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タグアーカイブ: Sample-Based

sensei40 – adventures in vHS vol​.​2 // erotica, horror & jungle edition

 sensei40 - adventures in vHS vol​.​2 // erotica, horror & jungle edition Cover

 – Tracklist –
 01. svensk dragkedja
 02. opportuni?
 03. kurrylude
 04. rupee boogie
 05. dariva
 06. moeesehs
 07. kaltakia mastoraki
 08. telepathic sea monster
 09. sioux farfalle
 10. mitaba!!



 -  01. svensk dragkedja


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 Release Date : 2016.10.21
 Label : Not On Label

 Keywords : Cinematic, Erotica, Hip-Hop, Horror, Sample-Based, VHS.


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VHSの魅力というのは、どこにあるのだろう。日本で全盛を極めたのはバブル時代というのが、一般的な認識のようです。そういった背景もあるのでしょう、今では到底作品として世に出ることはないであろう代物が次々と、大量に、世に放出され、それが今もってマニアのコレクション心をくすぐっているという部分もあるようです。けれど私が言っているのは“そういうこと”ではなくて、VHSテープに収められた映像や音声に、なぜ魅せられるのかという話。前にもほかの作品について似たようなことを書いた気もするけれど、私にとってはやはり“いかがわしさ”というやつが、大きな魅力になっている。現在の再生機器によるものと比較すると、圧倒的に粗い画質と音声―必ずしもVHSのみがそこにあてはまるわけではないのだけれど、その部分は少なくとも私の中ではVHSと不可分となっています。

粗い画質と音声によって醸されるいかがわしさという点で話を進めていきますが、たとえば、そう、最近だったら“推定年齢12000歳の巨人が冷凍睡眠状態で発見される…イランの洞窟”(“Anunnaki Royals found in a sleeping stasis”)とか、逆に50年以上も昔だったらビッグフットの有名な動画(“Patterson/Gimlin Bigfoot Film – Complete Version”)とか、そういった一種オカルティックな映像であるとか、やはり音楽ファンとしてはいわゆる海賊版の存在も忘れちゃいけない、決して地上波には乗らないアンダーグラウンドで過激なミュージックビデオなどをダビングにダビングを重ねまくった劣悪な状態で観賞したりとか、70~80年代のパワー溢れるホラー映画であるとか―(別にこれを出す必要はないんだけど、たまたまですね)“OGROFF”―、その種の分けのわからなさと、不明瞭さを充満させ、しかしだからこそ知的好奇心を煽られ、そこから必然的に立ち上る浪漫の煙というヤツが、私にとってはVHSの最大の魅力(繰り返しますけど例に挙げた映像の記録媒体が実際にVHSのテープであるかどうかは問題ではないのです。私の中でVHSと結びつくイメージとしてそのようなものが在る、ということです。そして一文を長く書き過ぎだなアハハ)。

別にDVDだってBlu-ray Discだって、各種ストリーミングだって、いかがわしいものはいかがわしいんだろうけれど(エロティックなものも含み)、その点VHSの方が圧倒的強度を持っているのはなぜなのだろう。ここでやはり時代背景を取り入れざるを得なくなったけれど、VHS全盛期にはやはり観賞場所はお茶の間が基本だろう。デッキがそこにあるからだ。お茶の間でいかがわしい映像を見るとしたらどうする? 気がおけない友人と、というシチュエーションもあるだろうけれど、圧倒的に1人で、ってのが多いんじゃないかなあ。だから人目を盗んでこっそりと、一人で行うその秘密めいた行為―観賞―にあるスリルってやつは、VHSの内包するいかがわしさを何倍にも膨れ上がらせる、のではあるまいか。そう考えると、いまどきの一人に一台ってPC環境では、アレですね、そういったスリルなんて微塵も発生しないですね。そうすると逆に、その個人のPCで行われるすべての行為が、もう全ていかがわしく思えてきてしまいますよ、私は。欲望に直結しているといいますか。怖いもの見たさ、みたいな欲望は今だとLiveLeakとか(他にもあるね・・・)が引き受けてしまうのだろうし、真偽問わずとも信じられないくらいGoreなイメージがそうやってあっという間に世界を駆け巡っているその現実、空恐ろしい―

