ABRAcaDABRA

Netaudio explorer

カテゴリーアーカイブ: Beer Wizard

•qop• – •qop• [BW017]

 •qop• - •qop• [BW017]

 – Tracklist –
 01. owiwo
 02. XöX
 03. !0!
 04. “[O]”
 05. | : |
 06. • ∆ •
 07. OIO
 08. oMo
 09. (illsap)
 10. vTv°
 11. liwil (interlude)
 12. iii (interlude)
 13. /:•:\
 14. |•ˆ•|
 15. iunui



 - 01. owiwo



 - 08. oMo


+ + +


 Release Page Download Free! / pay what you wish.
 :: Limited Edition Cassette is SOLD OUT. ::

 Release Date : 2015.09.21
 Label : Beer Wizard

 Keywords : Ambient, ChillWave, DreamWave, Electronica, Lo-Fi, Pop.


 Related Links :
  ≫ www.nicholaszhu.com
  ≫ •qop• on SoundCloud / on YouTube / on Instagram
  ≫ •dob• on SoundCloud


+ + + + + +


涅槃からコンニチハなレーベル、Beer Wizard(ビールウィザード)より。読み方分かりませんが、•qop•のアルバムがリリースされています。説明文によると、6枚のアルバムから選りすぐったトラックを収めているということです。“6枚のアルバム”というのは、SoundCloudで公開されている、“☜•_•☞”、“ViiiiiV”、“:*X*:”、“WVW”、“iMi”、“O”、“violets”のことかと思われますが、“violets”からは収録されていないような気がするなあ。細かい話だけど。

garagebandで作られているという楽曲たちは、ユルユルで淡淡でLo-FiなAmbient/Electronica。ChillWaveっぽいシンセ感やモコッとしたBeats感もあり。一言では形容が難しいサウンドです。“Dreamscape”とか“DreamWave”もいい線いってるけれど、でも十分ではない。

“violets”や“O”の公開はもう2年前になるようですが、特に前者の頃はサウンドがやや今と異なる様子。アブストラクトでボンヤリした調子は変わりませんが、やや陰りというか暗さを内包していて、その点が今とは異なっています。だから今作にもVaporWaveのタグは使われているけれど、私はそうは捉えないし(FacebookやTumblrの投稿には確かにVaporWave以降を感じる)、逆に“violets”のボンヤリとした翳り、暗さの方にこそ、それを感じるのですが。後ろめたいノスタルジアとでもいうか。

さあでは過去作から選りすぐられた今作はいかに、ということですが。M-1を聴いてPopだなあって思いました。一回聴いてメロディなぞれるとか、そういうPopさではなくて、佇まいというか、意匠というか、在り様がすごいスマートで、奇を衒った様子もなく、それでいて耳にアピールしてくる、この確かな存在感。見事なまでにヘブンリーなサウンドスケープ。羽衣をまとった天女の舞が見えるようではありませんか。

各トラックのタイトルも何のこっちゃよく分かりませんが―正直よく分からないどころではないですね、まったく分かりません―、そんなことはよいのです。TrapやHip-Hopからの影響を感じさせるチキチキとしたビートも顔を出しますが、決して全体の流れはそちらにはいきません。ラフスケッチのような、危うい鼻歌のような、輪郭のおぼつかないメロディを唄うヴォーカルがいい味出してまして、これが絶妙なサッドネスとノスタルジアを醸しているのです。なかなか似た聴取感を思いつかない、つまりユニークなサウンドだと思います。ちょっとだけ、This Deep Wellなんかに近しいかもしれませんね。あちらよりもっともっと淡くてユルいけれど(メタルっぽいところもないしね)。

メロディが強くないし、入り組んだ構造でもないし、音色も似通っているので、やっぱりどうしてもトラックごとの弁別が難しいんですが、タイトルの付け方とか見ても、そういう聴き方―各トラックにしっかりキャラクターを持たせるような―は、想定されていないのかもしれません。だから私としては、まさにAmbientというか、気付いたらそこにある、けど気付かれないことも有り得るような、そんな聴き方が似合うんじゃないかなあと思います。環境的にどうしてもヘッドフォン着用で聴いてしまうんだけど、スピーカーからゆる~く流す聴き方も似合うと思うんだなあ。本望ではないかもしれないけれど、昼寝のBGMとかに似合いそうなんですよ。

今作が気になった方は、6つのアルバムのほとんどすべてのトラックが、上記SoundCloudからダウンロードできますので、是非訪れてみてください。


+ + +


qop – !0!