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C A S I N O ☆★☆★☆ M A S T E R – 勝 者 ! ! ! !★W I N N E R★ [TKX-021]

 C A S I N O ☆★☆★☆ M A S T E R - 勝 者 ! ! ! !★W I N N E R★ [TKX-021]

 – Tracklist –
 01. 勝 者 ! ! ! !★W I N N E R★
 02. ±T R Y A G A I N±



 - 01. 勝 者 ! ! ! !★W I N N E R★


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 Release Date : 2015.07.13
 Label : 東京為替

 Keywords : Casino, CAT’S♥EYE, Noise, Sample-Based, Sound Art, VaporWave.


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依然多くが明かされないミステリアスネットレーベル、東京為替より。C A S I N O ☆★☆★☆ M A S T E Rの新作が登場です。このC A S I N O ☆★☆★☆ M A S T E Rについても詳細は不明。前作の“☆★☆ ボーナススピン幸運 !!!”についても書きましたが、そちらはパチスロ・パチンコのナレーションやホール音をサンプリングしたと思しき、ひたすらにカジノな環境音が詰め込まれたなかなかにエネルギッシュな作品でした。

まさか2作目があるとは思ってなかったし、やるなら思い切り方向を変えてくるかとも思ったんですが、そこはC A S I N O ☆★☆★☆ M A S T E Rを名乗るだけのことはあって、見事に前作の延長線上であり、そして前作を超える作品を投げつけてきました。まあ聴く前にどんなんなってるかなあとか一瞬考えたりするわけですが、これはもうBOOGIE MANの“PACHINCO MAN”(パチンコマン)でもサンプリングしてくるんじゃないかとか安易なことを考えていましたが、全然違いました(余談ですが、PACHINCO MANってホントにパチンコ屋でかかってたんですかね? ≫ “国内最大の自主規制とは?” 皮肉だ)。

この“勝 者 ! ! ! !★W I N N E R★”で使われているのは、アニメ“キャッツ・アイ”の主題歌であった“CAT’S EYE”。はじめは単純に歌を使っているだけかと思ったんですが、よくよく聴いたらさに非ず。パチンコ・パチスロのキャッツ・アイからサンプリングしている様子ではないか!!  しかしこの曲はセルフカヴァーも含めて多くのヴァージョンが存在するので、使われているのがどのヴァージョンなのかは不明。またパチンコ・パチスロ用に独自のものが使われている可能性もあるし、そこまでは調べきれませんでした。

前作には音楽的要素が皆無で、また音響的なエフェクトもほとんど使われていない様子で、ホントにパチンコ・パチスロの環境音(ナレーション含め)をそのまま使用したような作品だったので、音楽が途切れた空間にスロットを押すパチパチとした音が響くだけといったシュールな瞬間もあったのですが、それを考えると今作はかなり音楽的な方向に寄せてきています。しかもどちらかというと歌の方を前面に出してきているし、歌とナレーションと環境音のすべてにエフェクトをかけてきているので、前作のフラットなサウンドイメージとは打って変わって、歪み、膨張し、痙攣するカジノ空間という、特異な空間がここに生まれています。私が以前冗談めかして書いたパチンコゲイズという呼称もあながち似合わない感じではなくなってきています(カジノイズでもいいな)。カジノの環境音にエフェクトをかけまくるという、この枠組みで音を作ってる人はそうそういないでしょう。まさにC A S I N O ☆★☆★☆ M A S T E Rの名に恥じないオリジネイターっぷりです。