はて。いったい何の話をしている、のか。

sensei40って何か不思議な名前ですけど、プロフィールを信じるなら、ギリシャのトラックメイカーのようです。作品に付された記述を読むと、今回は“swedish and hindi erotica, cult horror, and italian spy & jungle virgin movies”の類からサンプリングを行っているようです(西部劇も含まれるよう)。そしてそれらを編集加工したのが本作ということになるようですが、冒頭からたまりませんね、このVHS感、もとい、いかがわしさ。まぶたの裏に浮かぶ、Lo-Fi ヴィジョン。なにがしかのイメージのもとに作られているとは思いますし、やはり映画からのサンプリングということで、自然シネマティックな作品になっています。ジャングル探検隊が暴いた古代の墓からゾンビウィルスが世界に蔓延する!みたいな(なんかイメージが“ブレインデッド”に引っ張られてる気がする。あとそこまでホラーチックではない今作)。eroticaということでその路線の喘ぎ声なんかも使われているけれど(思えばジャケットイメージもその方向なのか?)、どこかコメディタッチなんですよね全体的に。深刻さだとか過激さだとかはまったくなくて、ちょっと矛盾するかもしれないけれど、長閑な雰囲気があるんですよ。タグに使われているようなブードゥーのおどろおどろしさも醸されていますが、すべてをジャングルが包み込んでいるような、フラットな視線で見守っているような、奇妙なぬくもりが感ぜられます。ズバリちょうどよい。VHS感、いかがわしさは確実にありつつも、入れてるビートはHip-Hopだし、不思議に心地よい。そうかここにあるのはきっとエキゾチックだ。

ひとつ前にカンフー映画をサンプリングした“adventures in vHS vol​.​1 // martial arts edition”もありますが、これを聴いててふと思い出したのが、昔Last.fmで出会ったHwang Jang Lee。めっちゃ近しいサウンド。でも関係ないか。・・・今回特にまとまりがない文章・・・。


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Note :

This time sampling flicks like swedish and hindi erotica, cult horror, and italian spy & jungle virgin movies. Also, felt obliged to sample a western so here’s a second bunch of noisy nuggets. MITABA!!!!



Elevation – No DnB in the 音楽室

 Elevation - No DnB in the 音楽室 Cover

 – Tracklist –
 01. Professional People Watching ft. Shanic 
 02. Auricom Labs
 03. I’ll Be Beautiful ft. Selerac
 04. Still Playing Pointless Newgrounds Games
 05. Honda



 - 03. I’ll Be Beautiful ft. Selerac


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 Release Date : 2016.10.24
 Label : Palettes

 Keywords : Drum’n’Bass, Electronic, Fantasy, Melodic, Sample-Based.


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アメリカのトラックメイカーElevation(Pursuing Paradiseの名義も持っています)の作品です。2014年に設立されたレーベル/コレクティヴ、Palettesからのリリース。レーベルはbandcampも持ってるんですが、そちらはなぜかコンピレーション・シリーズのリリースしか掲載されておらず、他の作品たちは異なる場所からリリースされています。crapfaceの“:):):)”(これもすばらしい)は特設ページおよびmediafireからだし、今作もSoundCloudのみでリリースされている様子。なので熱心に追っている人しか耳にできないような気がして、そこはちょっと気になるところです(追記:2017.01.22 現在はbandcampでも公開中)。

business casualBedlam TapesからリリースされたPursuing Paradise名義の作品もこれまで紹介してきましたが、そちらはコラージュ感覚の強い―VaporWaveにも通じますが、私の中ではちょっと違う―、アブストラクトで混沌とした音像が特徴的でした。全編地続きの一大混沌絵巻という表現をしたかと思います。

対してこのElevationではより分かりやすい、メロディに傾むいたサウンドを作っている印象があったのですが、今作もそこから外れておらず。しかし確実にPursuing Paradiseも垣間見せる個性的なDrum & Bass(Drum’n’Bass)だと思います。ストレート、ストイックなDrum’n’Bassが苦手(かといって享楽的なのもちょっと敬遠)な私のアンテナが受信した時点で何か他とは違う部分があるのでしょう。それをとらえてみたいと思う次第―

M-1のJazzフィーリングなPianoやブラスと高速ブレイクビーツの対比、というのは珍しくないと思うんですが、このどこかしらに滲むドラマチック、ファンタジックな空気、伝わりますでしょうか。M-2も回転する高速ビートがカッコいいのはいわずもがなで、中盤のベースとブラスとドラムを交えたこのシリアスなムードから、何か木琴みたいなチャイルディッシュな効果音やディレイの効いたヴォイスのサンプリングで醸される密かな狂気性、そのコントラスト。そしてM-3が私の中ではもっともPursuing Paradiseらしさを感じるの白眉のトラックなのですが、冒頭のこのファンタジー感たるや。VaporWaveからの影響も見えるスローモかつディレイなサンプリング・ヴォイス、しかしそれはメロディを湛えていて、リスナーを包み込むようで、また、Aphex Twinを想起させる優雅なストリングスとBreakbeatsの対比もトラックタイトル通りに、実にビューティフル。楽園を追及するPursuing Paradiseのエッセンスが濃度高めで注入されています。すごく好き。

