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Karen Weatherly – A Separate Reality (2nd Edition)

 Karen Weatherly - A Separate Reality (2nd Edition) Cover

 – Tracklist –
 01. Iridescent Valley
 02. Magical Passes
 03. Fellow Travelers of Awareness
 04. Journey to Ixtlan
 05. A Separate Reality
 06. Ayahuasca Safari
 07. Enchanted Desert
 08. Across the Prairie
 09. Units of Meaning
 10. On Alien Ground
 11. Peace in Every Step
 12. Mysterious Winds



 - 02. Magical Passes


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 Release Date : 2015.09.03
 Label : PHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS haze

 Keywords : Carlos Castaneda, Easy Listening, Melodic, Mystical, Midi, NewAge, Spiritual, Synthesizer.


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濃厚なMIDIサウンドだ! ☩(avaoneanaeon)改めPHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS hazeがお送りするKaren Weatherlyの作品。2nd Editionということでトラックがひとつ増えて、いくらかリマスターが行われている様子。

実際MIDI音源なのかMIDI風の音源なのかは私には分かりかねますが、いずれにしても90年代が全盛と思われるこのサウンドを今鳴らすことの意味というのはなんなのでしょうか。単純な懐古主義というのもあるかもしれませんし、むしろ逆に今だからこそ新鮮に響くことを意識しているのかもしれません―それが革新性に結びつく可能性が残されているのかどうか、私にはよく分かりませんが、たとえばbandcamp上でも“midi”のタグをあえて用いている作品はそう多くはありません。

そう考えると、このサウンドが作品の世界観にマッチするから、という理由がやはりもっとも適当に思えてくるわけですが、じゃあこの作品の世界観って何だろうって気になってしまったのです。そもそも作り手のKaren Weatherlyってどなたですかという話なんですが、あいにくこれは分からず。レーベルも無口なので、多くは語られておらず(まあどうしても知りたければ訊いてみればいいんですけどね)。クレジットにあるThe Learning Company ®ってのは以前に“原子カフナCAFE”を紹介したReelLife Music & Communicationsの新しい名義ですが、☉ Super CD-ROM² ☉ ってのは、何なのだろう。いやハードとしてのSuper CD-ROM²は存じておりますが、ここではその意味ではないような気がするのです。よく見たらタグにも“cd-rom”って付いてるしねえ、しかも“game”ってタグもあるし、じゃあもしかしたらこの作品自体が!何らかの!たとえばSuper CD-ROM²のソフトへのオマージュとか?なんて考えて画像検索するじゃないですか(楽しいですよねこういうの)―

そしたら別の道が開けたわけですが、まんまCarlos Castaneda(カルロス・カスタネダ)の著作“A Separate Reality”のペーパーバック版の表紙だった・・・(余談を言えば、M-2も彼の著作のタイトルだ)。さらによく見たらレーベルのbandcampの壁紙も同じ作品からとられている・・・何か通底するテーマがあるのだろうか。まあ私はカルロス・カスタネダの著作も読んでいないし、人物についても何ら知らないわけですが―

ドン・ファンを通して語られた非西欧的な知恵は読者を魅了し、アメリカ合衆国を中心として世界に広がったカウンターカルチャー全般、とりわけスピリチュアリズム、ニューエイジ運動などに影響を与えた。その背景には、ビートニク世代から受け継がれた禅や道教といった東洋思想への関心や、「他者の思想」によって西欧中心の世界観を反省しようとする人類学的な思想背景があった。(from Wikipedia)

―ということで、少なくともNewAgeやSpiritualという部分で、今作と繋がるのではないかと、考えることができます。著作を読めばあるいはもっと理解が深まるのかもしれませんが(“A Separate Reality”は“分離したリアリティ”のタイトルで翻訳が出てます)、そこまでは、しない! でもあんまりメロディ的にはNewAgeやSpiritualな瞑想感がないような気がする。・・・ああ、なるほど、著作の内容を調べてみると少し見えるものがある。薬物使用の幻覚体験なのではないかとか“そういう”部分は置いておくとして、ファンタジーというか、冒険譚的な部分も多分にあるのではないか、ジャケットに描かれている砂漠も確かにキーワードになっているようだし、そうすると、今作の”adventure”や“desert”というタグにも納得がいく。その物語をgameに見立てて、サウンドトラックを付した、という成り立ちも考えられるが、しかし、cd-romってあえて付ける意味が分からない・・・・。

東洋思想も見られるのだとすれば、M-3の人によってはズッコけそうな和テイストにも頷けるではないか。失礼かもしれないが、私はこの歌謡曲にも通じる軽快なトラックを聴いて、大好きな“がんばれゴエモン2”のBGMや、“かまいたちの夜”の‘わしが香山や!~男の大往生~’とか想起したクチなのですが、他にそういう人いませんか、いないですか、そうですか。しかしここでカルロス・カスタネダから香山誠一がつながるなどと、誰が想像したでしょうか(勝手につなげただけ)。

