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タグアーカイブ: VaporWave

cool places – coral beach resort [TWFM 009]

 cool places - coral beach resort [TWFM 009] Cover

 – Tracklist –
 01. I: finally, you’ve arrived
 02. II: resort shoppe
 03. III: fitness center
 04. IV: karaoke bar
 05. V: outdoor pool & spa
 06. VI: jacuzzi
 07. VII: entertainment zone
 08. VIII: beach-view brews
 09. IX: water park
 10. X: grand strand getaway



 - 05. V: outdoor pool & spa


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 Release Date : 2019.08.21
 Label : tapewurm.fm

 Keywords : Electronic, Melodic, Midi, Utopian Vurtual, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ Crystal Data Enterprises


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サナダムシ!ですよ。そういえば詳しく知らないよねってことでWiki読んでたら体内がムズムズしてきたので、熱心に読むのはやめました。ここに長ったらしく引用文でも貼ろうかなと思ったんだけど、やめておきます。確認したい人はリンクからどーぞ。長いと10m以上になるものもあるんだなあ…ふーん…。そういえばサナダせんせいってキャラクターもあったけど、よくよく考えたら、子供向けのバラエティ番組でサナダムシをキャラクター化ってのも、過激…。

じゃあなくて、いやそうでもないんだけど、このレーベルの名前、tapewurm.fmってどういうニュアンスで使ってるのか分からなかったんですが、bandcampのヘッダーにデカデカと“サナダムシ”とございますので、tapewormのモジりということでよろしいんでしょうか。ちょっと話逸れますけど、Nine Inch Nails(NIN)ファンの私としてはそのtapewormという響きで思い出すのは、Trent Reznorがその昔立ち上げかけたサイド・プロジェクトにまんまTapewormというものがあってですね、これはTrentはもちろん、NINのライヴメンバーのほか、Tool, A Perfect CircleのMaynard James Keenanや 、HelmetのPage Hamilton、PanteraのPhil Anselmo、プロデューサのAlan Moulder等々が参加した、スーパーグループ、スペシャルなプロジェクトで、Trentもたびたびインタビューで言及しておったのですが、結局リリースはないままに、2004年にあえなくプロジェクト終了宣言…というものがあって、それをボンヤリ思い出したのですが、今レーベルのリリースを見ている中で一つ、ひときわ気になったのが、なんとNIN、Trent Reznorがジャケットイメージに使われている作品がある!(いやここで取り上げている作品ではないのですが。アハハ。ちなみにそのタイトル“F R A G I L I T Y 3​.​0”はNINが2000年に行ったライヴツアー“Fragility 2.0”にあやかっている)。これはTrentのインタビューを使った奇妙なSpoken Word作品で、関わっているreznorwaveは一貫してNINとVaporWaveをコンバインしたトラックを作り続けているという…そんな作品をリリースしているレーベルの名前がtapewurm.fmって何かの縁ですよね、私にとって。膨大な作品があふれているネットの中から何を聴くか、そのきっかけとなるには十分すぎるこの縁をたどって行き当たったのが、さあこの作品。ようやく。

Midiの体裁を生かした、いってみればイージー・リスニングな作品だとは思いますが、方向性はどうあれ、この現実から乖離したイメージというのはやはりVaporWaveと共振するものがあります。サンプル―ベースなのか、原曲があるのか等々は判然としませんが、チープさゆえに醸されるレトロ感、シンセサイズ感の強い音色たちが与える不思議な漂白感。その中で作り上げられる仮想ユートピア(Utopian Vurtual)というのが、この作品の肝になるかと思います。しかしながらこれはこのレーベルからのリリース、この文脈で聴いているからこその聴取感であって、また違ったとらえ方をすれば、ぜんぜんVaporWaveとは切り離して聴くこともできると思います。素直にリラクシンな空間があるわけですし、それを享受することはおかしいことではない。当たり前だけど。

