ABRAcaDABRA

Netaudio explorer

タグアーカイブ: Synthesizer

Hana Sent – Lampoooni [51bts052]

 Hana Sent - Lampoooni [51bts052] Cover

 – Tracklist –
 01. Escape
 02. La Maison Démontable
 03. Kikiwon
 04. Wonderlust
 05. Hanarcade Summer
 06. Mooncup



 - 02. La Maison Démontable


+ + +


 Release Page :
  ≫ [ main ] / [ mirror* ] Download Free! / * = pay what you wish.
  :: SUPER LIMITED CASSETTE EDITION AVAILABLE. ::

 Release Date : 2017.04.07
 Label : 51beats

 Keywords : Electronic, House, IDM, Synthesizer.


+ + + + + +


イタリアン・ネットレーベル、51beatsからリリースされたHana Sentのデビュー作です。彼/彼女は、イタリア基盤のアーティストであることが明かされていますが、他はいっさい謎。リリースページには“ghost electronic music composer”と記されています。

4つ打ちHouseなビートにチープなシンセをまぶした、あっさり仕上げのエレクトロニック・ミュージック。今どき(って言ってしまうと語弊がありますね。どこにおける今なのかって話ですが)のコテコテなシンセサウンドにはなっておらず、音数も少ないし、ゆえに(もちろんサウンドメイクもあるけれど)音の輪郭もはっきりしている。というように非常に簡素な作りになっているにもかかわらず、ここには心、そして耳をひかれる何かが存在している。

それは主に、チョイスされているサウンド、音色であり、またささやかに流れるメロディであると私は思っている。80sという形容も可能かもしれないが、何を以って80sかというのが、イマイチ説明できないのでこれ以上踏み込みませんが、Lo-bitでシンセ然としたサウンド、音色が呼び起こす(いつのものかも分からぬ)ノスタルジア。そして長閑ともいえる、おだやかで優しげなメロディ(強くはないが)、それは休日の昼下がりを思わせるほどにドリーミィ。その様子はIDM/Electronicaに通じるものだと思ったりもするのだけれど、Acid Houseなトリッピ―感もブレンドされており、硬派なファッションと可愛いメイクが同居しているような、不思議な聴き心地。

‘Wonderlust’ではパーカッシヴなリズムや民族音楽のようなコーラスが聴こえてきたりもするのだけれど、そういった部分からはChillWaveのエッセンスも感じたりする。また‘Hanarcade Summer’の冒頭、これはサンバのリズムにも取れる―すぐにほかの音がかぶさってくるので、そのイメージは消えてしまうけれど。そんなように、チープで簡素なサウンドの裏に潜んでいるさまざまなサウンドエッセンスが垣間見えるところも、興味深い。

頭の‘Escape’はわずか28秒のインタールードなのですが、このフレーズをラストの‘Mooncup’で使っているのも面白いです。リプライズ的な。


+ + +


余談。51beatsといえば、errnoisの“The Winter Season”、好きでした。Indietronicという言葉が相応しい素敵な作品でした。今ではこの名義はもう使っていないようですが。興味のある方はどうぞ。


+ + +


Credit :

Music and graphics by Hana Sent

Released by:
51beats
Release date:
7 april 2017
“Lampoooni” by Hana Sent is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License

(CC) by – nc – nd 4.0



Karen Weatherly – A Separate Reality (2nd Edition)

 Karen Weatherly - A Separate Reality (2nd Edition) Cover

 – Tracklist –
 01. Iridescent Valley
 02. Magical Passes
 03. Fellow Travelers of Awareness
 04. Journey to Ixtlan
 05. A Separate Reality
 06. Ayahuasca Safari
 07. Enchanted Desert
 08. Across the Prairie
 09. Units of Meaning
 10. On Alien Ground
 11. Peace in Every Step
 12. Mysterious Winds



 - 02. Magical Passes


+ + +


 Release Page Download Free! / pay what you wish.

 Release Date : 2015.09.03
 Label : PHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS haze

 Keywords : Carlos Castaneda, Easy Listening, Melodic, Mystical, Midi, NewAge, Spiritual, Synthesizer.


