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タグアーカイブ: VaporWave

VAW – Public Footpath

 VAW - Public Footpath Cover

 – Tracklist –
 01. 01_97
 02. Isøtøpɇ
 03. Think
 04. Ǝ-Numbers
 05. Hana
 06. Escapement
 07. Escarpment
 08. Cave
 09. MSGS
 10. 𝓂𝒶𝓁𝓁 𝑔𝒶𝓂𝒾𝓃𝑔
 11. 02_98



 - 07. Escarpment


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 Release Date : 2018.08.21
 Label : Hallworth Collective

 Keywords : Alone, Ambient, Drone, Field, Psychedelic, Quiet, VaporWave.


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みなさんは“ぬくもりが欲しくて 人混み歩いた”(By ZARD)なんてことはありますか。私はありません。“そのぬくもりに用はない”とばかりに精神的パーソナルスペースを発動してこっそりと他人を敬遠するのが私という人間の悪い癖(頭悪いな自意識過剰で)なのですが、さりとて街という人混みに出向かなければならないときもあり、そんなときはしっかりと心に武装をして(大げさ)出かけて行っているような気がなんとなく自分ではしておるのですが、そうやって一人で、否、独りで街へ出ているときにフトした瞬間に訪れる虚無感というヤツ。周りにいるのがすべて他人という事実。一生のうちに今ここでしか出会わないのではないか、つまり彼ら/彼女らとはなんの繋がりもないという断絶感。しかし頭上には太陽が照り、空気は私の頬をスルリと撫で、その横で皆は三々五々、何かを口にしながら、感情を表に出しながら、私の周りを流れ、そして散っていくという、いたって標準的な日常があり。その瞬間、見知った風景が、まるで見知らぬものに変わるような、不条理な感覚に襲われる、ことがある。自分だけが、何か大きな存在から取り残されたような、はぐれてしまったような、孤独感。周りに存在する人々の挙動、口を動かし、表情を変え、手足を動かしているその姿が、なぜか途端にグロテスクに見えてきてしまう(私はこれを職場の食堂でも感じることがある。昼時にテーブル席に着いた数多くの人間が皆、口を開けて食物というある種の物体を体内に入れていくという光景が、ひどくシュールでグロテスクに思える時が)。その一瞬のサイケデリア。たとえばそれは、つげ義春の“ねじ式”において、かみ合わない会話と知らない景色と肉体的なグロテスク、影のある描写から醸される得体のしれない不安感、のようなものにつながっていき、それはまた(私の中で)孤独につながっていく。

そんな、都市、街、における孤独感とでもいおうか、あるいはその孤独を幻想的にごまかすサイケデリアといおうか、そんなものがこの作品(楽曲だけではない。タイトルやジャケットイメージもすべて含めて)には漂っているように思います。添えられたメッセージは“I’m lost, can you help me?”。見知った街で自分の存在を見失う。精神の孤独。魂の彷徨。自分を置いて景色だけが流れていくような奇妙なラッシュ感(‘Escarpment’) 。自分が視点だけの存在になって、存在していながら存在していないような。かと思ったら陽の暖かみが私を現実に引き戻したり(‘Cave’

マルッと捉えればそれはもうAmbient(正直音だけではあまりpublic footpathなニュアンスはない。あとVaporWaveを期待して聴けるのはM9~10くらいだと思う)なんだけど、実に味わい深い。ヘッドフォンで大きい音で聴いているとその味はさらに濃厚になります。

VAWの素性は謎ですが、同コレクティヴからもう2作、“Train Thoughts”、“级联”(どちらもワントラックの長尺作品だ)がリリースされていますので、興味のある方はそちらもどうぞ―



VIRTUAL PVNDA – A.Bon.Danse

 VIRTUAL PVNDA - A.Bon.Danse Cover

 – Tracklist –
 01. Light Showers
 02. Faded Memory
 03. Her Tears
 04. Tsukiji Tuna Shop
 05. Noble Rot
 06. Weiss Endless Waltz
 07. Metro Transit Power Nap
 08. Forest Slumber Party
 09. Liquid Dream Ending Sequence



 - 02. Faded Memory


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 Release Date : 2018.06.09
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Electronica, IDM, SynthWave, Trap, VaporWave.


