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カテゴリーアーカイブ: Ghoti and Friends

Turquoise Memories – Turquoise Memories

 Turquoise Memories - Turquoise Memories

 – Tracklist –
 01. Hypnotic Timewaves
 02. All I Need To Say (Instrumental)
 03. Enchanted With Love
 04. Kaleidoscopic Gaia
 05. Saturday Sea



 - 03. Enchanted With Love


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 Release Date : 2013.02.12
 Label : Ghoti and Friends

 Keywords : Ambient, ChillWave, Downtempo, Electronic, Melodic, Synthesizer.


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カナダはオタワのミュージック・コレクティヴ、Ghoti and Friendsより。Turquoise MemoriesことPaul Lendaの作品がフリーでリリースされています。これまでにも自身のbandcampで“Mindscapes”のリリースがありますし、Bad Panda Recordsからもシングル“All I Need to Say”をリリースしています(今作収録ヴァージョンはインストですが、そちらはヴォーカル入り)。

Turquoise Memoriesというネーミングや、淡い色調のアートワークからは、フラジャイルな音像をイメージさせられますが、意外にそうでもない。リズムも重めでドッシリしてるし、シンセのアタックも強くて、堅い輪郭をもったサウンドになっています。

基本的にはミニマルなDowntempo/Hip-Hopのビートにシンセのメロディを合わせた、ChillWaveっぽいサウンド。けれども、M-2やM-3を聴くと、ビッグで輝かしいシンセのメロディが前面に押し出されていて、ちょっぴりNew Ageなんて言葉も浮かんでくる。こういった美しいメロディを中心に据えた音作りや、リラクシンな空間を指して、作り手自身は“Bliss”という言葉を使っているのだろう。メロディには感傷的なフィーリングも少なからずあるけれど、実際ほとんどのトラックからはポジティヴなエネルギーが感じられる。

もうひとつ特徴として挙げられるのは、Psychedelicな要素だ。上記のBad Panda Recordsからリリースされた“All I Need to Say”や、今作のM-3, M-5においては変調されたヴォーカル(それはときには子供の声)が挿入されていて、ディレイやエコーといったエフェクト、そして反復によって醸される眩惑感は、ストレートなサウンドイメージの中にあって、特異な輝きを放ち、奇妙な聴き心地を生みだしている(人によってはヴォーカルに対して“awful”=“ひどい”という言葉を使うようですが…)。BlissfulなChillWaveサウンドと、ある種のサイケデリアの融合というと、すぐにTranceチックなサウンドが浮かんでしまいますが、今作はそれを絶妙なラインで回避している。ポジティヴなヴァイブとサイケデリアというのは、一見ミスマッチにも感じられますが、もしかしたら両者は水面下で“ドリーミィ”という言葉でつながれているのかもしれない、案外と違和感はない。

特に前半部M-1~3までは、メロディ豊かで空間的広がりもあり、安心して耳を任せられる素敵な聴き心地。“Mindscapes”のころと比べると、ずっと音楽的になっているし、個性的にもなっている。是非とも、このメロディを生かした作風のまま、完成度を高めていってほしいですね。


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Turquoise Memories – “All I Need To Say”