ABRAcaDABRA

Netaudio explorer

カテゴリーアーカイブ: Bloody Carpet

TREEREFLECTION – OVERCAST [BLCR – 0028]

 TREEREFLECTION - OVERCAST [BLCR - 0028]

 – Tracklist –
 01. MORNING
 02. AWAKE IN THE SLEEP
 03. WET
 04. BODY WITHOUT A SOUL
 05. ESSENCE
 06. LAST BLOOM
 07. I AM (FEAT. PLAYA DEL ANKH)



 - 03. WET


+ + +


 Release Page Download Free! * = pay what you wish.) :
  ≫ [ main* ] / [ MEGA

 Release Date : 2016.02.25
 Label : Bloody Carpet

 Keywords : Ambient, Beats, Dark, Drone, Nature, Shoegaze.


 Related Links :
  ≫ TREEREFLECTION (a.k.a. 木の反射) on SoundCloud / on bandcamp

  ≫ PEGA (a.k.a. PEGA速力) on SoundCloud / on bandcamp


+ + + + + +


苔むした樹木の表面を映したこのジャケットイメージに惹かれたわけですが、よくアーティスト名を見てみると、TREEREFLECTIONとある。TREEREFLECTION? 直訳すればTREE = 木、REFLECTION = 反射。どこかで見た名前ではないかと思って、リリースページにあるSoundCloudへのリンクをたどると、その先でたどり着いたのは、やはり“木の反射”のbandcampであった。そして彼―木の反射が2015年末に2作目にあたる“Body [Disc II]”をリリースしていたことも知ったわけですが(ついでにいえば、同時期にNo Problema Tapesから、1作目と2作目を合わせた“Body [Disc I] + [Disc II]”を、カセットテープでリリースしている。デジタルフォーマットでも入手可能) 、そちらは前作を踏襲したNewAge~Orientalなフィーリングを持ったmeditativeなAmbient/VaporWaveになっていました。

おそらくそのあとに名義を“木の反射”から“TREEREFLECTION”に変更したのではないかと思うのですが、もしかしたら今後も使い分けていくのかもしれません。木の反射はもともと“PEGA速力”(現在は“PEGA”)として、Smooth JazzやLounge、AORの要素が強い、ストレートなMallsoft/VaporWave作品を作り続けていましたが(今も続けてます)、その一方で木の反射名義で、VaporWaveの手法を利用したAmbient作品を作ってきたわけで、ここにきて名前を変えるということが、果たして何らかの意味を持っているのだろうかと、考えてしまったわけですが、とりあえず聴いてみると、これがまたPEGAとも木の反射とも違っていたのです。おそらく何の手がかりもなければ、同じ人物が作ったとは見抜けなかったでしょう私。

Dark Ambient~Beats musicを感じさせる、非常に暗い作風になっています。ジャケットイメージやタグからもおそらくは自然をイメージしていると思われますが―森でしょう―、なるほど確かに、鬱蒼と樹木が茂る暗い森を音像化したような聴き心地。厳かな雰囲気も持った、Droningされたレイヤーは、森に立ち込める白いミストのよう。M-2‘AWAKE IN THE SLEEP’などは、あるかなしかの人声(ささやくような)がミストの向こうから聴こえてくるような、絶妙なエフェクトがほどこされていて、ミスティックなイメージを描くことに成功しています。

そんなダークなイメージを持つ流れの中で、異彩を放つのが、M-3‘WET’やM-7‘I AM (FEAT. PLAYA DEL ANKH)’、前者はAphex Twinの“Selected Ambient Works Volume II”にも通じるような涅槃を見せるAmbient/Drone、後者はDeepでコズミックなレイヤーの立ち上がりから、やがてエモーショナルなギターが鳴きはじめ、けれどそれはVaporWaveの音作りとはどうやら違うように感じられるという、意表を突くトラック。