硬派な展開の中にしっかりMelodicなフレーズとアクセントを入れたM-4や、Ambientな包容力と豪快なアタックが同居するM-5も、やはりそれぞれユニークで、EP全体でバランスに優れた良作だと思います。編集感覚、編集センスの賜物かもしれませんが、繰り返し聴いても飽きがきにくい。狂気性からくる美しさ、のようなものがチラチラと瞬いていて、非常に魅力的。惹きつけられるのです。あとタイトルもイイ。ネットリリースだから、いつ消えるやもしれないし、ダウンロード不可になるかもしれないので、入手は早めが吉だと思います!

ちなみにPursuing Paradise名義で11月にリリースがアナウンスされている“Lust and the Downward Spiral”のティザーもあるので、以下に―


Lust and the Downward Spiral coming November



そしてついでに、ちょっと変則的ですが、レーベルの紹介ということで、上で触れたcrapfaceの作品から、crapface x Zack Bruceによる‘U & Me’も貼らせてください。Nightcoreっていえばそうなんだけど、IDM/Electronicaっぽさもあって、Popなフィーリングも一緒にあって、作中でいっとう好きです。たまらん。



 - crapface x Zack Bruce – U & Me (from “:):):)”) :: (CC) by – nc – sa 3.0 ::


あと、まだある。日本のtoiret status(!)と組んだFlamebaitからの“T​.​D​.​I​.​M”もすばらしいので是非! Breakbeats/Hip-Hop/Sample-Basedなコラージュで、メカニカルな躍動感がめちゃかっこいい。熱い。



 - Elevation X Toiret Status – ET03 (from “T.D.I.M”)



CADU TENÓRIO – Rimming Compilation [SW0164]

 CADU TENÓRIO – Rimming Compilation [SW0164] Cover

 – Tracklist –

 Liquid Sky
 01. A
 02. Cyberia (Digital Deathru)
 03. Nozsa Wars
 04. Star
 05. Pirease
 06. Death In Midsummer
 07. Enter The Void
 08. 玄野 計
 09. Mima
 10. アスカ
 11. 2300 AD
 12. Z



 - 06. Death In Midsummer


 Phantom Pain
 01. Goodness Is Only Some Kind Of Reflection Upon Evil
 02. I Am A Sinner
 03. Music For Airports (Airplanes, Hope And Sadness)
 04. LOVE (And Everything In Between)
 05. Destroying Everything (Grindcore)



 - 01. Goodness Is Only Some Kind Of Reflection Upon Evil


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 Release Date : 2016.09.06
 Label : Brava / sinewave

 Keywords : Abstract, Ambient, Electronic, Noise, Sample-Based, VaporWave.


 Related Links :
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ブラジルのアーティスト、CADU TENÓRIO。これまでにも複数の名義を用いて、多くの作品を、自身のbandcampやネットレーベルからリリースしてきています。作品の性質に合わせて名義を使い分けているようですが、わりとアブストラクトなサウンドが多く、メロディの立ったものは少ないように感じられます(すべての作品を聴いているわけではないので、反対意見もあるかもしれません)。field recordingsやtape loopsのほかに、さまざまなサウンド、効果音を用いた作風には、サウンドアーティストという呼称が似合うかもしれません。

そんな彼の作品がブラジルのネットレーベルである、sinewaveとBravaからリリースされています。“Liquid Sky”“Phantom Pain”、合わせてRimming Compilationという扱いになるようで、2作同時リリースです。表裏一体といいますか、2つ合わせて完成するということでしょう。なので、決して短い作品ではありませんが、ひとつを聴いたなら、もうひとつも聴くべきかと思いますよ。

で、まあコンピレーションのタイトルの意味もよく分からないんで調べちゃったりするんですが、この“Rimming”って“ア●ル舐め”って本当なのですか。いやどういうニュアンスで使ってるのか実際分かりませんが、少なくともネットの中では圧倒的多数で“Rimming”=“ア●ル舐め”。“ア●ル舐めコンピレーション”ってなかなか歌舞いてるじゃねーか!気に入った!(あんまり書くともともとない品位がさらに損なわれるのでこのワードはこれ以上使いません)。

