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The Learning Company ® – Observations on Ritual Landscape, Pilgrimage, and Human Sacrifice in the Southern Ouvis Region [PHANTOM-22]

 The Learning Company ® - Observations on Ritual Landscape, Pilgrimage, and Human Sacrifice in the Southern Ouvis Region [PHANTOM-22] Cover

 – Tracklist –
 01. Mountains of Sustenance and Cliffs of Paradise in Uvaisan Pilgrimage
 02. The procession leaves the village with drummers, flutists, ritual officials, and red banners – proceeding to Mount Uwei. They ascend and play their instruments until they reach the summit; there they play all night until the third day and do not sleep so they can preside over their Gods.
 03. Uvaisan Ritual Object
 04. What It Looks Like to Us & the Anthropological Terms We Use to Describe an Evil
 05. Uvaisan Pilgrims Ascend Mount Uwei
 06. Acropolis flanked by cliffs, ritual architecture, large zoomorphic figures, and three lakes
 07. Curved mountain that resembles depictions of Shu’ve in Uvaisan codices, near the Kajai’sha River
 08. Cannibal Women Descending a Stone Causeway
 09. The Apparition of Mary Above Pilgrims at the Shrine of Uvaisan
 10. Ritual Cave at the Ruins of Uwei
 11. One tribe’s sacred pilgrimage to a Shu’ve hidden temple goes haywire when the cave turns out to also be a backdoor to a wrathful jungle deity
 12. Uvaisan shrine of piled stones in a pool of blood at the end of a tunnel
 13. Incense burners light the way to an exit
 14. Uvaisan Pilgrims Sacrifice a Young Male at a causeway terminus, Crest of Zaisan
 15. Blood & Springwater Flowing Over a Ritual Cliff at Zaisan
 16. Mouth of the Sacred Shu’ve
 17. Line of Basalt Monuments Near Mounds, Spring, and Hills, Zaisan
 18. Ouvis Islands & Ritual Waters
 19. Conclusions: Neutralization/Sword of Saint Michael



 - 06. Acropolis flanked by cliffs, ritual architecture, large zoomorphic figures, and three lakes


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 Release Date : 2019.02.19
 Label : PHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS haze

 Keywords : Dungeon Synth, Midi, NewAge, RPG, Synth, VaporWave, VGM.


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“懐かしく思い出した。本格ミステリィの潔さを”。というのは、周木律さんの書いた推理小説“堂”シリーズの第一作“眼球堂の殺人”に、森博嗣さんが寄せた惹句。今作を聴いていてそんな言葉がよみがえったのは(ちなみに“堂”シリーズは2019年2月刊行の“大聖堂の殺人”を以て、完結した)、懐かしく、潔い、というワードがあてはまったからに違いない。

てっきり動きを止めたと思っていたPHAṅTom ᴀᴄᴄᴇSS haze(ex. ♱ )がちゃっかりカムバックしていることに気づいて、リリースをチェックする中で、圧倒的異彩を(というかこのレーベル/コレクティヴのリリース全体が異彩な気もする)放っていたのがこの作品。そもそもレーベル/コレクティヴなのか、一人が複数名義を使って作品をリリースしているだけなのか、いまだに判然としませんが、今作の作り手はThe Learning Company ®。“原子カフナCAFE”の拡張版、“原子カフナCAFE (a moderately enhanced audiophonic experience) ”の作り手としてその名前を見ることができますし、Karen Weatherlyの作品にもクレジットされています。

たとえばそう、Karen Weatherlyの“A Separate Reality”について、それはCarlos Castaneda(カルロス・カスタネダ)の著作に基づいた(架空の)冒険譚にあてがわれたサウンドではないかと、私は想像を逞しくしたわけですが、今作についても、これは似たコンセプトなのかなあと思い、ここに秘められている物語の源を探ってみようと試みたわけですが、さっぱり分かりませんねん・・・。各トラックのタイトルから何となく察するに、そしてタグに“RPG”と使われていることからして、やはり何がしかの冒険(それもビデオゲームの中の)がイメージされているのだろうとは思うのですが。このレトロな洋ゲー感丸出しのジャケットイメージとかどっから持ってきてるんだろう・・・知りたかったぜ。現代の少年が遺跡の中で不思議な剣を見つけて、異世界へ旅立つ・・・てまあ、ありきたりだけど、そんなお話が下地にあるのかなあ。

