今回のリリースは、ノルウェーのLaffe the Foxと、アメリカのCHICKENANDROFLSによるコラボレーション作品。どちらもChiptuneメイカーで、Laffe the Foxは以前にも同レーベルからもリリースを行っていますし、CHICKENANDROFLSもbandcampで多くの作品を公開しています。今作に関しては、どのように制作が分担されたのかクレジットはされていません(“CHICKENANDROFLS Cover”とあるのは、CHICKENANDROFLSのオリジナルですが)。しかしファイル名を見ると、CHICKENANDROFLS & Laffe the Fox、CHICKENANDROFLS feat. Laffe the Fox、Laffe the Fox feat. CHICKENANDROFLSと表記が使い分けられています(M-5はLaffe the Fox単体)。その辺りに、楽曲制作における比重が表されているのかもしれません(それが正しければ半々といったところでしょうか)。

どちらもメロディを主体にしたChipsoundを作っているので、それがここで大きく変えられているということはありません。非常にMelodicで耳馴染のよい、Chiptuneが初めから最後まで駆け抜けていきます。あくまで私見ですが、 CHICKENANDROFLSの方が、よりVGMらしい、ミニマルで8bitな響きのトラックを作っているように思います。対してLaffe the Foxは、Bit-Popというタグを常用していることからも分かるように、Chipsoundを使ったPopを作っていて、スタイルが幅広いように感じます。

双方のサウンドにあまりパンキッシュなイメージはないのですが、今作は不思議とその方向を感じさせるのはなぜでしょう。M-1‘Hang in There, Kid’などは、ギターこそ聴こえないものの、シンバルクラッシュや疾走感のあるリズムに、ヴォーカルも交え、明確にファストなPop Punkスタイルを披露しています。続くM-2‘Space Port Bravo’は、ここではディストーションギターが前面に出され、Chipsoundとガッツリ組んで、カラフルで豪快、そして軽快なChiptuneが鳴らされています。どちらのスタイルからも若干外れたような、けれど、非常にPopな作風になっていて、よい意味で期待を裏切る出来。M-3‘A Billion Dead Stars’もこれまた、ブラストビートと、ちょっと間の抜けた8-bit soundが組み合わさって、ちょっとファニーな、しかしアグレッシヴな、突進力のあるトラックになっています。

後半はストレートなChiptuneがメインになっている印象。煌びやかなレイヤーが幾重にも重なるタイトルトラック‘I Like You Better as a Monkey’は、草原の階段を駆け上がるような、さわやかさと疾走感があふれた気持ちの良いトラック。でも‘Reachable Dream’は若干パンキッシュなノリが戻ってきますし、よくよく聴けば最後の‘Undecisions’も、ノイジーなBit-Soundとファストなリズム利用して、破壊的なイメージを演出しているようにとれる、やはりパンクなスタイルです。

双方のこれまでのリリースと比べても、ちょっと傾向が違うように思えますが、しかしファンの人は必ずや楽しめるであろう作りになっていて、ニクいセンスが光ります。BleepLoveはどちらかというと、アブストラクトなサウンドが多いイメージがあったのですが、こういったPopな作品もどんどんリリースしてくれるとうれしいですね。


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 - Laffe the Fox feat. remedmatika – Initiate Sunset (from “Party”)



 - CHICKENANDROFLS – Americola (from “Americola”)



жёлтый мегамэн – у меня есть шариковая ручка [DOPEFISH034]

 жёлтый мегамэн - у меня есть шариковая ручка [DOPEFISH034]

 – Tracklist –
 01. у меня есть шариковая ручка
 02. у меня есть шариковая ручка feat. skoda the cat



 - 01. у меня есть шариковая ручка


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 Release Date : 2014.08.05
 Label : Dopefish Family

 Keywords : Bedroom, Cat, Kids, Lo-Fi, Punk, Strange.