+ + + + + +


濃厚なMIDIサウンドだ! ☩(avaoneanaeon)改めPHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS hazeがお送りするKaren Weatherlyの作品。2nd Editionということでトラックがひとつ増えて、いくらかリマスターが行われている様子。

実際MIDI音源なのかMIDI風の音源なのかは私には分かりかねますが、いずれにしても90年代が全盛と思われるこのサウンドを今鳴らすことの意味というのはなんなのでしょうか。単純な懐古主義というのもあるかもしれませんし、むしろ逆に今だからこそ新鮮に響くことを意識しているのかもしれません―それが革新性に結びつく可能性が残されているのかどうか、私にはよく分かりませんが、たとえばbandcamp上でも“midi”のタグをあえて用いている作品はそう多くはありません。

そう考えると、このサウンドが作品の世界観にマッチするから、という理由がやはりもっとも適当に思えてくるわけですが、じゃあこの作品の世界観って何だろうって気になってしまったのです。そもそも作り手のKaren Weatherlyってどなたですかという話なんですが、あいにくこれは分からず。レーベルも無口なので、多くは語られておらず(まあどうしても知りたければ訊いてみればいいんですけどね)。クレジットにあるThe Learning Company ®ってのは以前に“原子カフナCAFE”を紹介したReelLife Music & Communicationsの新しい名義ですが、☉ Super CD-ROM² ☉ ってのは、何なのだろう。いやハードとしてのSuper CD-ROM²は存じておりますが、ここではその意味ではないような気がするのです。よく見たらタグにも“cd-rom”って付いてるしねえ、しかも“game”ってタグもあるし、じゃあもしかしたらこの作品自体が!何らかの!たとえばSuper CD-ROM²のソフトへのオマージュとか?なんて考えて画像検索するじゃないですか(楽しいですよねこういうの)―

そしたら別の道が開けたわけですが、まんまCarlos Castaneda(カルロス・カスタネダ)の著作“A Separate Reality”のペーパーバック版の表紙だった・・・(余談を言えば、M-2も彼の著作のタイトルだ)。さらによく見たらレーベルのbandcampの壁紙も同じ作品からとられている・・・何か通底するテーマがあるのだろうか。まあ私はカルロス・カスタネダの著作も読んでいないし、人物についても何ら知らないわけですが―

ドン・ファンを通して語られた非西欧的な知恵は読者を魅了し、アメリカ合衆国を中心として世界に広がったカウンターカルチャー全般、とりわけスピリチュアリズム、ニューエイジ運動などに影響を与えた。その背景には、ビートニク世代から受け継がれた禅や道教といった東洋思想への関心や、「他者の思想」によって西欧中心の世界観を反省しようとする人類学的な思想背景があった。(from Wikipedia)

―ということで、少なくともNewAgeやSpiritualという部分で、今作と繋がるのではないかと、考えることができます。著作を読めばあるいはもっと理解が深まるのかもしれませんが(“A Separate Reality”は“分離したリアリティ”のタイトルで翻訳が出てます)、そこまでは、しない! でもあんまりメロディ的にはNewAgeやSpiritualな瞑想感がないような気がする。・・・ああ、なるほど、著作の内容を調べてみると少し見えるものがある。薬物使用の幻覚体験なのではないかとか“そういう”部分は置いておくとして、ファンタジーというか、冒険譚的な部分も多分にあるのではないか、ジャケットに描かれている砂漠も確かにキーワードになっているようだし、そうすると、今作の”adventure”や“desert”というタグにも納得がいく。その物語をgameに見立てて、サウンドトラックを付した、という成り立ちも考えられるが、しかし、cd-romってあえて付ける意味が分からない・・・・。

東洋思想も見られるのだとすれば、M-3の人によってはズッコけそうな和テイストにも頷けるではないか。失礼かもしれないが、私はこの歌謡曲にも通じる軽快なトラックを聴いて、大好きな“がんばれゴエモン2”のBGMや、“かまいたちの夜”の‘わしが香山や!~男の大往生~’とか想起したクチなのですが、他にそういう人いませんか、いないですか、そうですか。しかしここでカルロス・カスタネダから香山誠一がつながるなどと、誰が想像したでしょうか(勝手につなげただけ)。

