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カテゴリーアーカイブ: Diver Audio

Tmmrw – Space EP

 Diver Audio - Tmmrw - Space EP - cover

 – Tracklist –
 01. Clear
 02. Space
 03. Hope
 04. Vertical Complex


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 Release Page (※現在ページは削除されています※)

 Release Date : 2013.03.27
 Label : Diver Audio

 Keywords : Ambient, Electronic, Footwork, Juke.


 Related Links (all links are dead.) :
  ≫ Tmmrw on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp


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おそらくはアメリカのミュージシャン、Tmmrwによってひっそりと運営されるネットレーベル、Diver Audioより。自身の作品、“Space EP”がフリーでリリースされています。以前にEndless Plains Recordsからの“Vision EP”を紹介したこともありますが、あちらがAmbient作品だったのに対して、こちらはやや趣が異なっています。

少し前から、クラブミュージックに敏感な方々の間でJuke/Footworkという言葉が頻繁に使われ始めました。私自身はクラブミュージックには関心が薄いので、さほど気にせずにいたのですが、どうやらJuke/Footworkの勢いはクラブミュージック内にとどまらず、リスニング志向の音楽にもその手を伸ばし始めているようです。

Juke/Footworkが何なのかという話ですが、厳密にはこの二つは傾向の違いによって分けられるようですが、大枠では同じものと捉えて構わないと思います。シカゴから生まれたダンスミュージック、ないしはそのダンスミュージックにあわせて踊られるダンスそのものを指して、Footwork(Juke)と呼んでいるようです。まず高速のブレイクビーツというのがJuke/Footworkの大きな音楽的特徴。そして、あわせて踊られるダンスがどんなものかといえば、Footworkという言葉にまさに表されているのですが、足技を中心にしたハイスピードなもの。実際どんな様子かは、YouTubeなどで今は簡単に見られますが、こちらの動画が分かりやすいかもしれません。ある程度聴いたり見たりしてみると分かりますが、高速のブレイクビーツということで思い出されるであろう、Jungle/Drum’n’Bassとは、また異なっている。高速という部分では共通するけれど、Juke/Footworkの方が規則性が感じられず、より複雑なイメージがある。

ということでそのJuke/Footworkに刺激を受けたDJの方々が、日々切磋琢磨を続け、そのシーンを活性化させてきたわけですが、元来が高速で踊るための音楽ということで、やはり聴かせるための音楽ではなかったわけです。しかしながら、刺激を受けたトラックメイカーすべてが、本来の方向性でJuke/Footworkの地平を開拓していくかといえば、答えはノーなわけで。今や(むしろこれからかもしれませんが)Juke/Footworkは、他ジャンルとのクロスオーバー化が進んでいる(たとえばDubstepがそうであったように)。

そういった中で今回Tmmrwがドロップしたこの作品は、Ambient Jukeと呼ぶべきサウンドになっている(おそらくAmbient Jukeという呼称はすで存在している)。リズム面が強調されがちなJuke/Footworkだけれど、この作品ではどちらかといえばシンセの方が表に出ている。もちろんリズム面の在り方もJuke/Footworkのそれなんだけれど、それすらも飲み込んでいるAmbientな包容力が、今作の大きな特徴だ。リズムの鳴りにもDubstepのようなこもった感覚があって、それはディレイやリバーヴを効かせたシンセとあいまって、非常に幻想的なラッシュ感を放っている。

確かにメロディが立っているわけではないので、音楽的な快楽は少ないかもしれないけれど、この大きな包容力はやはりリスニング志向のJuke/Footworkを目指した結果だと思う。ハイスピードな小刻みのリズムと、クリスタルライクなシンセのレイヤーのドッキングは、水面を乱反射する光のような、透明感と同時にサイケデリックな幻覚性も感じさせる。面白い作品です。

ところでこのラッシュ感、聴いていて思い出したのが、やはりアメリカのミュージシャン、Ice Cream Socialのサウンドです。彼のサウンドも私は非常に好きだったのですが、acrxssと名義を改めて以降、ほとんど動きがありません。また素敵な作品を聴かせてほしいものです。



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