加えて、見逃せないのが、曲としては1983年にリリースされた“CAT’S EYE”をチョイスしているところです。ちょっと考えれば分かりますけど、別にこの曲でなくても、このスタイルは成り立つわけです。それこそ歌がなくたって。でも(パチンコ・パチスロという前作からの枠組みを崩さずに)、あえてこの80年代リリースの“CAT’S EYE”を選んでいるというところが、センスを感じます。なぜってやっぱりこの80年代のジャパニーズ・ソングを引用したエフェクティヴなトラック作りはVaporWaveへのアクセスを感じさせますし(でもChopped & Screwedな調子はない)、この感覚は少なくとも前作にはなかったものです。前作と今作、どちらが音楽的に興味深いかというのは、意見が割れるところかもしれませんが、私はただのカジノ環境音でなく、そこにVaporWaveのエッセンスを注入し(しかもそれはカジノ方面と見事にリンクしているわけだ)、新たな一歩を踏み出してきたという点で、今作にはチャレンジ精神・意欲を感じますし、それを踏まえて、やっぱり今作の方が上を行ってると思うわけです。

これによってサウンドスタイルを確立してしまうのか、それともまた別の一手を繰り出してくるのか。次のサウンドにも期待します。果たして次があるのかどうかってところがやはり疑問ですが・・・。



テレビ体験 – The City Never Ends [TKX-018]

 テレビ体験 - The City Never Ends [TKX-018]

 – Tracklist –
 01. Forever The City
 02. Infinite
 03. The Neon Sleep
 04. An Empty Glass, An Empty Bar
 05. Darkwalker
 06. Her Music Box
 07. Last Chance Casino
 08. Full Moon
 09. An Empty Bottle, An Empty Street
 10. The Aphotic Sleep
 11. The End?
 12. It Never Ends



 - 01. Forever The City 


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 Release Date : 2015.05.29
 Label : 東京為替

 Keywords : Ambient, Japan, Synthesizer, VaporWave.


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DREAM CATALOGUEのミックスなどにその名を見ることができる、VaporWaveメイカー、テレビ体験。彼/彼女の、東京為替からの二作目がこちら“The City Never Ends”。東京為替のカタログ番号一発目を飾った“Y. 2089”においては、Fuji Grid TVをモデルとしたような、CM引用型VaporWaveを主軸に、それをさらにクラッシュさせたような、ノイジーな作風でしたが、今作ではだいぶメロディに寄った印象。

もっとも私が注目したのが、今作にある“和”の音色、旋律です。具体的に何、ということは記述できないのですが、これはありそうでなかったスタイルではないかと思うんですよね。日本のトラディショナルな音楽をVaporWave化するという所業。たとえば実在する日本の雅楽をサンプルにしているとか、具体的な言及はやはりできませんし、もしかしたらサンプリングですらないのかもしれません。しかしテイストやフィーリングという点だけで見ても、意識的にそちらに寄せられているのは明らかです。前作“Y. 2089”におけるM-18‘江戸の街’にはその萌芽がありますし、同レーベル内のリリースだとTHE DARKEST FUTUREの“????????”の一部において、似たようなスタイルが見れますが、それをさらに推し進めたような形です。レーベル関係なくいえば、Koyahの‘Lady Gagaku’という雅楽トラックもありますが、これはどこかVaporWaveとは言い切れないもどかしさがある(出オチではない、と思う)。すなわち今作の新奇性はやはり際立っているのです。

確かにVaporWaveの意匠を身にまといながら、しかし新しい景色を描くことに成功している、ユニークな作品だと思います。“和”一辺倒ではなくて、シンセサイザーによるベートーベンの‘月光’なども収録されており(M-8‘Full Moon’)、このシンセによるクラシックの再生(というと大げさですかね)は、冨田勲によるドビュッシーの‘月の光’などを想起させまして、電子音楽・現代音楽への関心を感じ取ることも出来ます。またM-11‘The End?’では、シンセチックなヴォイスを利用した宗教的気配が漂っており、OPN(Oneohtrix Point Never)の“R Plus Seven”の影響を見ることも出来ますが、その中にさらに“和”を忍ばせている点が面白い。さらにいえばオーソドックスなVaporWaveトラック‘Last Chance Casino’もあったりして、しっかりVaporWaveへの愛も感じ取れる。

