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タグアーカイブ: Shoegaze

Strawberry Hospital – Grave Chimera

 Strawberry Hospital - Grave Chimera Cover

 – Tracklist –
 01. Memento
 02. Canary Mane
 03. Chimera
 04. Holoparasite
 05. Cherish
 06. Arowana’s Scarlet



 - 01. Memento


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 Release Date : 2018.08.06
 Label : Not On Label

 Keywords : Alternative, Ambient, Emo, Noise, Screamo, Shoegaze, Pop, Punk, Vocaloid.


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PURE AESTHETEにも所属していたトラックメイカーStrawberry Hospital。新しい作品が2018年に出ていました(そしてこれ以外の作品は消してしまった…のか?)。

紹介文には―

Grave Chimera is a 6 track autobiographical album that emulates the complex feelings that come with issues like childhood trauma, sexual dysfunction, suicide, escapism, and gender dysphoria.

―とありますが、そこからうかがい知れるように、以前よりも内面的、内省的なアルバムになっている印象です。以前のサウンドといえば、Vocaloidが歌うPopなメロディにElectronicなバックトラック、ドリーミィな空間づくりが特徴で、それは日本人のリスナーにもアピールする心地よいものでした。対して今作はというと、少なくとも表面的にはハードでアグレッシヴな部分が目立っています。Noiseという部分でいえば、以前の作品にもShoegazeな要素はありましたが、ここではもっとハードコアな方向に振っています(何ならジャケットイメージにあるタイトルロゴもハードコア系のそれ)。

ディストーショナルなギターサウンドに加え、メロディックなパートを歌い叫ぶ(ここがVocaloidなのかは不詳)という、いわゆるEmo~Screamoに近いサウンドを鳴らしているのが今作の最大の特徴でしょう。といってもバンドサウンドではないので、リズム面でマシーナリーなエディットもあるし、フワフワしたシンセサウンドも使われている。でもこういった電子的なハードコアサウンドと親和性の高いBreakcoreな方向にはいっていないのが、ユニークに感じます(一時期のMeishi Smileなんかを彷彿とさせますね)。

精神的な鬱屈とした部分をモチーフにしているのであればもっと黄昏たサウンドになってもおかしくないと思いますが、苦しいときに強い気持ちで何かを願うような、そんな思いの強さがこのサウンドを生み出しているのでしょう。否定したい自分や、打ち消したい過去といった、誰しもが心の中に持っている影の部分に思い切って立ち向かっているが故の、焦燥感、暴力性。しかし冷静さを失わずに過去を懐かしむような目線もあり、Ambientなワンミニット・トラック‘Holoparasite’などは作中随一の郷愁。続く‘Cherish’は過去作のファンも留飲を下げるであろう、ドリーミィなVocaloidトラックになっていて、サービス精神も発揮されている。M-1のMetalっぽい耽美的雰囲気も魅力的。

Vocaloidを使用しながら、Ambient~Emo~Screamo~J-Popを股にかけたドリーミィサウンドを作り上げるこの手腕、巧みです。ラストの‘Arowana’s Scarlet’のハードコアパートとドリームパートの自由自在感とか凄いですね。しかもAmbientな哀愁で終幕させるという力技。

The ultimate goal of Grave Chimera is to serve as a form of therapeutic musical catharsis.

という言葉を見て、よくよく考えると、Strawberryというキュートでドリームなイメージと、Hospitalという(メンタル)ヘルスケアなイメージを融合させたこの名義―Strawberry Hospitalの名前に、もっともふさわしい作品なのかもしれません、今作。


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Note :

Grave Chimera is a 6 track autobiographical album that emulates the complex feelings that come with issues like childhood trauma, sexual dysfunction, suicide, escapism, and gender dysphoria.
Drawing influence from metal, j-pop, VGM, and industrial, Grave Chimera is self indulgent, nihilistic, and intimate.
Merriam-Webster defines “Chimera” as both “an illusion or fabrication of the mind; especially : an unrealizable dream” and “an imaginary she-monster compounded of incongruous parts”.
Grave Chimera explores the long term effects of psychosis, fragmenting your identity and leading you through an altered state of reality in which everything wants to destroy you.
The ultimate goal of Grave Chimera is to serve as a form of therapeutic musical catharsis. This an album for trauma survivors, for trans folk, and for anybody who can find solace in being able to relate to my experiences.
Thank you.