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ジャケットイメージからあふれ出るPunkな精神がたまりません。“恐竜戦隊ジュウレンジャー”から招聘されたタイガーレンジャー。と、その下に無造作に配置された、Bicのオレンジファインぽいけど実は違う、どこぞのボールペン。インターネット感、あるいはTumblrやVaporWaveのフィールドに付随するアート、とは確実に切り離された、ストレンジなフィーリング。匂いたつ挑戦性。

ロシアン・ウェブレーベルのDopefish Familyからリリースされているжёлтый мегамэнの作品は、佇まいからして、実に奇妙です。説明らしい説明もなく、“2004”という言葉しか付されていないので、おそらくは2004年にレコーディングされたか、どこかでリリースされていた作品なのでしょう。惹きつけられるままに、耳を傾けてみたら、思わずフッと、鼻と口から空気が漏れました。つまり笑ってしまったということです。Lo-Fiな音の中でスコスコと始まるドラム(リズムマシンか?)、ベンベンと鳴るベース、それとユニゾンするように、ベロロンと力なく響くギター、突如空間に割って入る、シンセのようなメロディカのような、甲高い電子音、これらが2分半続くだけ。ただそれだけ・・・。電子音がちょっとVGMっぽい響きを醸しますが、それによってこの脱力感が消えるわけではありません。そう、この全編に満ちる脱力感がたまらなく強烈で、まるで白紙に描かれた“へのへのもへじ”のような、シュールさが漂います。何の文脈もなく、ただそこにある脱力。

2曲目はなんじゃい、どんなんじゃいと思って耳を傾けると、そしてタイトルを見ると、”feat. skoda the cat”とあるように、ただ猫の声が足されただけ!! なんだけど、1曲目にかぶせただけではなくて、どうやらテイクが違うようなのがまだ救い?なのですが、この猫の声もしっかり鳴いてなくて、のどをグルグル鳴らしてるあの感じの声が挿入されているっていう・・・、ここでも脱力だわ! 猫の声ぐらいしっかり入れればいいのによ!! 作り込み感ゼロの、あらゆる意味づけを拒否する、まさに音だけがそこにあれば他には何もいらないと言わんばかりの、往復ビンタ食らってるんだけどアレぜんぜん痛くないみたいな(ちょっと何言ってるか自分でも分からないけれど)、つまり痛みはなく往復ビンタを食らったという衝撃だけがそこにはあるとでもたとえましょうか(まあホントはこんな言葉もいらないんだけど)、柔道の技的にいわせてもらえばツバメ返しのような(キメにいった足払いをスカされて足払いで返される)。

にしてもこの音をこのタイガーレンジャー見ながら聴いてると、どうしてもニヤニヤしてきちゃうんですよねえ(笑)。何が面白いんだろう。緊張と緩和なんだろうか。で、なんでペンなんだろう、なんでタイガーレンジャーなんだろうって思うじゃないですか。調べるわけですよ。なんなんだろうって。アーティスト名の“жёлтый мегамэн”は、どうやら“イエロー・メガマン”という意味になるようで、メガマンってのはカプコンのビデオゲーム“ロックマン”の海外での名称ですから、この言葉は、黄色いロックマン、あるいはイエローデビル(ロックマンに出てくる黄色くて巨大なモンスター)を指しているんでしょう。それを象徴しているのがタイガーレンジャーだと考えることができます。じゃあペンは? ってなりますが、これは作品タイトルにヒント(あるいは答えか)がありました。Google翻訳―“у меня есть шариковая ручка” ≒ “私はボールペンを持っている”。ノーゥ!! 日本のバンドが作品タイトルに“This is a pen.”ってつけるようなもんじゃないか!! 大した意味なんてなかったんだ・・・。いや、捉えようによっては、やはりPunkなのか・・・。

いったい誰なんだ!?って、気になりますよね。こんな、あらゆる意味で力抜きまくった作品だしてきたのは!って。ここまできたら後には引かないぞって、力入りますよね(もしかして、もうみなさんは興味を失くしているでしょうか)。で、どうやらkakashtlaさんが事情を知っているようで、なぜなら、このжёлтый мегамэнのトラックをSoundCloudで公開しているんです。そこにある記述を読んでみると、このжёлтый мегамэнは、どうやら彼が学生時代にもっていたバンドのようです。なるほど・・・。今は音楽を作っている節がなさそうですが、リンク先をのサイトやブログを訪れてみると、ロシア語・キリル文字でさっぱり理解できませんで、人となりは雰囲気でしか分かりませんが、アーティスティック、アカデミックな思考の持ち主なのかもしれません。

と、ここまでくると、このトラックも何やらシリアスに聴こえなくもないから不思議です。最初の衝撃はどこへやら。笑うこともためらわれるではありませんか。音楽というのは何がしかの文脈が与えられれば、それによって評価は如何様にも変わりうるということですね(“評価”というのは、すべてそうかもしれません。現代アートなんて顕著ですね)。

