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タグアーカイブ: VaporWave

mLaD3n° – UNKNOWN ISLAND [012]

 mLaD3n° - UNKNOWN ISLAND

 – Tracklist –
 01. #_Q
 02. !ERR
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 06. SS=W
 07. E#!.-



 - 02. !ERR


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 Release Date : 2017.02.20
 Label : TV FEH

 Keywords : Ambient, Deep, Future City, Underwater, VaporWave.


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小さいころ、自分が雨の日を好きだったのは、それが外に出なくてよい口実になっていたから、かもしれない。“雨降ってるし”、という言い分。“お腹が痛い”とか“熱がある”とかと同じ理屈なんだろう。そうやって自分だけの空間、時間に逃げ込むことで、安心を手に入れていたのだろう。当然、大人になればそんな理屈は通りにくくなるし、それと合わせるように私は雨の日が嫌いになってきた。

今の私がたびたび逃げ込むのは深海、海中のイメージだ。その人知の及ばない神秘的なイメージに惹かれている人は多くいるだろう。そのある種の異世界は現実から自分を切り離し、身を沈めるのに打ってつけではある。しかし実際深海まで潜れるわけもないし、よしんば潜ったところで怖すぎるので(ワガママだ)、私が好むのはあくまでイメージに留まっている。

そう、水族館もその異世界感に近しいものを醸しているけれど、しかし周りに第三者がいるという時点で、少なからず現実は残ってしまう。・・・そういえば、自分の身の回りに水族館の年間パスを持っている人がチラホラといて驚いたことがあるが、案外その事実に潜んでいるのは、現実とは異なる世界を欲する心なのかもしれない。なんて。

深海や水中のイメージといえば、それをコンセプトにしたビデオゲームも存在する。“アクアノートの休日”…は、プレイしてないな。PSの“DEPTH”はよくやった。



最近だと“ABZÛ”が記憶に新しい。スリリングな側面もあるけれど、プレイヤーがデッドすることはないし、総じてリラクシンだ。独特のグラフィックも美しく、魅力的。



あとは“SOMA”もある。深海探索SFホラーアドベンチャーであるけれど、ストーリーは自己の在り方を問うような、悩ましいものになっている。ラストに待つ希望と絶望のコントラストに何を感じるかは人それぞれでしょう。これは恐怖も孕んではいるが、神秘的な世界観がもつ没入感は極めて強い。



と、遠回りをしていますが、音楽の存在を忘れてはいけません。水族館やビデオゲームも結構ですが、深海や水中のイメージをもった音楽も古今東西たくさんあるでしょう。いつも挙げるのは深海Dark Ambientの傑作、Nubiferousの“Behind The Megalithic Walls”ですが、ベクトルは異なりながらもこの“UNKNOWN ISLAND”もかなりの深海、水中感でもって、私を包み込んできます。没入。Discogsなんかでみると、アーティスト名がUNKNOWN ISLANDとなっていますし、レーベル側ではレーベル名のTHE FEHとなっているんですが、mLaD3n°のbandcampからもリリースされているので、ここではmLaD3n°名義にしております。

“UNKNOWN ISLAND”というよりは、個人的には海中に建設されたドームの中にある未来都市といったイメージです。ドームの天井に映されるのは架空の空。絶対的に地上とは何かが違っていて。そこにある悲しみやミステリーの気配。深海の閉塞感と同居する、奇妙な安心感。いいですね。頭の中に広がる世界。没入。M-2とか水中での目覚めみたいな、不思議なサウンド。音の揺らぎは水中を、鳥のさえずりが朝の訪れを、告げる。幻想的です。作中では長尺のM-6もよい水中感。鼓動と同期するようなリズムと、スローな音の波と、わずかな電子感。深海でパワースーツ着て機械端末いじってる光景。少し危険、みたいな。

mLaD3n°はTV FEHを基盤にして多くの名義を使って作品をリリースしている様子なので、気になった方はぜひ他の作品もチェックしてみてください。同名義の“(専用イダ)”も好きです。


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 Note :

SECRETS INSIDE THE CITY
UNKOWN ISLAND
RESORT



VIRTUAL PVNDA – Tokyo Love Story

 VIRTUAL PVNDA - Tokyo  Love  Story

 – Tracklist –
 01. Perfect In Paradise
 02. Morning Glow
 03. Wake Up With You



 - 02. Morning Glow


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 Release Date : 2017.09.29
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Electronica, IDM, Nostalgia, VaporWave.