CORPORATE災害 – エリカの歌

 CORPORATE災害 - エリカの歌 Cover

 – Tracklist –
 01. 結婚式は滝の下で開催された
 02. 月光の下でハネムーン
 03. 性交
 04. セールスマンの死
 05. 欲望と孤独
 06. 胎児の死亡
 07. 記念碑
 08. 沈む感じ
 09. すべてが寒い
 10. 彼女は自殺した。
 11. 最後のメモ
 12. 引導



 - 06. 胎児の死亡


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 Release Date : 2017.04.09
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Drone, Requiem, Shoegaze, VaporWave.


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みなさんは、つのだじろうさんをご存知ですか。漫画家であり、心霊研究家でもある。“うしろの百太郎”や“恐怖新聞”が代表作でしょうか。1970年代~80年代に続く、心霊ブームの火付け役といっても過言ではないでしょう。

とまあ、つのださんの紹介はそのくらいで。ちょっとマニアックかもしれませんが、つのださんの書いた短編漫画で、“霊魂の唄が聞える”というものがありました。調べると、初出は月刊ムーの第11号なのかな。第13号まで続く“唄が聞える”シリーズの、第一作だったようです。私が読んだのはムーではなくて、コミックだったのですが、はて何に収録されていたのかが、うろ覚えです(“メギドの火”だったかなあ)。内容については“「ムー」ランド”さんが明るいので、気になる方はそちらを参照。

と、延々と遠回りしておりますが、何が言いたいのかという話ですね。このジャケットイメージ、ちょっと不気味でしょう? どっから引っ張ってきたのか分かりませんが、モデルさんと思しき女性たちが並べられ、その目元が隠されている。匿名性、隠すという行為から連想される、いかがわしさ。加えてこの題字。ちょっとヘタウマな感じからも漂う、歪さ。そんないかがわしさと歪さが結びついたおどろおどろしいイメージの中、タイトルは“エリカの歌”となっている。正直そこに秘められた意味は分からない。何の意味もないのかもしれない。しかし私の中では、ビジュアルから醸される気味の悪さと、“歌”という字面がドッキングして、果たして上記の“霊魂の唄が聞える”という作品の記憶が、遥かなる時を超えて掘り起こされたのだった。

作品としてはAmbient/Droneだし、あえてVaporWaveってカテゴライズする必要もないと思うけれど、何らかのサンプルをDroningしているという点では通じる部分もあるのだろうか(つまりそれほどその側面は強調されていない)。むしろ他作品―“孤独”の収録曲‘望郷’はAphex Twinの‘Rhubarb’を、Cyber Dream Recordsからの“仮想風景”は、Harold Budd & Brian Enoの“Ambient 2: The Plateaux of Mirror”収録曲を、それぞれメロディを保つ程度にChopped & Screwedして引き延ばしている―ので、そちらの方が、よりVaporWaveらしいと言えるかもしれない。

とまあ、“そう”であるかどうかはさておき、私はここに漂う“死”の気配に惹かれる。惹かれてしまう。並んでいるタイトルを見ても、あまり前向きに受け取れるものはない。いずれも抑うつ的なイメージをもっているように思える(そして何らかのストーリー性も予感させる)。そのものズバリ“死”に結びついているものも、いくつかある。そういうところも、上記のような気味の悪さを呼び起こした原因になっているのであろう。

ソフトなShoegazeともいえる、白濁したサウンドスケープは、mistというよりもfog、重さをもったウェットなレイヤーは沈痛のイメージを引き起こし、まるで鎮魂歌のようにも聴こえてくる。と同時に現実とは切り離された、浮世離れ、ドリーミィな側面も確かにあって、それが死を飛び越えた甘美な何か、あるいは飛び越える寸前の甘い誘い―死線―を感じさせるのです。

そういう死にまつわるエトセトラなサウンドイメージもあるのかな、私が今作を聴きながら読んでいたのは、法月綸太郎の“密閉教室”であった―


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 Note :

私は彼女を愛していた。
私は彼女を崇拝した。
しかし、最後には
私は彼女を捨てた。
そして、今私は価格を支払う必要があります。
私を許して。



PLAYLIST : 2017.04






 To love is to suffer.





Crisopa – Transhumante

 Crisopa - Transhumante Cover

 – Tracklist –
 01. Bird Song Reincarnation
 02. I am the lord of these ruins
 03. Fast Dive
 04. Serene Option
 05. Melting Wax Sculptures
 06. Fluorine Cold Flames
 07. Irradiating Nucleus



 - 03. Fast Dive


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 Release Date : 2017.01.27
 Label : Not On Label (released from sound in silence on 2017.07.28)

 Keywords : Ambient, Electronica, IDM, Melodic, Shoegaze.