肝心のサウンドですが、一言でいうならVaporWaveだと思います。リリース側ではその言葉は使われていないようですが、サンプルベースの編集感とモコッとした膨張感、機械的音声(Google翻訳に朗読させたような)による、たどたどしい日本語の挿入、それによる歪さ、また、玄野計、アスカといった日本の漫画、アニメから引用されたと思しき人物名を用いながら、それがサウンドに直結していない不可思議感、総じて醸し出される決して明るくはない、それでいて煙に巻くようなこの佇まいにはやはりVaporWaveという言葉がよく似合います。加えて“Cyberia (Digital Deathru)”のミュージック・ビデオは、冷めたエディットサウンドをさまざまなダンスムードに乗せて流し、そこに生まれる冷徹な視線、思考がサイコを感じさせるナイスな映像なのだけれど、一部に“PERFECT BLUE”が使用されていて、やっぱり方向性としてはVaporWaveを強く感じます。具体的に言うとOPNの“R Plus Seven”の影響があるような。狂騒と、冷たさと、不安と、宗教感。灰色の地下通路―息詰まりと内臓感覚。

というのは“Liquid Sky”の話で、“Phantom Pain”はけっこう何というか、いろんな意味で面白く、そしてシンドイかもしれません。M-1‘Goodness Is Only Some Kind Of Reflection Upon Evil’なんてエロさとエグさがまぐわったこのグロテスクかつ荘厳な音像は何でしょうか。苦悶、嘆きの声からやがて口淫の様子へとスライドしていく20分弱(!)のサウンドアート(と呼ぶべきなのか)。途中一回オーケストラルな感じといいますか、ブワッと包み込んでくるような音空間になるのが面白いですね。残りのトラックもこの流れで行くのかと思いきや、続く3トラックは静かめの荘厳Ambient、ラストはスクリームなNoiseから狂宴の終幕を示すかのようなサイレントな幕引きで締められています。

正直何回も聴けるような作品ではないかと思いますが、頭の中が混乱しているといいますか、考えることがありすぎて、でもそれは別に考えなくてもよいことで、でも考えちゃう、こいつをなんとか黙らせたい、なんてときに、聴いてみるとよいのではないのでしょうか。ぜんぜん即効性のあるサウンドではありませんが、不思議なパワーを秘めていることは間違いありません(“不思議なパワー”とかいうなんと胡散臭い表現!)。過去のサウンドに付随するビデオも見てみましたが、けっこうグロテスクな表現があったりして(映像は引用がほとんどですが)、私の好みです(とプライベートではなかなか大きな声でいえないので、ここで言っておくのです)。

にしてもsinewaveといえばPost-Rockというイメージがあったので、こんな作品も出すんだなあと少し驚きです。と、書いたところで気づいたのですが、このCadu Tenório、過去にも同レーベルからリリースしてまして、私のHDにも入ってました・・・! 失念しておりましてすいません・・・。情けない締め。


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Cadu Tenório – Procissão (from Vozes






Cadu Tenório – Cyberia (Digital Deathru)



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Credit :


 Liquid Sky

Recorded by Cadu Tenório at 503 except “Nosza Wars”, “Enter The Void” and 2300 AD recorded at centro municipal de arte Hélio Oiticica. by Emygdio
Mixing: Cadu Tenório & Emygdio
Mastering: Emygdio
Art: Lucas Pires
Photos: Fernando Teixeira

Additional screams on “Nosza Wars”, whispers on ” Enter The Void” and objects on”2300 AD”:

Gaspar Cohen Cordeiro, Mariana Miguel Khouri, Mauricio Mattos, Rafael Marinelli, Rafael Bandeira, Nicolas Espinoza, Pedro Rangel, Eduardo Mariaachi, Carlos Messina, Wisrah Villefort, Daelma Xavier and Malu Laet

Additional field recordings on “Enter The Void” by Mallu Laet

Cadu Tenório: Samples, synth, voices, amplified objects, field recordings and tapes,

Released by Brava & Sinewave


 Phantom Pain

Recorded by Cadu Tenório at 503 except “Nosza Wars”, “Enter The Void” and 2300 AD recorded at centro municipal de arte Hélio Oiticica. by Emygdio
Mixing: Cadu Tenório & Emygdio
Mastering: Emygdio
Art: Lucas Pires
Photos: Fernando Teixeira

Cadu Tenório: Samples, synth, voices, amplified objects, field recordings and tapes,

Released by Brava & Sinewave



Majin Bu – 015 [PPR #407]

 Majin Bu - 015 [PPR #407]

 – Tracklist –
 01. 015
 02. Hectagon
 03. Reedham
 04. Black Cloak
 05. AMG
 06. Spiral Galaxy
 07. Epilogue



 - 05. AMG


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 Release Date : 2015.11
 Label : Pure Potentiality Records

 Keywords : Electronic, Hip-Hop, Sample-Based, Trap.