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VIRTUAL PVNDAの作品は、いつも不思議なChill感を与えてくれる。懐かしさの中にある爽やかさとでもいうか。

予定のない休み、その前日は夜更かしをしがちだ。私の場合。PCを漫然といじりながら(なにもインターネットとは限らない)、そのまま、眠りに落ちていくことも珍しくない。布団には入る、ようにしている。寒くなってくると、風邪をひいたりしたら、あとあと、差し支えるだろうから。そうすると、たいていは昼ごろに目が覚める。別に勿体ないとは思わない。なぜって前日に夜更かしをしているからだ。そこで時間を手に入れたのだから、勿体ないなどという言葉が出てくるはずがない。しかしそういう話になると、休日の過ごし方に口を出してくる者がいたりするが、それはしゃらくさいというものだ。休日なのだから自由に過ごして何が悪いのだろう。

昼に起きた私は食事をとり、バスタブに湯を張る。そして浸かる。正午はとっくに過ぎている。別に人がいつ風呂に入ろうが自由だが、私の場合ふだんは夜に入るので、これはちょっと特別だ。スペシャルな時間だ。予定もないしタスクもない状態というのが私は大好きで、それだけでウキウキしてくる。そんなウキウキでのんびり風呂に入る。上がり心地は爽やかだ。心地よさだけが体を支配している。

思い返せば、学生時代は、夜と朝に入浴していることもしばしばだった。今思えばその行為は、特別な爽やかさを求めると同時に、現実逃避的な側面もあったのかもしれない。朝、湯に浸かりながら、ツルンとしたバスタブで背中を滑らせるようにして、頭を沈め、くぐもった音の中で目を開き、ぼやけた世界を視界に収める(別に“パーフェクトブルー”に感化されていたわけではない。そのころはまだ視ていない)。そこで一瞬、世界と自分とのつながり具合が正常ではなくなったように、ねじれたように感じられて、日常がシャットアウトされ、自分の感覚が別世界にコネクトされるような気がして、その瞬間が好きだった。俗っぽく言えば学生時代が暗黒時代だった私は(もちろんそれは自分のせいなのだけれど)、別に人生やり直したいなどとは微塵も思っていないが、もしやり直すことを強制されたら、きっとそこ―学生時代を選ぶだろう。そこが今につながっていると思っているからだし、すなわち今に納得していないからだろう。妄想。

そんなノスタルジックな仄暗い思い出と、そこから派生する心地よさというヤツが、VIRTUAL PVNDAのサウンドにはある。相変わらずどのあたりがVaporWaveなのかよく分からないけれど、その懐かしく、心地よく、ちょっと暗い、というヤツが、VaporWaveの何たるかと共振しているような、気はする。

それにしても“Tokyo Love Story”ってワードの強さ、すごいな。時代を超えてる。読んだ時のリズムも良いし、そこに内包されるイメージの多様さよ。もちろんオリジナルの“東京ラブストーリー”あってのことだとは思うけれど、ロマンチックで、何ならサイバーパンクの香りさえしそうなくらい。そして見事にVaporWave的でもある。


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Volca FM + Novation Circuit + PO-12 + PO-20 + PO-14



VIRTUAL PVNDA – POMONA LISA

 VIRTUAL PVNDA - POMONA  LISA Cover

 – Tracklist –
 01. Empty Feelings 空の感情 [Intro]
 02. Crystal Tears クリスタルティアーズ
 03. Ganesha High In School エレファント高校で
 04. First Romance 最初のロマンス
 05. Artificial LOVE バーチャルガールフレンド
 06. Pomona Lisa ポモナリサ
 07. Second Kiss セカンドキス
 08. Green Acre グリーンアウェイロード Road
 09. Sweet Dreams 良い夢
 10. Echos  アマルガム
 11. Her 彼女
 12. Emerald Carpet エメラルドカーペットの記憶
 13. Alone 単独で
 14. Metro Link AM Jam メトロリンクAMジャム [Outro]



 - 04. First Romance 最初のロマンス



 - 13. Alone 単独で


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 Release Date : 2016.10.01
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Electronica, IDM, Melodic, Nostalgia, SynthWave, VaporWave.