曲はMIDI風の音源で軽快な部分もあるんですが、トラックタイトルはけっこう穏やかじゃないですよね、M-12は‘Uvaisan shrine of piled stones in a pool of blood at the end of a tunnel’だし、M-14, 15も‘Uvaisan Pilgrims Sacrifice a Young Male at a causeway terminus, Crest of Zaisan’‘Blood & Springwater Flowing Over a Ritual Cliff at Zaisan’と、血のプールに石を積み重ねて作られた建物だったり、生贄や儀式と、血なまぐさいイメージが並んでいます。そういった部分のせいもあるんでしょうか、曲自体に圧力は決してないんですが、どこか重々しく、グロテスクに感じられてしまうのです。なんなら導入部のM-1にいつかのOPN(Oneohtrix Point Never)を感じたせいもあるかもしれません。メロディはあるけれども決して明るくはなく、ときおりバロック音楽やフォークロアを感じさせ、なおかつVGMを匂わせるという体裁からは、Dungeon Synthと共振するものを感じますし、積極的にその方向から紹介する人がいてもおかしくない。MIDI風のサウンドにごまかされてしまう部分もありますが、よくよく聴くと、面白いし、よくできている作品だと思います。私の中では名うてのトラックメイカーですね。

そう、“懐かしい”MIDI風のサウンドを、“潔く”使っていながらも、なんで”VaporWave”なん?て言われたら正直分かりませんよそんなもん。明らかに“過去”のものであるMIDIサウンドをNewAge調の大仰なサウンドと共にリバイヴさせているという点、プラス、その大仰さの中に漂う不穏なサウンドが、VaporWaveの何たるかを感じさせるからでしょうか。・・・にしてもタイトル長いなあ、いや、長いよなあ。

なぜか聴いていて思い出したビデオゲームがあってですね、いずれもKEMCO(ケムコ)が発売した作品で、“シャドウゲイト”と“悪魔の招待状”でした。不気味なんだけど、どこか滑稽、そして世界はファンタジーという部分で、リンクしたのかもしれません。以下に―













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Some rights reserved. Please refer to individual track pages for license info.



Final Heal – Fata Morgana[QNR019]

 Final Heal - Fata Morgana[QNR019]Cover

 – Tracklist –
 01. Anna’s Journal
 02. My Blue Heaven
 03. Millennium Fantasy X
 04. Never Die
 05. From Here On Out
 06. Invitation to Elegy
 07. VIRUS
 08. Dream Tower
 09. Wind
 10. Telepathy
 11. Fly Away
 12. People, Memories, Places
 13. Snowman
 14. Sinner’s Lullaby
 15. Faerie Song

 - 15. Faerie Song


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 Release Date : 2018.08.20
 Label : Quantum Natives

 Keywords : Breakbeat, Electronic, Fantasy, Orchestral, Piano, Strange, VGM.


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  ≫ Final Heal on SoundCloud


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プロフィールは不詳ですが、このFinal Healの背後にいるのは、おそらくはAmun Dragoonではないかという指摘を見かけました。私も何とはなしにそう思っておりましたので、“そうだよね!”と共感した次第です。まあ結局よく分かっていないんですけれど。でもそう思わせる要素というのはあって、まずはやはりAmun DragoonのSoundCloudにFinal Healのトラックが(2年も前に)リポストされていること。私がFinal Healの存在を知ったのもそこからでした。単純に気に入ってリポストしただけという可能性もありますが、このつながりに加えて音楽性も類似しているのです。

Amun DragoonはVaporWaveの文脈に入れられることもあるし、実際トラックによってはその傾向も強くありますが(特にNewAge調のトラック)、現時点の最新作2015年の“Socotra Island”などはMIDI風のサウンドに傾倒している節があって、もはやVaporWave作家というイメージは私の中では薄れつつありました。そしてその先に何を出してくるのかという興味も持っていたのですが、それ以降動きはなく、まあ突然活動を止めてしまう(ように見える)アーティストも全然珍しくないので、Amun Dragoonも終了してしまうのかと危惧しておりましたところ、突然現れたのがこのFinal Healでして、聴いてみたところ、正直当初公開されていたトラックからはAmun Dragoonとのつながりは見いだせなかったのです。だってヴォーカル入ってるし(どこかたどたどしい)、何かメロディはポップだし、オーケストラルな要素もあって、ハッキリとした抒情性も感じられて、そこをつなげて考えるのは間違いじゃないかと思っておったのですが。