例によってまったくサウンドに触れていなくて申し訳ありませんが、とにかくメロディに富んでいて、フォークロアっぽい調子もあったりして、そこも私の琴線をくすぐるんです(どこにルーツがあるのか自分でもまったく分からないですが)。Karen Weatherlyはこのレーベル以外で名前を見かけませんが、気になった方はもうひとつ“Vision Quest EP”をリリースしているのでそちらも聴いてみてください。PsychedelicでSpirituralな見た目に反して、非常に聴きやすい内容のMIDIサウンドです。



 - Wild Rose Dreamers Lodge (from “Vision Quest EP”)


そういえば“Vision Quest”って映画あったなあ・・・ではなくて、ここではネイティヴ・アメリカンの儀式のそれでしょう。

ちなみに“separate reality”と“game”をキーワードに調べると、今や伝説と化したホラーゲーム“P.T.”が浮上しますが、まあこちらは関係ないでしょう(?)。そしてああ、結局The Learning Company ®は今作にどう絡んでいるの・・・。


+ + +


Note :

An Ethereal Simulation That Builds Real-Life Wisdom & Spiritual Understanding

Somewhat Remastered 2nd Edition

☉ Super CD-ROM² ☉

The Learning Company ®



MIXTAPE : ZANSYOMIMAI : 残暑見舞い


zansyomimai 2015



残暑お見舞い申し上げます

残暑の候 皆様方におかれましては益々御清祥のことと
お慶び申し上げます
平素は格別のご愛顧を賜り有難く厚くお礼申し上げます
炎暑のみぎり皆様くれぐれもご自愛の程お祈り申し上げます

平成27年 晩夏

listen on 8tracks
8tracks will no longer stream from their servers to listeners outside the US and Canada.
learn more…



– Tracklist –

 01. Puru – Akari
 from “ふとんEP” [UNSP-0010] (2015)

 02. Harito – Rain drop
 from “雨EP” (2015)

 03. Mark Arkinson & BR/\VE) – w/ u (ft. BR/\VE)
 from “Kaleido – Chapter 1” (2015)

 04. Ize! – Jealous (Day 365)
 from “Jealous (Day 365)” (2014)

 05. KATOMORI – DAY BY DAY
 from “DAY BY DAY” (2015)

 06. LLLL – I feel you fading feat.Yeule
 from “Cruel” [MARU-145] (2015)

 07. KALKO – My Girlfriend Likes To Dance
 from “My Girlfriend Likes To Dance” (2015)

 08. FoxyPanda – Valentine Roll
 from “Valentine Roll” (2015)

 09. HANA ACBD – Promises
 from “Promises” (2014)

 10. Josiah Wilkinson – i will wait for you
 from “i will wait for you” (2015)



テレビ体験 – The City Never Ends [TKX-018]

 テレビ体験 - The City Never Ends [TKX-018]

 – Tracklist –
 01. Forever The City
 02. Infinite
 03. The Neon Sleep
 04. An Empty Glass, An Empty Bar
 05. Darkwalker
 06. Her Music Box
 07. Last Chance Casino
 08. Full Moon
 09. An Empty Bottle, An Empty Street
 10. The Aphotic Sleep
 11. The End?
 12. It Never Ends



 - 01. Forever The City 


+ + +


 Release Page Download Free! / pay what you wish.

 Release Date : 2015.05.29
 Label : 東京為替

 Keywords : Ambient, Japan, Synthesizer, VaporWave.


+ + + + + +


DREAM CATALOGUEのミックスなどにその名を見ることができる、VaporWaveメイカー、テレビ体験。彼/彼女の、東京為替からの二作目がこちら“The City Never Ends”。東京為替のカタログ番号一発目を飾った“Y. 2089”においては、Fuji Grid TVをモデルとしたような、CM引用型VaporWaveを主軸に、それをさらにクラッシュさせたような、ノイジーな作風でしたが、今作ではだいぶメロディに寄った印象。