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まったくもって、素晴らしい。VIRTUAL PVNDAの作品は、いつだって私の琴線を揺さぶってくる。

とんとチェックを怠っているうちにリリースされていた最新作は“A.Bon.Danse”。全9トラック。

近作からの大きな路線変更はなく、アンビエントな空間に、スローなメロディ、ところによりトラップビートが入り込んでくる。メロディを奏でるのはシンセサイズな音色で、ディレイやリバーヴをかけられたそれはリスナーの中にノスタルジックな思いを引き起こす。今作は特にノスタルジャーな傾向が強いように思われます。“Light Showers”“Faded Memory”“Her Tears”“Liquid Dream Ending Sequence”といったタイトルも、記憶や思い出ににまつわるエトセトラを想起させ、すなわちシャイニング・メモリーなのですね。

スピリチュアルな話になるのかもしれませんが、心が帰る場所っていうのは、みんながみんな持っているものなのでしょうか。原風景、とは少し違うのかなと最近思い始めているのですが、郷愁と共に脳裏によぎるシーンとでもいうような。実際に訪れた場所というわけでもなく、いつかどこかで見た光景なのかもしれませんが、それほど具体的なものでもなく。テレビや映画でもよくあるシーンのような、川面に陽光が反射しているような、不規則なキラキラとした光の動き、光と影のコントラスト、うねり、けれどそこには8mmフィルムのような粒子の粗さがあって、ただそれが延々と、頭の中を流れ、私はそれを見つめ続けるという。そんな場所。それがなくなったからといってきっと困ることはないんだろうけれど、でもなくなるのは嫌だなあと最近思っているという、ああ、何かよく分からない展開になってきましたね。

この作品に限ったことではないんですが、そのシーンを脳裏に呼び起こす音楽作品というのが世の中にはあって、もちろん今作もそうなんですという話。M-2とかマジでたまらないのですよ。ちょっと音が割れ気味になるところもあるんだけれど、それすらもレトロ感の演出に一役買っている気がする。M-7の物憂げな休日感もいい。全編ビートがトラップ経由だけど決してそこに違和感はない。よくマッチしていると思うしそこが今様なのかなとも思う。でも前から言っているように、IDM/Electronicaの側面も相変わらず感じられるし(実際タグにも“Electronica”は使われてますね)、ビートがもっと複雑化したものだったり、あるいはノンビートのものも聴いてみたいなあ。まあそしたら、VIRTUAL PVNDAらしさは失われてしまうかもしれないけれど。

タイトルの意味をいまいち把握できていないのですが、もし“盆踊り”だとしたら、なかなか気が利いている。死者を供養するための踊りである“盆踊り”。死線を越えた向こうから現世を懐かしむかのような郷愁サウンドと、鎮魂の踊りというのは直接的でないにしろ、リンクすると思いませんか。いやそれよりも、もっと単純に、ここにあるサウンド自体が魂を鎮めるために鳴り響いている、そんな風にとらえることもできるのかもしれません―

だんだんとリリースの頻度が少なくなってきているのが気になるけれど、でも今作が素敵なのでしばらくはこれを心に沁み渡らせようと思います。


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Volca FM + Novation Circuit + PO-12 + PO-20 + PO-14



ブルックル – discography 2018

 ブルックル - discography 2018 Cover

 – Tracklist –
 01. ひばりが丘 [dvdkm]
 02. im like so desperately social
 03. i dont even say a word
 04. memory…
 05. shes so cute
 06. she controls my emotion
 07. eternity【不安と短い金髪】
 08. me and you (it never works out)
 09. ピンクパラソル
(※私が初めて目にした時よりトラックが増えているので、今後も追加されるのかもしれません)



 - 08. me and you (it never works out)


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 Release Date : 2018.01.01
 Label : Not On Label

 Keywords : Beats, Hip-Hop, Indie, Lo-Fi, Trap, VaporWave.