前作とは打って変わってAmbientな空気が充満しているのですが、ハッキリとメロディが存在している点も、私にはポイント高いです。そうだ、ラストはまさかのディスコテックで! 雷鳴の音からはじまってビコビコ・デケデケしたシンセとストレートなリズムでリスナーを呆気にとりつつ、駆け抜けていく。何というか、人を食ったような展開。‘The End?’からの‘It Never Ends’なので、終わらせねーよという気概がここに込められているのでしょうか。どうなんでしょうか。

東京為替は、ミステリアスですが、面白く、そして信用できる、よいレーベルさんだと思います。最近よいなあと思うVaporWave作品はだいたいここから。



City Developer – Foundation [TKX-014]

 City Developer - Foundation [TKX-014]

 – Tracklist –
 01. Foundation





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 Release Date : 2015.05.07
 Label : 東京為替

 Keywords : Ambient, Cyberpunk, Drone, Noise, Sound Art, Soundscape.


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VaporWaveというタグは似合わないかもしれません。過去から見た想像上の未来を演出している(ように思える)部分で、相通じる部分があるのかもしれませんが、表面的な部分ではVaporWaveらしさは感じられません。cyberpunkというタグを使っているところからも、そういったサイエンス・フィクションな世界をイメージしているのでしょうが、聴いているとどうにも違う景色が見えてきます。

環境音が乱反射する、膨張してゆがんだ音響空間。神秘的なコーラスのようにも聴こえるレイヤー。痙攣・振動する電子雑音―ノイズは、前面に浮き上がったり、また背景に沈んで行ったりと、聴き手の頭の中で、さりげなくヒット&アウェイ。ノイズと表裏一体になって、リバーヴ・ディレイする電子音は、浮遊感と眩惑感を合わせ持った、寝覚めの悪い悪夢のような。

得体のしれない工場の配管から吹き出すスチームのようにも聴こえるシューシューという白濁音もまた、steampunk的な世界観を演出はしていますし、ほぼ全編で聴こえてくる列車の走行音も、その世界観をさらに強いものにしています。と、ここまで文字で説明していると、欲望と絶望が入り混じった鈍色の未来都市がイメージされ(電飾的なイメージはない)、“なんだcyberpunk”じゃんって思うかもしれません。私もそう思いますもん。でも私のイメージを決定的にそこから逸らしている要素が、ここにはあるのです。

それは何かと言われれば、山手線内の発車メロディ(他の路線もあるかもしれない)や、列車の発車・到着のアナウンスなのです。確かに、多くの人に知られているサイバーパンクな作品である、映画“Blade Runner”では、日本というイメージはその世界観において重要な役割を果たしています。しかしどうだろう、実際都心部で暮らす人々の身近にある山手線にまつわる環境音というのは、どうしたって、それを聴く者の頭に、日常につながるイメージを抱かせてしまう。ホームの光景が目に浮かぶ人もいるでしょう。人によってはそれは憂鬱にもつながり得る。サイバーパンクにはつながらない。

と、こう書くと批判的な物言いに思われてしまうかもしれませんが、そうではなくて、私はこの作品に違うイメージを持ったんですよ、という冒頭の話につなげたいだけです。確かに一定のリスナーには日常を感じさせはするのですが、先にも書いたように、今作の中では、それは巧妙に異形化されているのです。ゆがみ、ノイズにまみれている。ここにある、異形化された日常、というのは何でしょう。