M-4‘BODY WITHOUT A SOUL’にしても雨音と振動するビートの合体であったり、M-5‘ESSENCE’やM-6‘LAST BLOOM’も、変調するシンセレイヤーの滞留が神秘的でありながらも仄暗いシーンを演出するなどしていて、これまでの作品では見せていなかった部分を如実に感じることができます。そう考えると、名義の変更というのがやはり作風の変化と結びついていると捉えることもできますが、果たしてこれから先も今作のような作風で通すのか否か、気になるところですが、そこは要注目ということで。



reef frequent – afterlife [BLCR – 0023]

 reef frequent - afterlife [BLCR - 0023]

 – Tracklist –
 01. the station
 02. waiting
 03. boarding
 04. the journey / dreaming
 05. exit / into the open
 06. waterfall
 07. rest dreaming again
 08. diving in
 09. beneath the surface
 10. struggle for air / drifting away
 11. there’s something down here



 - 09. beneath the surface


+ + +


 Release Page Download Free! :
  ≫ [ bandcamp ]  / pay what you wish.
    :: Limited Edition Cassette is SOLD OUT. ::
  ≫ [ MEGA

 Release Date : 2016.01.21
 Label : Bloody Carpet

 Keywords : Afterlife, Ambient, Post-Rock, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ reef frequent on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter


+ + + + + +


ネットの海に点在するレーベルたちというのは、それはもう、どこの誰だろうと把握できないくらいに膨れ上がっているのではあるまいか。いやそれをいったらネットではない、物理的な世界にしか居を構えていないレーベルの方が実態は把握しにくい、かもしれない。なんたって足でいかなきゃ存在を確認できないわけだもの(まあいまどき、敢えてその在り方を選ぶレーベルは数少ないと思いますが)。その点やっぱりネットってのは環境さえあればよほど特殊でない限り住所(アドレス)を知るすべての人がアクセスできるわけだし、そう考えると、ネットのアンダーグラウンドなんてたかが知れてますよね。実際足を向けなきゃ訪れることのできない現実世界のアンダーグラウンドの方が、よっぽどアンダーグラウンド。そういうものをフックアップするメディアというものも昔からあるだろうけれど、いまだに知られざる領域というか、事象というものは、少なからず存在するでしょう。深海や宇宙といったような、ロマンあふれる未踏の領域も、まだ残されている。人体にしたってそう。だから、私たちはまだ驚くことができる。

所在地不明なBloody Carpetも新興レーベルのひとつですが、VaporWave以降、つまりPost-VaporWaveなレーベルです。今やこういったレーベルが数多く存在している、と私は認識しておるのですが、先述のように実態はもちろん把握できておりません。ネットレーベルに限らずレーベル、というか諸活動の性(さが)として、始まったと思ったら、いつの間にか開店休業状態というものもまったく珍しくないですし、そういったものには当然出会う機会も少なくなるわけで(出会ったころにはリンク切れ多発の残骸というケースもあります)、生まれては消えていくレーベルたち、そこで行われるリリースたちの中で、すばらしいもの、面白いものに出会おうと、探索していくことは非常に時間とエネルギーを使います(何もレーベルにこだわる必要はないですけれどね)。

ちょっと何書いてるか分からなくなってきたので(ハハハ)、作品の話に入りましょう。一言でいうと、Post-RockときどきVaporWave。でもそれで終わっちゃあちょっとなあと、ブログにしてる意味ないよねって話なので、無駄に長く書きましょう。

Post-RockとElectronicなサウンドの融合っていうと、別に珍しくないと思うんです(ここでいうPost-Rockってのは、ポスト・プロダクションの方じゃなくて、スロウでシネマティックなサウンドスケープで聴かせる方のアレです)。といって、ぜんぜん有名どころが出てこないのが私の取り柄なのですが、ネットレーベル絡みで言うと、今は亡きDigital Kunstrasen(もうサイトも消えてしまった!)からリリースを重ねていたBogatzkeとか、ど真ん中を行ってるんじゃないかと思います。今作がそこと重なるということではないんですが、じゃあ今作の特徴と言ったら何かというと、afterlifeというタイトルにあるように、そう“あの世”という世界観なのです。