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ノスタルジアとグロテスクなイメージはこと私の中ではなぜか結びつきやすい。なぜか。そこに純粋な何かがあるからだろうか。ブルックル(あるいはブロックル)の作品にある、ノスタルジックで、でもグロテスクで(それは主に視覚的な部分による)、無垢なイメージは、私の中できれいに結びつく。そこに違和感はない。

抒情的なピアノの旋律を活かしたBeatsなトラックが主になっているようで、VaporWaveというよりはBeats/Hip-Hopに寄っているような気がします(チキチキビートはTrap経由だろうか)。でもこれまでの作品の中ではもっともVaporWaveに接近しているのかもしれない。nemuri winter系というにはちょっと煙っぽくて、memory cardsに近しいような気もするけれど、あんなにドリーミィではない。M-2なんか十分にドリーミィじゃないかって言われるかもしれないけれど、この日曜日の昼下がりに何もすることがないときの空気みたいな、ダルッとした調子、どちらかというと憂鬱ではあるまいか。M-3にあるような日本語のセリフをサンプリングしたスタイルも珍しくはないけれど、そこから醸される恋愛に関しての思い悩みは多分に思春期的で、やはりそこには無垢なイメージがよく似合う。

リノリウムの床と、ちょっと暗い体育館と、紺色のブレザーを着たあの娘と、いつも晴れない私の気持ち。頬杖ばかりつく机の上。正面玄関、下駄箱の前に植わっていたのはサルビアで、その蜜を吸っていたのは、もっと前の記憶か。懐かしいけれど、特別に楽しくはない記憶が、フワリとよみがえる―明るくもなく、ちょっぴり憂鬱な毎日。それを懐かしく感じさせてくれるのが、音楽の素敵なところ、かもしれない。いつか見ていた景色も、意味のあるものに、思わせてくれる。喜びも、悲しみも、やがて懐かしさに変わる、のか。しかしそこにあった無垢で、それゆえにグロテスクな憧憬はいずこへ――果たしてそれは、懐かしさと共に、蘇る、のか――


intentional.trauma / 君へ恋文



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 Note :

tracks i released by themselves or on compilations in 2018
please support the people who helped share my music by supporting the tapes im featured in
credits

dvdkm

Some rights reserved. Please refer to individual track pages for license info.



AVION – Dreamin [AS139]

 AVION - Dreamin [AS139] Cover

 – Tracklist –
 01. where are you?
 02. sky full of stars
 03. dreamin
 04. mysterious
 05. relax please
 06. natural beauty
 07. stranger
 08. under the rain
 09. bored
 10. beach
 11. hot summer
 12. chillin easy
 13. 夜club 1988
 14. 奇妙thoughts
 15. flashbacks



 - 01. where are you?


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 :: Cassette is available. ::

 Release Date : 2018.01.30
 Label : Adhesive Sounds

 Keywords : Ambient, Dream, Meditative, NewAge, VaporWave.


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音楽作品に対する期待値っていうんですか、理想値っていうんですか、そういう線上のグラフのようなものが心の中に何とはなしにあります。頭から尻までをひとつの流れとした場合に、個々はもちろん、全体像としての理想的な流れというか展開というか。VaporWaveの作品って、いやそこに限らずですか、たとえば頭の辺りで“おぉ!”となっても、どっかどうかで“そっちに行ってしまったか…”と期待を外れること、ないですか(偉そうだナ)。

この作品は、私の中の期待値、理想値にきわめて近い流れを保っているのです。近似しているというか。

熟れきった果実から滴る果汁のような、極上の甘さ(私にとっては甘いのです)。熟じながら腐敗に向かうがゆえの、危うさ(エディットによって醸されるこの辺りの翳りがVaporWave特有のそれではあるまいか)。NewAgeに潜むノスタルジー。オリエンタルな気配。実際元ネタがあるのかもしれないが、そんなことはどうでもよくなるくらい、実によくまとまっていて、聴きやすく、そして聴いていて心地よい。

