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カテゴリーアーカイブ: Cirax Records

Spike Theory – Dreams EP

 Spike Theory - Dreams EP

 – Tracklist –
 01. Different
 02. Born
 03. Others
 04. Apple
 05. Rockafella
 06. The Mind,The body & The Soul



 - 04. Apple


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 Release Date : 2014.05.10
 Label : Cirax Records

 Keywords : ChillWave, Electronic, Glitch, House, Melodic, SynthWave, Trance.


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UKはイングランドのインディ・レーベル、Cirax Recordsより。インドはムンバイのプロデューサ/トラックメイカー、Spike Theory(khalin hariramani)の作品がリリースされています。

Dubstepという呼称をみずからの音楽に当てはめているようですが、今作を聴く限り、それらしさは感じません(悪い意味ではないです)。むしろChillWaveやSynthWaveなどのシンセチック、Wavyな質感が強いです。4つ打ちのリズムと、グリッターなシンセサウンドがもたらす高揚感は、French house/Nu-Discoに通じる部分もありますし、Trance musicのエッセンスも感じられます。

ストレートに特定のジャンルを反映しているというよりは、少しずつ色んなジャンルの旨味を抽出して混ぜ合わせた、MelodicなElectronic music。リズムがわりと淡泊なことも関係しているんでしょうが、M-1~2あたりは、Melodicなフレーズはありながらも反復性が強いし、Glitchのようなマシーナリーなエフェクトも効いているんでしょう、フラットな聴き心地があります。

ちょっと気になり始めるのがM-3あたりから。ブレイクや音の足し引きを巧みに利用して、ドラマチックなHouse/ChillWaveなサウンドを披露。さりげなく使われている鍵盤の音は、高揚感の中にひとカケラの抒情性をもたらします。雄々しいんだけど、どこか切なくて、よいトラックだと思います。続くM-4‘Apple’は、作中で最も勢いのあるトラックでしょう。MelodicなフレーズとRaveなシンセが拮抗し、そこに突進力のあるリズムも重なって、まばゆいばかりのグリッターサウンド。ときおり挿入される陽気な掛け声もまた、アッパーな気持ちをあおります。ハイライトですね。

‘Rockafeller’からはどうしてもFatboy Slimの‘Rockafeller Skank’を想起してしまいます。ギターフレーズも聴こえてきますが、両曲の間に関連性があるのかは分かりませんね…。そんなギターをフィーチャーしたChillWave/SynthWaveを通過したあとは、ラストの‘The Mind,The body & The Soul’。冒頭の澄んだピアノで空気を漂白しつつ、徐々にシンセを重ねていきながら、やがて力強いChillWave/SynthWaveへと。頭のピアノにさりげなくかまされているGlitchがクールです。

ちなみに現時点の最新作は“Rapid-EP”で、これはBeatportで購入できますし、SoundCloudでもストリーミング可能。そちらではいよいよDubstepサウンドも聴けますが、やはりHouseやTranceを巧みにブレンドしたMelodicなElectronic soundも健在で、そこにあるいくらかのさわやかさやグリッターな高揚感は、Dubstepのカタルシスとは異なるように感じられて、ユニークな作り手さんだなあと思います。


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