もっとも私が注目したのが、今作にある“和”の音色、旋律です。具体的に何、ということは記述できないのですが、これはありそうでなかったスタイルではないかと思うんですよね。日本のトラディショナルな音楽をVaporWave化するという所業。たとえば実在する日本の雅楽をサンプルにしているとか、具体的な言及はやはりできませんし、もしかしたらサンプリングですらないのかもしれません。しかしテイストやフィーリングという点だけで見ても、意識的にそちらに寄せられているのは明らかです。前作“Y. 2089”におけるM-18‘江戸の街’にはその萌芽がありますし、同レーベル内のリリースだとTHE DARKEST FUTUREの“????????”の一部において、似たようなスタイルが見れますが、それをさらに推し進めたような形です。レーベル関係なくいえば、Koyahの‘Lady Gagaku’という雅楽トラックもありますが、これはどこかVaporWaveとは言い切れないもどかしさがある(出オチではない、と思う)。すなわち今作の新奇性はやはり際立っているのです。

確かにVaporWaveの意匠を身にまといながら、しかし新しい景色を描くことに成功している、ユニークな作品だと思います。“和”一辺倒ではなくて、シンセサイザーによるベートーベンの‘月光’なども収録されており(M-8‘Full Moon’)、このシンセによるクラシックの再生(というと大げさですかね)は、冨田勲によるドビュッシーの‘月の光’などを想起させまして、電子音楽・現代音楽への関心を感じ取ることも出来ます。またM-11‘The End?’では、シンセチックなヴォイスを利用した宗教的気配が漂っており、OPN(Oneohtrix Point Never)の“R Plus Seven”の影響を見ることも出来ますが、その中にさらに“和”を忍ばせている点が面白い。さらにいえばオーソドックスなVaporWaveトラック‘Last Chance Casino’もあったりして、しっかりVaporWaveへの愛も感じ取れる。

前作とは打って変わってAmbientな空気が充満しているのですが、ハッキリとメロディが存在している点も、私にはポイント高いです。そうだ、ラストはまさかのディスコテックで! 雷鳴の音からはじまってビコビコ・デケデケしたシンセとストレートなリズムでリスナーを呆気にとりつつ、駆け抜けていく。何というか、人を食ったような展開。‘The End?’からの‘It Never Ends’なので、終わらせねーよという気概がここに込められているのでしょうか。どうなんでしょうか。

東京為替は、ミステリアスですが、面白く、そして信用できる、よいレーベルさんだと思います。最近よいなあと思うVaporWave作品はだいたいここから。



Telepath – Window Druzy

 Telepath - Window Druzy

 – Tracklist –
 01. AFK 1994
 02. Middlemist Red
 03. Glittering Wood
 04. Wave for a while
 05. Window Druzy
 06. Encarta
 07. 1, 2, 3, Purple
 08. Call go through
 09. Rarest Opal
 10. Yesterday’s Tapes
 11. Dawn
 12. a brilliant play of color
 13. Viewfinder



 - 03. Glittering Wood



 - 10. Yesterday’s Tapes


+ + +


 Release Page Download Free! / pay what you wish.
 :: ‘Window Druzy’ Limited Compact Disc w/art book is SOLD OUT. ::

 Release Date : 2015.01.30
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Drone, Memories, Synthesizer, VHS.


 Related Links :
  ≫ Telepath on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp
  :: 現在はoldboyという名義になっています。 ::


+ + + + + +


Boards of Canadaの“Music Has the Right to Children”を彷彿させるジャケットイメージに惹かれました(関係ないけどアレって1998年なんだなあ・・・)。おぼろげな記憶を映像化したような、煤けた群像が喚起するノスタルジア。アメリカのプロデューサ、Telepathの作品は実際Boards of Canadaのサウンドとそう遠くはありません。タグにもそのワードを使っているし、影響下にあることは間違いありません。もともとはBlade Runnerという名義で活動をしていたようですが、現在はTelepath(追記:現在はoldboy)に統一されています(ちなみにBlade Runner時代には、Anticonの“Best New Music 2012”に選出もされている)。

今作の前には3年間の軌跡を収めた、48トラック入りの、その名も“Ambient Works”がリリースされていますが、そんなトゥー・マッチなのはちょっと・・・という方は今作やその次の“Good Virtual Gods”から聴くのがよいかもしれません。