例によってまったくサウンドに触れていなくて申し訳ありませんが、とにかくメロディに富んでいて、フォークロアっぽい調子もあったりして、そこも私の琴線をくすぐるんです(どこにルーツがあるのか自分でもまったく分からないですが)。Karen Weatherlyはこのレーベル以外で名前を見かけませんが、気になった方はもうひとつ“Vision Quest EP”をリリースしているのでそちらも聴いてみてください。PsychedelicでSpirituralな見た目に反して、非常に聴きやすい内容のMIDIサウンドです。



 - Wild Rose Dreamers Lodge (from “Vision Quest EP”)


そういえば“Vision Quest”って映画あったなあ・・・ではなくて、ここではネイティヴ・アメリカンの儀式のそれでしょう。

ちなみに“separate reality”と“game”をキーワードに調べると、今や伝説と化したホラーゲーム“P.T.”が浮上しますが、まあこちらは関係ないでしょう(?)。そしてああ、結局The Learning Company ®は今作にどう絡んでいるの・・・。


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Note :

An Ethereal Simulation That Builds Real-Life Wisdom & Spiritual Understanding

Somewhat Remastered 2nd Edition

☉ Super CD-ROM² ☉

The Learning Company ®



Eternal Dream System – 夢01

 Eternal Dream System - 夢01

 – Tracklist –
 01. 夢
 02. 不思議
 03. 森
 04. 抱擁
 05. 旅
 06. 睡眠
 07. 猩々
 08. 竹
 09. 蝶
 10. 時
 11. 入札
 12. 永遠の



 - 04. 抱擁


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 Release Date : 2014.11.01
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Dream, NewAge, Spiritual, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ Eternal Dream System on bandcamp


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Eternal Dream Systemといえば、某レーベルのコンピレーション名でもありますが、その辺りが意識されているのかどうか。そんな詳細不明のトラックメイカー、Eternal Dream Systemの作品です。

何か新しい手法があるとか、取り分け特別なコンセプトがあるとか、そういう感じではないのですが、優れた作品だと思います。Ambietn/NewAgeをVaporizedしたような、非常に落ち着いた作風。ときおり聴こえる雅な旋律や、パーカッシヴな響きには、ワールド・ミュージックのエッセンスもあり。もちろんMuzak/Mallsoft的でもあるんだけど、もうちょっとBGMに寄っているかと思います。かといって何でもないBGMである、といってしまうと語弊を感じてしまう。

Vaporizedな作風に共通する、モコッとして、かつスローなサウンド、大げさにいえばサウンドプロダクション、これが功を奏しているのでしょう。クリアなトーンで鳴らされていたら決して生まれないであろう、ドリームスケープが描かれているのです。まあそういうAmbientなVaporWave作品も実際多くあるかとは思うんですが、やっぱり私好きなんですよね。NewAge経由のスピリチュアルなバイブがVaporWaveが持つノスタルジアの中に落とし込まれて、その結果生まれる、精神世界での原風景へのアクセス。とか書くと何だか怪しげな響きを持ってしまいますが、単純にいえば、落ち着くということです。それも非常に。

VaporWaveと言われる音楽が根底に何か意志を宿しているのかどうか、私はたまに分からなくなりますが、もし現代社会、あるいはもっとシンプルに“今”というものを拒絶するが故に過去をリバイブさせているのであれば、ここにおいて確かに“今”は拒絶されています。なんでって、ここにあるのは浮世を離れたドリームスケープ、流れているのはスピリチュアルなせせらぎであるからです。でも考えたら音楽全般にそういう一面あるよな、なんて思ってもしまいます。意味のある歌詞を持った唄たちも、悩みや迷いに対する“if”を描いて、“今”とは違う“未来”を見せ、リスナーを力づけたり、希望を持たせたりする―でもその場合向かうのは未来だから、やっぱりちょっと違うのか。

ちなみに特に好きなトラックは‘抱擁’ですかね(そういえばchris†††にも“包容”って、今作と決して遠くない作風のアルバムあったな。VaporWaveには好まれるワードですね)。こういうAmbienceと穏やかなメロディの組み合わせって、曇天の空を低空飛行する、みたいなイメージなのです、私の中では。ちょっと悲しくて、不安で、でもどこか気持ち良いっていう。映画のサウンドトラックみたいで、イマジネイティヴで、アクアリウム(水族館)のような心地よい暗さ、静的な流れ・動きがあって、すごく落ち着いてしまう。

今までにもこういう作品を紹介してますが、いずれも精神安定、睡眠導入(現実逃避含む)という素晴らしい機能を果たしてくれています。今作もそのレパートリーに仲間入りです。

今のところ“夢02”までリリースされてますが、以降途絶えているので、ここで打ち止めなのでしょうか。その“夢02”、なぜか最初のトラックが今作のM-3と同じ‘森’ですが、別物という謎の作りです。今作の方がNewAgeに寄った作りで好きなんですが、興味のある方は是非上記のbandcampへ。