そう、ホラーなのです。話が一気にトビますが、そうですね、こんなように電車が絡んだ、日常が異形化していくホラーとは何でしょうか。みなさん思い浮かべるのはそれぞれでしょうが・・・Clive Barkerの“The Midnight Meat Train”なんてのもありますが・・・しかし私の頭にすぐに浮かんだのはもっと俗っぽいところで、ネット発の都市伝説“きさらぎ駅”だったのです。寝過ごした電車で異界に迷い込んでしまうというのが大筋ですが、巨大掲示板を通じてリアルタイムで実況がされたり、その後の伝聞が行われているというのが、ネットならではといったところでしょうか。もちろん信じるか信じないかはあなた次第(by セキルバーグ)なのですが、日常につながる電車にまつわるエトセトラがこうして異形化された今作から、“きさらぎ駅”のイメージが浮かび上がってきたのが、私です。あとはPSソフト“ムーンライトシンドローム”の一篇“開扉”も遠くない(あの電光掲示板が乱れるシーンとか)。

なんか話が脱線しているような気がしなくもないですが、今のところの目標は、今作を山手線に乗りながら聴くというものです。面白そうじゃないですか。サイケデリックなパラレルワールドを垣間見れそうです。しかし私は日常的に山手線を利用するものではないので、なかなか実現は遠いかもしれません。しかも言い忘れたけど今作は約36分のワントラック、つまり一周60分超といわれる山手線に半周以上乗らないと今作を完聴することはできないということです。そんなに長々乗る用事もねえな、ってことで、パーフェクトな目標達成はできそうにないので、代わりに誰かお願いします。

東京為替にはどうしてもVaporWaveを標榜しているイメージがありますが、そんなこと特にうたってませんし(タグには使ってるけど)、実質的にはエクスペリメンタル系のレーベルだと思います。



C A S I N O ☆★☆★☆ M A S T E R – ☆★☆ ボーナススピン幸運 !!! [TKX-008]

 C A S I N O ☆★☆★☆ M A S T E R - ☆★☆ ボーナススピン幸運 !!! [TKX-008]

 – Tracklist –
 01. ☆★☆ ようこそ!
 02. ❤ ❤ S E X Y S L O T S ❤ ❤
 03. あなたが勝つ! ♤ ♧ ♡ ♢
 04. ♚ スロットの王 ♚
 05. あなたが勝つ!
 06. コインを収集
 07. CASINO — LOUNGE
 08. パチンコ パチンコ パチンコ パチンコ
 09. ★ ☆ ✮ ★ ☆ ✮ 強烈なギャンブルの楽しみ!
 10. 賭 賭 賭 賭 賭 賭 賭 賭
 11. 勝利 WIN! JACKPOT ♕♕♕
 12. !!!!PACHINKOOOO !!!!
 13. ➊ ➋ ➌ ➍ ➎ GOOD WIN! ➏ ➐ ➑ ➒ ➓
 14. ★W★I★N★N★E★R★
 15. ☯☯☯ ALWAYS WINNING ☯☯☯
 16. ROLL???
 17. 感謝の意再生するための
 18. ¥¥¥ ENTER CREDIT TO CONTINUE ¥¥¥



 - 15. ☯☯☯ ALWAYS WINNING ☯☯☯


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 Release Date : 2014.12.28
 Label : 東京為替

 Keywords : Concrete music, Japan, PACHINKO, SLOT, Sound Art.


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2014年秋ごろからリリースを開始している、東京基盤という触れ込みのレーベル、その名も東京為替(Tokyo Exchange)より。C A S I N O ☆★☆★☆ M A S T E Rの作品がリリースされています。ちなみにこのジャケットイメージ、CDを模しているようで、帯も見てとれますよね(ダウンロードすると帯なしの画像もついてくる!)。しかし“ボーナススピン幸運”はまだしも、“野生の冗談”てなんだろうなあ。