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スペインのトラックメイカーCrisopa(Santiago Lizón)が、久方ぶりのネットリリース! 2010年に名作の誉れ高い“Last Membrane”をドロップしてからは、n5MDから作品をリリースするようになったので、まとまった作品をこうしてネット経由のファイル形式のみでリリースするのは7年ぶりということになりましょうか。

しつこいようですが、彼Crisopaは間違いなくネットレーベルというシーンの盛り上げに一役買ったと思っています。フリーでの配信でありながら、異常なクオリティを誇ったトラックたちは、こんな世界があるのかと私を驚かし、その世界に私を導いてくれたのです。そしてフリーの音源に対する偏見を打ち破った。その微細でドリーミィな音空間に魅了されたリスナーも数多くいるでしょう(おそらくいまだに過去作を経由する形でのファンは増えていると思う)。一時期は過去のネットリリースをまとめてZIPファイルで公開していたのですが、今は取り下げてしまったようです・・・、気になる方はDiscogsなどを参考にマメに手に入れてくださいね。

で、今作になるわけですが、これまでにちょっとずつSoundCloudで公開していたトラックたちをコンパイルしたものでして、ここで初出しというものはないようです。でも先に公開したときはダウンロードできる形ではなかったので、このリリースはうれしいですね。ジャケットイメージがコレなのは、何でなのか・・・、タイトルの“Transhumante”はスペイン語で“移住性の”という意味になるようですが、そこと無関係ではありますまい。自身のことを差しているのか、それともトラックたちに秘められたイメージなのか。

CrisopaらしくありつつもCrisopaらしさからの脱却を図ったような、n5MDからの“Biodance”、そして“A Lucid Dream Kit”。それらと聴き比べると(私としては、久々にその2作を聴き返したのである)、はるかにCrisopaらしさがカムバックしているように感じられ、すなわちn5MDからの作品にどうにも煮え切らなさを感じていたワタクシは、ここで留飲を下げたのである(えらそうだな)。ビートを携えつつもアブストラクトなAmbient空間が強調されていた件の2作では、Crisopa特有のドリーミィでコズミック、Shoegazeにも通じるDroningなレイヤーと、そこに流れるフックのあるフレーズ、メロディ―これらが廃されているように感じられたのだけれど、今作においては、少なからずその音作りが復活している。

夢幻のヴォーカルトラック、‘Bird Song Reincarnation’。ディレイを効かせたドラムがAmbient空間にエモーショナルに響き、ストリングスが優雅に舞い散る‘I am the lord of these ruins’は、どこか‘Last Membrane’を彷彿させる。これぞCrisopaな、IDM/Electronica~ShoegazeがブレンドされたAmbientなサウンドスケープ‘Fast Dive’‘Serene Option’

ちょっとダウナーな悲しみが漂う‘Melting Wax Sculptures’とか新しい気がしますが、こうして聴いていると、ドラムの音色にある生っぽさ(実際生演奏ではないと思う)が、これまでにはあまりなかった要素かなあと思ったりもする。でも電子的なリズムとの合わせ技なので、それ一辺倒というわけではない。あとストリングスが随所で使われているのもあって、今までよりも有機的なイメージが強いかもしれない。

総じて聴いてみると、往年(という言い方が正しいか分からないけれど要はネットレーベルで活動していた頃)のCrisopaと、n5MDに所属してからのCrisopaの、間に位置づけられるようなサウンドではあるまいか。現時点ではそんな印象が強い。とにもかくにも、ネットリリースからは足を洗ったと思い込んでいたので、この突然のプレゼントはうれしい限りではありませんか。みなさんありがたく聴きましょう。

ちなみにCrisopaの現時点で最も新しいトラックはPlataforma-LTW(まだ健在だったとは!)からのコンピレーション“A gift for Rec_Overflow”収録の‘Feed the Queen’。興味のある方はそうぞ。

―では最後に、私がCrisopaのトラックでいっとう聴いているものを、ふたつ(いっとうと言いつつふたつ)あげて、アディオス―



 - Matching (from “Last Membrane” [escala 1:6] )







 - Fibra De Carbono Y Cambios Automáticos (from “Filamentosa EP” [PIR02]) : このコズミック感、鳥肌立つわ。10年以上前だなんて!


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(CC) by – nc – nd 3.0



neokyoto – Zero Transition

 neokyoto - Zero Transition Cover
 – Tracklist –
 01. A Spinning Disk
 02. Circuit Drift
 03. Tastes Like Mercury
 04. Incubate Me
 05. MedBox Express
 06. Myst
 07. Zero Transition
 08. Ruined Arcade Zone



 - 05. MedBox Express


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 Release Date : 2017.03.17
 Label : Not On Label

 Keywords : Electronic, Melodic, Post-Punk, Shoegaze, SynthWave, VGM.