 Related Links :
  ≫ Majin Bu on SoundCloud

  ≫ BENSTEPNER.COM
  ≫ Ben Stepner on Last.fm / on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter


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アメリカのプロデューサ、Ben Stepnerがけん引するネットレーベル、Pure Potentiality Recordsより。彼とd/nyceによるユニット、Majin Buの作品です。前にも紹介しましたが、d/nyceについては相変わらずくわしいことは分からず。今回の“015”というタイトルに込められた意味も分からない。ついでに、このジャケットイメージも何じゃろかという感じ。だがそれがいい。前回紹介した“Hologram”のジャケットイメージだってよく分からなかったし。

Ben Stepner自身もそうですが、このMajin Buもけっこうな頻度で作品を公開しているので、私もすべて聴ききっているわけではないのです。前にも書きましたが、完成形なのかラフスケッチなのか、とにかく連投、Benに関しては違う名義でもまた連投なので、ほぼ自身のリリースで固められたレーベルのカタログは現時点で400番台というのも納得です。しかし粗製乱造というイメージも私の中にはなくてですね。なにがしかの引っ掛かりを感じておるので、こうやって機会があるときに聴いていくわけです。

今回もけっこう久しぶりに耳を傾けてみたのですが、はて、いかに。と、メロウなフィーリングを獲得していることに驚かされた(Hip-Hopのメロウとはちょっと違うんだと思うけど)。ミニマルなことはミニマルなんだけど、明らかに聴き心地に音楽的なものが流れていて―言い換えればMelodicに感じられて―、そこが何より私を惹きつけるのです。今作や“Ginger Candy”のジャケットイメージ、それからNinja Cyborg”もそうだけれど、なんとなくオリエンタル(ないしはアジア)的なものがイメージとしてあるのかなあと、感じます。別にサウンドとして表面化しているわけではないので、それほど強いものではないと思うんですが、ネーミングやイメージのチョイスに現れるくらいには、意識されているんだと思います(以前にも“Yoshimitsu”というタイトルがありました)。

Hio-Hop~Trapのビートと、簡素なメロディ(これはオリジナルかサンプルかは判然としない。どちらもあるのかもしれない)を組み合わせた、シンプルなミュージックなのですが、メロウというか、若干の感情性、抒情性のようなものが感じられて、心をくすぐられてしまうのです。‘AMG’などはメロディはゆるやかなのに裏でTrapビートがポコポコと回転していて、なんだか奇妙な聴き心地。面白いです。使われているメロディのせいもあるんでしょう、聴きようによっては、ちょっとVaporWaveっぽくもある。‘Spiral Galaxy’などはAmbient/Electronicaタッチのウワモノがドリーミィに響く小品。そこで一回トーンを落として、そのままラストの1分弱の‘Epilogue’へ繋げるという、作品としての流れも意識されているであろう、珍しく(?)、まとまりのある作品になっています。

全トラックではないかもしれませんが、今作に関してはサンプルに使われたと思しき曲が、タグに記載されています。せっかくだから記載しつつリンクも貼っておきましょう。どういう形で取り入れられているか、耳を傾けてみると、面白いですよね―

01. 015 ≫ Quincy Jones – The Secret Garden (1989)
02. Hectagon
03. Reedham ≫ Squarepusher – A Journey to Reedham (7AM Mix) (from “Big Loada”, 1998)
04. Black Cloak ≫ PARTYNEXTDOOR – Party At 8 (prod. TM88)
05. AMG ≫ G.Benson – Love Will Come Again (from “In Your Eyes”, 1983)
06. Spiral Galaxy ≫ Zombi – Andromeda (from “Cosmos”, 2004)
07. Epilogue ≫ Brian Eno& Robert Fripp- The Heavenly Music Corporation (from “No Pussyfooting”, 1973)



ᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇs – astronomy club [MHR040]

 ᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇs -  astronomy club [MHR040]

 – Tracklist –
 01. collateral
 02. below the buzzards
 03. kill this distance ft. atw
 04. human voices
 05. and we drown



 - 03. kill this distance ft. atw


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 Release Date : 2015.04.29
 Label : Morning Hour Records

 Keywords : Anime, Breakcore, Electronic, Emo, IDM, Hip-Hop, Melodic, Sample-Based.