ということで、今回の投稿では、音楽を聴く上で、アーティストの背景を知るのが良いのか悪いのかっていうことを、考えさせられたような気がします。そんな唐突な締めで終わりますが。

ちなみにDopefish Familyはこういうリリースばっかりではないし、そんなイメージもなかったんですが、今回フラッとサイトを眺めていたら、動画に“こんにちは!焼きうどんが登場しましたよ。是非お試しください!”と、説明をつけていたりして(まったく謎)、自分の中でレーベルのイメージが塗り替えられていきそうです。

※風邪薬で非常にフワフワした頭で記事を書いたものだから、なんかタッチが違いますが、大丈夫、自覚的です。




MEAT EATERS – 4tracks

 MEAT EATERS - 4tracks

 – Tracklist –
 01. レミング
 02. 水槽
 03. 砂
 04. 首


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 Release Date : 2012
 Label : Not On Label

 Keywords : Alternative, Grunge, Indie, Punk.


 Related Links :
  ≫ MEAT EATERS
  ≫ MEAT EATERS on MySpace / on YouTube / on Twitter


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MEAT EATERSは日本のインディーズバンド。1999年に名盤の誉れ高いアルバム“SO MESSED UP”を発表後、目立ったリリースはありませんが、現在も精力的にライヴを行いながら、活動を続けています。メンバーは流動的なようで、現在の構成は分からないんですが、フロントマンはマツモトジュンペイさん(Guitar/Vocal)です。この作品はもともとライヴ会場限定で販売されていたCDですが、現在はそれも在庫がなくなっているようです(実際に確認したわけではないので、もしかしたら今はライヴ会場で入手できるかもしれません)。そして2012年夏ごろ、その会場限定だった作品が、彼らのウェブサイトを通じてフリーで公開されました。それが今作。さらにはなんと、渋谷7thFloorでのライヴ音源もフリーで公開されています(しかも全11トラックとボリューム満点なのです!)。なんとうれしいこと。

“SO MESSED UP”は1999年の時点ではCD-Rで、ライヴ会場での手売りだったんですが、2000年にCDで再発されています(私が持っているのはソレ)。“4tracks”が完成して売られ始めたのは、今からそんなに前ではなかったと思うんですが(2007年くらいでしょうか?)、つまり前作からインターバルはけっこうあったと思うんですが、音楽はまったく変わっていません。掻き鳴らされるギターの旋風と、這いずり回るベース、ロケンローなドラム、そしてそこに重なるヒステリックなヴォーカル。決して通りのよい声ではないので、豪快な音には埋もれがちで歌詞も聴きとりづらいんですが、断片的な部分からでも彼らの世界観の何たるかは感じ取れます。フラストレーションと、そこからくる殺伐さと、それを通過したあとの諦念と―“笑うしかないなら/大笑いでもすれば/どうしようもないなら/首でも吊れば/なんか大事なことを忘れちまったんだろか/別にかまわないさ”(首)。

和製Dinosaur Jr.という形容をよくされる彼らだけれど、それとは別に、今回改めて彼らのサウンドに対する文章を読んでいて、納得したことがある。日本のバンド、THE NOVEMBERSの小林くんはMEAT EATERSのファンであるようだけれど、確かにTHE NOVEMBERSのサウンド―特に“picnic”とかその頃―は、見事にMEAT EATERSに通じるものがある。実際この二バンドは、過去一緒にライヴもしてるんだった。今頃気づく私もなんだかな、だけれど。その発見がひとつ、新鮮だった。

グッとくるギターフレーズって、なかなか出会わなかったりするんですが、この作品のギターフレーズはどれもカッコいいんです。ホントに。楽曲のテンションの中で、すごく自然にギターが爆発するので、否が応にもカタルシス。‘レミング’の中盤~終盤なんて突き抜けるギターがメチャメチャカッコいい。このカッコよさは知る人ぞ知るで埋もれさせてはいけませんよ、ホント。“SO MESSED UP”もね、在庫ないみたいだけど、今こそ再発するべきですよ。もったいない。