 Related Links :
  ≫ neokyoto.net
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アメリカから現れた様子のneokyoto(ネオ東京じゃないよ!)は、Post-Punk/SyntWaveプロジェクト。というのは私が勝手に言っているだけであって、ソロなのか、ユニットなのか、バンドなのかは分かりません(おそらくソロでしょうけれど)。とりあえず現時点で公開されている作品は4つあって、今作が一番新しい。ほかには“Cobalt Cavern (demo)”と、“Rough Cuts”、“Terminal B01”があって、後者2つはSoundCloudでしか公開されていない様子。

もともとがどういうコンセプトで始まったのか分からないんですが、neokyoto(ネオ京都)っていうネーミングからしてやっぱりサイバーパンクな香りがするじゃないですか(と誰にか問いかけてみる)。実際今作は確かにVGMな向きもあるSynthWaveで、そこにはやっぱり安易かもしれないけれど未来的な都市の風景が立ち上ってくる。それは実にストレートにネオ京都というワードから感じられるフィーリングと結びつくのである。ところがどっこい、“Rough Cuts”なんかを聴いてみると、New Orderチックな、哀愁漂うメロディのPost-Punkが鳴らされているではないか(意表を突かれてグッと来たので下に張らせてください)。もちろんこの“Zero Transition”についても、分かりやすいPost-Punkの要素はあるのだけれど、それよりも電子感を前面に出したSynthWaveやVGM、そこから引いてはサウンドトラック的な意匠が強く感じられる。

はて、どこがターニングポイントだったのだろうと考えるよりも、これはneokyotoの中にもともとあった素養が披露されているのかもしれない。鍵盤のメロディや和楽器の雅な響きを利用したタイトルトラック‘Zero Transition’やSyntWave meets Post-Punkな‘MedBox Express’を聴いていても、器用なイメージがある。特に後者はいいですネ。マシーナリーなサウンドの中にあって、エモーショナルなギターが存在感を放っている。 また前述の“Terminal B01”においてもサイバーパンクなイメージ、Post-Punkなサウンドを下敷きにしつつも、オーケストラルなサウンドを作っていたりして、なかなか素敵なバランス感覚です。

きっとそのときどきで自分のモチベーションにあったサウンド、作品を作っていくのでしょうけれど、次は是非PopなPost-Punk作品でお願いします。今作もよいけど、やはり“Rough Cuts”がシビれるんですよ。





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About a boy trapped in a computer simulation.



MIXTAPE : DREAM SEQUENCE




I hope your dream is the same as mine.


Originally Published on 8tracks : 2014.11.10

Re-uploaded on YouTube : 2017.03.18


– Tracklist –

 [00:00] Revshark – Little Germ Thoughts
 from “Careless Mode” (2013)
 ※現在音源は削除されているようです。


 [02:00] Go Dugong – Chalk (feat. LIFE & LIMB)
 from “WAS” (2013)


 [05:37] Astrocowboys – Daniel
 from “Olympic” [scrdig 02] (2012) / [mirror
 :: (CC) by – nc – sa 3.0 ::


 [09:08] Halo Twins – Pictures Of The Day
 from “Damn It The Color Name” (2014) / [mirror


 [11:56] Crozet – Do I Sad (Geneva Jacuzzi Cover)
 from “Alterations EP” (2011)


 [14:40] Beach Season – The Internet
 from “’Internet Evening’ EP” [CM015] (2014)


 [16:55] No Rome – Tru Feelings
 from “Fantasy EP” (2013)


 [19:55] Mirror Kisses – Genius
 from “Heartbeats” (2013)


 [24:14] Turquoise Memories – All I Need To Say (Instrumental)
 from “Turquoise Memories” (2013)


 [27:52] Noble Oak – We Decide
 from “We Decide / Heaven EP” (2012)
 ※現在フリーでの配信は終了しています。


 [32:28] Hypermagic – Ferris Reel
 from “Of Marsh and Mallow” (2012) / [FMA
 :: (CC) by – nc – sa 3.0 ::


 [36:06] Ghostlight – false dream
 from “quarter dream” (2012) :: (CC) by – nc 3.0 ::



Dea Karina – Tidur

 Dea Karina - Tidur Cover

 – Tracklist –
 01. Salam Kenal
 02. Seruling
 03. Bulan Purnama
 04. Subuh di Gunung



 - 01. Salam Kenal


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 Release Page :
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 Release Date : 2017.01.18
 Label : mindblasting Netlabel

 Keywords : Acoustic, Ambient, Dream, Electronica, Shoegaze, Solitude.