そういうことでいうと、VaporWaveと共振するようなMidi風作品で異彩を放っていたものは、私の狭い聴取範囲でいうと、ここでいくつか紹介したPHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS hazeからの作品ですとか、Amun Dragoonの後期の作品とかです。私別にピエロ恐怖症とかではないんですが、なんていうんでしょうか、お面とかもそうだけど、貼りついた表情の裏にある正体が不明であるがゆえの不気味さっていうかね、あとはコーティングの無菌感、無機質感への憧れ―あくまで憧れだから、決してそこにはたどり着けないという諦念の裏返し―とかね、そういう不気味さとか空しさとかがあちらにはあって、こちらにはない、ような気がする。別に悪いとかではなくて、違いを感じたということです。

だから今作はストレートに、真っ当に、ここにあるcoral beach resortをね、楽しむべき作品なんじゃないかなって、そう思います。


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Č∂є hλs tɘλmɘd up with thɘir pλrtnɘrs “cool places”. A trλvɘl λgɘncy f๏cusɘd ๏n sh๏wing thɘ pɘ๏plɘ ๏f ɘλrth λmλzing plλcɘs t๏ disc๏vɘr whilɘ thɘy’rɘ λlivɘ. Wɘlc๏mɘ t๏ thɘ Coral Beach resort, t๏night is disc๏ night λt thɘ kλrλ๏kɘ bλr.


Produced by: cool places
crystaldataenterprises.bandcamp.com

VHS ნ ი ღ ბ ე ბ ი – ვ ა რ დ ი

 VHS ნ ი ღ ბ ე ბ ი - ვ ა რ დ ი Cover

 – Tracklist –
 01. ლ უ რ ჯ ი
 02. მ შ ვ ი დ ო ბ ა
 03. ც ი ვ ი
 04. ტ ყ ე
 05. ი ს ე ვ მ ა რ ტ ო
 06. ა ხ ა ლ ი ს ა უ კ უ ნ ე
 07. ე ლ ე მ ე ნ ტ ი
 08. ღ რ უ ბ ლ ე ბ ი
 09. მ შ ვ ი დ ო ბ ი თ ( ს ა მ უ დ ა მ ო დ ? )



 - 06. ა ხ ა ლ ი ს ა უ კ უ ნ ე


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 Release Date : 2019.07.26
 Label : Hallworth Collective

 Keywords : Ambient, Dream, NatureWave, Rose, the end of summer, VaporWave.


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効率的、効果的なエアコンの使い方も分からないし、外へ出れば暑いし、電車に乗れば寒いし、また外に出れば暑いし、その寒暖差を繰り返し体験するうちに、体に変調をきたすし、夜は寝苦しいし、エアコンを使えど、扇風機を使えど、結局のところ何度か目を覚ますし、鼻は詰まってくるし、つまりは夏なんだけど、夏の好きなところは前にどこかにも書いたように洗濯物が早く乾くことくらいな私は、夏は嫌いだとハッキリ言える。精神のたるみ、集中力の霧散、ゆえの無産。これらを招くような気がして、要は心地よくない。

雲が多い日が続いて、陽が隠れることが多くなって、少し(少しだ)涼しくなって、一瞬だけ夏の終わりを錯覚する。その瞬間。とても心がアガる。要は心地よい。その一瞬の心地よさが、ここに、今作には封じ込められているように、そう感じた次第。

豊潤な、深みのある、ふくよかな、音空間。その空間には夏の記憶が封じ込められている。遠くで聴こえる鳥の声、虫の声が、ヴァーチャルな記憶を助長する。いもしなかった、過ごしもしなかった、イマジナリ―な夏の記憶はドリーミィ以外の何物でもなく、仮初の夏の終わりの喜びと相まって、より一層に心地よい。

アーティスト名も作品名も、トラックタイトルも、なんのこっちゃよく分からない。機械翻訳という文明の利器に頼ったところで、やっぱり、さっぱり分からない。文字による表現を意図的に排除、回避しているようにも取れる。そうであるならば、こっちの聴きたいように聴いてやろうという(いや聴かせていただきます、です)、そんな思いを引き延ばしていくと、夏の終わりに行き着いた。