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子供の頃、夏休みのラジオ体操は近所にある神社で行われていた。歩いて3分もかからないところにあって、起きたばっかで顔も洗わず朝食も食べずに寝癖ついたまま、つまり寝ぼけマナコで、ちょっとだけヒンヤリした早朝の空気の中を、首からスタンプカードをぶらさげて、向かう。道中、友達の姿を見つけて、昨日のテレビの話とか、こないだの遊びの続きの話とか、しながら、歩く。形だけの体操をして、スタンプをもらって、すぐに帰る。陽が昇るにつれて、空気が少しずつ熱を帯びてきて、今日も暑そうだなあなんて思って、友達はあとでプール行こうぜっていうけれど、泳ぎが達者でない僕はちょっと及び腰で、いやお前も泳げなかったよな、なんて思って、じゃあいいかって思い直しながら、家に帰って、朝食の目玉焼きとトーストを食べる。そういえば今日は自治会対抗のソフトボール大会に備えての練習があることに気づき、不良の先輩がおっかないんだよなあと、怖気づく。太陽がギラギラと照り付け、熱気が立ち込める小学校のグランドで、汗だくになってソフトボールの練習を終えた僕は、無性にプールに入りたくなって、友達に声をかけるのもそこそこに、自転車の前カゴにグローブ突っ込んで、ペダルをこいで動き出す。水着とタオルは、もちろん持っている。

プールから出た後の、心地よい倦怠感。何もやることねえなあ、いややらなくたっていいんだ、だって夏休みだもんって、いやそんな気持ちすらなかったか。何やったってよかったんだ。疲れと心地よさが眠りを誘う。明日のことなんて考えなかった。

そんな、ドリーミィで、ノスタルジックで、サマー・ハズ・カムなサウンドです。VaporWave的な意匠をまとっているけれど、その手法ってのはほとんど感じられなくて、個人的にはIDM/Electronicaだと捉えています。とりあえず現時点で3作品が公開されていて、今作は2作目らしく、3作目も決して悪くないのだけれど、このノスタルジア、記憶くすぐり感が、何分ほかよりも勝っているのです。感傷にすぎる受け取り方だろうか。

その音の揺らぎは、水中にさす太陽の光のようで。そのメロディの反復は、当てのない思考のようで。キラキラとした、クリスタルライクな美しさをたたえている。一方で、腐りかけの記憶をあさるような、どうしようもない空しさがあるのは、私の精神状態のせいだろうか。あるいはジャケットイメージに滲む、喪失の気配のせいだろうか。美化された思い出の正体は残酷なもので。そう、私の思い出も脚色なしには組み立てられないくらいにガタがきているし、忘却の淵を転がり落ちていったものも多くある。古ぼけた音色のメロディとドリーミィな空間の裏にある、ノスタルジアの空しさが私を責めさいなむ。とても甘美だが、ここにとどまっていてはいけない、そんな気持ちにさせられる。あの夏に飲み込まれてはいけない。私はもうそこにはいないのだから。夏はまた来るけれど―



Micropolis A.D. – The Yotel EP

 Micropolis A.D. - The Yotel EP Cover

 – Tracklist –
 01. Yotel
 02. On Monday When I’m In My Hyundai
 03. Calamari
 04. After Hours
 05. Quantcast Strategies
 06. Softwear
 07. Yobot
 08. Mondria
 09. The Future
 10. Happy Midium



 - 01. Yotel


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 Release Date : 2016.04.12
 Label : Unknown

 Keywords : Easy Listening, Electoronic, House, Midi, Smooth, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ The Pod Village on bandcamp


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The Pod Villageというのがレーベル/コレクティヴなのか、はたまた一個人による複数名義の作品をリリースするための場であるのか、判然とはしませんが、私としては何となく後者ではあるまいかと思っています。まあ、そうだとしても、そうじゃなくても、何がどうなるわけでもないんですが。詳細は不明ですが、そんなThe Pod Villageのbandcampからリリースされているのが、Micropolis A.D.による“The Yotel EP”。他にMicropolis B.C.という名義もあるけれど、これは明らかに同一人物による別名義だろう。

ところでThe Pod Villageって何だろうなあと話を逸らしてみますが、このbandcampのヘッダー画像にある不思議な建築物、どこかで見た気がするなあと、調べていくと、どうやらこれは台湾新北市の区である三芝区(さんしく)に建設途中であったリゾート地“三芝飛碟屋”の様子。過去形で書いたのは、1970年代後半に建設が始まったものの、さまざまな理由により中途でプロジェクトが中断、結局そのまま放棄されてしまったからです。つまり廃墟。しばらくは放置されていたようですが、2010年には取り壊されて今は存在していないようです。UFO HouseやPod Cityと呼ばれ、オカルティックなうわさも手伝い、一時は注目も集めたようで、画像を目にした方も多いでしょう(気になる方はちょっと調べればいろいろな情報が出てきますので是非ご自身で)。

