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カテゴリーアーカイブ: Goofhouse Productions

Various Artists – Goofhouse Essentials Vol. 1

 Various Artists - Goofhouse Essentials Vol. 1

 – Tracklist –
 01. ロスをへまGOOFROSS 82-99 – A Million Goofs Away
 02. Goofintosh Plus – Uh-Hiyugh! グーフィー 420
 03. t e l e g o o f テレビ へま – Goofstruck
 04. GVVFTVRΣ – Upscale Goof
 05. Blank Goofee – G:/Goof Up
 06. Lasergoof Visions – New Goof Ltd.
 07. Goof Kong Express – Goof Catalogue
 08. Pyragoof – uh-hiyugh-i-huk-huh-hiyugh… “goofyplex bionetwork”
 09. Infinity Goofies – Computer Goof
 10. Oneohgoof Point Never – R+Goofy
 11. Saint Goofy – Goofy Vibes
 12. ░▒▓GOOFY▓▒░ – ▣GOOF▣



 - 01. ロスをへまGOOFROSS 82-99 – A Million Goofs Away


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 Release Date : 2014.12.26
 Label : Goofhouse Productions

 Keywords : Electronic, Filter House, Future Funk, Goofy, VaporWave.


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goofhouseなんていうシーンが本当に存在するのか知りませんが、“A selection of the best goofy filter house”というのが、この作品の内容です。Goofhouse Productionsというレーベルというかコレクティヴのような体裁をとっていますが、今作をリリースするために作られたものでしょう、きっと。

bandcamp上での公開なわけですが、なんでVaporWaveのタグをつけているんだろうって思いますよね。確かにVaporWaveからVaporboogieを経て着地したFutureFunkが、Daft Punkなどと共振していることを考えると、納得はできるんですが、サウンド的には(私の中では)VaporWaveではない・・・と思って今作に参加しているトラックメイカーの名前を見たら、“ロスをへまGOOFROSS 82-99”?、それに“Goof Kong Express”に“Infinity Goofies”?、“Oneohgoof Point Never”、そして“Saint Goofy”・・・、なるほど、これは、完全にパロディ。VaporWaveの文脈で語られることの多い著名(というと語弊がありますか?)なトラックメイカーの名前をもじって使っています。よく見たらトラックタイトルも、“R+Goofy”とかストレートすぎ(笑)。

でも各トラックが、名前のネタ元とどれだけ関連性があるかというと、あまり関係なさそうです(ちょっと心もとないけれど)。一発目の‘A Million Goofs Away’など、ジャパニーズ・ソング引用のFutureFunkで、確かにマクロスMACROSS 82-99のスタイルそのままなんだけど、たとえばMacintosh Plusの‘リサフランク420 / 現代のコンピュー’をもじったと思しきM-2‘Uh-Hiyugh! グーフィー 420’は、ネタ元をかすりもしないFuture Funkになっているし、 Infinity Goofiesのトラック‘Computer Goof’も、Infinity Frequenciesの描く埃っぽいノスタルジア、ほの暗い焦燥感・不安感とは程遠く、ファンキーでアッパーなサウンドになっている。

ということで、直接的に先駆者たちのトラックを改変することでリスペクトの念を表すような作品にはなっていないようです。VaporWaveの成り立ち自体に暗黙の内の剽窃がありますが、その作り手の名やトラックタイトルを利用しながらFuture Funk~Filter Houseを展開することで、さながらVaporWaveの在り方自体を剽窃したような、ひねくれたユーモアセンスを感じさせます。新鮮。

どこの誰が作っているのかもよく分かりませんが、Blank GoofeeだけはWeb上にスペースを発見できましたので、リンクを張らせていただきました。興味のある方は上記のbandcampを訪れてみてください。もしかしたら全部Blank Goofeeなのかなあ、なんて思ったりもしましたが、結局よく分かりません。でもGoofyをフィーチャーしたElectronic musicなんて、他にちょっと見当たらないです。そうそう、今作のどこがGoofyなのかという話ですが、全編でGoofyの声と思しきものがサンプリングの上使用されています。‘uh-hiyugh-i-huk-huh-hiyugh… “goofyplex bionetwork”’とか、タイトル通りに、Goofyの悲鳴も交えてフィーチャーされまくりで、非常に賑やかな仕上がり。楽しいです。

と、しかつめらしい顔して聴く作品ではないと思うので、四の五の言わずに、この即効的享楽サウンドに身を任せて、心躍らせるのが良いと思います。goofyhouseの“goofy”はもちろんディズニー・キャラクターの“グーフィ”でしょうが、もしかしたら“滑稽”の意味も暗に持たせているのかもしれませんね。