 Related Links :
  ≫ Cherax Destructor on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter / on patreon


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2012年にNat Wesleyによって設立されたアメリカはテキサス州ヒューストンのレーベル、Morning Hour Recordsより。Cherax Destructorとしての活動をメインにするPatch Hutleyの別名義、ᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇsの作品です。彼は同レーベルに運営者としても関わっており、これまでにCherax Destructor名義で“Cenotaphs”、“Hymn of the Haunted Hunter”、helpful kappa名義でも“we are spirits now, rejoice”をリリースしており、一定の人気も獲得しています。“Cupcake”を聴いたころから彼が作るメロディが好きで、気にしていたんですが、チェックを怠っていた間にずいぶんとリリースを重ねていたようで、今では両手の指を超える数に。

名義の使い分けがどのようになされているのかハッキリしませんが、おそらくᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇs名義では現時点で今作しかリリースはありません。Cherax Destructorはもっとも間口が広いといいますか、音楽性が幅広いと思います。メロディを生かした柔らかいウタモノから、Electronicな響きの中でIDM/Hip-Hop/Post-Rock、その他さまざまな音楽性のエッセンスを感じさせる作風。いずれにしても最終的にはメロディで聴かせるスタイル。helpful kappaでは割とメロウなイメージもあって、ストレートなPost-Rockに寄っている印象もあります。

彼の作る音楽は、バンド志向っていうほどでもないかもしれませんが、衝動性、エモーショナルな部分が強くあって、それが歌-メロディと組み合わさったときに、とても心に響くのです。その衝動的な部分、エモーショナルな部分がもっとも色濃く反映されているのが、このᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇs、なのかもしれません。どこまでがサンプルベースなのか分かりませんが、さまざまなサウンドを組み合わせて作り上げられたカオティックなサウンドは、今までになく金属的で、ダークな調子もあります。しかしその中でもやはりメロディが忘れられていないのが、彼の持ち味。

アニメからの引用もあるようですし(私にはハッキリとは分からない)、Breakcoreの側面も見せてくる、と書くと金太郎飴的なイメージも持たれるかもしれませんが、彼のサウンドは先にも書いたように、どこか肉体性を感じさせるのです。特にM-3‘kill this distance ft. atw’は抜群にEmoい。EDMやIDMやHip-Hopを飲み込んで、AlternativeなPop/RockをEmoに放射。なんならちょっと泣きそうになるくらい。好きなアーティストのライヴ見て泣きそうになったことある人ってたくさんいると思いますが、あれって悲しいとか嬉しいとか、そういうのとは別で、そういうのは飛び越えてて、感情昂って泣くんだと私は思います。このM-3もそう。歌詞の意味を100%把握できないけれど、やたら感情昂るのです。アニメの要素にしても、カオティックでEmoいサウンドに埋め込むことで、いわゆるナードなイメージからは巧妙に距離を置いているように思います。その辺りの聴取感もユニーク。

今回はその‘kill this distance ft. atw’にヤラれてしまったので、今作をピックアップしておりますが、ほかの作品もどれも素晴らしいので、気になった方は是非、上記bandcampなりSoundCloudなり訪れて、耳を傾けてみてください。下にいくつか-



 - leave our broken shells behind (from “we are spirits now, rejoice”)



 - The Rescue (from “Lost No Longer”)



 - Cupcake (from “Objects in Space EP”)


ちなみに“Cherax Destructor”って、“ヤビー”ってザリガニの学名らしいよ!


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Message :

because the fear is always there, but we keep it at a distance – through a broken lens, facts and figures we so easily forget, or a song about somebody else

all donations will be intensely appreciated and warrant a personal thank-you email + a cheeky bonus track 8)

artwork by sharpieboss
sharpieboss.tumblr.com

live drums on 01 by flowerrs
soundcloud.com/flowerrs
vocals on 03 by adamth3walker
soundcloud.com/page-fortysix

with eternal love + thanks to Yōko Kanno and Hiroyuki Sawano

~that must be the power of daiku industries~



Pursuing Paradise – Adult Contemporary Novel [BEDLAM_02]

 Pursuing Paradise - Adult Contemporary Novel [BEDLAM_02]