不思議なことに、水の音は聞こえないのに、私の頭に最初に浮かんだのは、水滴が水面に落ちて波紋が広がる様子だった。ミルクのような霧が立ち込める渓谷で、さまざまな自然音が周囲には飛び交っていて、けれど私は結局どこにもいないという。決して観測されることのない、傍観者。誰の目にも止まらないという安心感。このウェットな膨張感、夢心地(より具体的にいえば環境音に施されたエフェクト)は、一瞬、Brian EnoとHarold Buddの共作たちと交錯した。

―そうして夏は遠ざかるそぶりを見せる。私は嬉しさと同時に、寂しさを感じる(何かが離れていくときはいつもちょっと寂しい気がする)。でも、また夏は来るんですよ。そして私の目は覚める。

水も滴る、なんて的確とは思えない表現が真っ先に頭に降ってきた。あるいは“熟れる”というワード(たとえばAVIONの作品につかったような)。花に対して熟れるという表現が使われるべきなのかは分からないけれど、そういう意味で薔薇(ばら)がイメージに使われているのかしらん、とか思ったりもしましたが、関係ないかな。一瞬、サイケデリックなスペース・アンビエントに片足突っ込みかけるような気もしますが、非常に包容力のある空間で、気持ち良いですね(風呂に似合いそう)。ところどころで滲む一抹の寂しさが、個人的には惹きになってます。



The Learning Company ® – Observations on Ritual Landscape, Pilgrimage, and Human Sacrifice in the Southern Ouvis Region [PHANTOM-22]

 The Learning Company ® - Observations on Ritual Landscape, Pilgrimage, and Human Sacrifice in the Southern Ouvis Region [PHANTOM-22] Cover

 – Tracklist –
 01. Mountains of Sustenance and Cliffs of Paradise in Uvaisan Pilgrimage
 02. The procession leaves the village with drummers, flutists, ritual officials, and red banners – proceeding to Mount Uwei. They ascend and play their instruments until they reach the summit; there they play all night until the third day and do not sleep so they can preside over their Gods.
 03. Uvaisan Ritual Object
 04. What It Looks Like to Us & the Anthropological Terms We Use to Describe an Evil
 05. Uvaisan Pilgrims Ascend Mount Uwei
 06. Acropolis flanked by cliffs, ritual architecture, large zoomorphic figures, and three lakes
 07. Curved mountain that resembles depictions of Shu’ve in Uvaisan codices, near the Kajai’sha River
 08. Cannibal Women Descending a Stone Causeway
 09. The Apparition of Mary Above Pilgrims at the Shrine of Uvaisan
 10. Ritual Cave at the Ruins of Uwei
 11. One tribe’s sacred pilgrimage to a Shu’ve hidden temple goes haywire when the cave turns out to also be a backdoor to a wrathful jungle deity
 12. Uvaisan shrine of piled stones in a pool of blood at the end of a tunnel
 13. Incense burners light the way to an exit
 14. Uvaisan Pilgrims Sacrifice a Young Male at a causeway terminus, Crest of Zaisan
 15. Blood & Springwater Flowing Over a Ritual Cliff at Zaisan
 16. Mouth of the Sacred Shu’ve
 17. Line of Basalt Monuments Near Mounds, Spring, and Hills, Zaisan
 18. Ouvis Islands & Ritual Waters
 19. Conclusions: Neutralization/Sword of Saint Michael



 - 06. Acropolis flanked by cliffs, ritual architecture, large zoomorphic figures, and three lakes


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 Release Date : 2019.02.19
 Label : PHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS haze

 Keywords : Dungeon Synth, Midi, NewAge, RPG, Synth, VaporWave, VGM.


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“懐かしく思い出した。本格ミステリィの潔さを”。というのは、周木律さんの書いた推理小説“堂”シリーズの第一作“眼球堂の殺人”に、森博嗣さんが寄せた惹句。今作を聴いていてそんな言葉がよみがえったのは(ちなみに“堂”シリーズは2019年2月刊行の“大聖堂の殺人”を以て、完結した)、懐かしく、潔い、というワードがあてはまったからに違いない。