私がAmun Dragoonで一番好きなトラックは‘Secret Whispers From The Tamate Box’(下に張りますが最高だな!ビデオがイイ)ですが、これと共振する何かを今作の‘Dream Tower’‘Wind’, ‘Telepathy’に嗅ぎ取ったのですね。前者が陰とすれば後者は陽であるけれども、このスピリチュアルな望郷感とでもいうか、意図せず漏れ出てしまっている個性が共通しているように感じられて、ここで初めて両者をつなげて考えてもよいのかなと思い始めたのです。“Socotra Island”の延長線上というよりは、俗に寄せてきた感じ。

と、もし赤の他人だったら申し訳ありませんので、単体で触れましょう。仙人が下界に降りてきて世俗を楽しもうと思いきや、下々の常識が分からずにひっちゃかめっちゃかやってしまいました、みたいな。クロコダイルダンディ。そんなことやっちゃうのみたいな。ローファイ・エレクトリック・ファンタジー。大筋は抒情的なメロディがあって、ファンタジックで、ちょっとVGMっぽいところもあって、ストレートな聴き心地というか、ポテトチップス食べてるみたいな安心感なんですが、ところどころ異質な“何か”が混じっていて、非常に刺激的。M-2も静かに始まったと思ったら、終盤いきなりそんなデカいシンセと強いアタックのドラム入れちゃうの?っていう驚きがあり、M-4はコレ何であえて日本語の歌詞なんでしょう?カバーとかではない気がするんですがちょっとおぼつかない日本語のDIYな歌唱がまた惹きつける、M-6は9分超の大作ですがピアノでひそやかに始まってストリングスなんか入ってアラいい感じと思ってたら急にブレイクビートと共にドラマチックな展開になだれ込んで、何だかビデオゲームのバトルシーンみたいな曲調にいつの間にか連れて行かれてる、M-7もせわしないビートとシンセにアンニュイなヴォーカルが入って最終的に加速してって終わるしM-11も途中でギターなのか何なのかノイジーなフレーズが入ったり後半リズムが妙に力強かったりまたしてもミステリアスなヴォーカルを入れてくる―といった調子で、一度入り込んでキャッチされてしまえば、終始感じられるこの危ういバランス感(焦燥的でもある)と、抒情性の絶妙なコントラストが、クセになること請け合い(さらには‘Invitation to Elegy’‘My Blue Heaven’はSoundCloudで公開されているものとちょっとずつ内容が異なっているという攪乱ぶり)。人によってはスペインの雄This Deep Wellを想起する方もいらっしゃるでしょう。

気になった方は是非Amun Dragoonも辿ってみてくださいネ。にしてもQuantum Nativesのサイトデザインやべえ。あえて不便さを強いてくるような突き放し感がヘヴンリー。


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Amun Dragoon – Secret whispers from the tamate box






Final Heal – Millennium Fantasy X(directed by Final Heal)



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Artwork by Aisha Mizuno & Galen Erickson
https://www.instagram.com/doctor_zoom_octopus/
https://www.instagram.com/chaos_egg/



teams. – VGM 1

 teams. - VGM 1

 – Tracklist –
 01. cave (seiken densetsu 2)
 02. avalanche (final fantasy 7)
 03. pk starstorm (earthbound)
 04. sorry, but it looks like I won’t make it back (chrono cross)



 - 02. avalanche (final fantasy 7)


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 Release Date : 2017.10.07
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Dream, Electronica, Fantasy, VGM.