サウンドとしてはVHS感(粒子の粗さという点で)のある、Ambient/Drone、Synthesizer musicです。この煤けた調子―縒(よ)れていたり、ささくれ立っていたりといった、ほんの少しのGlitchyな調子と、持続的音像が、得も言われぬ望郷の念を抱かせるのです。頭の中では、いつかの、どこかの、風景が、シーンが、エンドレスで再生されるのです。風に揺れる木々の葉の間からもれる日差しだったり、ゆるやかに流れる川面でキラキラと反射し続ける陽光だったりが、私の頭の中に浮かんでくるのです。人の手を介さずに、自然に作り出される、ミニマルな景色(それは循環ともいえるかもしれない)。けれど、それは、いつかの、どこかのシーンであって、眼前にはない。そう、かつては私が目にしたものかもしれませんが、失われたものなのです。どこをどう探したって、私の頭の中と完全に一致するシーンを手に入れることはできないでしょう。そこにある喪失感たるや。

今作には短い文章が付されていて、“Window Druzy is a story about constant decay in memory. Technology has allowed us to share perspectives and capture moments in time, but nothing lasts forever. Inevitably, everything turns back to dust.”とあります。何物も永遠には続かない。すべては塵(ちり)に。それをここにあるサウンドは、まざまざと感じさせる、イメージさせるのです。見事に。ノスタルジアはいつだって過去が対象で、つまりそれは、ノスタルジアの対象は、今現在にはない。だからどうしたって、そこにはいくらかの喪失感がつきまとう。そのことを、絶妙に煤けたミニマルなAmbient musicで提示してみせる、見事な手腕。

正直トラックごとの弁別というのは、今作に対しては、やや難しい。けれど今作丸ごとで何かを感じさせることが主眼であるなら、それでもよいのかもしれない、なんて思います。このTelepathのトラックには映像が付されているものが多くあって(おそらくは自身で作製している様子)、特に今作はまるまる全編に映像をつけて、YouTubeで公開をしています。これがまた、下手な演出など加えない、ドキュメンタリーのような、ミニマルな自然風景を切り取って、つなぎ合わせたもので、今作を補完せんとするかのような、すばらしい仕上がりになっているのです。一見の価値あり。それを見ながら、リスナーはまた実感するのです。何気ない自然風景でも、同じものが繰り返されることは決してないと。そこから失うことの悲しみを感じ、もしかしたら、得ることの喜びにも気づける、かもしれません。


+ + + + + +


Telepath – Window Druzy (Video Companion)



+ + +


Note :
Window Druzy is a story about constant decay in memory.
Technology has allowed us to share perspectives and capture moments in time, but nothing lasts forever. Inevitably, everything turns back to dust.



Amun Dragoon – Socotra Island

 cover

 – Tracklist –
 01. Mystic Water Zone
 02. The Wind is Dreaming
 03. Martial Law
 04. Fishing
 05. Emerald Grove
 06. The World Egg
 07. Amie
 08. A Walk Planted With Trees
 09. Your Journey Leads Here
 10. Lunch
 11. Spooky Elevator (feat. Madalyn Merkey)
 12. Submarine in the Ocean Forest
 13. Celestial Sky City
 14. Tamagotchi Treasure
 15. Monster
 16. Silk Mirage
 17. Tall Fruit



 - 03. Martial Law



 - 12. Submarine in the Ocean Forest


+ + +


 Release Page :
  ≫ [ main ] / [ mediafire ] Download Free!

 Release Date : 2015.01.13
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Easy Listening, Muzak, NewAge, Nostalgia, Synthesizer, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ Amun Dragoon on Last.fm / on SoundCloud / on bandcamp


+ + + + + +


Amun Dragoon(アムン・ヅラグン)の最新作が完全フリーで配信されています。けっこう前に出すようなことを告知してから時間が空いたように思いますが、モチベーションなくなってしまったのかと心配しておりましたので、こうしてリリースにこぎつけてくれただけで、素直にうれしく思います。

もともとVaporWaveのカテゴリに入れられつつも、そこに収まらないサウンドを鳴らしていましたが(前回取り上げたときにもその方向で書きました)、今作でもはや完全に、VaporWaveを引き離し(引きはがし)にかかっています。プレなのかポストなのかは分かりませんが、VaporWaveを対岸に見ながら、ノスタルジックな顔をしている気配。SoundCloudでは今作について“Tutorial”というタグがついていますが、いったい何についてのチュートリアルなのでしょうか。