 – Tracklist –
 01. ▅▆▇Prologue▇▆▅
 02. The 2nd Time I Fell In Love
 03. 新しい
 04. More than 1ne Night Stand
 05. Learning About You
 06. Passion
 07. You Are the One (Cheesy Couple Montage)
 08. This is ƁƖιѕѕ
 09. 100th Kiss
 10. The Walk Home (混乱)
 11. Aℓσηє on a Cold Night
 12. No, I Need You. I’m Coming (Run Run RUN)
 13. ・Not What You Think・
 14. Don’t Come Closer!
 15. After the Battle
 16. Misery
 17. 勝利
 18. Acceptance
 19. ✧⁺˚The Bucket List
 20. Nᴇᴡ Bᴇɢɪɴɴɪɴɢ
 21. Our Last Few Months
 22. Love Poem
 23. At тнє Hospital
 24. Breathe
 25. Hold My ̲̲H̲̲a̲̲n̲̲d̲̲
 26. Death
 27. 2 Months Later
 28. ▅▆▇Epilogue▇▆▅



 - 02. The 2nd Time I Fell In Love



 14. Don’t Come Closer!



 - 21. Our Last Few Months


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 :: Limited Edition Cassette is SOLD OUT. ::

 Release Date : 2015.10.01
 Label : Bedlam Tapes

 Keywords : 2000’s, Ambient, Collage, Dream, Electronic, Glitch, Sample-Based, VaporWave.


 Related Links :
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ドイツのカセットレーベル、Bedlam Tapesより。アメリカはジョージア州アトランタのトラックメイカー、Pursuing Paradiseの作品がリリースされています。以前business casualから出た“Memories”を紹介しましたが、その正式な続編であることが明記されています。

前作もVaporWaveの手法を取り入れつつも、その参照点が80年代ではなく2000年代にフォーカスしているように思える点や、サンプリングネタにしてもサウンドトラックからVGM、Metal/Death Metalにまで及んでいたし、何より20トラックを費やしたおよそ1時間に及ぶカオスに満ちた絵巻物といった様子の、全編地続きになったような構成が特殊な作品でした。

今作も一目見て分かりますが28トラックあります。長いです。混沌具合も相変わらずで、トラックの途中でいきなり別のサンプリングネタがくっついてくるし、ピッチも縦横無尽に切り替わるし、もはやトラックの区切り目というのが何か意味を成しているのかどうか、疑問に思えてくる始末。細かいピースをひたすら組み合わせて、壮大なパズルを完成させているような、そんなイメージも浮かんできますが、彼が果たしてここで何を描いているのか、何を意図していたのか、読み取ろうとすることが非常に困難です。

でもただ音をいじくって遊んでいるだけではないと思わせる箇所もあって、‘The 2nd Time I Fell In Love’においては、前作と同じく、映画“THE BEACH”に使用されたAngelo Badalamenti & Orbitalによる‘Beached’がサンプリングされています。このサンプリングによって“Pursuing Paradise” = “楽園の追求”という図式は依然として残っていることが感じ取れます。あるいは“THE BEACH”こそが、Pursuing Paradiseの作品の根幹に影響を与えているのではないか、そんな気がします。といっても映画自体をうろおぼえの私にこの説を展開する力はないのですが。でも、自然の美しさと人間の欲望が交錯し、そこに眩惑的・ドラッギーな感覚も見え隠れする、映画の内容・映像とシンクロする部分は少なからずあると思います。

とか言っていたら、M-23‘At тнє Hospital’では、Goo Goo Dollsの‘Iris’をChopped & Screwedしていて、これは映画“City of Angels”経由なのでしょうか。映画内でヒロインのマギーは病院勤務だし、だから‘At тнє Hospital’なのでしょうか、やはり。‘You Are the One (Cheesy Couple Montage) ’では多分日本のアーティストの歌だと思うんですが(スイマセン具体的には分かりません)、ネオアコタッチの曲を引用したり(途中から思い切り捻るけど)、‘After the Battle’の日本語詞を引用した厳かな空間から、‘Misery’のエモーショナルなギター&コーラスになだれ込むなど、意表を突いた目まぐるしいシーンの展開は、映画的であるようにも思います。

エモーショナルなくせにドリーミィであり、そこにあるパッションというか初期衝動性は、多くのVaporWave作品には感じられないものです。だからここにはノスタルジアはありません。そもそもVaporWaveというよりは、サンプルベースのコラージュミュージックという方が的を射ているのかもしれません。編集とつぎはぎによって展開されるランダムな風景は、我々が膨大な記憶の中に宝を求めて彷徨う姿かもしれません。SoundCloudにある“Helping you fall in love again”という言葉は、なるほどなあと思います。

そんなPursuing ParadiseへのインタビューがOSCASTにおいて配信されています(≫ “OSCAST 12 – Pursuing Paradise”)。私ちょっと英語がアレなんで残念ながら理解できませんが、興味ある方はどうぞ。

ちなみにPursuing Paradiseは、より分かりやすい音楽を☁Elevation☁名義で作っています。こっちもまた良いんで、まだの方は是非聴いてみてください。



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Pursuing Paradise — “Love Poem”




秋セール1986 – 秋セール1986

 秋セール1986 - 秋セール1986

 – Tracklist –
 01. 秋セール1986





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 Release Date : 2015.08.30
 Label : Hjördis-Britt Åström

 Keywords : Broken transmission, Commercial music, Nostalgia, Sample-Based, VaporWave.