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ビートメーカー、teams.の新しい作品は、VGM(Video Game Music)。teams.っていうから、グループとかコレクティヴだと勘違いしていましたが、個人活動ということでよろしいでしょうか(間違っていたらスミマセン)。

これまでにもアンビエンス漂うHip-Hop/Beats作品を多くリリースしてきていますが、今作はビートがございません。自身が最も好んでプレイしてきたビデオゲーム―時代的には一昔どころではなく前になるけれどしかし不朽の名作である“聖剣伝説2”、“ファイナル・ファンタジー7”、“MOTHER2(英題はearthbound)”、そして“クロノ・クロス”、これらの音楽を作ってみた、というのが今作、今シリーズのコンセプトのようです。作ってみた、と書いたのは、オリジナルをアレンジとかリミックスしたわけではなくて、自身でゲームの特定のシーンをイメージして作ってみた様子だからです。というのも私は“聖剣伝説2”と“クロノ・クロス”のオリジナル・サウンドトラックは所持していますが、おそらくこのteams.の作品に入ってるトラックはそこには見てとれないからです。

でも完全オリジナルってなると、サンプリングありきのHip-Hopの手法からは外れるし、それはteams.っぽくないような気もするので、もしかしたらサンプル使用とか、極端なアレンジとかいう可能性もありますが、少なくとも私には分からない。オリジナルを使っているにしても、コレは、とピンとくる素材は使われていないように思います。

まあ、それはさておき、非常にAmbientに傾いた作風です。これまでも包容力あるサウンドを多く作ってきていますが、先にも書いたようにココにはビートがない。夢の中にきらめく星明り、あるいは電子の瞬きか。ドリーミィなサウンドスケープの中にある電子的冷たさが、ビデオゲームの空気を醸している。聴き方によってはShogaze/Noise的な側面も見いだせるかもしれません。

各トラックには題材になったと思しきゲーム名が付されているけれど、どれも特別にゲームのシーンを思い出させるような作りにはなっていなくて、説明がなければおそらくそれぞれのゲームに関連付けられることはないだろうと思います。なので件のゲームをプレイしていない人が楽しめないということは全くなくて、純粋にAmbientとして魅力を持った作品になっています。逆にプレイしてきた人は、思い出のシーンに当てはめてみるのも楽しいかもしれません。トラックタイトルもその助けになるでしょう。

今作はシリーズの第一作ということで、続編も控えているようなので、期待しましょう。お気に召した方は、過去作の“visual novel.”も近しいサウンドかと思いますので、ぜひ。


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 Note :

when i started making music I started off making video game music, bgm etc. This is the start of a small series of video game music I do. This one consist of my favourites like final fantasy 7, chrono cross, earthbound and seiken densetsu 2. There are more soundtracks of these games I did. Just got to get around finishing them. Series 2 will be up soon.


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ちなみに、ということで、せっかくなんで、私の好きな、“聖剣伝説2”と“クロノ・クロス”からのトラックをいくつか以下に―






時のみる夢(from “クロノ・クロス オリジナル・サウンドトラック”)
とはいってもコレは本編では使われていないはず。









海月海(from “クロノ・クロス オリジナル・サウンドトラック”)









時の草原(from “クロノ・クロス オリジナル・サウンドトラック”)









天使の怖れ(from “聖剣伝説2 オリジナル・サウンドトラック”)









ねがい(from “聖剣伝説2 オリジナル・サウンドトラック”)




neokyoto – Zero Transition

 neokyoto - Zero Transition Cover
 – Tracklist –
 01. A Spinning Disk
 02. Circuit Drift
 03. Tastes Like Mercury
 04. Incubate Me
 05. MedBox Express
 06. Myst
 07. Zero Transition
 08. Ruined Arcade Zone



 - 05. MedBox Express


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 Release Date : 2017.03.17
 Label : Not On Label

 Keywords : Electronic, Melodic, Post-Punk, Shoegaze, SynthWave, VGM.


 Related Links :
  ≫ neokyoto.net
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アメリカから現れた様子のneokyoto(ネオ東京じゃないよ!)は、Post-Punk/SyntWaveプロジェクト。というのは私が勝手に言っているだけであって、ソロなのか、ユニットなのか、バンドなのかは分かりません(おそらくソロでしょうけれど)。とりあえず現時点で公開されている作品は4つあって、今作が一番新しい。ほかには“Cobalt Cavern (demo)”と、“Rough Cuts”、“Terminal B01”があって、後者2つはSoundCloudでしか公開されていない様子。

