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カテゴリーアーカイブ: DiscontinuRECORDS

Various Artists – Discontinurecords 06​/​13 [DISO15]

 Various Artists - Discontinurecords 06​/​13[DISO15]

 – Tracklist –
 01. Pauk – Nanatsu
 02. Xtrngr fet. Miss Q – The day before
 03. Motorheidi – Budell
 04. D-Fried – Trained_responses
 05. Defled – Whatever
 06. Sk’p – Techmics Two
 07. AZ-Rotator – Wegavox
 08. Playmodes – Arcs
 09. Nev.Era – Gélido despertar
 10. Morbia – The hunter of caresses
 11. 5alad – Nuclear (cold war mix)



 - 02. Xtrngr fet. Miss Q – The day before


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 Release Date : 2013.03.10
 Label : Discontinu records

 Keywords : Compilation, Electronica, Glitch, IDM, Melodic.


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スペインのレーベル、Discontinu recordsより。これまでにもいくどかリリースされてきた、レーベル所属ミュージシャン&新規ミュージシャンが参加したコンピレーション。その新作がフリーでリリースされています。名前をながめてみると、Pauk、Xtrngr、Sk’p、AZ-Rotator、Nev.Era、5alad(monoceros)といった、レーベル内外で私も聴いたことのあるミュージシャンが、連なっています。

Ambientな空間とゆるやかに流れるシンセのメロディ、徐々に加速するGlitchyなリズム、それからサンプリングされた日本語の音声があわさって、サイバーなイメージを放つIDM/Drum’n’Bass、‘Nanatsu’。個人的ハイライトのひとつであり、作中でも異色のヴォーカルものである‘The day before’はユニークだ。Glitchyに振動するリズムと、ダビーにゆがむ音空間の中を浮遊するMiss Qのヴォーカルは、天上からの声のように美しくふりそそぎ、それでいながらエモーショナルだ。確実にリスナーの耳に痕跡を残すだろう。続く‘Budell’はその流れを引き継いだような、Bass music/Dubstepの流れにあるダビーな空間とリズムが印象的。そこに悲壮感のあるピアノの響き、ディレイするヴォーカルが結びつき、Ambientなトラックになっている。

Sk’pによる、2step/Dubstepのエッセンスを90年代のクラシカルなIDMに落とし込んだような、‘Techmics Two’もよいです。細かく弾む丸いリズムと、浮遊するシンセのラインが奏でるメロディ。透明で、ノスタルジックなフィーリング。途中から加速する展開も意表を突く。AZ-Rotatorにしても意外にアナログタッチの音で攻めてきた。リズムはミニマルでありながら、白濁したミスティックな音作りと、ドリーミィ、トランシーなシンセの音色には、IDM/ChillWaveのにおいを感じる。Morbiaによる‘The hunter of caresses’もなかなか面白い。メロディという部分では弱い。Industrial/Dark Ambientと形容できる、アブストラクトなサウンドだけれど、音作り、エフェクトがユニークだ、。サウンドの底で鳴動するリズム、望郷感のあるAmbientなレイヤーだったり、Glitchとは別に、何かが軋むような音(クジラの鳴き声のような、あるいは鳥獣のそれのような)を随所にさしはさんできたりと、特異なサウンドスケープを作り出している。

5aladことJoan Maléは久しぶりに名前をみた気がします。2000年代中ごろから終盤にかけては自身の運営するImaginary Nonexistent Recordsから、5aladの他にもmonoceros名義で、すぐれた作品をいくつもリリースしていました。レーベル自体は最近クローズしてしまったようですが、こうしてコンピレーションへの楽曲提供が行われているということは、音楽制作自体は継続しているんでしょうか。また活発な動きをみせてほしいものです。そんな彼の過去の作品が気になる方は、今はLast.fm上のレーベルページから入手するのがよいかもしれません。

今作は総じてみると、Bass musicやDubstepなどのクラブミュージックの影響も垣間見れますが、根元にあるのはIDM/Electronicaの流れかと感じます。これがこのレーベルのカラーだと私は認識してますので、その源流を見失うことなく、すぐれたミュージシャンの作品を提供し続けてほしいですね。あとコンピレーションのジャケットに毎回登場する、この防護服はどういった意味合いなのだろう。気になります。今回のデザインが一番好き。


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