そんな廃墟と化した上で取り壊された近未来型建築物のイメージを利用したThe Pod Villageなわけですが、このイメージは今作のタイトル“The Yotel EP”にもつながってきます。私は知らなかったのですが、このYotelというワード、イギリスのYo!社(YO! Company)が日本発祥(諸説あり)のカプセルホテルを未来的に解釈、その形式を取り入れて運営しているホテルの名称だそうです。つまるところ近未来型カプセルホテルとでもいうか。で、どうですか、先のUFO Houseとカプセルホテル、蜂の巣じみた密集した居住空間というところで、何とはなしにイメージが重なりませんか。さらに言えばMicropolisというワードは、リアルタイム都市経営シミュレーションゲーム“SimCity”(シムシティ)をオープンソース化・フリーソフトウェア化したゲームに由来していると思われる。これまた都市の発展につれて建物は林立、高層になり、人口は増加…とイメージは先の密集感につながってはいかないだろうか。

そんなように近未来型都市的密集感、そして忘れてはいけない未来的でありながら廃墟という荒廃感・寂寥感あるいは郷愁、とくれば、ここから導かれる音楽性というと何が思いつくか、これはもうVaporWaveではあるまいか(いやそこに限る必要はないもちろん)。

といっておきながら、今作はそんなにコテコテとしたVaporWaveではない、どころか、VaporWaveを通過していない耳だと、その香りすら感じられないかもしれない(だったらここまでの道程は何だったんだとお思いでしょうかみなさん。そうですね、何だったのか自分でもよく分かりません)。Houseなリズムに、Easy Listeningともいえるスムースでrefreshingなメロディ。トラックによってはLiquid Funkな佇まいも感じられる。けれどちょっと待ってみよう、ときおりその音色に感じられる前時代なニュアンス、Midiというタグも使われているように、そこはかとなく漂うレトロスペクティヴな志向性。さらにいえばEasy Listening~NewAgeに一歩踏み込みかけたような、メロディに漂うリラックスでスムースな調子。これはまさにVaporWaveの何たるかに共振。

その上でサウンドを聴き直すと、スローなリズムが多いVaporWaveの中にあって、この音色、このメロディに、細かく刻まれたビートを組み合わせたスタイルというのもなかなかユニークな存在ではあるまいか(いやもちろんここにはミドル~スローなトラックもあるけれど)。センスという言葉を使うのが嫌いな方もいらっしゃるかとは思いますが、私はセンスという言葉を使いたい。ナイスセンスだ。でもほかの作品ではまた何か違うんですよねえ。もともとVaporWaveを標榜してたわけではなくて、作ってた音楽にたまたま重なる部分があっただけ、みたいな。そんな感じがします。あとpost-zooってタグはどういう意味なんだろ。


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(CC)by – nc – sa 3.0



MIXTAPE : MYSTICAL ZONE




Forget it.


– Tracklist –

 [00:00] Imachi Akira – Noise Dreams
  from “Lycoris radiata EP” [e09](2009) :: (CC) by – nc – nd 3.0 ::


 [05:42] PACIFICO CORP/国際 – ジャングルに深く
  from “アフリカへの旅” (2015)


 [09:02] Magnétophonique – Ghosts Dance
  from Les Halles / Magnétophonique – “Split II” [CR-08] (2013)


 [11:06] .onion – surfing the deepest
  from “YOU ARE LOST . . .” [LMV-110](2016)/ [ mirror


 [14:35] Un Vortice Di Bassa Pressione – to repel ghosts
  from “Anonymous said” [ioenl cdr 002](2009) :: (CC) by – nc – nd 3.0 ::


 [20:05] Friendzone – CHUCH
  from “’COLLECTION I (REMASTERED)” (2012)


 [23:24] Okkoto / / 돌로 – 420 / / 음식
  from “5F Dept. Store” (2015)


 [26:10] Karen Weatherly – Magical Passes
  from “A Separate Reality (2nd Edition)” (2015)


 [28:48] AirMosaic – Speculative Bubble
  from “Executive Horizons” (2015) / [ version


 [32:44] Mel – Un
  from “Un” [BP018] (2009) :: (CC) by – nc – nd 3.0 ::