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実家の母はテレビがあまり好きではないようである。昔から。画面の中でガチャガチャと動く映像たちが気忙しく感じられるのだろうか。

特に父が働きに出ている日中はテレビを消して、窓際に置いたラジオをつけていることが多かった。それは私が実家を離れた今でも変わらないようで、帰省すると、私が子供の頃と変わらない光景を目にすることができる。起床して階下へ降りると(私の部屋は二階なのだ)、居間に誰もいない。けれどラジオからの声が空間に流れている。テーブルの上には朝食代わりに食べろとでもいうのか、パンや菓子類が置いてある。

起き抜けの頭で見るともなしに新聞を眺めていると、庭の方から母の「おはよう」という声が聞こえる。趣味の庭いじりをしていたようで、ガラス戸をあけて、居間へと上がってくる。途端に人の気配が流れ、空間は切り替わる。生活空間が始まる。

その空気。私が起き抜けの頭で新聞を眺め、傍らでヒッソリとラジオが自己主張をしている、そのAmbientな瞬間。空間。それはとても心地よく、ノスタルジアを孕んでいる。昔もそうだった。私が学校から帰って居間に入っても誰もおらず、どこからかラジオの声が聞こえて、やがて母が奥の方から私を迎えに顔を出してくる。そんなことはしごく頻繁にあったように記憶している。

この作品を聴いていて思ったのは、“その”感覚に、似ているなあということです。ここにあるのはテレビCMからの引用なのだけれど、映像抜きの音楽・音声のみで構成されている。そしてラジオも言うまでもなく、音声のみです。CMだって流れます。この、“音楽・音声で構成されているCM”、という部分と、“引用されているCMがひと昔、ふた昔前のもの”、という部分が強く関係しているのでしょう、この作品によって、私の中のノスタルジックな部分がたまらなく刺激されるのです。誰もいない空間で、ラジオが息を吐いていて、私は番組を聴くでもなく、何とはなしに音を感じているだけという、あのボンヤリした空気を、強く思い出すのです。でも、だからといってですね、今、自分の部屋でラジオ聴いてたって、あの感覚は味わえないのです。だからやはりあの感覚を得るためには、さまざまな要因が関わっているであろうことが、予測できます。

つまるところ、この作品が特殊ということです。スウェーデン基盤というプロフィールのHjördis-Britt Åström。これはレーベル名でもあると同時に、ファウンダーの名前というか活動名義でもあるようです。そこからリリースされた秋セール1986のセルフタイトル作は、40分1本勝負、ノンストップのCM引用型VaporWave。編集らしい編集は嗅ぎ取れませんが、ゆるやかにレトロなCMたちが切り替わる中、そこに感じられるのは不思議なことに、音楽というよりは、もはや空間なのです。私がひとりでボンヤリと、母親がつけたラジオを聴いていたあの空間と、似たものがあるように思えてならないのです。

今作に付されたコメントを見ても、おそらくはTVのCMが次々に切り替わっていく様を模したが故のワントラック構成なのだろうけれど、私の中では何故かラジオとリンクし、だからこそ余計にノスタルジアを誘発したという、それはそれでユニークな話。ここまで潔く、それでいて偏執的なスタイルも珍しく感じます(実際秋セール1986は、他の作品では若干スタイルが異っています)。CM引用型VaporWaveの極北を見た思い。たぶん40分中で何回か同じネタを使っているけれど、それも実際のCMらしさがあってナイスです。

Hjördis-Britt ÅströmではVaporWaveに限らず多くの作品が公開されています。興味を持った方は、是非掘ってみてください。


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note :

‘Have you ever fallen asleep while TV-box was working? Volume differences grab you from the sweet unconsciousness. It’s the last things that keep you from the Eternity’ – 秋セール1986.

Made by 秋セール1986 at ‘Hjördis-Britt Åström’

Special thanks:
Fortune 600
Тунайт. FM ‘ノスタルジア