てっきり動きを止めたと思っていたPHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS haze(ex. ♱ )がちゃっかりカムバックしていることに気づいて、リリースをチェックする中で、圧倒的異彩を(というかこのレーベル/コレクティヴのリリース全体が異彩な気もする)放っていたのがこの作品。そもそもレーベル/コレクティヴなのか、一人が複数名義を使って作品をリリースしているだけなのか、いまだに判然としませんが、今作の作り手はThe Learning Company ®。“原子カフナCAFE”の拡張版、“原子カフナCAFE (a moderately enhanced audiophonic experience) ”の作り手としてその名前を見ることができますし、Karen Weatherlyの作品にもクレジットされています。

たとえばそう、Karen Weatherlyの“A Separate Reality”について、それはCarlos Castaneda(カルロス・カスタネダ)の著作に基づいた(架空の)冒険譚にあてがわれたサウンドではないかと、私は想像を逞しくしたわけですが、今作についても、これは似たコンセプトなのかなあと思い、ここに秘められている物語の源を探ってみようと試みたわけですが、さっぱり分かりませんねん・・・。各トラックのタイトルから何となく察するに、そしてタグに“RPG”と使われていることからして、やはり何がしかの冒険(それもビデオゲームの中の)がイメージされているのだろうとは思うのですが。このレトロな洋ゲー感丸出しのジャケットイメージとかどっから持ってきてるんだろう・・・知りたかったぜ。現代の少年が遺跡の中で不思議な剣を見つけて、異世界へ旅立つ・・・てまあ、ありきたりだけど、そんなお話が下地にあるのかなあ。

曲はMIDI風の音源で軽快な部分もあるんですが、トラックタイトルはけっこう穏やかじゃないですよね、M-12は‘Uvaisan shrine of piled stones in a pool of blood at the end of a tunnel’だし、M-14, 15も‘Uvaisan Pilgrims Sacrifice a Young Male at a causeway terminus, Crest of Zaisan’‘Blood & Springwater Flowing Over a Ritual Cliff at Zaisan’と、血のプールに石を積み重ねて作られた建物だったり、生贄や儀式と、血なまぐさいイメージが並んでいます。そういった部分のせいもあるんでしょうか、曲自体に圧力は決してないんですが、どこか重々しく、グロテスクに感じられてしまうのです。なんなら導入部のM-1にいつかのOPN(Oneohtrix Point Never)を感じたせいもあるかもしれません。メロディはあるけれども決して明るくはなく、ときおりバロック音楽やフォークロアを感じさせ、なおかつVGMを匂わせるという体裁からは、Dungeon Synthと共振するものを感じますし、積極的にその方向から紹介する人がいてもおかしくない。MIDI風のサウンドにごまかされてしまう部分もありますが、よくよく聴くと、面白いし、よくできている作品だと思います。私の中では名うてのトラックメイカーですね。

そう、“懐かしい”MIDI風のサウンドを、“潔く”使っていながらも、なんで”VaporWave”なん?て言われたら正直分かりませんよそんなもん。明らかに“過去”のものであるMIDIサウンドをNewAge調の大仰なサウンドと共にリバイヴさせているという点、プラス、その大仰さの中に漂う不穏なサウンドが、VaporWaveの何たるかを感じさせるからでしょうか。・・・にしてもタイトル長いなあ、いや、長いよなあ。

なぜか聴いていて思い出したビデオゲームがあってですね、いずれもKEMCO(ケムコ)が発売した作品で、“シャドウゲイト”と“悪魔の招待状”でした。不気味なんだけど、どこか滑稽、そして世界はファンタジーという部分で、リンクしたのかもしれません。以下に―













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VAW – Public Footpath

 VAW - Public Footpath Cover

 – Tracklist –
 01. 01_97
 02. Isøtøpɇ
 03. Think
 04. Ǝ-Numbers
 05. Hana
 06. Escapement
 07. Escarpment
 08. Cave
 09. MSGS
 10. 𝓂𝒶𝓁𝓁 𝑔𝒶𝓂𝒾𝓃𝑔
 11. 02_98



 - 07. Escarpment


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 Release Date : 2018.08.21
 Label : Hallworth Collective

 Keywords : Alone, Ambient, Drone, Field, Psychedelic, Quiet, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ VAW on bandcamp