タイトルのSocotra Island(ソコトラ島)というのは実在する島の名前です。Wikipediaによれば、“世界遺産に登録される独特の生態系と、その奇観で知られる。 紅海の入り口に位置し、ジブラルタルと並んで地政学的に重要なこともあって、第二次世界大戦やそれに類する戦争を扱った架空戦記などにもしばしば登場している”とのことです。有名なのは竜血樹(dragon tree)でしょうか。その島での過ごし方に対するチュートリアル、という意味合いなのかもしれませんが、各トラックに付されているコンピュータ・グラフィックス(CG)を見ていると、実在の島というよりは、架空の島を想像してしまいますね(organicではなく、inorganic)。ちょうど、私の好きな“MYST”とか、まさにあの雰囲気です。神秘的で、謎に満ちた島。過去も未来も一緒くたにしたような特異な文化、技術、デザインがあふれる島。

そういったいわばヴァーチャルな島といったイメージを使ってくる辺り、それとNewAge経由のmeditativeなAmbientが組み合わされている点は、やはりVaporWaveを踏まえている(つまりPost-VaporWaveな)気もします。音楽単体で見ると、NewAge/Easy LinteningなSynthesizer musicといったところでしょうか。M-3‘Martial Law’にあるこのシンセ感とかどうですか。何だかちょっと日本のレトロな歌謡曲っぽいし、この大げさなシンセサイズな感じをあえてチョイスする、そのレトロスペクティヴな志向。私のノスタルジャーな気質をたまらなく刺激してくれます。‘Fishing’もメチャクチャ牧歌的なシンセミュージックになっていて、ちょっとどう受け止めたらよいのか、戸惑うくらい。

それから今回はVocaloidと思しき合成音声も使われていて、そのことも今作のシンセサイズな聴取感を強くしていると思います。聴き取れない言葉をミニマルに反復する、童謡のような‘The World Egg’がそれにあたります。作品全体ではAmbient系が大半を占めていますが、M-5‘Emerald Grove’やM-12‘Submarine in the Ocean Forest’のアフターサマーなサンセット感・チル感もよいですし、ウェットなレイヤーにPianoを配した‘Amie’の物憂げな空気もよいです。シリアスで深遠なラストの‘Tall Fruit’も望郷感/寂寥感にあふれていて引き込まれます。

作中で最もドラマチックな‘Celestial Sky City’ではシタールの音色も使われていて、エスニックかつAncientな気配。関連して、M-10‘Lunch’のイージーなトライバル感も面白いです(火を囲んでの宴のようなイメージですね)。M-15‘Monster’もどこか不穏なシンセミュージックだし、やはりAmun Dragoonの場合は幸運なことに(?)トラックのタイトルとサウンドのイメージが結びつけられているようです。ということは、これはやはり、Socotra Islandのチュートリアル・・・? よくよく見ればジャケットイメージには森へ向かうヒヨコ(のようなもの)の軌跡が描かれている。秘密の場所への案内図、なのかもしれない。確かに、少なくとも今作は、ここではないどこか(virtual island)へ、リスナーを案内してくれる。

一見トっ散らかった内容に思えるかもしれないけれど、通して聴くと意外に違和感がなくて、どこに一本筋が通っているのだろうと、不思議に思えてきます。ちょっとレトロで、とても不思議なシンセサイザー・ミュージック。VaporWaveの追跡を飄々とかわした気配。今後もレトロスペクティヴでミスティックなシンセサイザーミュージックをお願いします。



Polka Polka – DEWNEOT [MS-001]

 Polka Polka - DEWNEOT [MS-001]

 – Tracklist –
 01. Le Tournesol
 02. =Qaqlmb
 03. Pastel Rainbow
 04. Outerstellar
 05. Methylate
 06. Superluminal
 07. MG42



 - 02. =Qaqlmb



 - 05. Methylate


+ + +


 Release Page :
  ≫ [ main ] / [ bandcamp ] Download Free! / pay what you wish.

 Release Date : 2015.01.15
 Label : Synthikate

 Keywords : Bass music, Electronic, Gabba, House, J-Pop, Rave, Synthesizer.