“気持ちの良い日”がいつまでも続くような。それはつまり夢のような。“Dreamin”とはよく言ったもんだ。スタンダードで、ストレートで、極めてシンプルで、だからこそ、芯が際立つ。

このAVION、どこの方かと思ったらロシアの方なんですかね。VKを眺めてるといろんなアーティストの音源が貼られているけど、小田和正があって意表を突かれた(笑)。Pop指向の人なのかな。今作が基本的にメロディを壊さないエディットスタイルなのも、頷けるような。でも“CYBERHEAD”とかは、ちょっと異形感あって、また別の顔をのぞかせている。

こういうホントにオーソドックスなVaporWaveって作るの難しいのか簡単なのか私にはよく分からないんですけれど、クオリティや評価は、もうセンスの問題なんですかね。もっとこういう作品に出会いたいですね。

 - 夜の寺院 : 久石譲的meditation。記憶のエコー。※SoundCloudから消えたけど“休暇の写真”に収録されました。



ppg choir – WINDOWS

 ppg choir - WINDOWS Cover

 – Tracklist –
 01. floater
 02. growing
 03. arrpps**
 04. haze tower
 05. plus/minus
 06. consciousness.rar
 07. EXE



 - 01. floater


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 Release Date : 2018.01.13
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Drone, NewAge, Soundscape, VaporWave.


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雑踏の中に、ふと面影を見出して、曳かれることがある。他人の後ろ姿に、見知った誰かが重なることがある―歩き方、服装、髪型、背格好、どこかが、私の記憶に触れ、私の視線を引き連れていく。そんなことがある。こんなとこにあの人がいるわけがない、それは分かっているのに、視線は正直だ。目は口ほどにものをいう、とはよく言ったものだと思う。視線は他人を追いかけ、それが知らない人だと明確になった時点で、私がガッカリしているのか、ホッとしているのか、自分でもよく分からない。諦めているのは確かだ。

同じ場所に立って、同じ景色を見ていても、心が違えば、見え方は違う(心って何だよってツッコミは却下)。私はいつか自分が見た、見ていた景色を、音楽の中に見出すことがある。言うまでもなく、音の中に景色はない。つまりは音から喚起される感情、それがいつか特定の景色を見ていたときの私の感情とリンクしたときに、私はその景色を、脳内に再び立ち上がらせる。ことがある。しかし明らかに、年齢を重ねるごとに、その景色が立ち上がる頻度は減ってきた。かつて心に焼き付けられた感情も薄れ、またこれから感じるであろう感情も、かつての比ではないのかもしれない。やはり多感な時期―思春期のような―はいつまでも続かないのだろう。か。

何となくボンヤリと、そのようなことを感じていたのだけれど、この作品を聴いて、久しぶりに、くすぶっていた感情を刺激されたのか、いつかの景色(のようなもの)が、私の中に立ち上がってきた。いやあるいは、どこにもない、“いつか”を、音楽の中に探し続けていた。そんな時間を、思い出す、ような。

ミニマルで、スローモで、ウェットなサウンド。モコモコとした耳触りと、フワフワとした浮遊感の中に、ときおりたなびく輝きは、とてもヘヴンリー。決してクリアにならない、くぐもった音像がまた、記憶の中のワンシーンのような、あいまいなセピア色のシーンを演出する。そこには思い出はなくて、ただ懐かしさだけがあって。天上に保管され電極につながれた脳が、電流を流されるたびに、ただただ懐かしさに打ち震えるような、空しさ。だがその感覚は嘘ではない。

私の大好きなmemory cardsの‘All The Things You Saw In Me’の中で、‘想い出に抱かれて今は’がサンプリング、エディットされている。冒頭に書いたような、雑踏の中で面影に曳かれてしまったとき、私はいつもこの歌の歌詞を思い出す。私はまだ想い出に抱かれているのかと。いやそんなはずが。いや、ここでこんな文章を書いている時点ですでに――

ppg choirはどこのどなかたまったく存知ないのですが、よい作品だと思いマス。明確にVaporWaveを標榜してはいないけれど、そっちのファン(特にノスタルジア指向のVaporWaveファン)にもアピールするサウンドだと思います。ボヤけたスカイな、思い出をくすぐるような、ジャケットデザインもハマってる。気になった方はほかの作品も是非。