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みなさんは“ぬくもりが欲しくて 人混み歩いた”(By ZARD)なんてことはありますか。私はありません。“そのぬくもりに用はない”とばかりに精神的パーソナルスペースを発動してこっそりと他人を敬遠するのが私という人間の悪い癖(頭悪いな自意識過剰で)なのですが、さりとて街という人混みに出向かなければならないときもあり、そんなときはしっかりと心に武装をして(大げさ)出かけて行っているような気がなんとなく自分ではしておるのですが、そうやって一人で、否、独りで街へ出ているときにフトした瞬間に訪れる虚無感というヤツ。周りにいるのがすべて他人という事実。一生のうちに今ここでしか出会わないのではないか、つまり彼ら/彼女らとはなんの繋がりもないという断絶感。しかし頭上には太陽が照り、空気は私の頬をスルリと撫で、その横で皆は三々五々、何かを口にしながら、感情を表に出しながら、私の周りを流れ、そして散っていくという、いたって標準的な日常があり。その瞬間、見知った風景が、まるで見知らぬものに変わるような、不条理な感覚に襲われる、ことがある。自分だけが、何か大きな存在から取り残されたような、はぐれてしまったような、孤独感。周りに存在する人々の挙動、口を動かし、表情を変え、手足を動かしているその姿が、なぜか途端にグロテスクに見えてきてしまう(私はこれを職場の食堂でも感じることがある。昼時にテーブル席に着いた数多くの人間が皆、口を開けて食物というある種の物体を体内に入れていくという光景が、ひどくシュールでグロテスクに思える時が)。その一瞬のサイケデリア。たとえばそれは、つげ義春の“ねじ式”において、かみ合わない会話と知らない景色と肉体的なグロテスク、影のある描写から醸される得体のしれない不安感、のようなものにつながっていき、それはまた(私の中で)孤独につながっていく。

そんな、都市、街、における孤独感とでもいおうか、あるいはその孤独を幻想的にごまかすサイケデリアといおうか、そんなものがこの作品(楽曲だけではない。タイトルやジャケットイメージもすべて含めて)には漂っているように思います。添えられたメッセージは“I’m lost, can you help me?”。見知った街で自分の存在を見失う。精神の孤独。魂の彷徨。自分を置いて景色だけが流れていくような奇妙なラッシュ感(‘Escarpment’) 。自分が視点だけの存在になって、存在していながら存在していないような。かと思ったら陽の暖かみが私を現実に引き戻したり(‘Cave’

マルッと捉えればそれはもうAmbient(正直音だけではあまりpublic footpathなニュアンスはない。あとVaporWaveを期待して聴けるのはM9~10くらいだと思う)なんだけど、実に味わい深い。ヘッドフォンで大きい音で聴いているとその味はさらに濃厚になります。

VAWの素性は謎ですが、同コレクティヴからもう2作、“Train Thoughts”、“级联”(どちらもワントラックの長尺作品だ)がリリースされていますので、興味のある方はそちらもどうぞ―



VIRTUAL PVNDA – A.Bon.Danse

 VIRTUAL PVNDA - A.Bon.Danse Cover

 – Tracklist –
 01. Light Showers
 02. Faded Memory
 03. Her Tears
 04. Tsukiji Tuna Shop
 05. Noble Rot
 06. Weiss Endless Waltz
 07. Metro Transit Power Nap
 08. Forest Slumber Party
 09. Liquid Dream Ending Sequence



 - 02. Faded Memory


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 Release Date : 2018.06.09
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Electronica, IDM, SynthWave, Trap, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ VIRTUAL PVNDA on bandcamp


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まったくもって、素晴らしい。VIRTUAL PVNDAの作品は、いつだって私の琴線を揺さぶってくる。

とんとチェックを怠っているうちにリリースされていた最新作は“A.Bon.Danse”。全9トラック。

近作からの大きな路線変更はなく、アンビエントな空間に、スローなメロディ、ところによりトラップビートが入り込んでくる。メロディを奏でるのはシンセサイズな音色で、ディレイやリバーヴをかけられたそれはリスナーの中にノスタルジックな思いを引き起こす。今作は特にノスタルジャーな傾向が強いように思われます。“Light Showers”“Faded Memory”“Her Tears”“Liquid Dream Ending Sequence”といったタイトルも、記憶や思い出ににまつわるエトセトラを想起させ、すなわちシャイニング・メモリーなのですね。