 Related Links :
  ≫ Polka Polka on SoundCloud / on Twitter


+ + + + + +


詳細は掴みきれていませんが、おそらくは韓国はソウルのレーベル/コレクティヴ、Synthikateより。Polka Polkaの作品がリリースされています。Subculture Collectiveという説明や、ところどころで使われているLOWCVLTという言葉から察するに、日本でいうところの“サブカル”的なものを志向しているのかもしれません。私がSynthikateを知ったのは、PURE AESTHETEにも所属しているSTEPiCのSoundCloud経由だったように記憶しています。姉妹レーベルとしてGADSというものがあり、2014年12月に共同リリースされた“Snowlight”というコンピレーションでハッキリと気にしはじめました。

よくよく見るとこのジャケットイメージにはアーティスト名も作品タイトルも入っていないんですね・・・レーベル名が中央にあるだけという、なかなかの強気。さてPolka Polkaは韓国とフィンランドが活動基盤になっているようですが(ただどちらかの出身ということかもしれませんが)、そのディスタンスを示すように、音楽性も(なんとはなしに)二分されているように感じます。この作品でいうと、ちょうど前半部と後半部で印象がガラリと変わります。

まずは前半部。M-1。Houseなビートと、電子的でありながらまろやかなシンセのメロディ、積み重ねられる鍵盤、それらがミニマルに繰り返されますが、しかしバウンシーなビートと相俟って、なんとも心地よく、可愛らしい印象さえ残します。続いてM-2。私が勝手にPost-Shibuyakei(Neo-Shibuyakei)と呼んでいる、エディット・ポップがここでさく裂します。ブレイクするシンセフレーズと、エディットされた多段的なヴォーカルの組み合わせ。StopとGoを混在させる中で、リスナーに確実にカタルシスを与える手腕はお見事です。M-3。歌がないのに唄っている気がする、Popなトラック。シンセのフレーズがトラックのメインを張っているわけですが、この伸びやかで、弾んだ感じは、非常にJ-Popなフィーリング。敢えてこのnetlabel/netaudio界隈でシミラリティをもつトラックメイカーを上げさせてもらえるなら、やはりYoshino Yoshikawaさんかなあ、という気がします。と、ここまでが前半部。

後半部。M-4から向きがガラリと変わって一気にBass musicの色が濃くなってきます。アタックの強いシンセ、ブリブリと振動し、軋むフレーズたち。メロディは確かに生きていますが、PopからRaveへと聴取感は変化します。M-5ではJ-Pop/J-Rock経由でしょうか、MelodicでハードなギターサウンドにElectronicな装飾を施すことで、デジタルでエレクトロなロックを披露。非常にMelodicなんですが、やはり前半部の流れからすると異質なものを感じます。M-6もその流れを引き継いで、ギターサウンドにエレクトロなDubstepを取り入れつつ、ゴリゴリと重戦車のように突き進みます。そしてラストはまさかのGabba。叩きつけるようなビートにスラッシーなギターとRaveなシンセが壁のように立ち上がり、完全にハードコアなスタイル。前半部とのギャップが凄まじい。全編このカラーで行ってたら確実に私は聴いてないでしょう(笑)。

どちらが彼にとってメインのスタイルなのかというのが気になるところですが、比率からいくと後半部の方がボリューミィなので、もしかするとこのハードなスタイルこそが真骨頂なのかもしれません。しかし上記のコンピレーションに提供された‘Masonry Fireplace’というトラックは、JazzyでLoungeな、非常に暖かみのあるもので、今作収録曲とはまた趣が異なります。このように幅広い音楽性の潜在をうかがわせるPolka Polka、そしてその一端を垣間見れる今作、要注目です。

Synthikateもbandcamp上には3作しか作品が記載されていませんが、以前にもSugar Rush ☆ Sweet Dashをリリースするなどしているようで、なかなかレーベル/コレクティヴとしての全容は掴めていませんが、しかしPop志向であるのは間違いない様子。Punkという部分ではちょっと異なるかもしれませんが、日本のMaltine Recordsや、アメリカのZoom Lensとも共通する部分があるように思います。韓国のこういったシーン自体、あまり表に出てこないように思うので、今後どういった動きを見せるか、楽しみにしています。



 - Masonry Fireplace