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音楽の届け方って色々ある。音楽単体はもちろん、目の前で演奏するのだってそうだし、目の前で演奏しながらも違う映像を見せる場合もあるし、そして全然特別なことではないけれど、音楽に映像を付して共に届けることもある。映像は音楽とシンクロすることもあるし、補完する場合もあるし、新たな解釈を生み出す場合もあるし、全く関係ない(ように思える)ディレクターの嗜好や興味が炸裂している(ように見える)ものもある。映像が付された音楽に私はドキドキ、ワクワクすることが多いんだけれど、それはなぜかと考えると、決して不可分ではない映像と音楽を共に楽しめる、いわば二つの違う味のキャンディを同時に舐めて、さあどんな味がするだろうかと楽しむようなもの、なのかもしれない(そういえば、そういうキャンディ、ありましたよね?)。観賞者がそういう受け取り方をするであろうことを利用して、音楽と映像でアンビバレンスな表現が行われることもあるでしょう。そう考えると、ちょっと話ずれるけれど、音と映像(そしてストーリーというある種の流れ)が組み合わさった映画というのは、あらゆる表現の複合体であり、作り手にとっても受け手にとっても非常に「面白い」表現なのだと解釈できるし、だから音楽の作り手がどういう形にしろ映像や映画という表現に関心を持っていく(あるいは映像・映画の作り手が音楽も共に手がける)、という流れは、素直に首肯できる。

話を元に戻すけれど、映像が付された音楽に私は確かに胸を高鳴らせることが多いんだけれど、その一方で、音それのみを聴いて、眼前、いや脳裏にあるイメージが立ち上ってくるような、その感覚も非常に好きなのです。たとえばある小説が映画化されたときに批判される理由に、“こんなイメージじゃない”というやつがあると思うんだけど、そこからも分かるように、脳内のイメージは往々にして具現化された映像をある意味で超える(それをスカルシネマと表現したのは誰だったか)。分からないことは分かることよりも恐ろしいというか、暗闇が怖いのはそこに何が潜んでいるか分からないからだろう。そこによくないイメージが広がってしまうからだ。と―また話が逸れた、けれどそぎ落とすことはしない。

だから音楽それのみから立ち上がる、明確でない、曖昧模糊としたイメージというヤツがとても好きで、それをもたらしてくれる音楽もまた好きなのです。

さて、インドネシア基盤のネットレーベル、mindblasting Netlabelより。Dea Karinaの作品がフリーでリリースされています。これが初作なのでしょうか。あまり大っぴらに音楽活動はしていないようです。SoundCloudを覗くとElectronicな硬い質感のトラックもあったりするのですが、ここにあるのはAmbient色が強い。Droningな印象もあるサウンドスケープにウィスパーボイスを挿入したスタイルは確かに珍しくはない。M-2では管楽器、M-4ではギターと思しき弦楽器の音が挿入されていて、モヤリとしたウェットな空間の中に出現する、そのAcousticな質感は面白い。

ここで先のイメージの話なのだけれど、第一印象、孤独な風景が浮かんできたのですが、さりとて孤独というどこか後ろ向きな感じも違うかなと思い、このイメージは何というのだろうと頭を捻ったのですが・・・ううむ。そういえば英語でいうところの、lonelinessとsolitudeってどう違うんだろうとネットの力に頼ったのですが(身近にネイティヴな方はいないのです)、“孤独に悩む人は”solitudeとloneliness”の違いを認識すべき”という、ああ前にも読みましたありがとうございますな記事にまたも行き当たる。多分解釈は他にもあるのかもしれないけれど、なるほど私が今作に感じていたイメージはsolitudeだったのだ。1人だけれどさびしくはない。自ら選んだ上での孤独、というニュアンス。だからこうちょっと温かみを感じるというか、冷たい部屋の中で1人で洗濯物畳んでるけど、顔はちょっと微笑んでるみたいな。まあ一人も悪くないよねっていう、肯定的なイメージ。solitary activity。

人里離れた山の中での自給自足の生活、それは決して易しいことではないけれど、どうにかこうにか軌道に乗ってきたようだ。そんな男とたまたま出会う、都会の生活に嫌気がさした青年。ここで暮らしたいという青年に、昔の自分を見るようで、優しさと冷たさをコントロールできない男。男の生活に憧れつつも、最後に青年が出す答えは―みたいな。ま、ステレオタイプだな。


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(CC) by – nc – sa 3.0