スピリチュアルな話になるのかもしれませんが、心が帰る場所っていうのは、みんながみんな持っているものなのでしょうか。原風景、とは少し違うのかなと最近思い始めているのですが、郷愁と共に脳裏によぎるシーンとでもいうような。実際に訪れた場所というわけでもなく、いつかどこかで見た光景なのかもしれませんが、それほど具体的なものでもなく。テレビや映画でもよくあるシーンのような、川面に陽光が反射しているような、不規則なキラキラとした光の動き、光と影のコントラスト、うねり、けれどそこには8mmフィルムのような粒子の粗さがあって、ただそれが延々と、頭の中を流れ、私はそれを見つめ続けるという。そんな場所。それがなくなったからといってきっと困ることはないんだろうけれど、でもなくなるのは嫌だなあと最近思っているという、ああ、何かよく分からない展開になってきましたね。

この作品に限ったことではないんですが、そのシーンを脳裏に呼び起こす音楽作品というのが世の中にはあって、もちろん今作もそうなんですという話。M-2とかマジでたまらないのですよ。ちょっと音が割れ気味になるところもあるんだけれど、それすらもレトロ感の演出に一役買っている気がする。M-7の物憂げな休日感もいい。全編ビートがトラップ経由だけど決してそこに違和感はない。よくマッチしていると思うしそこが今様なのかなとも思う。でも前から言っているように、IDM/Electronicaの側面も相変わらず感じられるし(実際タグにも“Electronica”は使われてますね)、ビートがもっと複雑化したものだったり、あるいはノンビートのものも聴いてみたいなあ。まあそしたら、VIRTUAL PVNDAらしさは失われてしまうかもしれないけれど。

タイトルの意味をいまいち把握できていないのですが、もし“盆踊り”だとしたら、なかなか気が利いている。死者を供養するための踊りである“盆踊り”。死線を越えた向こうから現世を懐かしむかのような郷愁サウンドと、鎮魂の踊りというのは直接的でないにしろ、リンクすると思いませんか。いやそれよりも、もっと単純に、ここにあるサウンド自体が魂を鎮めるために鳴り響いている、そんな風にとらえることもできるのかもしれません―

だんだんとリリースの頻度が少なくなってきているのが気になるけれど、でも今作が素敵なのでしばらくはこれを心に沁み渡らせようと思います。


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Volca FM + Novation Circuit + PO-12 + PO-20 + PO-14



ブルックル – discography 2018

 ブルックル - discography 2018 Cover

 – Tracklist –
 01. ひばりが丘 [dvdkm]
 02. im like so desperately social
 03. i dont even say a word
 04. memory…
 05. shes so cute
 06. she controls my emotion
 07. eternity【不安と短い金髪】
 08. me and you (it never works out)
 09. ピンクパラソル
(※私が初めて目にした時よりトラックが増えているので、今後も追加されるのかもしれません)



 - 08. me and you (it never works out)


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 Release Date : 2018.01.01
 Label : Not On Label

 Keywords : Beats, Hip-Hop, Indie, Lo-Fi, Trap, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ ブロックル on SoundCloud / on bandcamp / on YouTube / on Twitter


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ノスタルジアとグロテスクなイメージはこと私の中ではなぜか結びつきやすい。なぜか。そこに純粋な何かがあるからだろうか。ブルックル(あるいはブロックル)の作品にある、ノスタルジックで、でもグロテスクで(それは主に視覚的な部分による)、無垢なイメージは、私の中できれいに結びつく。そこに違和感はない。