Post-Rockであの世ってあまり感じたことがないのですが、世の中には死後の世界をテーマにした音楽作品というものは多くあるかと思いますので、じゃあVaporWave絡みで考えたら何だろうって考えたら、まあVaporWaveはNewAgeと結びつくこともあるなど、わりとスピリチュアルな傾向もある音楽性なので、別にテーマにしてなくてもそれを感じさせるものはあるだろうなあと考えたんですが、出てきたのが、まんまのタイトルを持つ、Shortcake Collage Tapeの“Waiting In The Afterlife 〜あの世で待ってる〜”だった・・・(VaporWaveを謳ってはないけどその要素は含まれていると思うわけです。しかしこの動画もっと再生されても良いんじゃなかろうか。すごく好き)。

ということでようやく今作にたどり着きますが、聴き心地はほとんどPost-Rockです。サンプルベースなのかもハッキリしないし、確かにスローモにはなってる気がするけど、あんまり極端な編集感もないし、Droningも感じさせるギターの爪弾きは輪郭を残しており、異形な印象もない。余韻を残してディレイするギターフレーズ、起伏のない静かなサウンドスケープは、ときに天上感を演出し、またときには死に付きまとう無常観を演出し、またときには死後に見る夢―あるいは思い出―のような、ノスタルジックでアブストラクトな、ざらついた輝きを発するのです。ときおり差し挟まれる環境音―水音や鳥の鳴き声、街の雑踏など―も、死後の世界といわれる幸福な美しい世界(パラダイス)や、遠い現世の響きをイメージさせ、作品のテーマを補完する役目を見事に果たしている。またこのジャケットイメージも私好きなんですが、毒々しく染まった雲の手前、不自然に設けられた幾何学的な図形。空に開いた穴のようなそれは、直感的に異界への入り口を思わせ、これも見事に作品のテーマに合致する。

一番好きなのは終盤の2トラック―‘struggle for air / drifting away’‘there’s something down here’なのですが、ここにきてようやくPost-Rock meets VaporWaveという、あまり例を見ない(?)サウンドがさく裂してくるのです。特に前者はドロリとしたスリリングなイントロから、後半のリズミカルなシンセ(何の音だこれ?)まで、景色が次々と移り変わっていくさまが実に刺激的。作中もっともエモーショナルです。ラストもシンセチックなフレーズと振動するElectronicなドラムの絡みが冷徹な視線を感じさせる(それはさながら死の受容のような)、単調なのにユニークなトラックです。このあたり、Post-Rockからは距離を置いた作りになっていて、全編この調子でやってほしかったなあ、などと思ってしまいました。しかし、こんなPost-Rock~VaporWaveを股にかけた作品というのもなかなかないので、総じてみると、やっぱり面白い作品だと思います。

ちなみに、reef frequent、他にも作品出してます。これが彼/彼女のスタイルなのか、気になるところですよね。Velvet Bazaarから出ている、初リリースのセルフタイトル作は、よりVaporWaveチックですが、今作に通じるPost-Rockフレイバーなトラックもあり、現時点での最新作“freedom”は自身のbandcampからリリースしていますが、これはミスティック、ホーンテッドなAmbient/Drone作品になっていて、ここから思うに、精神世界へのコミットをイメージさせるような作風を自身のスタイルとしてきているような。かと思うと、SoundCloudで公開されているもっとも新しいトラック―‘ハイパーバトル’はエコーイックなLounge/Smooth Jazz調のもので、何だか陽性のバイブさえ放っているし、その哀愁の風景は抒情的でもあり、まったくもってミステリアスな作り手さんです。





+ + +


Album art by sleepr: twitter.com/sleepr_



%d人のブロガーが「いいね」をつけました。