もともとがどういうコンセプトで始まったのか分からないんですが、neokyoto(ネオ京都)っていうネーミングからしてやっぱりサイバーパンクな香りがするじゃないですか(と誰にか問いかけてみる)。実際今作は確かにVGMな向きもあるSynthWaveで、そこにはやっぱり安易かもしれないけれど未来的な都市の風景が立ち上ってくる。それは実にストレートにネオ京都というワードから感じられるフィーリングと結びつくのである。ところがどっこい、“Rough Cuts”なんかを聴いてみると、New Orderチックな、哀愁漂うメロディのPost-Punkが鳴らされているではないか(意表を突かれてグッと来たので下に張らせてください)。もちろんこの“Zero Transition”についても、分かりやすいPost-Punkの要素はあるのだけれど、それよりも電子感を前面に出したSynthWaveやVGM、そこから引いてはサウンドトラック的な意匠が強く感じられる。

はて、どこがターニングポイントだったのだろうと考えるよりも、これはneokyotoの中にもともとあった素養が披露されているのかもしれない。鍵盤のメロディや和楽器の雅な響きを利用したタイトルトラック‘Zero Transition’やSyntWave meets Post-Punkな‘MedBox Express’を聴いていても、器用なイメージがある。特に後者はいいですネ。マシーナリーなサウンドの中にあって、エモーショナルなギターが存在感を放っている。 また前述の“Terminal B01”においてもサイバーパンクなイメージ、Post-Punkなサウンドを下敷きにしつつも、オーケストラルなサウンドを作っていたりして、なかなか素敵なバランス感覚です。

きっとそのときどきで自分のモチベーションにあったサウンド、作品を作っていくのでしょうけれど、次は是非PopなPost-Punk作品でお願いします。今作もよいけど、やはり“Rough Cuts”がシビれるんですよ。





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About a boy trapped in a computer simulation.



MIXTAPE : PIXELATED MEMORIES




– Tracklist –

 01. Sapphire Shores – YUNO
 from “CRUISE LINER ‘DELPHI’ ” (2014)


 02. cerror – A summer afternoon
 from “Rainbow parade” (2009)
 :: (CC) by – nc – nd 3.0 ::


 03. POPCORNKID! – Genesis Jordon
 from “GENESIS JORDON” (2015)
 :: (CC) by – nc – nd 3.0 ::


 04. Rico Zerone – quick freeze
 from “QUICK FREEZE” [DN.04] (2009)
 :: (CC) by – nc – nd 3.0 ::


 05. Evan Pattison – Bubble Up (Water Stage)
 from “Neptune” (2012)


 06. H-Pizzle – R. Catamaran
 from “The Tale of the Fable of the Legend of HPizzle” [DIF031] (2010)
 :: (CC) by – nc 3.0 ::


 07. Bertfm – lol Punk
 from “8bitoholic” [8081-060] (2011)
 :: (CC) by – nc – sa 3.0 ::


 08. KARUT a.k.a TriplebulletS – Pixelated Memories
 from “Pixelated Memories” (2016)


 09. A-zu-ra – Jumping Jack
 from “the bed of diverse flowers” [9BR-031] (2014)


 10. Tanooki – Atlas
 from “Artificial Colours” [SFZH1] (2012)


 11. Geir Tjelta – a new beginning
 from “Best Of AHX Vol.1 – Dexter’s Pinkboratory” (2003)
 :: (CC) by – nc – nd 1.0 ::



Ozzed – 8​-​bit Run ‘n Pun

 Ozzed - 8​-​bit Run 'n Pun

 – Tracklist –
 01. Introjiuce
 02. Failien Funk
 03. Stroll ‘n Roll
 04. Shell Shock Shake
 05. I’m a Fighter
 06. Going Down Tune
 07. Cloud Crash
 08. Filaments and Voids
 09. Bonus Rage
 10. It’s not My Ship
 11. Perihelium
 12. Shingle Tingle
 13. Just a Minuet



 - 04. Shell Shock Shake


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 Release Date : 2015.11.18
 Label : Not On Label

 Keywords : Chiptune, NES, Soundtrack, VGM.