抒情的なピアノの旋律を活かしたBeatsなトラックが主になっているようで、VaporWaveというよりはBeats/Hip-Hopに寄っているような気がします(チキチキビートはTrap経由だろうか)。でもこれまでの作品の中ではもっともVaporWaveに接近しているのかもしれない。nemuri winter系というにはちょっと煙っぽくて、memory cardsに近しいような気もするけれど、あんなにドリーミィではない。M-2なんか十分にドリーミィじゃないかって言われるかもしれないけれど、この日曜日の昼下がりに何もすることがないときの空気みたいな、ダルッとした調子、どちらかというと憂鬱ではあるまいか。M-3にあるような日本語のセリフをサンプリングしたスタイルも珍しくはないけれど、そこから醸される恋愛に関しての思い悩みは多分に思春期的で、やはりそこには無垢なイメージがよく似合う。

リノリウムの床と、ちょっと暗い体育館と、紺色のブレザーを着たあの娘と、いつも晴れない私の気持ち。頬杖ばかりつく机の上。正面玄関、下駄箱の前に植わっていたのはサルビアで、その蜜を吸っていたのは、もっと前の記憶か。懐かしいけれど、特別に楽しくはない記憶が、フワリとよみがえる―明るくもなく、ちょっぴり憂鬱な毎日。それを懐かしく感じさせてくれるのが、音楽の素敵なところ、かもしれない。いつか見ていた景色も、意味のあるものに、思わせてくれる。喜びも、悲しみも、やがて懐かしさに変わる、のか。しかしそこにあった無垢で、それゆえにグロテスクな憧憬はいずこへ――果たしてそれは、懐かしさと共に、蘇る、のか――


intentional.trauma / 君へ恋文



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 Note :

tracks i released by themselves or on compilations in 2018
please support the people who helped share my music by supporting the tapes im featured in
credits

dvdkm

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AVION – Dreamin [AS139]

 AVION - Dreamin [AS139] Cover

 – Tracklist –
 01. where are you?
 02. sky full of stars
 03. dreamin
 04. mysterious
 05. relax please
 06. natural beauty
 07. stranger
 08. under the rain
 09. bored
 10. beach
 11. hot summer
 12. chillin easy
 13. 夜club 1988
 14. 奇妙thoughts
 15. flashbacks



 - 01. where are you?


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 Release Date : 2018.01.30
 Label : Adhesive Sounds

 Keywords : Ambient, Dream, Meditative, NewAge, VaporWave.


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  ≫ AVION on SoundCloud / on bandcamp


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音楽作品に対する期待値っていうんですか、理想値っていうんですか、そういう線上のグラフのようなものが心の中に何とはなしにあります。頭から尻までをひとつの流れとした場合に、個々はもちろん、全体像としての理想的な流れというか展開というか。VaporWaveの作品って、いやそこに限らずですか、たとえば頭の辺りで“おぉ!”となっても、どっかどうかで“そっちに行ってしまったか…”と期待を外れること、ないですか(偉そうだナ)。

この作品は、私の中の期待値、理想値にきわめて近い流れを保っているのです。近似しているというか。

熟れきった果実から滴る果汁のような、極上の甘さ(私にとっては甘いのです)。熟じながら腐敗に向かうがゆえの、危うさ(エディットによって醸されるこの辺りの翳りがVaporWave特有のそれではあるまいか)。NewAgeに潜むノスタルジー。オリエンタルな気配。実際元ネタがあるのかもしれないが、そんなことはどうでもよくなるくらい、実によくまとまっていて、聴きやすく、そして聴いていて心地よい。

“気持ちの良い日”がいつまでも続くような。それはつまり夢のような。“Dreamin”とはよく言ったもんだ。スタンダードで、ストレートで、極めてシンプルで、だからこそ、芯が際立つ。

このAVION、どこの方かと思ったらロシアの方なんですかね。VKを眺めてるといろんなアーティストの音源が貼られているけど、小田和正があって意表を突かれた(笑)。Pop指向の人なのかな。今作が基本的にメロディを壊さないエディットスタイルなのも、頷けるような。でも“CYBERHEAD”とかは、ちょっと異形感あって、また別の顔をのぞかせている。

こういうホントにオーソドックスなVaporWaveって作るの難しいのか簡単なのか私にはよく分からないんですけれど、クオリティや評価は、もうセンスの問題なんですかね。もっとこういう作品に出会いたいですね。

 - 夜の寺院 : 久石譲的meditation。記憶のエコー。※SoundCloudから消えたけど“休暇の写真”に収録されました。