音源だけでは彼らの魅力は語りきれないという言葉をよく見かける。ライヴこそが醍醐味のようだけれど、そのライヴは音がデカすぎて、知らないと曲が分からないくらいだという言葉も見かける(笑)。私は残念ながらまだ彼らのライヴを拝見したことないんだけど、生活に支障が出るくらいの爆音ってどんなんだろうか。少なくともYouTubeで観れる最新のライヴ映像や、先に述べたライヴ音源は、しごくまともなヴォリュームになっているけれど。でもギター弾きながらメガネを吹っとばし、鼻水を垂らすままに演奏を続けるマツモトさんのテンションはやはり特筆すべきだし、音楽、演奏にかける一途さがとにかく熱い。圧倒的。それがこのMEAT EATERSというバンドを引っ張っているんだろう。素敵なバンドです。


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meateaters ミートイーターズ 砂~レミング【HD】 / 20130711@club liner






meateaters ミートイーターズ 白く濁った目の犬 【HD】 / 20130711@club liner




Crying – Get Olde [DDW010]

 Crying - Get Olde [DDW010]

 – Tracklist –
 01. Open
 02. Bloom
 03. Bodega Run
 04. Rat Baby
 05. Vacation
 06. Olde World
 07. ES



 - 04. Rat Baby


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 Release Date : 2013.09.03
 Label : DOUBLE DOUBLE WHAMMY

 Keywords : Alternative, Chiptune, Indie, Pop, Punk, Vocal.


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cryingはニューヨークのバンド。メンバー構成は、Elaiza(vocals), Ryan(guitar), Nick(drums), そしてGame Boy(!)。彼らの作品がアメリカのレーベルDOUBLE DOUBLE WHAMMYから、実質フリーでリリースされています(フィジカルな形ではこれから先にリリース予定です)。

Chipsoundを取り入れたバンドサウンドというと、Anamanaguchiがメジャーだと思うんですが、彼らのサウンドがPunk寄りなのに対して、このcryingはもっとGuitar Pop寄りといいますか、Alternativeといってもいいような、レンジが広い印象を受けます。実際ギターもけっこう突っ走ってますし、ドラムも同様に疾走感あります。だから確かに“パンキッシュ”ではあるんです。でも“Punk”に踏み込んでいない。Game Boyを用いている、ある意味のどかな8bit sound、そのフレーズも関係していると思います(イメージでいうと、たとえばマリオのジャンプする“プゥィーン”って音は間が抜けているというか、愛らしいと思うんですが、あんな感じの非常にVGMチックな音色を使っている)。

でも何と言っても一番大きな役割を果たしているのは、Elaizaのヴォーカルでしょう。甘さと可愛らしさ、清涼感をも漂わせながら、しかし絶妙な脱力加減をほこる彼女の歌声は、ギターサウンドと結びつくことで、楽曲の佇まいをShoegazeに近づけている。そこからさらに辿っていくと、どうだろう、この豪快なギターと脱力ヴォーカル、POPなメロディという組み合わせ、ちょっとDinosaur Jr.を感じたりはしないだろうか。そういった部分からやはり、Punkを通過後のAlternative、あるいはAlternativeを通過後のPunkといった、音楽的なふり幅をうかがわせる。

だから彼らのサウンドはパンキッシュでファニーでありつつも、どこかにオシャレ感、クールネスが漂っている。その辺がユニーク。一番好きなのはM-4の‘Rat Baby’です。2分にも満たないんだけど。ギターとユニゾンする、おどけたような電子音のイントロから、もう引き込まれる。ギターとリズムが走り始めて、そこにそよ風のようにスルリと入り込む、Elaizaのヴォーカルったら。軽やかに上下を繰り返し、ときに裏返りながら、さりげなく楽曲の世界観を広げていく。

先にも書いたように、Chipsoudとバンドサウンドの組み合わせってのは、多くあると思うんです。私もいくつかは聴いてきました。でもなぜかしらその手のサウンドは、Pop-Punkに傾いているんです。このcryingは確かにPop-Punkを忍ばせつつも、そこから踏み出して、Guitar PopからPower Pop, Shoegazeまでを内包した、Alternativeなサウンドを聴かせてくれる。ラストの‘ES’なんか聴いていると、中盤でかなりギターを抑えて、電子音メインの作りでも歌を聴かせてくれるので、このスタイルを推し進めると、もっと面白いサウンドになりそうです。