 Related Links :
  ≫ Ozzed.net
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Ozzedは、スウェーデンのChiptuneプロデューサ。現時点でもっとも新しい作品が、この“8​-​bit Run ‘n Pun”になります。2013年くらいからですかね、少しずつトラックを公開していって、2015年末に完成しています。

Chiptuneというのは、架空のゲームのサウンドトラックを想定して作られることがままありますが、この作品もそうです。リリースページに詳しい記述がありますが、16才の不良少年、TerryとBobbyの二人が地球を侵略してきたエイリアンに嫌々ながらも立ち向かう、というのがストーリーになっているようです。ゲームは実在しないわけですが、ジャケットイメージから察するに、横スクロール―ベルトスクロールのアクションゲームといったところでしょうか。今ではすっかり少なくなりましたが、ファミコン時代は多くありましたね(いちいち書きませんよ)。各トラックがどんなシーンをイメージしているかも詳細に書かれていますし、さらにはTerryとBobby二人の顔写真まで用意しているので、ここは是非、ゲームもミニサイズで構わないから、作ってほしかったところ(誰かお願いします)。

と、ここで思い出したのが、アメリカのChiptuneプロデューサ、Jay Tholenの作品“Epidemic”。これは70年代のホラー映画のサウンドトラックが持っていたバイブを、Chipsoundで表現しようと試みた傑作で、ゾンビによる世の終末をテーマにしていました。そしてこれには作品をプロモートする目的で作られたミニゲームがあったのです!(もちろん作中の音楽が使われています。そしてクソがつくほど難しいです。あとMacではプレイできません)。あの作品も、もう2008年だったんだなあと、しばし懐かしんだのですが、調べたら2012年に“Epidemic Deluxe”として新たな編集を加え、リイシューされていました。興味のある人は今すぐ飛べ!

と、何を紹介したくて書いているのか分からなくなってきましたね(スイマセン)。ファミトラッカーを用いて作られた今作は、非常にシンプル。少ない音色と音数で、上記ストーリーの世界を巧みに描いています。ダウンタウンというよりは、アーバンなエリアというか、全体的に洗練というよりは粗野のイメージ(ワルな二人が活躍するBGMにはピッタリだ)。街の中心からはちょっとズレたところで人知れず行われるバトル、みたいなちょっと孤高のイメージもあり(でも宇宙船バンバン飛んでる感じだしそんな人知れずではないだろう)。空を飛び、エイリアンの宇宙船を盗み(ハリウッド映画みたいだね)、操縦室でついにエイリアンと対峙するTerryとBobby。彼らは果たして地球を救えるのか!? 気になる方は今作を聴きながら、リリースページのストーリーをお読みください。トラック自体もぜんぜんカラリとしていてネガティヴな要素というのは皆無に等しいのですが、そのストーリーも何だかピースフルな終わり方で、ホッコリしてしまいました(まあ実際侵略の跡ってのはあるわけだけれど、そこは映画的っていうか、ね)。突き抜けた何かっていうのはないかもしれませんが、間違いなくChiptuneというやつの良いところが封じ込められていますので、気になる方は是非耳を傾けてみてください。古き良き、という言葉は私あまり好きではないのですが、ここにはそれを当てはめたいです。あ、あと、Ozzedには過去作も複数ありますんで、そちらもどうぞ。

余談。私がブラックミュージックにどうしても反応できないように、Chip musicにも反応できない人がいるのでしょう。そう思います。その逆に、ということでもないんですが、私はChip musicには原体験的な何かがあるのでしょうか、ついつい耳が反応してしまう(そしてそういう人も多くいるでしょう。それはChip musicが常に安定した人気を保っていることからも分かる)。こういう、ある種の音楽に反応できるかできないかの話ってのは、突き詰めれば脳のお話というか脳科学の話になってしまうのかなあ。所詮は脳内で起こる何かのやり取りとそれを発生させる何か、というような話になった場合、そのブラックボックスが暴かれたとき、またひとつ人間は冷めていくのでしょう。でも、それはそれで新しい音楽が幕あけるのかもしれないけれど。と、完全に余談。


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(CC) by – sa 3.0


About the Tunes :

Terry Cloth and Bobby Pin are two 16-year-old friends who go to ”Lezgeht High”. They are bored with school and more interested in fighting with the other kids and smoking pot. One day aliens invade the city and Terry and Bobby become unwilling heroes who set out to save their skin. But are they taking their mission seriously? Also, please not that violence, pot smoking, gaming or rude jokes are not encouraged or reccomended Before we start, here’s some artwork to get you in the mood!

