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The Mechanical Mass – Desintegration of Persistance [PICPACK184]

 The Mechanical Mass - Desintegration of Persistance [PICPACK184]

 – Tracklist –
 01. Follow the space renovation
 02. Illuminate
 03. Millennium
 04. Embraced
 05. The next door is 473
 06. Oblivion



 - 02. Illuminate


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 Release Page :
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  (※ifolderからのダウンロードについてはこちらを参照してください)

 Release Date : 2013.09.29
 Label : PICPACK

 Keywords : Electronic, Hardcore, IDM, Industrial, Metal.


 Related Links :
  ≫ The Mecanical Mass
  ≫ The Mechanical Mass on SoundCloud / on VK (VKontakte) /


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ウクライナのネットレーベル、PICPACKより。The Mechanical Massの作品がフリーでリリースされています。

ハードコアなギターリフをフィーチャーしたElectronic music。ソロ・プロジェクトのようで、リズムはマシーナリー(BreakbeatやGlitch含む)で、またシンセ/キーボードのような電子的な音色も、多く使われています。デス声が聴こえてきそうなHardcoreなサウンドでもありますが、聴いているとやはり異なると感じるのは、そのマシーナリーな部分からでしょうか。使われている豪快なギターにしても、実際に演奏したものなのか、サンプリング基盤によるものなのかは、ハッキリしません(‘Embraced’では、Alternative~Metalな、ドラマチックなフレーズが聴けます)。

タイトルの“Desintegration of Persistance”は、“持続性の自壊”とも訳せるのかもしれませんが、その言葉から立ち上るイメージを裏切らない音像です。ストレートに突き抜ける部分もあれば、編集感覚が顕著な、分断された音も目立ちますし、ひとつの場所からまた違う場所へと、目まぐるしく場面が転換するイメージです。また、唐突なピアノやシンセ/キーボードのような、即興的な鍵盤の音色が繰り出されてくる部分からは、やはりミニマルな印象は希薄。つまり、持続性は意図的に破壊されています。

そういった即興的な部分や、多段的な構成からは、Avant-garde/Progressiveな要素を強く感じますし、ギターを用いたHardcoreなElectronic musicに、そういった要素を重ね、なおかつリスナーを置き去りにしない(音楽的な気持ち良さが残されている)辺りに、このThe Mechanical Massの個性を感じます。中ほどと終わりに、Ambient(Darkな調子ですが)なトラックを配置していて、作品トータルでのバランス、聴き心地にも配慮がされているようで、その点でもPop志向の持ち主であることをうかがわせます。

特にお気に入りは、M-2とM-4です。M-2は冒頭のギター旋風とドラム連打の幕開けもカタルシスですが、そのあとのリズムの大胆な音色変化も聴きどころ(急にマシーナリーな音になったりします)。さらにはそこ重なるメタリックなギターもクールだし、中途から入る電子音ですかね、どこか煌びやかな音色がまた印象的で、タイトルの‘Illuminate’につながる明るさ、眩しさをもったAmbienceが広がって、ちょっぴり抒情的な気持ちにさせられます。M-4はバックの空間的広がりの中で、かなりストレートにギターが展開。終盤まではリフが目立つんですが、ラストでほんのちょっとだけ顔を出すメロディックなギターフレーズが意外性をもっていて、耳が惹きつけられますね。そのまま雪崩れこむM-5がまたカオティックで、ProgressiveでHardcoreなサウンドから、最後はLo bitな音色も交えたBreakbeat/IDMに突っ込んでいくというキレっぷり。

マシーナリーなリズムと豪快なギターという組み合わせは、私の好きな往年のIndustrial(Rock)にも通じますし、偏執的に目まぐるしく変わるトラックの流れも緊張感(そして仄かなサイケデリア)があって良いです。


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