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カテゴリーアーカイブ: Flying Brain Records

Prototron – DOUBLE DRAGON: 25th Anniversary

 Prototron - DOUBLE DRAGON: 25th Anniversary

 – Tracklist –
 01. Double Dragon(Main Theme)
 02. Intermission
 03. City Slum
 04. Industrial Area
 05. Woods
 06. Enemy’s Headquarters(Old Nemesis Willy)
 07. Stage Clear
 08. Boss
 09. Reunion(Marian)


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 Release Date : 2012.06.01
 Label : Flying Brain Records (dead)

 Keywords : Cover, Electronic, Metal, Soundtrack, Synthesizer, Video game music.


 Related Links :
  ≫ Prototron
  ≫ Prototron on SoundCloud / on REVERBNATION


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スコットランドはグラスゴー出身のミュージシャン/サウンドエンジニア、Prototronの新しい作品がフリーでリリースされています。これまでにもオリジナル作品やカヴァー作品を含め、3作のリリースがありますので、今作は4作品目。もうジャケット画像を見てズバリどんなコンセプトなのか分かるかと思いますが、ビデオゲーム”DOUBLE DRAGON”(ダブルドラゴン:双截龍)のアーケード版発売から25周年を記念して作られた、カヴァー作品。ダブルドラゴンシリーズはアーケード版、家庭用機への移植作品も含めて数多く発売されていて、海外での人気も高く、アニメ化や実写化もされているようです(詳しくはWikipedia参照)。開発と販売を行っていたテクノスジャパンはすでに倒産していますが現在でもファンは多く、2004年にはアトラスからゲームボーイ・アドバンス版が発売されています。

移植も行われていたと書きましたが、初代アーケード版発売の翌年(1988年)に行われたファミコンへの移植は大幅な変更が加えられていたようで、実質的には別物という認識のようです。”アーケード版の完全移植はその20年後に登場したXbox 360版が初である”というWikipediaの言葉によれば、完全移植はアーケード版の1987年から20年後の2007年になって、ダウンロード配信という形でようやく行われたということですね(しかも現在は提供元の倒産により配信停止)。そんな貴重な初代アーケード版のサウンドトラックというのは、ファンにとっては非常に大切、特別な存在なのではなかろうか。特にテーマ曲兼ラストステージのBGMである’Double Dragon’は人気が高く、海外でもカヴァーが行われているし、同じくテクノスジャパンのファミコンソフト”熱血物語”で、服部竜一&竜二が登場する際に、アレンジ版が使用されている(これはダブルドラゴンファンではない私は当時気付かなかった!)というのも、この曲の人気の証拠だろう。

オリジナルの曲調は硬派です。まあ世界観自体が明るいものではないし、ゲーム内容が丸腰で悪党の軍団をぶっ倒していくというアクションなので、長閑な曲は似合わないわけですが。海外のチップチューンアーティスト、あるいは愛好家に人気がある曲って、なんとなく傾向がありますよね。たぶんロックマン(海外名はMegaman)はすごい人気が高いと思う。ああいうMetal的な硬さ、パッション、カタルシスが好まれる様子。この作品におけるテーマ曲や、ステージ1のBGM‘City Slum’も似通ったものがあるのだろう、Metalなアレンジがさく裂していて、心が熱くたぎる金属的なトラックになっている。特にM-1などはやはりメインテーマということで力が入っているのか、ストリングスや鍵盤まで使用されていて、空間的広がりもあり、雄々しさすら漂っている。他のトラックもブラストビートを思わせるドラムや重厚なギターリフを響かせていて、実に熱い仕上がり。直線的に突き抜けるメロディックでメタリックなギターフレーズと、空間のボトムで打ち鳴らされるドラムのカタルシス。クセになる。

‘Intermission’‘Stage Clear’は実質効果音で、つまり音楽的な部分は7トラックしかない。それらトラックも、サウンドトラックという特性上、1曲の尺がそう長くない。愛されるゲームの要素として、音楽というものは間違いなくあると思うのだけれど、逆にいえばこれだけの曲しか使われていないのに、これだけ長く愛されるゲームになっているというのは、開発会社冥利でしょう。そしてオリジナル作曲者の山根 一央 (やまね・かずなか)氏の功労も非常に大きい。そんなオリジナルがどんな曲なの?って思う人は、下のプレイ動画をご覧ください。今作収録の’City Slum’も下に動画を貼りつけてあるので、あわせて聴いてみると、がぜん魅力が増してくると思います。

余談ですが、調べてみると、オリジナルのサウンドトラックも当時発売されていますが、カセットテープという形のよう。曲順は若干異なっていますが、収録曲は今作と同じもので、全9曲。つまりこの作品は、オリジナルのサウンドトラックを概ね忠実にカヴァー、アレンジしているということですね。あっぱれ。ちなみにPrototron、ダブルドラゴンのリメイク作品に曲を提供する予定もあるそうで、そちらもどんな感じになるのか、実現を楽しみにしています。

※ジャケットのインナー画像をみると、Flying Brain Recordsのロゴが入っているので、おそらくそちらからのリリースなのだと思います。現状、レーベル側からのリリースが行われていませんが、ご了承ください。


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Double Dragon Mission 1 (Synth metal version of ‘City Slums’)






【AC】ダブルドラゴン(DoubleDragon)を普通にクリア



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Original score by Kazunaka Yamane(山根 一央)