 [35:52] Amun Dragoon – Secret Whispers From The Tamate Box
  from “Sinews of Shadows, Temple of Darkness” (2013) / [DL


 [39:12] Adam Lempel – Claire De Lune
  from “Synthetic Classical MIDI Scores” (2009)


 [44:16] iN. – Snowtrap
  from “Nowhere Here” [FQP#004](2010)


 [47:47] Foresteppe – Little Bird Cherries
  from “No Time To Hurry” (2013)



CORPORATE災害 – エリカの歌

 CORPORATE災害 - エリカの歌 Cover

 – Tracklist –
 01. 結婚式は滝の下で開催された
 02. 月光の下でハネムーン
 03. 性交
 04. セールスマンの死
 05. 欲望と孤独
 06. 胎児の死亡
 07. 記念碑
 08. 沈む感じ
 09. すべてが寒い
 10. 彼女は自殺した。
 11. 最後のメモ
 12. 引導



 - 06. 胎児の死亡


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 Release Date : 2017.04.09
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Drone, Requiem, Shoegaze, VaporWave.


 Related Links :
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みなさんは、つのだじろうさんをご存知ですか。漫画家であり、心霊研究家でもある。“うしろの百太郎”や“恐怖新聞”が代表作でしょうか。1970年代~80年代に続く、心霊ブームの火付け役といっても過言ではないでしょう。

とまあ、つのださんの紹介はそのくらいで。ちょっとマニアックかもしれませんが、つのださんの書いた短編漫画で、“霊魂の唄が聞える”というものがありました。調べると、初出は月刊ムーの第11号なのかな。第13号まで続く“唄が聞える”シリーズの、第一作だったようです。私が読んだのはムーではなくて、コミックだったのですが、はて何に収録されていたのかが、うろ覚えです(“メギドの火”だったかなあ)。内容については“「ムー」ランド”さんが明るいので、気になる方はそちらを参照。

と、延々と遠回りしておりますが、何が言いたいのかという話ですね。このジャケットイメージ、ちょっと不気味でしょう? どっから引っ張ってきたのか分かりませんが、モデルさんと思しき女性たちが並べられ、その目元が隠されている。匿名性、隠すという行為から連想される、いかがわしさ。加えてこの題字。ちょっとヘタウマな感じからも漂う、歪さ。そんないかがわしさと歪さが結びついたおどろおどろしいイメージの中、タイトルは“エリカの歌”となっている。正直そこに秘められた意味は分からない。何の意味もないのかもしれない。しかし私の中では、ビジュアルから醸される気味の悪さと、“歌”という字面がドッキングして、果たして上記の“霊魂の唄が聞える”という作品の記憶が、遥かなる時を超えて掘り起こされたのだった。

作品としてはAmbient/Droneだし、あえてVaporWaveってカテゴライズする必要もないと思うけれど、何らかのサンプルをDroningしているという点では通じる部分もあるのだろうか(つまりそれほどその側面は強調されていない)。むしろ他作品―“孤独”の収録曲‘望郷’はAphex Twinの‘Rhubarb’を、Cyber Dream Recordsからの“仮想風景”は、Harold Budd & Brian Enoの“Ambient 2: The Plateaux of Mirror”収録曲を、それぞれメロディを保つ程度にChopped & Screwedして引き延ばしている―ので、そちらの方が、よりVaporWaveらしいと言えるかもしれない。

とまあ、“そう”であるかどうかはさておき、私はここに漂う“死”の気配に惹かれる。惹かれてしまう。並んでいるタイトルを見ても、あまり前向きに受け取れるものはない。いずれも抑うつ的なイメージをもっているように思える(そして何らかのストーリー性も予感させる)。そのものズバリ“死”に結びついているものも、いくつかある。そういうところも、上記のような気味の悪さを呼び起こした原因になっているのであろう。

ソフトなShoegazeともいえる、白濁したサウンドスケープは、mistというよりもfog、重さをもったウェットなレイヤーは沈痛のイメージを引き起こし、まるで鎮魂歌のようにも聴こえてくる。と同時に現実とは切り離された、浮世離れ、ドリーミィな側面も確かにあって、それが死を飛び越えた甘美な何か、あるいは飛び越える寸前の甘い誘い―死線―を感じさせるのです。

そういう死にまつわるエトセトラなサウンドイメージもあるのかな、私が今作を聴きながら読んでいたのは、法月綸太郎の“密閉教室”であった―


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 Note :

私は彼女を愛していた。
私は彼女を崇拝した。
しかし、最後には
私は彼女を捨てた。
そして、今私は価格を支払う必要があります。
私を許して。



helen – 404

 helen - 404 Cover

 – Tracklist –
 01. エコー
 02. 誰がそこに行く
 03. 悲惨
 04. 私は眠れない
 05. 何も終りはありません
 06. ヘレン



 - 03. 悲惨


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 Release Date : 2017.1.21
 Label : Not On Label / also available on New World.