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Music by Crying
Recorded/Mixed/Mastered by Mike Ditrio


BIRDY Oo – Sea Songs [DC130]/[MNMN103]

 BIRDY Oo - Sea Songs [DC130]

 – Tracklist –
 01. DEAD TREES
 02. 海の宝
 03. SEA
 04. BIKINI
 05. DOUGHNUTS
 06. 목소리
 07. 자신 생각 없는 사람
 08. A-A-A
 09. 너 함께
 10. WALKING IN THE RAIN
 11. JAPANESE INDIE
 12. 좋은 아침



 - 03. SEA


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 Release Page :
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 Release Date : 2013 / 2012
 Label : Dramacore / MNMN Records

 Keywords : Alternative, Indie, Lo-Fi, Number Girl, Punk, Surf music.


 Related Links :
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BIRDY Ooはモスクワのトリオバンド。2010年にArseny (guitar, vocals)、Aigul (drums) 、Ivan (bass)の3名によって結成されています(VANYA – BASS、GULYA – DRUMSという表記も見かけるが、メンバーチェンジがあったのか、同一人物なのかは分からない)。今作は彼らの1stアルバムで、オリジナル・リリースは2012年2月。同時期にロシアのネットレーベルMNMN Recordsからもリリースされていましたが、今回アメリカのネットレーベルDramacoreからも、改めてリリースされました。

Dramacoreのリリースページを読むと “The main influences are Mukai Shutoku, Steve Albini and UhUhBoo Project.”という言葉がある。向井秀徳にスティーヴ・アルビニ(あるいはShellac)とくれば、“鋼”という言葉が似合う、シャープにしてソリッドなインディ・ギターロック、パンク、ハードコアなサウンドが想像できる。かくしてその期待は、裏切られない。

金属的な鋭さと、シャリシャリとしたサンドペーパーのようなザラつきを合わせ持った、Lo-Fiな仕上がり。これはきっと、意図的なものだろう。ちょうどNumbre Girlのメジャー1stアルバム“SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT”あたりを彷彿させる。歌唱スタイルにしても、ところどころにある予定調和を無視したシャウトや語尾のしゃくりあげは、確かに向井秀徳だし、メロディを唄うというよりは語りのような淡々とした調子は、Shellacのそれに通じる。

でもたとえばShellacのような地下室的窒息感や、Number Girlのような居合抜き的緊張感というヤツは濃厚ではなくて、正座して聴くようなかしこまった空気はない(これは単に私の捉え方の問題なんだけれど)。であるからして、そういったものがないのであれば、ここに何がほしいかというと、メロディがほしい。でもそれをやると“SCHOOL GIRL BYE BYE”(私がNumber Girlの中でいっとう好きなアルバムだ)に接近してしまうような気もするし、それはそれでツマラナイのかもしれない。

即興っぽい鋼の振動や、夏の日差しを思わせるギラついたギターなどは私の琴線に触れまくりなんだけれど、それをBIRDY Ooの個性とするには、あと何歩か足りないというのが、つまるところ。ロシア発なのに歌詞が英語と韓国語というのは、おもしろいし(‘海の宝’に関しては日本語だ)、‘BIKINI’におけるサーフ調の疾走は、作中で異色のヴァイブレーションを放っている。そういったところに突破口があるような気もする。でも思えば当のNumber Girlだって“SCHOOL GIRL BYE BYE”のころはPixiesだの何だのってヤイヤイ言われたもんな。だからこういうやっかみは、影響源がデカ過ぎるバンドが一回は通る道、なのかもしれない。ということで日本の雄であったNumber Girlを最もストレートに思い出させたトラック‘SEA’を貼りつけておきます。冒頭のこの感じ、中盤~後半に登場する夏ギターったら。よいなあ。透明雑誌が台湾版Number Girlといわれたなら、このBIRDY Ooはロシア版Number Girlといってもよいだろう(前者の方が多分にPopだけどな。抽出してるエッセンスが違うんだろう)。

ちなみに影響源にあるUhUhBoo Projectというのは韓国の音楽ユニットのようですが、コミカルな曲調とコブシを効かせた歌唱が印象的な、ユニークなサウンドを鳴らしています(今作のM-8あたりにその影響が見える気がする)。興味のある方はYouTubeなどを散策してみてください。あとDramacoreってこんな作品リリースするんだな。侮れねーな。


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