Headshot of Terry :

Headshot of Bobby :




Famicom Fountains – PROGMAN​.​EXE

 Famicom Fountains - PROGMAN​.​EXE

 – Tracklist –
 01. Loading…Please wait
 02. tempex.dir
 03. SALES BONUS
 04. Please insert a disk into drive A
 05. minesweeper marathon 92
 06. office X-MAS party
 07. PRIME TIME エンターテインメント
 08. スクリーンセーバー FLYING WINDOWS
 09. ☺☺☺ BUSINESS CLASS NAP ☺☺☺
 10. 影響 [Impact]



 - 02. tempex.dir



 - 06. office X-MAS party


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 Release Date : 2014.06.03
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Easy Listening, Lounge, Melodic, VaporWave, VGM.


 Related Links :
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台湾は台中市のプロデューサ(らしい)、 Famicom Fountainsの作品です。2014年リリース。これが最新作ではありませんし、この他にも複数作品は出ていますが、今作がもっとも耳に残りました。

まさに雨後の竹の子のごとき出現率を誇り、クオリティはピンキリ、その音楽的な定義さえ定まらない様子のVaporWaveは、やっぱりどうしてミステリアスで、解けるべき(解かれるべき)謎がソコにあるような気がして、ついつい惹きつけられるわけですが、そんな中で、この“PROGMAN​.​EXE”が耳と目に留まった理由、特性というのは何なのでしょうか。自分でも気になったので、考えてみます。

いきなり総じていうと、ワケの分からなさが薄いということでしょうか。あの、よくも悪くも思わせぶりな(この感覚は私の中でいわゆる“サブカル”とリンクします。上手く言えないけど)調子が感じられないというのが、大きくあるような気がします。ヴィジュアルイメージを見てみても、実にストレートに思えます(見慣れていない人にはおかしく見えるだろうけれど)。Commercial music/NewAge的なさわやかなバックグラウンドに、Windowsで枠をつけたPC感。画像からは分からないけれど、下部にある帯はTDKのVHSビデオテープのものです(120分テープ、3倍モードで6時間録画ですね。だから6hrsとある)。このVHS感。まんまストレートにVaporWaveでしょう。分かりやすいです(よい意味です)。

音楽的にはどうかという部分ですが、(サンプルベースにしろそうでないにしろ)メロディを生かした作りになっていて、実にリラクシン。このイージー、平易な調子はまさにEasy Listeningといってもよいでしょう。後半に入ると、サンプリングにチョップとスクリューを効かせたスタンダードなVaporWaveトラックもありますが、私が好んでいるのはそちらではなくて(Wham!の‘Last Christmas’をエディットした‘office X-MAS party’は安易だけどちょっと好き…)。

M-1にある、このイージーなPC music感たらどうですか。ちょっとエスニックなヒーリングミュージックみたいな、パーカッシヴなリズムとノスタルジックなサウンドのメロディ。終盤のスローダウンぶりがちょっとヒネってますが、この潔さ、クリアな感覚、好きですね。M-2もこの流れを引き継いでいて、たまりません。レトロなアドベンチャーゲームの捜査中に流れてきそうな、VGMっぽさ、粒子の粗い背景画や人物画が浮かんできそうじゃありませんか(こういう感じです。別にこれである必要はないですが)。

スピリチュアルなNewAge/Ambientにエディットボイスを被せた‘スクリーンセーバー FLYING WINDOWS’のヘヴンリーな調子や、イージーなJazz/Lounge調のカフェミュージックをスローにゆがめた、まさにNAP(午睡)な‘☺☺☺ BUSINESS CLASS NAP ☺☺☺’も印象的。ラストはM-1のテイストに巻き戻ったのか、ラテンなイメージもあるシンセティックなエモーションサウンドで締められます。

ということで、全体的に明るい調子と言いますか、Popというと言い過ぎですが、アザーサイド、向こう側なイメージはかなり弱い、ライトなVaporWave―Easy Listeningになっています。とか思っていると、“砂漠のカメラレッスン”収録の‘リンゴソーダ’などは、いきなり官能的セリフ挿入のイマジネイティヴ/エロティックVapoWaveで意表を突かれます。面白いですね。VaporWaveってやっぱりPunkと同じように作り手自身にも新たな可能性を提供しているんじゃないでしょうか。こういう作り方でもいいんだなって(よいか悪いか分かりませんが)認識が広まったというか。AlternativeといえばAlternativeなんでしょうか。と、疑問を提示したところでオシマイ。



 - リンゴソーダ