この意匠を見て、またレーベルからの他のリリースも見て、VaporWaveだと思われる方は多いでしょう。実際私もそうでした。でも違う! 違いますコレは! 何だこれは! と鼻息荒くなってしまった、というかズッコけてしまったというのが実際のところなのですが、あえてカテゴリに押し込むなら、Concrete musicやSound Artが適当かもしれません。実際ホール(店舗)で録音したものなのか、どこか(たとえばTV番組)から引っ張ってきたものなのか、詳細は分かりませんが、とにかくパチンコ/スロットからの引用の連打連打なのです。出だしからいきなり“マリンモード!”、“沖縄モード!”の声がお出迎えです(これはその後も何度も引用される)。スロットのボタンを押すカチカチという音や、ドラムの回転音、それが止まるときの小さな音、店内アナウンス、ガヤガヤ・ジャラジャラしたホール内の音、などなどが、わずか13分ほどの再生時間に、ひたすらに押し込められています。

音楽的な部分はほぼ皆無といってもよいでしょう(中盤のM-7~8あたりが最も音楽的)。ときたま音楽のようなもの(って言い方もひどいですが)が聴こえてきますが、これがホールに流れている音楽なのか、それとも敢えてどこかから引用してきているのかが分かりません。私がパチンコ/スロットに親しんでいれば、あるいは出所が分かるものもあるかもしれませんが、いかんせん片手の指で足りるくらいしかやったことがないので、とてもではありませんが、ピンとくるものではありません。

何が意図されているのかすら分からないミステリアスな作品ですが、当初はパチンコ/スロットの催眠的・眩惑的な部分が少なからず再現されているのかな、と思いました。もちろん今作は音のみで構成されていますから、パチンコ/スロットにとって非常に重要な視覚的要素は含まれていません。ですが音のみでもあの狂騒―店舗の自動ドアが開いた瞬間に聴こえてくる、あの音の洪水ときたら―を感じさせようとしているのが、この作品なのかなと思ったんです。その一面も確かにあります。もっと極端にウォール・オブ・ノイズにしてしまえば、パチンコゲイズ、スロットゲイズという新ジャンル―というか唯一無二の不滅の業績、つまり金字塔を打ち立てることもできたかもしれません。が、しかし、そうなってはいません。それに今作、意外に音の隙間が多いんですね。ホールって実際は絶え間なく音楽が流れていると思うんですが、今作では音楽がまったく聴こえない時間というのが結構あります。スロットの音しか聞こえない瞬間とかあったりして、非常にシュールで、狂騒とは切り離されたイメージがあります。

ではここで感じられるのが何なのかという話ですが、狂騒の中の孤独です。前述の通り私はパチンコ/スロットに縁がありませんもので、酒の席をたとえにしましょう。まあステレオタイプな表現ですが、ある程度の人間が集まった酒の席ってウルサいでしょう。大勢の人間が複数のグループに分かれて、それぞれに話をし、酒の勢いもあって声はでかく、リアクションもデカくなり、周りの声もデカいから、自分たちの声も自然とデカくなり。そんな中でグループからあぶれた人間! 黙々と酒を飲み、黙々と目前の料理をたいらげる、機械的作業に終始。狂騒の中の孤独。という図式がパチンコ/スロットに当てはまるか分かりませんが、たぶんちょっと違うでしょう(そう思うなら何で書いたんだろう・・・)。

ということで改めて考えると、光と音の洪水によって理性が麻痺したところに、リーチのワクワク感がアドレナリンを注ぎ込み、恍惚とした表情で機械的にパチンコ/スロットを打ち続ける、という図式、光景。そこにある、一種の空しさが今作には封じ込められているように思います。上に書いた、音楽が途切れる瞬間に、ハッと一瞬、目が覚めるような感覚に襲われるのです―理性がフワリと戻ってくるような。だから静寂の中でスロットをポチポチと打ち続けるようなトラック構成に、シュールさを感じたのでしょう。そしてまた熱病に侵されたように、理性は眠りにつくのです。

祭りの後の空しさ、とはまたちょっと違うんですが、ギャンブルの狂騒と空しさを、聴覚経由で(かなり直接的に)感じさせてくれる怪作です。同じスタイルで次があるとは思えませんが、もしあるなら、ぜひウォール・オブ・ノイズにしてほしいですね。パチンコゲイズ。