 Keywords : Ambient, DreamPunk, Electronic, Future, VaporWave.


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都市の夜景。ビルの間を渡る風。往来を渡る車、列車、バイク、行き交う人々。レトロフューチャーというよりは、サイバーパンクな未来風景。決してあからさまではないその見せ方が、好ましい。私の脳裏に浮かぶのは、“Blade Runner”でもなく、“攻殻機動隊”でもなく、なぜか“The Matrix”なのであった。なぜかはよくわからない。ただおそらくは、使われているセリフなどを鑑みるに、世界観としては“serial experiments lain”なのではあるまいか。未見ではあるが。しかしこの精神世界へのコネクトを感じさせるサイケデリックな質感は、確かに“レイン”が感じさせるものと似ている。ように思う。ぼんやりとではあるけれど、電脳的精神世界とでも呼ばせて頂ければ幸い。

さて―

M-2―ズッシリとしたリズムの裏で加速する音風景や細かく刻まれるエフェクトは、薄汚れた電脳世界をさまよう意識、その領域は一つの到達点を求めてゆるやかに収斂する。最中に混線したように入り込んでくるスポークンワード。他のトラックにおいても散見されるそれらワードは、日本語をメインにしており、日本語圏以外では一風変わったエキゾチックな―異国情緒を醸すのかもしれないが、ここ日本、私の耳には、その言葉の意味はストレートに入り込み、意識にまとわりつき、ある種の精神世界的な気味の悪さを感じさせるのである。

携帯電話がふるえるバイブ音をエコーさせてリフにしてしまう‘悲惨’が面白い。雑踏の声や音、種々のシンセティックなサウンドが左右の耳朶を舞い、そこには、ネオンに彩られたサイケデリックな未来の―あるいは目にしたことのない世界の―繁華街が浮かんでくる。すれ違う人たちの背中はみな煤けていて。薄汚れた衣の下に隠されたサイバネティクスの影。マンションの一室にいる情報屋には金だけとって逃げられる。

ミスを犯し街をさまよう―‘私は眠れない’。寄る辺ない彷徨。ネオン瞬くバーの扉の隙間からフリークスが顔を出す。視線が絡む。お互い珍しくもないといった感じで表情なく、視線を外す。動かない感情。

電脳の網の目の中に見つけた失われたアイデンティティー―‘ヘレン’。かつてあった本当の自分、自らも知らない自分―それは真実か否か―を見つける瞬間というのはとても恐怖であり、ショッキング。大いなる意思に逆らって突き進むも、繰り返される‘Lets never come here again’の言葉。だが自らの存在を知るために、そしてこの世界の仕組みを知るために、進み続ける「私」。やがてスローモになる音の流れは、機能の停止か。悲しきcybernation doll

と、思うままにイメージを書き散らすと二束三文な、どこかで見たようなイメージに引き寄せられてしまうのですが。万有引力。それも面白い。でもAmbientな佇まいでありながらドリーミィ(あるいはサイケデリック)でCyberPunkな音世界を描いており、DreamPunkという言葉はまさに相応しい。こういうVaporWaveを経由したであろう、仄暗く、シネマティックなサウンドスケープ、好きであります。Setsuko Suwa(諏訪節子)なんかも好きなのよなあ。彼/彼女のトラック“06“のビデオ、ここでも“レイン”が使われている(まあこの界隈では珍しいことではないけれど)。というかビデオを作製したと思われるのは1-900-9099-CRYなのだが、そのYouTubeチャンネルには、このhelenの‘私は眠れない’のビデオもあるではないか。どっかどうかでこの辺りが繋がるのであろうか。

ちなみにhelenは岸本加世子さんをシンボルに使い(北野武監督の“花火”の頃か? 愛と死のイメージなんだろうか)、諏訪節子は南果歩さんをシンボルに使う。何か通底するものが感じられないだろうか。上手く言葉にはできないが・・・。

なお今作、ジャケットイメージをエディットの上、トラックタイトルを英語に変え、New World.からもリリースされています。



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