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 Note :

all tracks produced by nicholas hohn in

grand rapids, mi
traverse city, mi
eugene, or



mLaD3n° – UNKNOWN ISLAND [012]

 mLaD3n° - UNKNOWN ISLAND

 – Tracklist –
 01. #_Q
 02. !ERR
 03. (G
 04. )()()()()
 05. “¤{{ DD
 06. SS=W
 07. E#!.-



 - 02. !ERR


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 Release Date : 2017.02.20
 Label : TV FEH

 Keywords : Ambient, Deep, Future City, Underwater, VaporWave.


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小さいころ、自分が雨の日を好きだったのは、それが外に出なくてよい口実になっていたから、かもしれない。“雨降ってるし”、という言い分。“お腹が痛い”とか“熱がある”とかと同じ理屈なんだろう。そうやって自分だけの空間、時間に逃げ込むことで、安心を手に入れていたのだろう。当然、大人になればそんな理屈は通りにくくなるし、それと合わせるように私は雨の日が嫌いになってきた。

今の私がたびたび逃げ込むのは深海、海中のイメージだ。その人知の及ばない神秘的なイメージに惹かれている人は多くいるだろう。そのある種の異世界は現実から自分を切り離し、身を沈めるのに打ってつけではある。しかし実際深海まで潜れるわけもないし、よしんば潜ったところで怖すぎるので(ワガママだ)、私が好むのはあくまでイメージに留まっている。

そう、水族館もその異世界感に近しいものを醸しているけれど、しかし周りに第三者がいるという時点で、少なからず現実は残ってしまう。・・・そういえば、自分の身の回りに水族館の年間パスを持っている人がチラホラといて驚いたことがあるが、案外その事実に潜んでいるのは、現実とは異なる世界を欲する心なのかもしれない。なんて。

深海や水中のイメージといえば、それをコンセプトにしたビデオゲームも存在する。“アクアノートの休日”…は、プレイしてないな。PSの“DEPTH”はよくやった。



最近だと“ABZÛ”が記憶に新しい。スリリングな側面もあるけれど、プレイヤーがデッドすることはないし、総じてリラクシンだ。独特のグラフィックも美しく、魅力的。



あとは“SOMA”もある。深海探索SFホラーアドベンチャーであるけれど、ストーリーは自己の在り方を問うような、悩ましいものになっている。ラストに待つ希望と絶望のコントラストに何を感じるかは人それぞれでしょう。これは恐怖も孕んではいるが、神秘的な世界観がもつ没入感は極めて強い。



と、遠回りをしていますが、音楽の存在を忘れてはいけません。水族館やビデオゲームも結構ですが、深海や水中のイメージをもった音楽も古今東西たくさんあるでしょう。いつも挙げるのは深海Dark Ambientの傑作、Nubiferousの“Behind The Megalithic Walls”ですが、ベクトルは異なりながらもこの“UNKNOWN ISLAND”もかなりの深海、水中感でもって、私を包み込んできます。没入。Discogsなんかでみると、アーティスト名がUNKNOWN ISLANDとなっていますし、レーベル側ではレーベル名のTHE FEHとなっているんですが、mLaD3n°のbandcampからもリリースされているので、ここではmLaD3n°名義にしております。

“UNKNOWN ISLAND”というよりは、個人的には海中に建設されたドームの中にある未来都市といったイメージです。ドームの天井に映されるのは架空の空。絶対的に地上とは何かが違っていて。そこにある悲しみやミステリーの気配。深海の閉塞感と同居する、奇妙な安心感。いいですね。頭の中に広がる世界。没入。M-2とか水中での目覚めみたいな、不思議なサウンド。音の揺らぎは水中を、鳥のさえずりが朝の訪れを、告げる。幻想的です。作中では長尺のM-6もよい水中感。鼓動と同期するようなリズムと、スローな音の波と、わずかな電子感。深海でパワースーツ着て機械端末いじってる光景。少し危険、みたいな。

mLaD3n°はTV FEHを基盤にして多くの名義を使って作品をリリースしている様子なので、気になった方はぜひ他の作品もチェックしてみてください。同名義の“(専用イダ)”も好きです。


