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カテゴリーアーカイブ: Enough Records

Jari Pitkänen – Siam Soul [enrmp327]

 Jari Pitkänen - Siam Soul [enrmp327]

 – Tracklist –
 01. Hello
 02. Yawa Lias Emoc
 03. Teenage Love
 04. Uoy Revo Peels Esol I
 05. Siam Soul
 06. Pääni Sisällä Soi
 07. Schoolyard Haze
 08. Unialus
 09. Henki



 - 05. Siam Soul


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 Release Page :
  ≫ [ Internet Archive ] / [ Last.fm ] / [ scene.org ] / [ FMA ] Download Free!

 Release Date : 2013.08
 Label : Enough Records

 Keywords : Ambient, Electronica, Mashup, Strange, 80’s.


 Related Links :
  ≫ Jari Pitkänenon on Last.fm

  ≫ Varia – An / Uto
  ≫ Varia on Facebook


  ≫ Artist Spotlight: Jari Pitkänen | Enough Records


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ポルトガルのネットレーベル、Enough Recordsより。フィンランドのミュージシャン、Jari Pitkänenの新しい作品がフリーでリリースされています。これまでにも複数の作品を同レーベルからリリースしていますし、BlamstrainことJuho Hietalaと組んで、Variaというユニットとしても活動しています。またDiscogsをみると、 Outer Space Allianceのメンバーでもあり、さらにはWarmという別名義でも過去にKahvi Collectiveから作品のリリースがあったようです。

彼自身に関する情報はあまりなくて(過去には存在した様子のMySpaceやSoundCloudのアカウントも、現在はなくなっている)、上記のリンク先“Artist Spotlight: Jari Pitkänen”くらいしか、比較的たどりやすい情報源はないかもしれない。そんな彼の作品は、過去のものを聴いてみると、Ambientなんです。シネマティックだったりダークだったり、若干のレンジはありますが、大枠は間違いなくAmbient music。それが今作はちょっと毛色が異なっている。本名では2005年くらいからリリースを始めたようだけれど、ここにきておそらく初めての、変化を感じさせるサウンド。

Ambient/Electronica側からのVaporWaveへのアプローチ。そんなサウンドになっている。完全にそちらに傾いているとは思わないんだけど、サンプリングを使っていると思われる部分で、チョイスされている音が非常にVaporWaveを感じさせる。80’sへの憧憬(あるいは70’s)。紹介文のどこにもそんな言葉は出てこないし、だからもしかしたら作り手はまったくそんな意識はないのかもしれないけれど、でも今このタイミングでこの音っていうところで、意識的でないということは考えにくい。

レトロタッチのサウンドを編集加工して作り上げられる、チープでどこかノスタルジックなトラックたち。そこにはVaporWaveの影響がみれども、いざ聴いてみると、どこか違う。VaporWave自体も“変な音楽”だけれども、今作はVaporWaveで括れない“変な音楽”だ。特に終盤M-7以降は、どんどんDeepでAmbientな方向に突っ込んでいって、なんだか70年代のシンセミュージックみたいな、スペーシーで浮遊感があって、サイケデリックでホーンティングなサウンドスケープになっている。M-7のピロピロした電子音にある極彩色感は、ダリオ・アルジェントの映画音楽(つまりゴブリン)みたいだし、およそ13分のM-8は地底の金属感を忍ばせたDark Ambientから、low bit風のチープ音が星のようにきらめくサウンドテクスチャーへと上昇し、そして最終的には宇宙―Space Ambientへと上り詰める。

ラストの‘Henki’がこれまた不気味で、水の中で外界の会話を聴いているみたいな、奇妙なきらめきと幻想感がないまぜになっている。ディレイによってかもされる幻想感と、人声のようにも聴こえる正体不明の音の揺らぎがもつ不気味さは、Aphex Twinの“Selected Ambient Works Volume II”を彷彿させる。ちなみに“Henki”という言葉はフィンランド語で“精神”という意味になるようだ。

そんなように今作はVaporWaveの影響を色濃く感じさせつつも、Ambientの作り手としての気概(あるいは素養)がさく裂した、なんとも不思議な作品になっています。そしてここにきて、先述のVariaのサウンドを聴いてみると、これらが今作への布石になっていると考えることもできて、興味深い。Variaの片割れとして1in10/Varia名義でリリースしている“A Million Ways”は、全編House muiscをエディットして作られた作品(元ネタも表記されている)で、そこにあるフィーリングは今作と通じるものがある。また最も新しいと思しき“An/Uto”(現在削除されている様子)では、Rock/Metal musicをエディットしまくって(上に名を出したゴブリンもここで実際サンプリングされている)、強烈なテンションとストレンジなセンスを見せつけてくれる。そうすると、今作にある不思議さってやつは、Jari Pitkänenが本来的にもっているものだと考えることもできる。ミステリアスで面白いですね。以下にVariaの音を貼ります―



 - Princess Prologue(Samples: Bogart Co. – Princess)


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Varia / Unknown Artist – An
[Audio: Goblin – Phenomena (1985) / Video: The Bronx Warriors (1982)]



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