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 Note :

SECRETS INSIDE THE CITY
UNKOWN ISLAND
RESORT



VIRTUAL PVNDA – Tokyo Love Story

 VIRTUAL PVNDA - Tokyo  Love  Story

 – Tracklist –
 01. Perfect In Paradise
 02. Morning Glow
 03. Wake Up With You



 - 02. Morning Glow


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 Release Date : 2017.09.29
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Electronica, IDM, Nostalgia, VaporWave.


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VIRTUAL PVNDAの作品は、いつも不思議なChill感を与えてくれる。懐かしさの中にある爽やかさとでもいうか。

予定のない休み、その前日は夜更かしをしがちだ。私の場合。PCを漫然といじりながら(なにもインターネットとは限らない)、そのまま、眠りに落ちていくことも珍しくない。布団には入る、ようにしている。寒くなってくると、風邪をひいたりしたら、あとあと、差し支えるだろうから。そうすると、たいていは昼ごろに目が覚める。別に勿体ないとは思わない。なぜって前日に夜更かしをしているからだ。そこで時間を手に入れたのだから、勿体ないなどという言葉が出てくるはずがない。しかしそういう話になると、休日の過ごし方に口を出してくる者がいたりするが、それはしゃらくさいというものだ。休日なのだから自由に過ごして何が悪いのだろう。

昼に起きた私は食事をとり、バスタブに湯を張る。そして浸かる。正午はとっくに過ぎている。別に人がいつ風呂に入ろうが自由だが、私の場合ふだんは夜に入るので、これはちょっと特別だ。スペシャルな時間だ。予定もないしタスクもない状態というのが私は大好きで、それだけでウキウキしてくる。そんなウキウキでのんびり風呂に入る。上がり心地は爽やかだ。心地よさだけが体を支配している。

思い返せば、学生時代は、夜と朝に入浴していることもしばしばだった。今思えばその行為は、特別な爽やかさを求めると同時に、現実逃避的な側面もあったのかもしれない。朝、湯に浸かりながら、ツルンとしたバスタブで背中を滑らせるようにして、頭を沈め、くぐもった音の中で目を開き、ぼやけた世界を視界に収める(別に“パーフェクトブルー”に感化されていたわけではない。そのころはまだ視ていない)。そこで一瞬、世界と自分とのつながり具合が正常ではなくなったように、ねじれたように感じられて、日常がシャットアウトされ、自分の感覚が別世界にコネクトされるような気がして、その瞬間が好きだった。俗っぽく言えば学生時代が暗黒時代だった私は(もちろんそれは自分のせいなのだけれど)、別に人生やり直したいなどとは微塵も思っていないが、もしやり直すことを強制されたら、きっとそこ―学生時代を選ぶだろう。そこが今につながっていると思っているからだし、すなわち今に納得していないからだろう。妄想。

そんなノスタルジックな仄暗い思い出と、そこから派生する心地よさというヤツが、VIRTUAL PVNDAのサウンドにはある。相変わらずどのあたりがVaporWaveなのかよく分からないけれど、その懐かしく、心地よく、ちょっと暗い、というヤツが、VaporWaveの何たるかと共振しているような、気はする。

それにしても“Tokyo Love Story”ってワードの強さ、すごいな。時代を超えてる。読んだ時のリズムも良いし、そこに内包されるイメージの多様さよ。もちろんオリジナルの“東京ラブストーリー”あってのことだとは思うけれど、ロマンチックで、何ならサイバーパンクの香りさえしそうなくらい。そして見事にVaporWave的でもある。


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Volca FM + Novation Circuit + PO-12 + PO-20 + PO-14